ベン・ステイラーが演じるホワイトは、凄い努力家で事業も大成功している。
彼の経営するジムはたくさんの会員を抱え、飛ぶ鳥も落とす勢いなのだ。
彼が努力しているというのは、こういうシーンからも判る。
しかし、これはダメだ。 股間をエアーで膨らませて上げ底する行為。
そんな紛い物じゃ、ダメに決まってる。
女は、あそこの大きさで男の値打ちを決めたりしない・・・かもしれない。
こんな風に露骨に欲望ギラギラで迫られてもねぇ。引いてしまう。 仕事とお付き合いをバーターにかけて迫るのも卑怯だ。どうしても欲しい仕事だったら、寝る女もいるかもしれないけれど、やはり、セックスは愛が基本だと思う。
銀行から派遣された弁護士のケイトが、 迷惑そうな顔をして、やんわりとお断りしているのに気付かないのも鈍感で厭だ。
あまつさえ迷惑なのに、懲りずに家まで押しかけて来て、 「銀行は首にしてあげた」と言ってのける。
理由は、君と付き合いたいから!!!
いいかげんにしてっ。 仮に、あそこの大きさが嘘でなかったとしても、こういう男とは寝たくない。
このように、この作品では、努力家で成功者の彼は、徹底的に蔑まれ、厭味な男に描かれている。どうして、ここまで努力家を嫌うのか、不思議なくらいだ。
一方、主人公ピーターを演じるのは、彼。 彼の経営しているジムは施設は古いが、ピーターの人柄のおかげでアットホームな雰囲気のジムになっている。経営が苦しいのは、彼に商売っ気がないからだ。なにしろ、ケイトがちょっと帳簿を見ただけで、13ヶ月も会費を徴収していないことが判ったくらいなのだ。もっとも、3年間も帳簿や領収書を整理したことがないというから、ホワイトに言われなくても、ピーターは経営者としては失格で、人生の敗残者に近い。半年も借金の返済が滞ったために、ケイトが銀行から派遣されたのだ。買収ではなく抵当権の実行だから、事態は深刻だ。順風満帆のホワイトと比較すれば、明らかにピーターはダメ男だ。 それでも、ケイトのピーターに向ける眼差しは温かく好意的だ。ケイトの心の中に、「あんな厭な男に乗っ取られるなんて可愛そう」という母性本能が芽生えてしまったのに違いない。
「ダメ男を愛してしまうという心理」は、何となく判るような気がする。
それが判るようでは、わたしも結婚できない?
島田律子さんのカウンセリングも必要かもしれない?
ふふふ。
頼まれもしないのに、ピーターのジムに通い、帳簿を整理するケイト。その作業を行う中で、ケイトには、「わたしが経理をきちんとすれば、このジムは何とかなる」という算段がついたに違いない。そうでなければ、ピーターに肩入れしなかったのではないか。
実は、彼女は、「この男はダメ男に見えるが、そうではない」という秘められたポティンシャルをちゃんと見抜いていたのだ。
勝ち目がなかったら、ホワイトに身を任せていたかも・・・。
それは、当たり前でもある。なにしろ女は一生を身体も心もその男に捧げるのだ。その男がダメになったら、自分も一緒にダメになってしまうのだから、その選択眼が厳しいものになってしまうのも当然なのである。
かくて、ケイトもドッジボール大会に出場して、ホワイトのチームと優勝を争うことになる。 この監督。 かつてのドッジボール界のスーパースター。半身不随になった彼が、素人の彼らを徹底的に鍛える。このへんの設定は、いかにもというくらい定番中の定番の作り方。
黄門様の印籠と同じで、判っているのだが、これがないと始らない。
レンチを投げたり、無茶苦茶な特訓をする彼のキャラクターは笑えた。
ターニングポイントは、ケイトがホワイトから受けた反則。 これで、ケイトはピーターに「ホワイトをぶちのめしてっ」と叫ぶ。
このシーンを境に、ケイトの心はピーターの心と一心同体となった。そして、期待通りに彼がホワイトをぶちのめした瞬間、ケイトはピーターと一緒に生きていくことを決心したはずだ。 ケイトには、ピーターが勝つという確信があったのだと思う。したたかな計算と動物的な勘で、彼女は幸せをたぐり寄せたのだ。
最後に、全てを失ったホワイトがダイエットへの意欲も失い、欲望にまかせて貪り食い、元のおデブちゃんに戻ってしまった姿を見ると、少しかわいそうになった。 笑いあり、涙あり、よくできた作品と言えるだろう。
ハートは、2つ半ということで・・・。
公式ホームページ
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保ち続けている。やはり、頭がいいのでしょう。
リアリティ・バイツを大学生のころみて、
とても感動したのを覚えてます。
あの監督はスティラーだった・・・
主役のピーター(ヴィンス・ヴォーン)・・・この方は、ジュラシック・パークなどでお目にかかったことがありますが、いい味出してると思います。
どちらかと言えば、やはりステイラーの映画っていう感じかな。
ステイラーがそんなに息の長い俳優さんだったとは知りませんでした。
東さんは、さすがにお詳しいですね。
わたしは、最近、それも自分が観た映画か、入手したDVDしか知識がありませんから、とても浅いのです。また、教えてください。
この作品を見ると、「社会的な勝者が、私生活でも勝者であるとは限らない」と言う部分を、楽しく認識する事ができますよね(笑)
東・国連事務総長さんが書かれている「リアリティ・バイツ」はスティーヴ・ザーン目当てに見たのですが、ベンはコメディだけの人じゃなかったんだと、思わず見る目が変わっちゃいました。
楽しい作品ですよね~♪
あの空気で膨らますシーンは私も大いにツッコみました!
ホワイト氏演ずるベン・ステイラーはやっぱりコメディ向き
な俳優さんなんだなぁ~とシミジミ感じました。
(シリアスな演技よりこちらの方が数倍も輝き
存在誇示に成功していると思われますね)
いやはや、暫く時間を置いて また見直して
笑飛ばしたいっ 作品です~( ̄ー ̄)ニヤリ
こちらからもTRBさせていただきました♪
ホントに嫌っているように見えて楽しかったです。
ベンの映画でオススメは『ズーランダー』ですね。
これは私のブログで記事にしていますが、
ぜひ観ていただきたい作品です。
では、またお邪魔しまーす。
かなり若いんですね、、、。
ベン・スティラーの REALITY BITES
は、今30代前半くらいの人たちの
間では、同時代的映画のひとつでした。
けっこう、せつなくて、いたい感情を
笑いに変えた名作映画なんですよ!
コメントとTBありがとうございました。
ベン・ティスラーのなんていうか、ハルクホーガンぽいキャラ笑いました。
股間が膨らんだ場面、めっさ笑いました。
ベン・ティスラー夫妻がなかなか良かったかなて思います。
これからも、よろしくお願いします!
そもそもベン・スティラーじゃなきゃ許されない役作りだったし・・・
個人的にはデビッド・ハッセルホフにかなり笑わせて頂きました。
特に掛け声に大爆笑でした。
では、今後も宜しくお願いします。
あああ、観たいDVDと入手したまま放置されているDVDがどんどん増えて行く。
時間が足りませぬ。
先日は、『ドッジボール』鑑賞プチ・メモ(^^)へのTBを頂きありがとうございます、
現在僕の大贔屓コメディアン/俳優の一人がベン・スティラー、
僕は『メリーに首ったけ』という映画で初めてベンを体験しました、
ここでのテッド・ストローマンという不運に苛まれてばかりのキャラクターに扮するベン・スティラーには、その、何と言うか…ちんけなルックも相俟って、映画の序盤ほど迄では然程魅力も感じなかったのですが、しかし、劇中いつの間にか僕を引き込んでいました、
ベンって底力のあるコメディアンだな…、と思えましたね(^^)
ベンが映画で演じて来たキャラクターを大雑把に言えば、僕に取っては『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』などで印象深いシリアス目なキャラクターと、『ズーランダー』や『ドッジボール』を僕としては最良の成果に置きたい大馬鹿なキャラクターに分かれるように思えています、
思い起こせば、僕が最初にベンを知った件の『メリー…』などは、シリアスさと大馬鹿さが相俟つ中々愛すべきキャラクターだったように今思えて来ています、
minaさんの『ドッジボール』評は、ヴィンス・ヴォーン扮するピーターを中心とする負け犬たちが這い上がって行く映画であると同時に、ベン扮するホワイト・グッドマンの映画なのだという捉え方で書かれているように僕には思え感銘を受けました、
このぐったりするほど僕を笑わせてくれた『ドッジボール』について、拙ブログでもきちんと形にしてみたく思えて来ました!
―また、僕のブログにも遊びにいらしてください、
今後もminaさんのエントリーを楽しみにしておりまーす!