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ラモウんの「プログレ放浪聴(ほうろうき) 100選」 その26

2015年08月06日 04時39分00秒 | 僕の私のプログレ放浪聴(ほうろうき)
Carlos Santana & Mahavishnu John Mclaughlin「Love Devotion Surrender」(1973)
by Mr.Rapport

 ロックの世界において、自分にとっての「夢の対決」「夢の競演」と呼ばれるものが、過去、いくつかあった。
 DCとジミー・ペイジの「カヴァーディル・ペイジ」などがそう。
 ジェフ・ベックとスタンリー・クラークなどもそう。

 幸いなことに、どちらもタイムリーで来日。ライブを存分に楽しむことができたが、このアルバムのこの二人のギタリスト、すなわちカルロス・サンタナとジョン・マクラフリンに関しては、残念ながら、夢の対決・夢の競演を目の当たりにすることができなかった。

 まずバックのメンツがすごい。サンタナが率いるのはダグ・ローチ、マイケル・シュリーブら。これに対し、マクラフリンが率いるのはヤン・ハマー、ビリー・コブハムらマハヴィシュヌ・オーケストラのメンバー。

 こうした家臣団を従え、両雄が壮絶なギターバトルを繰り広げるという算段になっている。まさにロック界の川中島の合戦である。

 ただ、畑が違う二人だけに「対決」「競演」になるのかなという一抹の不安もあったのも確か。でも、実際に聴いてみるとなかなかどうして。基本はジャズ・ヒュージョン・ロックなのだが、スリリングな展開がたまらなくいい。

 お互いがお互いのホームとアウェイを行ったり来たり。マハヴィシュヌ・オーケストラのホームにサンタナが乗り込み、存分にギターを弾きまくったかと思えば、今度はサンタナのホームにマクラフリンが乗り込み、存分にギターを弾きまくる……という感じなのである。

 それでいて、違和感がない。実に自然体にお互いがお互いの世界に溶け込んでいき、斬新な音を紡ぎだそうとする。
 そう、この斬新な音を紡ぎだそうとする姿勢がプログレたる所以なのだ。

 ボクがこのLPを初めて聴いたのは20代前半のころ。正直、当時はHR一辺唐セったため、このアルバムの良さがそれほどわからなかった。

 しかし、50代半ばを過ぎた今、こうしてアルバムを聴き返すと、ツェッペリンやパープルやサバスにはないHRとしての凄まじさを感じ取ることができ、20代のころとは違った意味で脳が刺激される。
 いや、脳の新たな部分が刺激を受け、覚醒した……といったほうが正解だろうか。

 ともかく「プログレ放浪聴 100選」にランクインして当然の名盤であることは断言しておきたい。


https://www.youtube.com/watch?v=iB25LcL2pRA
コメント (4)
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