何年前のことだったろうか。
夏休みに時間を持て余して、本屋に立ち寄り、ふと手にした1冊の分厚い文庫本。
わたしは、あまり長い話は好きではない。
長編は読まないのである。
読むとしたら、大抵は短編集。
まさか、本気?
そんな分厚い本、読み通せるわけがないじゃないの。
それとも、そんな本を読んでしまうほど、時間を持て余しているというの。
わたしは、自問自答した。
彼と別れたばかりだったわたしは、夏休みの間、ずっと予定が空いていたのだ。
なかば自虐的な気持ちになっていたわたしは、その本を掴むと、レジに突進していた。
不思議なストーリーだった。
魑魅魍魎の類が出てくるのかと思えば、そうではなく、かと言って、重厚な推理小説でもない。
しかし、曖昧模糊とした記憶が語られ、ひとつの物語を形成していく。
そうなのだ。
この作品は、語り部である関口巽の記憶を遡り、過去の忌まわしい呪縛を「付き物落し」という舞台装置を使って解き放つ、新しいタイプのミステリなのだ。
冒頭から、くどいほど、主人公である京極堂は、超現実的な事象や心霊的な事柄を否定する。ここがポイントなのだ。非科学的であったり、理不尽なことを無理矢理、押し通したりしたら、推理小説にならないから。
「この世には不思議なことなどは何もないのだよ」
そして、最新の量子力学の理論を説き、うつ病からやっと立ち直ったばかりの関口君を、いや、読者を煙に巻く。
かわいそうな関口君。
最後までよく読んでみれば、みんな君が悪いんじゃないか。
だから、精神が病んでいたんだね。
一体、君が抱き、そして、妊娠させたのは誰だったんだい。
涼子だったのか、梗子だったのか。
まさに都市伝説。現代の呪い。
君の病んだ精神では、真実は見えてこない。
考えてみれば、この作品は、随分とズルい展開と構成だ。
合理的かつ現実的な主張を繰り返しながらも、主人公の京極堂は安部晴明の血が流れている陰陽師であるという伏線が、いやでも読者を怪奇な世界へ誘い、ひょっとしたらそんな理不尽なこともありえるのかもというふうに思わせてしまう。
これが、この小説の凄いところだ。
作者の京極夏彦の筆力、恐るべし。これを力技と言わないのなら、なんと言えばよいのか。
「見えなかった死体」に、読んだ直後は、呆然としてしまった。
反則技スレスレ。
しかし、映画ならば、どうなるのか。
こんな心理トリックは、映像では、再現不可能である。
あの夏から7年。
このシーンについては、期待込めて観た。
うーん。
評価は難しい。
かなり原作に忠実に撮られた作品だと思うだけに、イメージがわたしの描いていたものと違うのが悔しい。
もっとどろどろとした妖気漂う部屋。
もっと陰惨でじめっとした入った瞬間、血も凍るようなそんな部屋に、死体と妊婦はいなければならなかった。
そうでなければ、死体が死蝋化するはずない。
それと、姑獲鳥の説明がくどかったかな。
病院が焼け落ちた後の回想部分も・・・。
期待が大きかっただけに、ちょっと辛目のコメントになった。
一緒に観た映画大好きのわたしの甥っ子も、ちょっとね・・・って言ってた。
ということで、ハートはひとつ。
プチッと押してね、お願い →
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夏休みに時間を持て余して、本屋に立ち寄り、ふと手にした1冊の分厚い文庫本。
わたしは、あまり長い話は好きではない。
長編は読まないのである。
読むとしたら、大抵は短編集。
まさか、本気?
そんな分厚い本、読み通せるわけがないじゃないの。
それとも、そんな本を読んでしまうほど、時間を持て余しているというの。
わたしは、自問自答した。
彼と別れたばかりだったわたしは、夏休みの間、ずっと予定が空いていたのだ。
なかば自虐的な気持ちになっていたわたしは、その本を掴むと、レジに突進していた。
不思議なストーリーだった。
魑魅魍魎の類が出てくるのかと思えば、そうではなく、かと言って、重厚な推理小説でもない。
しかし、曖昧模糊とした記憶が語られ、ひとつの物語を形成していく。
そうなのだ。
この作品は、語り部である関口巽の記憶を遡り、過去の忌まわしい呪縛を「付き物落し」という舞台装置を使って解き放つ、新しいタイプのミステリなのだ。
冒頭から、くどいほど、主人公である京極堂は、超現実的な事象や心霊的な事柄を否定する。ここがポイントなのだ。非科学的であったり、理不尽なことを無理矢理、押し通したりしたら、推理小説にならないから。
「この世には不思議なことなどは何もないのだよ」
そして、最新の量子力学の理論を説き、うつ病からやっと立ち直ったばかりの関口君を、いや、読者を煙に巻く。
かわいそうな関口君。
最後までよく読んでみれば、みんな君が悪いんじゃないか。
だから、精神が病んでいたんだね。
一体、君が抱き、そして、妊娠させたのは誰だったんだい。
涼子だったのか、梗子だったのか。
まさに都市伝説。現代の呪い。
君の病んだ精神では、真実は見えてこない。
考えてみれば、この作品は、随分とズルい展開と構成だ。
合理的かつ現実的な主張を繰り返しながらも、主人公の京極堂は安部晴明の血が流れている陰陽師であるという伏線が、いやでも読者を怪奇な世界へ誘い、ひょっとしたらそんな理不尽なこともありえるのかもというふうに思わせてしまう。
これが、この小説の凄いところだ。
作者の京極夏彦の筆力、恐るべし。これを力技と言わないのなら、なんと言えばよいのか。
「見えなかった死体」に、読んだ直後は、呆然としてしまった。
反則技スレスレ。
しかし、映画ならば、どうなるのか。
こんな心理トリックは、映像では、再現不可能である。
あの夏から7年。
このシーンについては、期待込めて観た。
うーん。
評価は難しい。
かなり原作に忠実に撮られた作品だと思うだけに、イメージがわたしの描いていたものと違うのが悔しい。
もっとどろどろとした妖気漂う部屋。
もっと陰惨でじめっとした入った瞬間、血も凍るようなそんな部屋に、死体と妊婦はいなければならなかった。
そうでなければ、死体が死蝋化するはずない。
それと、姑獲鳥の説明がくどかったかな。
病院が焼け落ちた後の回想部分も・・・。
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してもらうほど、たいしたこと書いてないのにビックリしました。不思議すぎて京極堂に相談しに行きそうになりました。
どうも~。
京極堂の猫が居ただけでもいいかなっと。
すごいブームだったなあ。。。
まわりの人が「京極作品はすごい」とか
いってたなあ。。。
しかし、読んだことないのです。。。
僕は、日本人作家の小説をあまり読んでなかった。
フランス人とか、ヨーロッパ系の人の人生観の
なかに、人生の混迷の解決を見出せたので、
日本の作家の、ある種いりくんだ世界を
さけていましたね。。。いまでも、実は
日本の作家のを読んでないですが、
日本の小説では平野啓一郎の「日蝕」が傑作でした。
そうそう、まあ、ひまでもあったら、
僕の小説でもよんでくださいな。
↓
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実は、京極堂シリーズは「夏」しか読んでません。
スミマセヌ m(_ _)m
「巷説」とか「どすこい(まる)」は読んだんですが・・・
これから「匣」を読もうかと思ってます。(^_^)/~
わたしも長編小説は避けるほうなので、
京極堂シリーズというより、京極夏彦の作品は、これしか読んでおりませぬ。
スミマセン・・・ううう。
小説を読むのも必要と思いますので、わたくしめも、何か長編小説の読破に挑戦してみようと思っています。
なんだか挫折しそう・・・。
京極センセのシリーズは別です!
何度も繰り返し読んじゃうほどハマりました。
なのでこの映画は…楽しむのが難しかった。
原作を知らない作品のほうが気楽に楽しめていいっすね(笑)
『一体、君が抱き、そして、妊娠させたのは誰だったんだい。
涼子だったのか、梗子だったのか。』
あれは・・・。
そうだったのですね・・・。
原作読んでいたのに・・・さっぱりわからなかったです。
多分、そうだと思うのです。
文庫本版547ページ
「そんなーーーそんなーーーそれじゃあ」
私の陵辱した少女は涼子だったのだ。
という関口君の独白。
このへんも、映画では再現不能でしょうね。
まあ、人それぞれ解釈は違うと思いますから。
謎が解決しました★
私のブログに来てくださり
本当に感謝して居ります★
本当にありがとうございます★
TBもありがとうございます★
私もTBさせて下さいね★
この映画ねぇ、、、おもしろくなかったから、、、
TBするのどうしようか、迷っているの。
でも、だいたい不評みたいですね。
ホント、力業?荒技?ですね。