メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

鈴鹿1000km…

2017-08-28 20:14:25 | モータースポーツ
2017年のスーパーGT SUZUKA1000kmに行って来ました…


ここ何年かはモータースポーツの観戦すら行けてなかったんですが、伝統のSUZUKA1000kmが今年で最後…という事で家族を連れて久々のレース観戦。



ろくに使い方も分からないのに一眼レフで写真を撮ろうと思い気合い入れて前日からバッテリーの充電をしてたんですよ…
望遠レンズも用意して…



















見事に持ってくの忘れましたよ…(-_-)
現地に着いてから忘れた事に気付きましたから…
もう自分のアホさに嫌気がさしましたね。






そんな事はどうでもいいとして…
日本のモータースポーツに対する意識ってアメリカやヨーロッパに比べると物凄く低いんですよね…
レースを見るという文化が根付いてない…というか。
アメリカなんかだと週末は家族揃ってレース観戦…ていうのがポピュラーだったりします。
大なり小なり頻繁にレースが開催されてるっていうのもありますが…
日本ももっとレース文化が盛り上がるとイイですね〜

ただ、このスーパーGTは凄い人気ですね…
とにかくものすごい人でした。
マネーレースのF1よりも全然楽しいですよ。


若者の車離れが…なんて言われてますが、少なくともレースに来てる人達はみんな車が好きなんだろうなぁ…って思います。


撮った写真を色々と…

展示してあったメルセデスAMG GTR…


4リッターV8直噴ツインターボ…
価格は2400万…笑



こちらもAMGのヒストリックカーでしょうか…



GT-Rのレーシングカー…







もうね…このレーシングカーの機能美がたまりませんね…笑
無駄なモノは一切無い造り…
レーシングカーの何とも言えないこのスパルタンな雰囲気が好きです。
モータースポーツ全般好きですが、特にハコのレースが1番好きですね。


他にもレクサスLC500のレーシングカーも…




これはRC FのGT3車両



GT-R NISMO…






GT-Rカッコいいな〜

欲しいな〜

お値段1900万…


無理すりゃ買えるかな…⁉︎


嫁は一言『買えません。』…だって


いつか乗ってやる。


夢があっていいじゃないですか。



NSX GT3…



もちろんレースも楽しんで来ましたよ…笑

動画
音量に注意して下さい。





昨今の自動車業界は自動運転やEVに力を入れてますが…
自動運転が当たり前になった場合、車の魅力ってどこにあるんでしょうね…

車ってやっぱり自分で運転するから楽しいと思うんですけどね…


EVもそう…
レース観戦って爆音で駆け抜けるレーシングカーだから面白いんですよ…
EVのレースなんて音も無く全然面白味が無いです…
今はフォーミュラEっていうEVレースがありますがテレビで見ててもすっごい地味ですしね…笑


自動運転やEV化は時代の流れなんでしょうけど、メーカーも車離れを防ぎたいのならやっぱり魅力のある乗り物にしていかないとダメですよね〜。






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3LD1…O/H 完。

2017-08-25 07:10:43 | 整備
また3LD1の続きです。


前回はヘッドを載せたトコで終わってました…



ここからヘッドに付随する部品を点検しつつ組み付けていきます。

ノズルテスターでノズルの単体点検を…


ノズルの噴射開始圧力や噴霧状態、リークの有無を点検します…


点検の結果、3本中1本は問題無しで…
1本は噴射圧が低く、更にもう1本は噴射しない…という結果に。

噴射圧が低いノズルはシム変更で噴射圧を調整…

噴射しないノズルは原因を探りつつO/Hする事に。

まずは噴射圧が低いノズルを…
正規の噴射圧が13.2MPaなのに対し実際の噴射圧は11MPaと低いので、シム厚を変更して基準値に近づけます。
シムは何種類か注文してあります…
1個110円と安かったので…笑


ノズルを分解…


マイクロゲージで現在のシム厚を測定…






その厚みを見て適当なサイズのシムを追加して組み付け…
再度噴射圧の測定。


分解→シム変更→組み付け→確認…という地味な作業を何回か繰り返し噴射圧も13MPa付近に収まったのでこのノズルはこれでオッケーにします…

問題は噴射しないノズル…
圧力が20MPa辺りまで上がっても全く噴射しない。




分解すると原因も判明…
ノズルボディーにニードルが固着してました。
本来ならノズルボディーに入るニードルは抵抗無くスムーズに動く必要があります。

とりあえずニードルを抜いて各部品を洗浄液に浸け置き…


取り出してニードルの動きを確認してみるも…


やっぱり渋い。


という事でニードルを軽く修正してみます…
1200番のペーパーで磨きます。


すると動きも軽くなりコレで直ってくれればラッキー…なんて思いながら組み付けて再度、噴射テスト。






すると無事に噴射…‼︎


良かった良かった‼︎…と、喜んだのも束の間…
噴射後の圧力が保持されずグングン下がる…



よく見ると今度はノズル先端からお漏らししてました…



ハイ残念〜(;´д`)


修正した事でニードルの動きはスムーズになったものの、今度はアタリが悪くなったみたい…笑
この機械式のノズルは燃圧が上がりスプリングで押さえてあるニードルを押し開く事で燃料を噴射します…
噴射するとノズル内の燃圧が下がるためにスプリングの力に負けてニードルがノズルの噴射口に密着する事で燃料の流出を停める…
このサイクルを繰り返してるんですが…


ニードル磨き過ぎたかな…⁉︎笑

だってニードルの修正なんて普段やらないから感覚が分からないし…←言い訳

という事で噴射はするようになりましたが、リークが発生し、何度組み直しても改善されないのでノズルは交換する事に…

で、届いたノズル。




早速組み付けて…


噴射テスト。


噴射も良好でリークも止まりました。


という事でノズルは完成。
ところがココでノズルASSYのガスケットが来てない事に気付き急いで注文…

ノズルの取り付けは一旦ストップして他の事を…
プッシュロッドをセットしてロッカーケースも取り付け。




ウォーターポンプも取り付け。
もちろん新品です…




メクラプラグも…




サーモスタットにケース…





バルブクリアランスも…
INは0.20mmでEXは0.25mmで調整します。




調整出来たらヘッドカバーを取り付けます…




ようやく形になってきた…



更にはオイルフィルターやフューエルカットソレノイドなどなど…




マニホールドや補機類も…




セルモーターも単体点検後に…


取り付け。


ダイナモも…


ファンもボロボロなので交換。
始動テストの時には危険なのでまた外しますけどね…




そうこうしてる内にノズルのコルゲートガスケットが届いたので、フューエルパイプ、ノズル、リターンパイプ、インジェクションパイプなどを取り付け。








コレにてとりあえずエンジン始動出来るまでになりました…
ここからエンジンをスタンドから降ろして簡易的なベンチをセットしていよいよ始動です。



フライホイールやカバー、インテーク、マフラーなどを組み付け…






固定して…


グロープラグやカットソレノイド、セルモーターなどに配線を接続して、燃料の供給やリターンホース…エンジンオイル注入などなど…


今回はお客様から新品のラジエーターの差入れがあったので接続してテストします…


回転すると危険な為ファンを取り外しているのでスポットクーラーを使用して冷却風を確保…笑





で、無事にエンジンもかかりました。

3LD1…始動

あとはエンジン各部にオイルや冷却水、燃料の漏れなどが無いか?…の確認と無負荷での慣らしを行ったら、全ての作業が完了です。


単にウチの事情で放ったらかしにされていただけですが…
これで長かった3LD1もようやく終わりです…


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またエアサス交換…

2017-08-23 19:55:31 | トレーラー
またまたエアサス修理でトレーラーが入庫。


BPW2軸のリフトアクスル車です…

ただ、今回はエア漏れやパンクではなく、運転手さんが下廻りをスチーム洗車してる時にベローズに傷が入っているのを見つけて破れる前に交換して欲しいとの事で入庫しました。

左前のベローズに傷があるとの事で確認すると…




破れる前で良かったですね…
運行中にパンクしたら走行不能になっちゃいますから…

余談ですがエアサスが破裂すると強烈な音と衝撃がします…
以前、ボルボトラックを整備中、自分の目の前でベローズがパンクした事があったんですが、その衝撃の凄まじさにマジで死んだ…と思いましたから…笑




とりあえず今回は1箇所のみの交換です…

が…

下廻りに入り込んで確認すると塩カルのせいで腐食が酷く取り付けのナットなんてとても緩みそうにありません…




本当は酸素で切断したいんだけど、周りにエアホースや配線などが入り組んでいてトーチが入らないし…
それにこのトレーラーは燃料運搬用のタンクトレーラーで、フレーム内側に燃料配管が通ってるので極力火は使いたくないんですよね…笑

という事でベローズを切って内部からカットする事に。

ベローズをカット…


裏から取り付け用のボルトが溶接されてるので、コレをサンダーでカットします。



で、外れました。




ナット側はこんな状態です…




こうなると切断以外に取り外す方法はありません…

新品のベローズにコネクターなどを取り付けて…





車両に取り付けます。



ベローズ交換は完成。





その他にもエアが漏れる…というQPG-SHプロフィア…


現地にて確認すると…


確かにエアは空っぽ…


すぐに答えは判明。
ABSのモジュレータからでした…


こちらは見積りを出します…


こんな感じで週明けから細かい仕事でバタついてます…



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3LD1…O/H 再開2

2017-08-20 07:40:53 | 整備
3LD1の続きです。


前回はエンジン屋から戻ってきたエンジンをスタンドに固定した所まででしたが…

本日からようやく組み付け開始。




まずはクランクシャフトから。
因みに曲がりは0.015mmで問題ありませんでした。



メタルは交換します。


キレイに掃除して…


メタルをセット。


まずはオイルクリアランスの測定から…
クランクシャフトを乗せてプラスチゲージをセット。


一旦規定トルクで締め付けます…



キャップを外しオイルクリアランスを測定…




全ジャーナルで0.051mm〜0.064mmに収まり…
基準値は0.029〜0.072mmなのでクリアランスは問題無し。

ゲージをキレイに除去してクランクシャフトの本締め…




クランクシャフトは精密研磨フィルムで軽くラッピング済みです…
ただ、3LD1のクランクシャフトはタフトライド処理してあるタイプも存在するらしいのでラッピングする場合は注意が必要です。
タフトライド処理されたクランクシャフトは先端に識別用の打刻があるみたいですね…



エンドプレーも0.065mmと基準値内なのでOK。



ピストンの組み付けも…
今回はオーバーサイズピストンに合わせてボアも拡大してあるのでボアとピストンのクリアランスも測定して基準値に収まるようベストな組み合わせを探していきます。

マイクロゲージとシリンダーゲージのセッティング…
誤差を確認しておきます。






その誤差を加味した上で実測値を測定。
細かい事言えばその時の気温や湿度によっても誤差は変わります…




エンジンにとっては温度や湿度が管理された部屋で組むのが理想ですが、レース用のエンジンじゃあるまいし現実的には難しいですよね…

ウチなんか工場の隅っこに追いやられてエンジン組んでますから…笑
ただ、与えられた環境の中でなるべくベストな状態で組めるようには努力します…笑

シリンダー毎にボアの内径を測定して記録…


エンジン屋さんの加工は文句ナシで、内径の差は0.002mm以内に収まってます。

ピストンの指定箇所も測定…
ピストントップから60mmの所で。




ピストンにも少なからず個体差があり…
また熱膨張を計算されて楕円になってたりするので測定する箇所は重要で指定された箇所以外で測定しちゃうと基準値と全然違う…なんて事も。
このエンジンのピストンクリアランスの基準値は0.015〜0.035mmとなっており、クリアランスが狭すぎると焼き付きの原因となり逆に広すぎるとスカッフィングが発生したり、またブローバイガスの発生量が増えたりと何1ついい事はありません。

で、測定した数値をもとに基準値に入るようにどのシリンダーにどのピストンを入れるか考えます…
今回は1番が0.020mm、2番が0.025mm…
3番が0.035mmという結果でした。

コンロッドとピストンを組み付けます。






更にピストンリングも合口の隙間を測定して選定…
こちらもクリアランスが基準外だと焼き付きやコンプレッション不足の原因となります…




当然ですがピストンリングもオーバーサイズです。



組み付け…




リテーナーも…



お次はカムシャフト…
まずはベアリングの交換から。
この3LD1のカムシャフトはメタルではなくボールベアリングを使用してます…

リヤ側は普通にプレスで抜けるんですが…


フロント側はカムギヤ用のノックピンがあり、ピンを抜かないとベアリングが抜けません。


おまけにこのノックピンの出しろの浅い事…

ニッパーで挟むもかかりが浅くナメちゃった…


まあカムシャフトをバラした段階で、こうなるかもしれない事は予想してたので、部品は注文済み…笑


とりあえずナメたノックピンにTIGで肉盛りして…


抜き取り…


ベアリングを抜いて…




軽く洗浄後に、新品のベアリングを圧入していきます。






ベアリングを入れたら新品のノックピンも圧入。


後はブロックにカムシャフトを挿入…




更にタイミングギヤ類の取り付けと…


ギヤカバーも…





フライホイールハウジングも取り付け。


フライホイールハウジングを付けたらエンジンを縦に再セット…(フライホイールハウジング付けたら横向き固定では回転出来ない…笑)




ここからインジェクションポンプの取り付けやガバナーのリンクロッドの接続…
噴射タイミング調整用のシムはとりあえず外した厚みと同じサイズの新品を付けます…


ポンプを取り付け…


リンクロッドの位置を合わせながらガバナーのトップカバーも取り付け…




ここからエンジンをひっくり返してオイルストレーナやパイプを付けて…



オイルパンを取り付け。


インジェクションポンプのハウジングカバーなども…


ここまででとりあえず腰下は完了。

次はシリンダーヘッドを乗せる為にバルブ関係を組み付けていきます。


バルブのラッピングから。

ラッピング前のシートと…


バルブ…



で、コレがラッピング後…





バルブも少ないので楽です…笑
24バルブとかだとラッピングだけで結構な時間がかかりますから…



バルブシールも付けて…




バルブも組み付けていきます。





ブロック側もヘッドを乗せる準備を…


タペットも忘れずに入れておき、ヘッドガスケットをセット。


で、ヘッドをドッキング。


ヘッドボルトも締め付けます…
83〜94Nmで締め付け後60〜90°の角度締め。

今回は新品のヘッドボルトなのでトルクも角度も最大値で。




シリンダーヘッドを組み付けた所で終了…


続きは来週から…



かな⁉︎









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スプリングピボット修理。

2017-08-17 23:00:55 | トレーラー
休み明け早々に走行中後ろの方から聞き慣れない金属音がする…という事で入庫したタンクトレーラー。


BPW2軸のリフトアクスル車両。


運転手さんは異音は比較的空荷の時が多い…という事で…


試運転をしてみると…

段差や路面の凹凸でサスペンションが上下する時に金属が擦れるような音が確かに発生してました。


車両をリフトアップして点検するんですが、もうリフトアップする時点で後軸のスプリングピボット部が目視で分かるほどガタがあるのを確認…

恐らく異音の原因はスプリングピボットのガタで間違いないだろう…という事でそのまま預かり作業をする事に。
この辺りの部品は在庫してます。

この車両は2バッグ式エアサスペンションでスプリングピボットを軸にトレーリングアームを介してリヤ側のベローズで衝撃を吸収する構造で、スプリングピボット部に使用しているブッシュはゴムブッシュなので経年劣化でガタが発生します…


ブッシュ自体は外部からは見えないのでそのままでは非常に分かりづらいですが…
リフトアップする時にピボット部の動きを見ればガタがあるかどうかはすぐに判断できます。

で、このブッシュ自体はプレスじゃないと抜けないのでトレーリングアームごと取り外して作業する必要があります…
まずは右から…




写真だと小さく見えますが、このトレーリングアームめっちゃ重いです…笑
ウチでは天井クレーンで吊りながらプレス作業します。

ピボット部は見事にガタガタ。


ここのブッシュも結構放ったらかしにされてる事が多いです…
定期的な点検と交換は必須ですね…

プレスで打ち替えて…


右側は完了。

反対側を取り外すと…





コレは酷い…


ブッシュのゴム部は見事に無くなり金属同士が擦れてます…


更にブッシュ外側の金属部分まで摩耗してトレーリングアーム側のベースサークルにまで若干の摩耗が…



左が取り外したブッシュで右が新品のブッシュ…




もはや原形を留めておりません。
この状態を更に放置しておくとピボットボルト本体が摩耗→折損→走行不能という最悪の状況になります。



摩耗したブッシュを抜いて当たり面をキレイに磨き…
新品のブッシュをプレスで圧入。


圧入されたブッシュ。


ピボットボルトとスペーサプレートは無条件で新品に交換…
ピボットボルトの締め付けトルクは900Nmです。



左右共に交換完了…




タイヤも取り付けて作業完了…



試運転では無事に異音も無くなりました。



このピボット部のブッシュはゴムなので経年劣化や走行距離によって必ずガタが出てきます。

BPWのエアサス車はピボットボルトの定期的なトルク締めが指定されてますが、ボルトが適正トルクで締まっていてもブッシュの減りには全く関係ありませんので車検時などの車軸を浮かして行う整備の時には必ず確認しておいた方がいい項目ですね…



ただ、ここもメタルブッシュでグリスアップ出来る構造にしておくとゴムよりは長持ちすると思うんですけどねぇ…


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3LD1…O/H 再開。

2017-08-11 18:56:09 | 整備
6月から預かり…

放ったらかしにされていた3LD1…

お盆休みも差し迫った頃にようやく再開です。


お客様は『いつでもイイよ〜』なんて仰るもんだから…
そのお言葉に甘えに甘えてここまできました…

空いた時間に作業を少しづつ進めよう…なんて考えてたんですが…

このままではいつまで経っても終わらないだろうという事に今更気づきました。


とりあえずいまだにブロックとヘッドは加工に出せてなかったので休み前にせめて加工だけでも…
という事で作業を再開。

作業はピストンを外した所で止まってます。



ここからブロックとヘッドをバラして加工に出します…



タイミングギヤやオイルポンプの取り外し。




クランクシャフトやカムシャフトも…









ヘッドもバルブ類の取り外し…





加工内容はシリンダーブロックはオーバーサイズピストンに合わせボアをボーリング&ホーニングからのクロスハッチ仕上げ…
ブロック上面は平面研磨。

シリンダーヘッドは下面の平面研磨と水圧テスト…といった所。

ピストンは0.25mmオーバーサイズを…



エンジン屋に加工に出して…



2日後に戻って来ました。


欠けたピストンがカジり付いていたシリンダーも…




キレイになりました…
ブロック上面は0.09mm研磨


ボアはピストンに合わせて0.25mm拡大


シリンダーヘッドも0.1mm研磨…





部品もおおかた揃っており…
残るは噴射タイミング調整用シムを組み付け段階で選定して注文するだけ。

ここからは組み上げてくだけなんですが…


とりあえずブロックをスタンドにセット。
今回はエンジンを横向きで固定する事にしました…


サイズから考えてこの手のエンジンは横向きでスタンドに固定した方がやり易いですね…




明日からお盆休みなので…
続きは連休明けからの作業となりそうです…











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エアサス交換…2台。

2017-08-09 07:09:38 | トレーラー
タンクトレーラーがエア漏れで入庫…

BPW1軸エアサストレーラーです…


右側のベローズからエアが漏れる…という事で交換依頼なんですが…


どこから漏れてるのかな⁉︎…と覗き込むと思いっきりキズがありました。


ていうかコレ…

ベローズ噛み込ませたでしょ…


どこかで車軸を浮かすような整備をした後、ベローズのエアが抜けた状態でジャッキダウンして噛み込む事はよくありますが…
コレ結構気にしない人も多いんですよね…

他にも空荷で走行中にバンピングしてベローズの可動領域を超えてしまう事も…


比較的新しい内は弾力性もありすぐに破れたりする事はまずありませんが、基本的にはゴムなのでエアサスのピストンに噛み込んで更に荷重がかかる事を考えればベローズにとって良いはずはありません。
ベローズが劣化してくるとその挟み込んだ部分が破れたりします。

今回のキズを見る限りそんなトコでしょうか。


ベローズを取り外し…




新品のベローズ


車両に取り付け…


上の取り付けボルトは66Nmで下の取り付けボルトは230Nm…






取り外したベローズには噛み込んだ跡がくっきりと…笑


劣化してからの噛み込みなのか、以前の噛み込みが劣化したのかは定かではありませんが…


今回の車両は車高の制御を機械式のレベリングバルブで行なっており、レベリングバルブは車軸とフレームの間に取り付けられています。


通常、車検などの車軸を浮かせて行なう整備はフレームにジャッキやリフトをかけるんですが…
フレームでリフトアップしていくと車軸との距離が広がる為、レベリングバルブのロッドは車高を下げる(ベローズ内のエアを排出する)動きをします…
そうなると当然ベローズ内の空気は排出された状態で伸びきってしまいます。
そんな状態がベローズにとってはそもそも良くないんですが、その後車両をリフトダウンする時にそのまま下げてもベローズにエアは供給されません…
その為ベローズが噛み込んでしまうんです…

無理矢理降ろした後にエアサスのコントロールバルブでベローズに強制的にエアを供給して噛み込みを解消する手段を取る人もいますが…(その方が楽…)
そもそも噛み込み自体がベローズにとっては良くない事なので本来ならリフトダウン時にひと手間かけてベローズを噛み込ませないようにエアを供給しながら降ろすのがベストです。

手間は多少かかりますがその方がベローズに負担をかけずに済みます。


なんだかんだでエアサスの交換も終わり…



次の車両。

FP54スーパーグレート…

エアサスといってもこの車両はキャブサスのベローズ交換です…


右側がパンクした為交換です。

取り外したベローズ…


新品のベローズを取り付けて…


接続部のエア漏れを確認して完了です。





2017年もあっという間に8月に入り、もうすぐお盆休みですね〜…


溜まってる仕事を少しでも片付けないと…
さすがにヤバいなぁ…(;´д`)










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クラッチO/H…2台。

2017-08-07 21:31:55 | いすゞ
最近はクラッチの作業がたて続けに入庫。



まずはXZU301ダイナ…
よく電線を整備してるタイプの高所作業車です。

このサイズの車両のミッション脱着は苦労します…
車両のサイズもさる事ながら上物の仕様も相まってスペースに余裕はありません。

DPFやEXパイプも取り外さないといけないんですが…
年数が経てば経つほどボルト類は酸化してまともに緩みません。




もうこのタイプはあえて緩めようとはせず酸素で切断した方が早いですね…




後々の事を考えて錆びついた固定ナットは切断して取り外しに困らないボルトナットによる取り付けに変更するのがベストです…



で、余談ですが以前コメントにあったショートボディーのダイナ、デュトロのプロペラシャフトの取り外し…

このタイプはプロペラシャフトのデフ側の取り付けボルトが圧入されてるんですが…


交換前提で圧入されたボルトを叩いて抜いてプロペラシャフトを取り外すのも方法としてはありですが…

ミッション側フランジのスライドヨークを目一杯押し込めばボルトの長さ分の逃げがギリギリ確保出来るので圧入ボルトは抜かなくてもプロペラシャフトは外す事が出来ます。

ゴミや塗料が噛み込まないようにワイヤーブラシでスライド部を掃除して…




スライドヨークを押し込めばギリギリではありますがプロペラシャフトは外れます…


で、ミッションも降ろして…


クラッチはズルズルです。



アレコレ換えてミッションも載せて…
DPFも取り付け…


シャッターバルブの取り付け部はボルトナットに変更。



なんだかんだで終了です。


それから次の車両は以前クラッチ不調でマスターを交換して欲しいとの依頼を受けたフォワード…


結論から言うとやはり症状は改善されていないようです…(^_^;)

やっぱりね…笑


と言う事でこちらもクラッチのO/Hを行う事に。

部品を発注して早速作業を。

4トン車クラスが何をするにしてもサイズ的にはやり易いですよね…

大型だと各部品がデカくて重いし、小型だと狭くて作業性は悪いですから…


ミッションを降ろして…


やはりこちらもクラッチはズルズルです…


まああれだけ調整が詰められていたので予想通りですが…


フライホイールにも若干の歪みが出ておりましたが今回はお客様の意向で再使用していきます。


で、問題のミッション…

グリスの類は一切注入出来ない構造となっております。
レリーズベアリングのスラスト部はまさかの無給脂…

整備書にもグリスを塗るなって書いてあるんですが…
キズだらけ…
当然ですが動きも渋くなります。


レリーズベアリングのハブがエンプラ製⁉︎…と言うことも無給脂の理由でしょうか…



更にはフォークシャフトのニードルベアリング部もニップルがない為、通常のメンテナンスではグリスアップは不可能です。


なのでウチではこのタイプのミッションを降ろした場合はフォークやシャフトも取り外してここぞとばかりに徹底的にグリスアップします…

取り外したフォークやシャフト。





洗浄、点検、給脂をして新品のレリーズベアリングも組み付け…
ニードルベアリング部にもグリスをたっぷり給脂しておきます。


実際ニードルベアリング再使用でもグリスアップするだけでフォークシャフトの動きは劇的に変わります…
やはりグリスアップ出来ない構造は理解出来ませんね。

それから整備書には塗るな…と書いてあるスラスト部ですが、これ以上の傷を増やさない為にもウチでは薄くグリスを塗布してます。


実際当社ではグリスを塗った事による不具合は出ておりませんし、グリスを塗る事でレリーズベアリングの動きは確実にスムーズになります。
因みに近くのいすゞさんも塗ってるそうです…笑



パイロットベアリングを交換して…





クラッチディスクをセット…


カバーも取り付け。



更にミッションも載せて…


後はクラッチの調整をして完成です。

因みにこれがクラッチO/H前の調整ロッドの状態…


調整しろは既にありませんでした…


で、こちらがO/H後に調整したロッドの位置。


クラッチディスクの減り具合は外部からでは直接判断出来ないので調整ロッドの詰め具合で判断するんですが…

クラッチに関しては早めの対応が基本です。

出先で滑ったら走行不能になりかねませんからね…



それにグリスアップってメンテナンスの基本中の基本だと思うんですけど…

どう考えてもそれが出来ない設計にする時点で意味不明ですよね…




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ギガ…SCR異常。その3

2017-08-02 23:41:44 | いすゞ
24年式のLKG-EXD52ギガ…


以前、記事にした2台のギガと同じ運送会社さんの車両で、ここのお客様は基本いすゞ車が多いんですが…


以前修理した車両とは別の車がまたアドブルーのチェックランプが点いた…という事でとりあえず現地で確認する事に。



確認すると現在は点いて無いようですが…



故障履歴を見てみると…


これまた色々と入っておりますが…

現在故障は無いのでとりあえず問題のSCRシステムのコードを確認。


尿素水品質異常のコードが…


一旦消去するとその後は拾いません。
データも確認…
濃度は概ね問題無さそうです。


ちなみに1台目はNOxセンサー、2台目は尿素水品質センサー信号異常…
3台目は尿素水品質異常と3台ともSCR系のトラブルではありますが故障コードはそれぞれ違います…


で、この品質異常とはそのまんまで尿素水の品質が異常とDCUが判断しており、可能性としては指定外の尿素水を入れたりタンク内のヒーターラインからクーラントが混入、また外部から水が混入したりすると品質異常となる場合はあります…
が、仮に本当に品質が悪くなったとしたら基本的には抜き替えたりしない限り品質が改善される事はありません…
なので今現在はチェックランプも点かず正常な事からおそらく一過性の不具合か尿素水センサーのバグでしょう…
ただ、このコードには再始動禁止制御も絡んでくるので注意が必要です。

こういう場合やっぱりフリーズフレームデータ機能は欲しいよなぁ…
フリーズフレームがあればもう少し深く調べられるんだよな…



とりあえず他のシステムの故障コードも過去履歴なので記録だけして一旦消去…


お客様にはこれで1度様子を見てもらい…
またチェックランプが点くようなら改めて調べる事に。

まあ疑わしいのはよく壊れる尿素水センサーなんですけどね…



その後説明も含め担当者の方とお話ししてると最近の車は本当によく壊れるのでもう勘弁して欲しい…という事を仰ってました。

普通に乗ってるだけなのに壊れるんですから…
お客様はたまったもんじゃありません。

こうも同じ車種の同じシステムがたて続けに壊れてはお客様が不信感を抱くのは無理もありませんよね…

その担当者さんは『メーカーは壊れる車を作ってるとしか思えないよな。壊れては高額な部品代を請求してくる…それで潤うのは部品メーカーやディーラーだろ⁉︎』…とお怒りになられてましたが…


正直…多くのユーザーさんが思ってる事でしょう。

勿論、自動車メーカーがわざと壊れる車を作ってるとまでは言いませんが、そう思われても仕方ないほど壊れるのは事実です。

その壊れる殆どが環境対策の為に付けられた機構やそれを起因とするもの。


以前、何かで読んだ自動車評論家の記事で…

国の官僚やお偉いさん達が自らの成果を残そうと机上で決めたNOx PM法…
技術も確立されてないのに決めるだけ決めて後は放ったらかし…

その副作用として起きた不利益などの代償を末端ユーザーだけが背負わされたんではたまったもんじゃない…

といった内容の記事。

正にそんな状況ですよね…


環境保護も確かに大事かもしれませんが…
キレイ事で決められた規制によりユーザーだけが代償を払う現状は到底納得出来るものではありません。

今のご時世の運送会社さんは本当に大変だと思います…

そういう負担を少しでも減らす為にもメーカーには早急に対策をしてもらわなければなりません。






で、会社に戻る途中に別のお客様から水が漏れるので見て欲しい…との事で依頼があり…

一旦会社に戻り必要な工具を積んで出発。

現地に着いて早速点検。
車はKL-FRプロフィア…

冷却系統に圧力をかけて漏れる箇所を調べます…


すると直ぐに圧力が下がりどこからともなくポタポタと…

調べるとサージタンクの合わせ面付近から漏れてました。


その場で部品を問い合わせると近くのディーラーに在庫がある…との事なので取りに行って現地で交換する事に。


で、特に苦労する事もなく交換を終え…
冷却水を入れてエンジンをかける前に再度プレッシャーテスト。



後はエンジンを始動して吹き返しの点検。


問題無さそうです…
外したサージタンクをよく見てみると、合わせ面の下にクラックが入ってました。


原因は例のこいつでしょう…


プレッシャーキャップのパッキンが劣化して圧力が上がっても開けなかった為に内圧が規定値以上に上がり、これまた劣化していたサージタンクが割れた…という事。

メンテナンスで防げたトラブルですね。

ラジエーターキャップなどは毎年交換しておいてもバチは当たりません…


なんだかんだで終了。




それから今まで使ってた溶接面が壊れたので新しく購入…
これは今まで使ってたメイドインチャイナの溶接面。


ネットで4、5000円で買ったやつなんですが…

まあ満足いく物ではなかったですね…笑

自動遮光のセンシングがアホでスパークする前から遮光してましたから…
騙し騙し使ってましたが今度は遮光しなくなったので買い替える事にしました。

実はこの溶接面も2個目で流石に同じ轍を3度も踏む訳にはいかない…という事で今度はちゃんとした溶接面を買う事に。

で、買ったのが…


スナップオンの溶接面。

価格はメイドインチャイナの10倍以上です…笑

今後はいい物を永く使いたいので。

これでも地味な方を選んだんですが…
他にはファイヤーパターンとかガイコツとかのデザインばかりでそれは流石に年齢的に恥ずかしいので…

なるべく地味なやつが良かったんですが…


反応速度は1/25000秒で4センサーで遮光度も#5〜#13までの調整がありスペック的には申し分ありませんが…


ただやっぱり派手なんだよなぁ…笑


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