メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

初入庫…3

2018-03-19 23:51:57 | 日野
初入庫シリーズその3です…笑




FWの新型プロフィア…



ひと通り大型4社がモデルチェンジを終え、正直なところ見た目は日野さんが一番評判がいいです…

まあ大事なのは見た目だけではありませんが…

見た目も重要な要素の1つである事は間違いありません。

どうせならカッコいい方がいいでしょう…笑



フロントパネル開けるとコーナーパネル部も一体で開くんですねぇ…





シートがカッコいいですね…
トラックにこのシートは贅沢ですよ…笑
まさか本革ではないと思うけど…



内装の色あいはレンジャーと同じです…




パーキングブレーキもインパネに…


ボルボやベンツと同じですね。



プロシフトのシフトレバーは無くなりダイヤルセレクターとなりこれまたインパネに…


特徴的なデイライトも…


エンジンはA09C…
もちろん、改良されてるでしょう。


エキゾースト側を見てちょっとビックリ…


まさかのツインターボですかコレ⁉︎


ドライヤーもWABCOのカートリッジになってます…



純正テールはダサいっすねぇ…笑


シャーシは特に変わったところは無さそうです…




さあ…


これでモデルチェンジした車両でまだ入庫してないのはふそうさんのスーパーグレートだけですねぇ…



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最近の作業…16

2018-03-16 00:18:51 | 整備

まずはPB-MK35Aコンドル…

チェックランプが点灯した…という事で入庫。

現在点灯中です。


早速故障コードを確認すると…



P2002…DPR異常と…
P0404…EGRバルブ固着。

DPRのステータスを確認すると触媒劣化フラグと昇温不良フラグがオンになっています…




これはECUが再生中に燃焼温度が上がらない為に触媒が劣化してる…と判定してます。

EGRバルブも固着エラーが入っておりアクティブテストでは反応は悪いものの一応動いてます…


が、各開度での誤差は許容範囲ですがなにせ動きが遅いので…


EGRバルブは交換する事に。


DPRの方は差圧は特に問題無さそうですが…


問題は触媒が本当に劣化してるのかどうか。

これまたアクティブテストでも排気シャッターはちゃんと閉まっており、インジェクターの補正値も問題があるような数字ではありませんでした…


とりあえず、一旦ステータスをリセットし強制再生を行い温度変化を見ていきます。


ところが途中までは順調に昇温してたんですが…




400℃を超えた付近から一向に温度が上がらず…



この時点で明らかに昇温不良ですが、そのまましばらく再生させておくと…
終了と同時に再度チェックランプ点灯…


故障コードはP2002…


ステータスはやはり昇温不良と触媒劣化がオンになってます…




一次昇温は順調に上がりましたが、ニ次昇温では温度が上がりきらないので、触媒が劣化してる可能性は高いです…
シャッターバルブの開度不良とかだともう少し低い温度で停滞する事が多いですからね…

酸化触媒だけ交換出来ればいいんですが、残念ながらPMフィルターと酸化触媒が一体式の為ASSY交換以外に方法はありません…


お客様には現状の説明と見積りを出すと…
高額修理に嘆いておられましたが作業の承認を頂き、早速作業をする事に。

ゴソゴソしてフィルターASSYを降ろします…


前後のフランジを取り外すと、PMフィルター出口側は変色してます…


触媒入口側はススによる汚れは見られませんが…


そのかわりなにやら灰色の小さな物体がセルの間にも沢山詰まってます…
何か化学変化を起こした物質でしょうか…


走行距離23000kmにしては見るからに触媒の状態はあまり良くなさそうですね…
異常昇温で劣化したようにも見えません…

おまけにスタッドボルトは折れこんだまま取り付けられてるし…


コレは私が外す段階で折れたスタッドでは無く、もともと数カ所はナットも付いて無い状態で取り付けられてました…

どこかでDPRを分解清掃した時に折れ込んだまま取り付けたんでしょう。

シルバーも塗ってあるし…


まあいい加減な整備ですね…
折れたまま取り付ける神経も理解出来ませんし…
そんな業者が作業したとなると、もしかしたら得体の知れない薬剤使って洗浄したかもしれません…
それが原因で触媒が劣化した…なんて可能性も無きにしも非ず…

ウチにもたまに飛び込みで来るんですよ…
怪しいケミカル商品の営業が…

以前来たのはDPRの洗浄剤。

水で薄めて付け置きしておけばフィルターの再生率は驚異の98%‼︎…とか謳ってましたが。

まあ商品もさることながらその人の言動が胡散臭い。
まず乗ってきた車がゲレンデ…
来客用の駐車場に停めずに社用車専用って書いてある場所に平気で停めて、停めていいかどうかも聞いてこない。

『是非ご検討ください』って言ってましたが…

検討するしないの以前にそんな気遣いも出来ない人間からは仮にどんなに魅力的な商品だったとしてもその人からは買いませんよ…

決してゲレンデが悪い訳じゃないですよ…笑
ただ、初対面って行動に対するイメージが凄く大事だと思うんです。
最低限の礼儀というかマナーというか…

例えば混み合ってるコンビニの駐車場に1台の高級車が2台分使って停めてたら、だいたいどんな人間性か想像つきますよね…
周りの事を考えず自分の事しか考えてない人間でしょう…
それと同じです。

そんな人間と良好な関係を築く自信は私にはありません…





話が逸れましたが…

届いた新品のフィルターASSY


ウン十万しますが…
やはり新品は気持ちがいいです。




シャッターバルブは再使用するのでスタッドボルトを交換…








ガスケットも勿論新品にして…


組み付けます。


シャッターバルブも取り付け…


で、車両にドッキング。


あとはEGRバルブの交換…





ここから再度、強制再生をして昇温不良が改善されたかを見ていきます…






順調に上がり…




最終的に580℃付近まで上がり無事に再生も終了。


ステータスに異常が無いことを確認して…






これにてコンドルは無事完了です。


お次は普段付き合いのあるディーラーさんから別の営業所までリフトアクスルが上がらないトレーラーを見に行って欲しいとの依頼があり…

少々遠方のディーラーさんまで出張…
話変わりますが、ここのディーラーさん最近建て替えしたようでピカピカの最新工場でした。

素晴らしい設備で仕事が出来る事が羨ましいですね…
今やトラックも立って整備が出来るのがスタンダードですからね…
ウチみたいなオンボロ工場とは雲泥の差でしたよ…笑

早速故障コードを調べると…
ハイトセンサーの整合性エラーが…


話を聞くとどうやらハイトセンサーを交換したようでそれ以降リフトしなくなったとの事。

トレーラーのリフトアクスルでもWABCOのECASと呼ばれる電子制御を採用してるタイプはセンサーを交換した場合、専用診断機によるキャリブレーション作業が必要になってしまいます…




キャリブレーションデータを確認するとやはり現在の数値とかなりズレてます…


という事でセンサーのキャリブレーションを行い…


無事に故障コードも消え、リフトするようになりました。


あとは念のため他の部分も点検をして…


問題無さそうなのでこちらも完了です…




それから最近仕事でiPadを活用しており…
過去に集めた紙の資料を見たい時に見たいページが見れるようにとスキャナーでPDFに変換して保存してるんですが…





ファイネスはトヨタやいすゞは見れるけど…


殆どのメーカーがタブレットだと見れないんですねぇ…

やっぱりWindowsじゃないと無理か…




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ダイナ…エンジン不調。

2018-03-10 18:30:30 | トヨタ
気がつけばすでに3月…(;´д`)


エンジン不調で入庫したTRY230ダイナ…
エンジンは2KD-FTV。



近くの同業者さんからの依頼で出先でエンジンがかからなくなったらしく、レッカーでそっちに運ぶから診て欲しいと入庫しました。


話ではクランキングはするもののエンジンがかからない…との事なので、とりあえず症状を確認。
まずは診断機で故障コードを確認するも故障コードはナシ。


キーを回すとセルモーターは勢いよく回り、少々長めのクランキングではありましたがエンジンは始動…


が、アイドリングは安定してるものの少しアクセルを開けると途端に吹き上がりが悪くなりマフラーからは白煙がモクモクと。

聞いていた症状とは違いますが明らかにどこかトラブルを抱えてそうです…

アイドリングでは安定してる為、そのままエンジンをしばらくかけながら各データを見ているとSCVの制御電流が若干高めな事を除けば他は特に気になる点は見当たらず…


まあ燃圧も少々バラついていたのでとりあえずSCVは交換だな…なんて考えつつ、今度は吹け上がり不良時のデータを見ようとアクセルを開けてみるとキレイに吹け上がる…

あれ⁇
吹けるようになっちゃった…

その後エンジンを止めて、再度エンジンをかけようとすると今度はエンジンがかからず…

ん…⁇

この時点で頭の中では?がいっぱい…

で、確認した症状としては…

冷間時はエンジン始動は出来るけど吹け上がらず白煙を吹き、逆に温間時は問題なく吹け上がるが1度エンジンを止めると水温が下がるまでは再始動は不可…

という不可解な症状。


この症状に違和感はありつつも、実はこの段階ではさほど難しく考えてなかったのが運の尽き…というか実力の無さでした。

結果この後、どツボにハマる事に…



実際に温間時に1度エンジンを止めた後の再始動時の燃圧の動画がこちら…

動画

クランキングしてるのに燃圧が全く上がらないのが見て分かると思います…
このエンジンは燃圧が5000kPa以下では噴射信号が出ないのでエンジンがかからないのは納得。

という事でこの時点では燃圧が上がらないのはSCV不良と判断。
冷間時だけ吹けないのはインジェクターのニードルの動きが冷えている時だけ渋い…と予測。

そんな理由からSCVとインジェクターの2点の交換が必要と判断しました。

正直、温間時と冷間時に症状が変わるのは?のままでした。

で、依頼主さんに状況を説明…そのまま作業の許可をもらい部品の手配とともに作業を開始。



キャブがチルト式なので作業はしやすいです…

邪魔になる物を取り外して…




インジェクターの取り外し…


リビルトインジェクター…


取り付けて、インジェクターの位置出しをする為先にインジェクションパイプの仮付け。


位置が決まればインジェクターを本締めして…


ヘッドカバーも取り付けてインジェクションパイプも規定トルクで本締め。


で、以前メッセージで…
インジェクションパイプなどのフレアナットのトルク締めはどうしてますか?との質問があったんですが…
私の場合、トルクレンチにフレアナットレンチを組み合わせる時はトルク補正して締め付けてます。

通常、トルクレンチにフレアナットレンチを組み合わせるとセンター位置がズレる為、そのままでは設定したトルクからズレてしまうので補正する必要があります。
逆算して適切なトルクを割り出すのも可能ですが私は数字に弱いので…
補正機能のついたトルクレンチを使用してます。

レンチのオフセットを計り…


オフセット距離を設定…




後は指定のトルクを入力すれば勝手に補正してくれます。


トルクの話はこの辺にして…



そのままSCVも交換。


で、なんだかんだで作業は終了…


燃料エレメントも交換して…


エンジンをかける前にインジェクターのID書き換えとサプライポンプ学習値のリセットを行い…
いざエンジン始動。

無事にエンジンもかかったと思ったのも束の間…

アクセルを開けるとやっぱり吹けずに白煙モクモク…




え…⁉︎




この時点で絶望感が漂ってます…



更にしばらくデータを見てると3番と4番のインジェクター補正値が振り切りはじめ…
そうこうしてるうちに4番インジェクターが吹かなくなりアイドリングまでバラつき始めました。


更には目標燃圧に対して実燃圧が謎の上昇を始め…



症状が変わっていないどころか悪化してる…



マジか…



とりあえず依頼主さんには状況を説明してもう少し時間をいただく事に…



とにかくもう一度トラブルシュートを行うんですが…

正直、このちんぷんかんぷんな症状に全く原因の予想がつかない状態…


とはいえ、ウダウダしてても始まらないので…


この日はもう遅い為に一旦終了。


家に帰ってからも整備書を隅々まで読み漁り、なんかヒントが転がってないかを見てましたが…

いまいちコレかな…っていうのは思いつかず。


翌朝から整備書通りにトラブルシュートを進めてみる事に…

症状からすると整備書でもやはり最初にたどり着くのはサクションバルブ…
が、サクションバルブは新品に交換済みなのでとりあえず無視…

そこから更に診断フローを見ていくと次はインジェクターを交換…となってます。

ですよね…笑

が、これまたインジェクターもリビルトに交換済みなのでスルー。
初期不良も無いとは言えませんが現状でそこを疑いだしたらキリがありません…

ここからは当初はあまり疑ってなかった部分になりますが…とにかく徹底的に調べる事に。

まずは燃圧センサー。

データ上の数字からも燃圧センサーは機能してるようでしたが熱ダレを考えセンサー回路の冷間時、温間時とも抵抗値を測定…




が、どちらも基準値内…

更にサクションバルブからECU間のハーネスの接触不良や高抵抗がないかの点検もしましたが…


これもハーネスに異常は無く…
インジェクター配線にも問題なし。


アイドリングは安定していたので当初は疑ってなかった圧縮を測るも…


これまた4気筒ともに基準値内…


他にも関連ありそうなとこではECUやコモンレール、インジェクタードライバーを交換…とフローではなってますが…
悪いという確証が無いのにそんな高額なものは換えられません。
今のところ正常という確証もありませんが…


そんなこんなで自分の中では手詰まり感が漂っており…


どうしたもんか…



ここで何気なく燃料タンクのキャップを開け中を覗き込むと…



開けた瞬間フワっと漂う匂いがまさかのガソリン臭…
エンジンは2KDのディーゼルエンジンですが…



まさかね…

と、確認のためもう一度匂いを嗅ぐと軽油の匂いの中に確かにガソリン臭が…


勘違いだと嫌なので更に他の複数の人に燃料自体の匂いを嗅いでもらうと皆口を揃えて『なんかガソリンの匂いがしない⁉︎』と仰るではありませんか。




マジか…

どうやら…

軽油とガソリンが混ざってるようです…




燃料エレメントを交換した時も色や匂いにさほど違和感を感じなかったので…
自分の中では想定外の原因でした。


どれくらいの割合で混ざったのかは定かではありませんが…
燃料タンクにガソリンが混ざってる事は間違いなさそうです。

となるとエンジン不調の原因もおそらく燃料が原因だろうという事で、早速燃料の総入れ替え&経路の掃除。

燃料タンクは取り外して中身は捨て、軽油を入れて洗い流します。


抜いた燃料…
見た目では軽油のようですが…確かに匂います。


燃料エレメントも再度注文して交換…



キレイな軽油を注入してエア抜き…
もう一度サプライポンプのリセットをして…



エンジン始動。
ポンプ電流もイイとこに落ち着き、補正値も小さくなり…




冷間時にもエンジンは吹け上がるようになり…

暖機後にエンジン止めても再始動が可能になりました。

ホッとするのと同時に情けなさも…

始めに燃料が異常な事に気づいてたらインジェクターやSCVは交換しなくてもよかったかもしれません…
今となっては後の祭り…ですが。

勿論、そこを原因としたのはそれなりにECUデータ値や症状に基づいて判断した訳ですが、それと同時に症状に説明出来ない現象があったのも事実。


その違和感を深く考えずに決断を下した事が結果的にここまで苦労する事に繋がったんだろうな…と反省。


ただ、どんなに苦労しても分かってしまえばなんだそんな事が原因だったのか…って話なんですけどね…笑


言える事はまだまだ修行が足りません…



今回は軽油とガソリンが絶妙なバランスで混ざってたんでしょうねぇ…
ガソリン優勢ならエンジンはかからないはずでしょうし、温間時に吹け上がるなんて事はあり得ないはずですから…
逆に温間時にエンジン止めちゃうと再始動が出来ないって事は燃料はどんな状態だったんだろう?

それは謎のままです…

だれか説明出来る方…教えて下さい。笑




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