minaの官能世界

今までのことは、なかったことにして。これから考えていきます。

電話で・・・・・・

2006年02月15日 | ショート・ストーリー
わたしが、まだ高校3年生の頃だった。
わたしに彼がいるのを知っていながら、
わたしに「好きだから、付き合ってくれ」と告ってきた同級生の男の子がいた。
仮に、彼の名前をK君としておこう。
K君は生徒副会長を務めるほど学友や先生方の信頼が厚く、スポーツ万能、学校の成績も抜群だった。わたしたちの通っていた高校は、地元では有名な進学校だったが、K君は期末テストとか全国模試では、いつも学年で10番くらいにいた。
それに引き換え、わたしの彼ときたら、絵は抜群にうまかったものの、芸大に行くつもりだったから、勉強なんかしたことがなく、学校の成績は、いつも落第すれすれだった。
それでも、要領がよいのか、落第することなく、無事に高校は卒業した。
でも、芸大は合格しなかった。

K君がわたしに声をかけてきたのは、丁度、その頃だった。
わたしの気持ちは、正直、揺れ動いた。
彼には毎日のように抱かれていたけれど、芸大を落ちてからの彼は全てが投げやりで、絵に対する情熱も失ってしまったかのようだった。
わたしには、そんな彼が痛ましくもあり、また、幻滅もしていた。
どうして、もっと一生懸命、絵を描かないのかと思った。
わたしを愛しているなら、早く一人前になってほしい。中央で認められ、絵で食べていけるようになるのは、苦難の道だと判ってはいたけれど、当時のわたしは、その大変さが実感として理解できていなかった。だから、彼なら、それができるはずと盲目的に信じていただけでなく、その努力を怠っているのは、わたしに対する愛情が冷えてきたからだと思っていたのだ。
実際は、そんなことはなく、むしろ、彼は、わたしに溺れていた。
わたしに甘えて、辛い絵の修行から逃避していたのだ。

わたしは、彼に絵を描いてもらいたくて、彼の要求することは何でもした。
かえって、それがいけなかったのかもしれない。
彼は、ますます、わたしに溺れ、わたしとセックス漬けの毎日を送るようになった。
彼は、一時でも、わたしが彼から離れるのを嫌がるようになった。
わたしが学校に行くことさえ、露骨に嫌がるようになった。
裕福な家庭に育った彼は、受験勉強に集中するためと称して、高校3年になると同時に、彼の両親にねだってマンションの1室を借り受けて貰い、1人で生活を始めたのだ。それは、勿論、勉強のためなどではなく、気兼ねなく、わたしとセックスをするためだった。わたしは彼に請われるまま、その部屋に寝泊りした。
その頃には、わたしの母親も、わたしのことを諦めていて、そのような彼との半同棲状態に対して、何も言わなくなっていた。
彼の両親は、わたしたちの関係に気付き、わたしと彼を呼びつけ、どうするつもりかと詰問した。
その時の彼は、・・・、そうね、その時の彼の返答だけは、わたし、うれしかった。
彼は、はっきりと言ったもの。
「minaさんと、結婚したい」
わたし、思わず、泣いてしまった。
彼の両親は、本音はどうだったにせよ、彼のその言葉で、わたしを彼の婚約者と認めてくれた。それから1週間後には、わたしの母親のところに、婚約の証として、訪ねてきてくれた。その場で、わたしは、彼から婚約指輪を指に嵌めてもらった。
ああ、あの頃が、一番、幸せだった。
なのに、わたしは、K君の出現に心が揺れてしまった。

わたしは彼にK君のことを話した。
K君がわたしに交際を申し込んだことを知った彼は、ちょっと驚いたような困ったような表情をみせた。
そして、minaはどうなんだ、とわたしに訊いた。
バカね、こうやって、貴方に抱かれているのに、K君と付き合うはずがないじゃない。それとも、K君と付き合って欲しいの?
わたしは、ベッドの中で彼にそう答えた。
ああ、判った。信じているよ・・・愛してる。
彼はそう言って、わたしにキスをした。

それから、数日後。
彼がわたしの家に遊びに来ていた時のことだ。
彼とリビングでコーヒーを飲んでいると、突然、電話が鳴った。
誰かしら。
わたしは、電話に出た。
その日は、確か日曜日だったが、わたしの母親は、めずらしく仕事で休日出勤していて、わたしの家には彼とわたししかいなかったのだ。
「あっ、minaさん? Kです」
「びっくりした。誰かと思った。どうしたの? 何か用?」
「いや、今日、もし予定がないのなら、街に出てこないかなって思ってさ」
わたしの会話内容から、電話の主がK君と判って、彼が近づいてきた。
わたしは、だめよって彼に目配せした。
わたしは電話機のすぐ横のソファに座っていたのだけれど、彼は、わたしの足元に屈みこんで、わたしとK君との会話の内容を伺っている。
「ダメなの。わたし、用事があるし、Kさんとはデートできないわ」
わたしは、彼が聞き耳を立てているから、はっきりとK君に拒絶した。
そうしないと、彼に悪いし、第一、彼に電話を奪われて、K君に変なことを言われたら、目も当てられないじゃない?
彼は、わたしの返答に満足したのか、立ち上がって、自分が座っていたソファに戻ろうとした。
が、思い直して、再び、わたしの前に屈みこんだ。
そして、わたしが電話中で何も出来ないのをいいことに、わたしのスカートを捲り上げると、パンストを引き降ろしにかかった。
ち、ちょっと、何をする気?
わたしは声を出さずに、彼に抗議した。
しかし、彼は、ニヤリと笑って、無防備となったわたしの下半身に割り込んできた。
わたしの両脚はソファの肘掛に掛けられ、思いっきりM字型に開かされてしまった。
彼は、ズボンや下着を脱ぎ捨て、下半身を裸になると、有無を言わさず、わたしの中に侵入してきた。
いや、よしてよ。K君に知られたらどうするの。
わたしは、抵抗しようとしたけれど、・・・いや、本当のことを言うと、抵抗なんてしなかった。
K君と電話で話しながら、彼とセックスする。
想像しただけで、怪しげな気持ちになってしまい、恥ずかしいけれど、どうしようもないくらい濡れてしまった。
その気持ちは、彼にも簡単に悟られてしまった。
それは、そうよね。
乾いていたものが、みるみるうちに洪水のようになってしまったのだから。
彼は、わたしの反応に満足したのか、勝ち誇ったようにピストン運動を開始した。
「ああぅ」
わたしは押し寄せる快感に、K君と通話中なのにもかかわらず、思わず、喘ぎ声をあげてしまった。
ああ、K君に知られてしまう。
やめて。
でも、やめないで、気持ちいい。
頭の中がぐちゃぐちゃになった。
その時のK君との会話は、何を話したのか、よく覚えていない。
わたしは平静を装いながら、K君と電話で話を続け、一方では、自ら腰をグラインドさせるほど彼とのセックスに燃え上がってしまった。
K君は、わたしが彼とセックスしながら通話しているなんて、思いもしなかっただろう。
この異常な経験が、わたしのセックス観を大きく変えてしまったのは、動かしようのない事実である。

・・・ああ、聞いて。わたしって、淫乱な女なの。同級生のあなたと電話で話しながら、彼に組み伏せられてセックスをするような女なの。ほら、ぐちゅぐちゅってわたしのあそこに彼のものが出入りする音が聞こえるでしょう? ねえ、わたしって、そんな女なのよ・・・

わたしは、他愛のない世間話をしながら、心の中でK君にそう叫んでいた。
やがて彼は、わたしの中に大量のザーメンを放出した。
わたしも彼がイクと同時に、深いオルガスムスに達していた。
大きく開ききった両脚の真ん中で、わたし自身が、別の生き物のようにびくびくと痙攣し、涎を垂らしながら彼のものを貪り食っていた。

この事件を契機として、わたしは、彼のことを「愛人」として認識するようになった。
彼とは婚約しているけれども、それ以上に、わたしと彼との絆を強いものにしていたのは、紛れもなく彼との毎日のセックスだった。お互い若かったし、この頃の男の子って、性欲が人生の中でピークの時期だと思うのだ。それは、女にも言える。
わたしは臆面もなく、「男と女っていいよね、何もなくても、セックスするだけで、十分、楽しめるし、遊べる」などと彼に話していた。
単にセックスするだけの友達のことを指して「セフレ」と呼ぶらしいが、そのセフレに愛情が加わると「愛人」になる。わたしは、大真面目に、そう考えていた。

愛人と呼ばれた彼は、複雑な表情をしていた。
「愛人か。なんだかね」

彼は、やがて決断をした。
当初は、芸大を目指して浪人をすると言っていたのに、突然、滑り止めで受験した地元の大学に通うことにしたのだ。
これは、後から彼に聞いた話なのだが、高校の進路指導の先生から彼の両親は随分とひどいことを言われたらしい。
彼が受験した滑り止めの地元大学を第1志望にしている生徒もたくさんいたのに、彼は勉強もせず、そこに合格してしまった。その点が、ちょっと許せないというのだ。
でも、それは、お門違いというもの。
勉強していなくても、試験がよくできていれば、いいじゃない?
別に、ズルしたわけでもなく、そして、彼が浪人をやめた理由が、今、考えると、やや不健全なものであったとしても、そんなことは関係ないと思う。
彼は、自分の意思で入学することを決めたのだ。彼の自由にさせてやって欲しい。
わたしは、心底、そう思った。
もっとも進路指導の先生の言いたかったことは、彼がその大学に行くことを辞めたら、補欠で入学できる生徒の道が開けるのだから、その道をその生徒に譲って欲しいということだったのかも知れない。あるいは、彼に対して自分の将来の夢をそんなに簡単に諦めてよいのかという忠告のつもりだったのかも知れなかった。
え?
不健全な理由?
それは、わたしと離れるのが厭だという理由。
わたし、高校3年生だったし、もし、彼が1浪して、絵の勉強をするのなら、東京の有名な先生のもとで、住込みで修行する予定だったらしい。
そうなると、わたしと離れ離れになる。
それが、若い彼には耐えられなかったのだ。
彼らしいと言えば、彼らしい考え方だ。
わたしも、彼がそのように決断してくれて、うれしかった。
だって、彼に開発されてしまったこの身体は、もはや彼のセックスなしでは、1週間も我慢できなくなっていたからだ。わたしも彼の体を強く求めていた。



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