メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

お盆休み…

2018-08-14 17:53:08 | 整備
2018年も、もうお盆休み…



そうこうしてるうちに気が付いたらもう年末だ…なんて事を言ってるんだろうなぁ…



盆前ではなく少し前の作業ですがサラッと。


スピンドル径が摩耗基準値を大きく超えたトレーラー…

全軸のベアリングのインナーレース部のガタが大きくなっており…
このまま使用するのは危険だったので、お客様には状況を説明し、修理するかどうかの判断待ちだったんですが…

廃車になると思ってたんですが、結果的に修理する事に…


スピンドルの摩耗修理といっても基本的には再生か交換しかありません。

専門業者にて車軸のスピンドル部を切り落とし新品スピンドルを溶接してもらうか…
車軸ASSYで交換するかしかありません。

一昔前までは溶射や肉盛修理を行なっていた業者もありましたが最近では保安上の理由から車軸に行なう事は無くなりました。

勿論、スピンドル交換と言ってもスピンドル部だけ部品が出るものに限りますが…

この車軸はスピンドルだけ部品として出たんですが、再生修理は時間がかかる為、新品に交換する事になりました。

という事で車軸を降ろし…


チャンバー、Sカム、シューなどは再利用する為に移植…
ベアリングは当然、新品です。



この2枚しか画像ありませんでした。笑


ちなみに新品の車軸は1本約100万です…

3軸車なので車軸だけでざっと300万…
それにUボルトやらベアリング、ショートパーツを考えると…


あー恐ろしや。





他にも今ではだいぶ板についてきたオートコン修理…


これも初めて手を付けた頃は部品や情報の無さに色々と苦労しましたが、少しずつ実績も出来てきて今ではメンテナンスも含めた修理を依頼して頂けるまでになりました…


今回の車両も作動点検してると右と左のコンベアで動きに違和感があったのでよく調べてみると…
左右で差が出来ており…




詳しく見ると明らかにズレてます…



これ、左右のチェーンの位置関係がズレるとこのような状態になります。

ただ構造上、使用過程でコマがズレる事はあり得ないので、いつからかチェーンを外した業者が1山ズレたまま組み付け、そのままズレた状態で使ってたんでしょうね…

当然、左右でズレがあるとチェーンにも負担がかかるので修正しときます。


コマ位置を適正な位置にするとこんな感じ。


無事正常に戻り完了。



それから車ではありませんが嫁からの依頼…


使ってる時にコードから火花が出たという掃除機…

調べるとプラグの根元の被覆が剥がれショートしたようです…






メーカーに修理を頼むと15000円程かかるようで、さすがに掃除機の修理にそんなに払うのはアホらしいのでホームセンターで汎用のプラグを買ってきて自分で修理する事に…




完成…


見た目は気にしません…笑

他にもブラシが回らないとの事でしたがこちらはベルトが外れてるだけでした…









それからちょっと前に職場に来た悪魔の誘惑…笑

東京から遥々来たというスナップオントラック…
中には色んな箱がたくさん…

正直、今の工具箱はもう手狭です…
工具は増える事はあっても減る事はありませんから…
そこにきてこんなん見せられたら…

ねぇ…笑


現実的に良いなと思ってるのがKRL722…



でも生で見ちゃうとそのデカさが魅力のEPIQ…
サイズも値段もヘビー級です…



あー見ると欲しくなる…笑



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最近の作業…22

2018-07-28 20:14:39 | 整備

まずは以前の記事にも書いた車検で入庫していたトレーラーが整備中にフレームの亀裂が発覚した件…

とりあえず応急修理から戻って来たので引き続き継続車検の整備を行なっていきます…


こんな感じに亀裂の入っていたフレームは…





部分的に切り抜き移植されて返って来ました。


コレ補強じゃなく赤線の部分を切り抜いて同じ板厚の材料をはめ込んで溶接してあります。



でも…

メーカーとしては一度亀裂の入ったフレームは基本的には交換するそうで…

その為、今回は応急との事。


まあタンクローリなのでフレームというかドーリーASSYでの交換になるんでしょうね…



そりゃエライこっちゃ…




とりあえず車検整備の続きを…
引きずって溶けてしまっていたABSセンサーやブレーキシューも新品に交換。







無事にチェックランプも消え、過去故障コードも消去して完了。



お次はつい先日エンジンチェックランプが点灯してEGRバルブを交換したプロフィア …



またまたチェックランプが点灯したとの事で入庫…
今現在は点いていませんが…


診断機で故障コードを確認すると尿素SCRシステムでした。


下流側NOxセンサーの故障…
定番ですね…



しかしNOxセンサーってホントよく壊れますね…
その大半がセンサ部への水分付着による故障なんて話もありますが…
NOxセンサに限らず、空燃比センサやO2センサもそうですがセンサ部への水分ってNGですからね…

でもマフラー内と外気温の差で結露により発生する水分は防げませんし、エンジン制御による排気熱でその水分を早期に蒸発させる事もしてるようですが、それが上手くいってないって事なんでしょうか…
尿素SCR触媒で発生した水分は温度からも即蒸発するでしょうし…

水分による故障じゃないとしたら単なる耐久性不足とか…


まあどういう理由か定かではありませんが、とにかくよく壊れます…

イイですよ?それが数千円の物なら…

でも一個5万オーバーですから…
車によってはそれが2個も付いてる訳ですから…

今回のプロフィアは先月にもEGRの故障で15万近い部品代がかかってます…
それに加えて今回のNOxセンサ×2で10万超え…

困ったもんです…


まあ文句を言った所で直る訳では無いので交換するしかないんですけど。





ちなみにセンサーを取り外した穴から内部のDPFやSCR触媒をファイバースコープで確認…
こちらがDPF出口側…






約40万キロ走行していても、まっさらでキレイです…
これが正常な状態なんですよね。

前回書いた尿素水が混入したプロフィアのDPF状態はこんなんでしたからね…


SCR触媒出口側も正常な車両は当然ですが煤の付着はありませんが…


同じく前回のプロフィアのSCR触媒出口側はこんな状態。




それはそれとして…
NOxセンサを取り付けて完成…





その後NOxセンサがキチンと仕事をしてるか確認…
DPRを強制再生させてNOxセンサによるSCR制御に移行させます。
燃焼温度は問題なく昇温…


前後のNOxセンサは正常に機能してます…




という事でプロフィア も完了。




お次もエンジンチェックランプが点灯した…との事で入庫したPA-FK71ファイター。
おまけにエンジンに力が無いような気がするとの事。

こちらも今現在はチェックランプは消えております…


走行距離は8万キロほど…
故障コードを確認すると…


色々と入っておりますが、気になるのはDPF目詰まり…

とりあえずデータを確認するとアイドリング状態にもかかわらず、差圧は8.0kPa…

明らかに高いですね…

更に全開時は…


67kPa…‼︎‼︎⁉︎
最大値は70kPa超え…

コレは異常な差圧です…

次に差圧センサが正常かどうかを確認する為に差圧ホースのマフラー側を取り外し大気圧対大気圧の状態にしてもう一度差圧を測定すると…



差圧は1kPaに…



という事で、差圧センサは正常に反応してるようです。

なので…

これはDPF内部のふん詰まりで間違い無さそうです…

ただ、この車両も微量ながらマフラー出口からは黒煙が出るので…
恐らくフィルターは溶損しているでしょう…
DPF詰まり&溶損による排気抵抗増、その為エンジンに力が無いと感じるんだと思います。

問題は何故DPFが詰まったのか…

燃料フィルターケースからサンプルの燃料を少量抜いてみるも特に問題は無さそうでした。

個人的に気になるのはコレ。




スパレスタ…です。

いまだに多くの石油精製工場や科学薬品工場なんかでは乗入れ車両に取り付けが義務化されてる所もあるようですが…
このスパレスタはマフラーから出る火の粉を防止する為の物で…
もともとはアメリカで発生していた山火事の原因が自動車やバイクなどの内燃機関から発生した火の粉がマフラーを通り抜けた事により、火災が発生したと言われており、その火の粉の飛散を防止する事を目的として普及した…なんて話は聞いた事があります…

まあ昭和の車なら十分あり得る話だと思いますが…(特にアメ車では…)
その時代からはもう30年以上も経つんです…

そういう意味で最近の車にスパレスタが必要かどうか。


私は必要無いと思います。


だって今時の車でマフラーから火の粉が出るなんてあり得ないでしょうに…笑


もっと言えば最近のDPF付き車両のマフラーエンドにスパレスタなんかつけたら間違いなく排気抵抗の増大に繋がりますよね。
そうなると必然的にECUは正確な差圧が分からなくなってきます…
正確な差圧が分からないという事はDPFの再生制御にも関わってきて、差圧を高いと誤判定する事で無駄に再生しようとする訳です。

つまり…

百害あって一利なし…状態。


という事でこちらはDPF交換とスパレスタ撤去の見積りです…



最後は何かの部品?の製作依頼。

整備工場ですが依頼があればこんなも仕事も受けます…笑

アルミ板をレーザーで切り抜きされた板にリブを溶接して欲しいとの依頼です。



リブの位置はツラから10mmの所にという指定なのでその通りに。
リブを仮付けして溶接ビードの長さを均一にする為にマーキング。




で、本溶接。







同じ物を何個も製作…






TIG溶接もトーチを水冷にしないとアルミの連続溶接の場合、熱くてトーチを持ってられない程になります…
まあ軍手で溶接してるのがそもそもいけないんでしょうけど…

しかも最初の1個目よりも最後の方が溶接が明らかにキレイになってる…笑




最初からこのレベルで溶接出来なきゃまだまだ未熟物ですね…


あとは引き取り待ちです…




お盆休みまであと少し…



しかし暑いですねぇ…




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プロフィア …尿素水混入トラブル。2

2018-07-21 21:05:45 | 日野
前回の続きです…

サプライポンプ、DPR、尿素SCR触媒を交換してとりあえずエンジン始動出来るまでになりました…


ここから綺麗な軽油と洗浄剤を入れエンジンを回し、リターンを排出し可能な限り燃料経路の内部を洗浄していきます…


リターン燃料は全て廃棄する事になりますが、この方法が一番早くまた確実に綺麗になります…

エンジンを回しながらとりあえず100リッター程循環させた時の変化がこんな感じ…
左が新品、真ん中がサプライポンプ交換直後のリターン燃料、右が100リッター循環時のリターン燃料。


多少綺麗にはなりましたがまだまだ汚れております…

という事で更に150リッター程給油して内部の循環洗浄…


最終的にこんな感じ…
同じく一番左から新品でそれ以降のリターン燃料の色の変化です。


一番右が最終的なリターン燃料…
まあここまでキレイになればとりあえず安心でしょう…
という事でリターンホースも燃料タンクに接続し内部洗浄は完了…

で、引き続き診断機を繋ぎインジェクターの補正値を確認…


データを見ても分かる通り…

悪くは無いんです…

数値自体は…



ただ、アクセルをグンと開けた時にエンジンからカタカタ音がするんですよ…


しかも結構大きな音で…


これはパイロットやプレ噴射が上手くいってない時に発生する音で…
いわゆるノッキング音…


コモンレールのマルチ噴射は1サイクルに複数回の燃料噴射を行うんですが…
パイロット噴射に始まり、プレ噴射、メイン噴射にアフター噴射、最後にポスト噴射などなど…
これを1サイクルで行います。

メイン噴射の前に行われるパイロット噴射とプレ噴射はどちらも予備燃焼でパイロット噴射はPMをプレ噴射はNOxの発生をそれぞれ抑制する効果があり、それと合わせてディーゼル特有のノッキング音の低減効果があります…


エンジンサイズにもよりますがこのディーゼルノック音はまあまあ大きな音で、結構な騒音になるんですが…

今回はアイドリングでは気になりませんが吹かすと『カタカタカタ…』と不快な音が発生しておりました…

まあよく考えればあれだけ汚い燃料が回っていた訳ですからインジェクター内部も当然汚れているでしょう…


という事でインジェクターも交換する事にしました。




インジェクター交換時は高圧パイプも基本的には同時交換となっており交換するパイプをまとめたパイプキットの設定があります。
日野さんはこういう所が親切ですね…
マフラーのガスケットキットもそうですが、これだと発注漏れも無くなりますし頼む方も頼まれる方もミスなく効率的になります。




リビルトインジェクター…


振り分けて…



インジェクターを取り外し…


車が新しいだけあって見た目もキレイです…
が、左から順に1〜6番ですが2番の先端はリークしてる跡も見られますね…


インジェクターやパイプを取り付け…




ヘッドカバーやEGRパイプを取り付けて…
IDコードも書き換え。


エンジンを始動して確認…

無事にカタカタ音は無くなりました。

これビフォーアフターの動画を撮っておけばよかったと後悔してます…笑

それくらい劇的に静かになりました…


後はサイドバンパーやらデッキパネルやらを取り付けて…


全ての作業が完了です…

後は使っていく段階で燃料ももう少しキレイになるでしょう…




で、以前ちょっと気になっていた事…
燃料に尿素水が混入したのにセジメンタのフローセンサーが反応しなかった事がどうにも気になり…

ちょっと実験…

軽油に尿素水を入れた場合どんな状態になるのか…⁉︎

軽油と尿素水…


混ぜてみると…

尿素水を入れた時に泡が立ち、それがなかなか消えないんですよね…


当然、軽油は上部に溜まりますが下部には泡立った尿素水が…

しばらく放置しておくと泡はパチパチ弾けながら収まってきます…


落ち着くとこんな感じ。
上が軽油で下が尿素水…



もしかしたらこの泡立った状態にフローセンサーが入ると浮かなかったりするのかな…

どうなんだろ…

それはそれで今度時間見つけて試してみる事に…



しかし最近の暑さといったら異常ですね…



こんな日は早く帰りましょう…笑






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プロフィア …尿素水混入トラブル。

2018-07-14 16:49:48 | 日野

前回の記事で少し書いた燃料に尿素水が混入してトラブルとなったプロフィア …



部品も揃ってきたので作業を開始。


症状としてはマフラーから黒煙が出る…との事でしたが、診断結果としては燃料タンクにアドブルーを誤注入した結果、サプライポンプのメカニカルシールがダメージを受け燃料にエンジンオイルが混入、燃料品質が著しく低下した事によるPM過多状態からのDPF内部溶損、結果的にマフラーから黒煙が出る…という判断に行き着きました。


入庫時に採取した燃料はこんな状態…


とんでもない色をしております。

前回時に燃料タンクも新品に交換して綺麗な軽油を給油してリターン経路をタンクに戻さずタンク外に排出する方法でリターン燃料を調べてあり…

給油した燃料がこの色に対し…


リターンしてきた燃料はこんな色…


この色の変化はエンジンオイルが微量ながら混ざる事によって起こったと思われます。

燃料にエンジンオイルが混ざる可能性がある所と言えばサプライポンプ以外にはありませんよね…

という事でまずはサプライポンプから交換する事に。


特に苦労する事無く外す物さえ外せば降りてきます。
取り外す時か取り付ける時どちらでも構いませんが1番の圧縮上死点は出す必要があります…

で、ポンプを外してギヤの組み替え。






こちらはリビルトのサプライポンプ…




ギヤの取り付け…
締め付けトルクは246Nm…





で、ポンプを取り付けていきます。
まずは1番の圧縮上死点を出します…
フライホイールの1/6のマークを合わせた時のギヤケースの切り欠きとタイミングギヤの山が合っているかで1番の圧縮上死点を確認…
ヘッドカバーを取り外しておらず、サプライポンプも外れてる時はココで1番の圧縮上死点が確認出来ます。


見にくいですがハウジングに切り欠きが作ってあります…


ポンプを取り付けてポンプ側のタイミング確認も…
こちらは確認用の穴と確認用SSTがあります…


SSTが無くてもタイミングの確認は可能ですがその場合パワステポンプを取り外す必要があります…
値段も数千円なのでE13Cのポンプ交換する時はあった方がいいSSTですね…


ポンプの確認用の穴にSSTを差し込み…


奥まで入ればタイミングはオッケー。


ちなみにタイミングがズレてると奥まで入りません。


規定トルクで締め付けます。



で、なんだかんだ取り付けてサプライポンプの交換は完了…
ちなみに燃料フィルターケースも新品に交換しました。





ココから少々脱線します…笑

取り外したサプライポンプ…
返却する前にどうしても確認したいので少々分解させて頂きます。

フィードポンプ部のシールを点検します。




サプライポンプのカムシャフト部にはエンジンオイルが供給されており、フィードポンプ側にオイルが侵入しないようにシールされてます。

キレイにしてみるも明らかな損傷は無さそう…


ただ、シールの中間部分は黒ずんでます…


オイルが侵入した跡でしょうか…

更にフィードポンプ側の燃料経路を見比べてみると…


心なしか吐出側の方が黒ずんでるように見えます…


カムシャフトのシール当たり部が爪でなぞると明らかに段付き摩耗しておりました…




この摩耗も本来こんなものなのか、それとも尿素水が混入した事によるものなのか…
どうなんでしょう…
見比べた事無いから分からないな…

とは言え燃料にエンジンオイルが混入する原因となるのはココのシール不良しか無いですからね…

まあ少々納得いかない事もありますがやっぱり尿素水が混入した事によるトラブルと考えるのが自然ですかねぇ…

とりあえずサプライポンプの交換は完了…




お次はDPFの交換に移ります。
サイドバンパーやステップ、デッキパネル等を取り外し…


ややこしく見えますがコレも取り外しに苦労する事はありません…


接続されている温度センサーや差圧ホース、尿素水インジェクター、フランジを切り離し、まずはDPR ASSYを降ろします。





それから尿素SCR触媒ASSYを降ろします…







まずはDPFの分解から…
酸化触媒入口側…




反対のフィルター出口側…
煤が酷いです。


表面に溶けた様子はありませんがフィルター出口側に煤が堆積してる時点でフィルター内部の溶損か破損により煤がフィルターを通過している証拠です。

基本的にはDPFはディーゼルエンジンの規制対象となるPM(粒子状物質)より細かい目のフィルターなので通り抜ける事は物理的にありません…
まあ正確に言うとナノサイズの微粒子であるSPMは通り抜けるようですが、規制の対象とはならない程の量のようですが…
色んな文献を読んでいて興味深いのはこのSPMがフィルター表面にスートレイヤーと呼ばれる層を形成する事で元の性能から更にフィルタリング能力を高めているという事。

つまり新品のフィルターに敢えてナノサイズの煤を堆積させる事で新品時より高いフィルター性能を発揮するという事…

考えた人は天才…いや、変態ですね…笑


下の画像を見ても分かるとおりハニカム状のセルの表面だけでは無く内部にも煤が付着してるセルがいくつかあるのが見えると思いますが…


その部分は煤がフィルターを通り抜けてしまってるという事です。


更にSCR触媒の方も分解して確認すると…


SCR触媒入口側は一部溶損しておりました。



出口側も当然ですが煤で真っ黒け。


これではマフラーから黒煙が出る訳です…
更にこんな状態では触媒の機能は十分に活かせないでしょう…

排ガスの後処理機構では…
エンジンから出た排ガスは酸化触媒を通り、その後DPFでPMが捕集されます…
最初の酸化触媒は煤の燃焼を促進する為の触媒で…
そのDPFでPMを除去された排ガス中に尿素水を噴射する事で加水分解されアンモニアが生成され…
そのアンモニアがSCR触媒でNOxと化学反応を起こし無害な窒素ガスと水に還元します。
更にSCR触媒で反応しなかった余剰分のアンモニアを大気に放出するのを防ぐためにアンモニアを酸化させるアンモニアスリップ触媒が付いてます…
触媒はハニカム状のセルに用途に合わせた物質を数種類コーティングしてありますが、そのコーティングされた表面に煤が堆積すると還元作用は明らかに低下します…
ましてやDPF以降の触媒では煤が堆積する事は想定外ですからね…


こちらが新品のDPR ASSY…


前側に酸化触媒、後側にDPFが組み込まれてます…

更に追加で注文していたSCR触媒も…


こちらも前側にSCR触媒、後側はアンモニアスリップ触媒が内蔵され一体となっております。


余談ですが、この触媒2点でお値段70万超えです…(-_-;)



まずはDPRの組み立て…




ちなみにこのマフラー関係を洗浄や交換する場合に必要となるガスケットやボルト類をまとめたキットがあります…



SCR触媒も組み付けて…




各フランジのボルトは規定トルクで締め付けます…




で、まずはSCR触媒を車両に取り付け…


更にDPRも取り付けます…







と、マフラーを取り付けた所で一旦終了…


長くなるので続きは次回です。






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最近の作業…21

2018-07-03 20:46:58 | 整備

まず、前回の記事について予想を超える反響が色々とあったので誤解を防ぐ為に説明を…

環境を変えようとしているのは事実でそのように行動はしていますが、今のところまだ会社に退職の意思を示した訳ではありません。
あくまで自分の計画の話ではありますが引き継ぎなども含めて年内いっぱいは現在の職場にいる予定です。

沢山の方からコメントやメッセージにて激励や厳しいお言葉を頂き大変嬉しく思います。
ありがとうございます。

また話が進み次第ご報告しますm(_ _)m








という事でブログはまだまだ続きます。


なんだかんだでこの最近の作業シリーズも21回目…

単発でのネタにはちょっと足らないちょいネタを集めたバージョンで、題名に困らないので便利です…笑


まずは車検で入庫した1軸タンクトレーラー。


引取り時にABSのチェックランプが点灯していたのでお客様に説明してそちらも修理する方向に。


今の検査基準ではチェックランプが点灯したままでは車検に受かりませんので修理が必要です…

まあ中には見て見ぬ振りする業者もいますが…


現車はEBS対応トレーラーで、このタイプから自己診断機能が無くなり、専用の診断機が無いと故障コードすら確認出来ないみたいです。
とりあえず診断機を繋ぎ故障コードを確認…




現在故障でホイールセンサーのハーネス断線のコードが…


という事で車検整備と合わせてホイールセンサーを点検する事に。

ピットに入れ足廻りをバラし…




ホイールセンサーを見てみると…


樹脂部が溶け落ちてる…
コレはブレーキが引きずって相当な熱がかかったと思われます…

反対側は大丈夫…


片側だけ引きずったみたい。
問題は何故引きずったのか…

点検するとブレーキシューのアンカー部がガタガタ…


Cリングも摩耗はしてますがそれ以前にシューのホールド部分が広がっちゃってます…


コレ実はBPW軸のブレーキシューにはたま〜にある症状だったりします…
国産と違いシューのアンカー部が半円状になってる為、強度が弱いんでしょう…
国産みたいに固着しないというメリットはありますが円状と半円では強度に差が出るのは間違いないでしょう…

ここが広がっちゃうと残念ながらシューの再使用は不可能な為新品のブレーキシューになっちゃいます。

ベアリング類も念入りに点検…


溶けたABSセンサーは取り外し…


とりあえず部品の手配。
普通は部品商や製造メーカーに問い合わせるのがスタンダードですが…
BPWの場合車軸ナンバーからその車軸に使われてる部品の特定が簡単に出来るのでコーションプレートの確認…


ここは色塗らないで欲しいな…
色剥がすの大変だから…笑

で、My BPWからパーツナンバーを特定…


そのパーツナンバーを部品商に伝えれば部品間違いが無く確実です…

で、部品の手配も終わりシャーシブラックを塗ろうとエアブローしてると衝撃的なモノが…

初めは腐食して表面が浮いてるだけかと思ったフレームが…



よく見ると完全な亀裂…





コレは恐ろしや…
これでは車検に受かりませんので修理が必要です…
補強材を溶接するのが現実的でしょうね…
ドーリーを換える訳にはいかないでしょうし…

どちらにしてもウチでは燃料運搬用タンクローリーの溶接作業は怖くて出来ません…笑

という事でメーカーと相談。
結果が出るまで一旦作業は中止です…





お次もトレーラー。

ABSのチェックランプが点く…という事で入庫しました。

確認するとABS警告ランプとABS未接続を示すランプが同時に点灯しており…


通常ならこのように両方が同時に点灯する事ってあり得ないんです…

ABS警告ランプはABSコンピュータに電源が入る事により異常を検知して点灯しますが、逆に未接続ランプは連結時にABSコンピュータに電源が行ってない事を示すランプなんです…

つまり矛盾してる訳です…

とは言え、実はコレもたまに遭遇するトラブルで…

過去にあったケースでABSコネクタからコンピュータ間のハーネスが中途半端に切断されていた事で両方が同時に点灯してた事もありましたが…

それより更に多いケースとしてよくあるのがABSコンピュータ側コネクタの接触不良。

しかもクノールのKB4TAというタイプのABSに圧倒的に多い事例です…


ABSモジュレータ上部のカバーを外すと…


各ポートにコネクタがささっていますが…

コレ…


コネクタは接続されているように見えますが、実際にはもっと奥まで入るんです…

キチンと接続すると…


ね?笑


理由は恐らくトレーラー側で溶接作業をする時にABSコンピュータへの流電を防ぐ為にコネクタを外して溶接をするんですが…
作業が終わったあと、コネクターを接続する時の挿入が甘いんです。

おまけにこのKB4TAはコネクタが挿しづらいというのも相まってこのようなヒューマンエラーが発生してしまいます…

何らかの理由でコネクタを外した時はキチンとツメが掛かるのを確認する事で防げます。

その後は両方ともチェックランプも消えて正常になり無事終了です。





そして厄介な状態の車両が入庫…


28年式のSHプロフィア…
走行は僅か8万キロほど…

お客様曰く、マフラーから黒煙が出るようになった…との事でディーラーさんに持って行ったらしいのですが…

ディーラーから提示された修理代は驚愕の200万超え…

ビックリした担当者さんがディーラーに『どうなってるんだ⁉︎』と問い詰めたところ…
ディーラーさんからは『コレ…燃料に尿素水が混じっちゃってます…恐らく運転手さん燃料タンクに間違えて尿素水を入れちゃってますよ…』
と言われたそうで…

担当者さんが運転手さんに確認したところ2ヶ月前に燃料タンクに間違えて尿素水を入れてしまった事を認めたらしく…

担当者さんもトーンダウン…笑


ただ、自分側の責任とはいえ200万もかかる修理をすんなり通せる訳もないらしく…

本当に200万もかかるのか⁉︎
もっと安く済む方法は無いのか⁉︎

そこでウチに依頼がきた次第です。

お客様の気持ちも分かります…
いきなり200万オーバーの修理代をOKする訳にもいかないでしょうから…

ただディーラーの担当者さんから話を聞く限りだと状態はあまり芳しくないようです…

まず記録データでは排気温度が1000℃まで上がっていたらしく…
その状態でマフラー出口から黒煙が出る…というのはDPFの溶損を意味します。
通常なら黒煙であるPMはフィルターでほぼ100%捕集されますから。
その上DPFが溶ける程の温度となれば尿素SCR触媒も無事かどうか…

更に異常燃焼を起こすほどPM過多になるという事はインジェクターの噴射状態も含め燃調が良くない事は容易に想像出来ます。

問題は燃料に尿素水が混ざった事によりサプライポンプまでダメージを受けてる可能性が高い事。

基本的に尿素水優勢なら当然エンジンはストールしますが、今回はエンジンが止まるほどの量では無いけど機構に悪影響をもたらすほどの量が混入したと思われます。

運転手さんはネットで燃料タンクに尿素水を間違えて入れた場合の情報を調べた所、問題無いとの趣旨の情報を得たらしく報告しなかったらしいですが…
中には燃料に尿素水が混ざると排ガスがキレイになるなんて馬鹿げた情報もあったらしいです…笑

ネット情報を100%信じないで下さいね…
勿論、真実が書いてある事もありますが素人が適当な見解で情報を載せてる事もあるので…


ただ、個人的に1つ気になる事があり…

ドライバーさんの話だとセジメンタのウォーニングランプは点灯しなかったとの事。

これがどうにも納得いかない事なんですが…

尿素水は水に尿素を溶かした水溶液で67.5%が水で32.5%が尿素です…
つまり、7割水で3割尿素…

そんな7割水の液体が燃料に混入したのにセジメンタのフローセンサーが反応しなかったというのがどうにも腑に落ちない点でもあるんですよね…


実際に燃料を少し抜いてみるとコレですよ…


真っ黒け…
恐らくエンジンオイルが混入してます。

それからディーラーさんから預かった古いフィルターはこんな状態。


混入した尿素水が結晶化してます。

この状態から現状では尿素水が燃料に混ざった事により不具合を起こしたと考えるのが妥当です…

燃料に尿素水が混入→混ざった燃料は潤滑性が低下しサプライポンプのメカニカルシールを損傷→損傷したメカニカルシールからエンジンオイルが燃料に混入→燃料品質が著しく低下しインジェクターの機能低下→噴射状態が悪くなり排ガスが悪化→PM過多になりDPFに堆積→DPF内で異常燃焼を起こしフィルターが溶損→マフラーから黒煙が出た…

順当に考えればこんな感じでしょうか。

ディーラーさんは燃料系統の総交換とマフラーASSYの交換を提示した為200万を超える修理代になったと思われます。

ただ個人的には決して間違った見積りでは無いと思います…
後々のトラブルを考えたらその都度掛かる時間や費用を考えて全交換というのは選択肢としてはアリだと思います…

ただし、今回はお客様の要望で『何とか抑えたい。結果的にその金額になったらその時は諦める』との事なのでウチとしては出来る限り慎重に診断して少しでも費用を抑えれるよう段階的に修理を進めていく事にしました。

まず燃料があんな状態なので今現在内部に溜まってる燃料を抜き、綺麗な燃料を給油、燃料フィルターもディーラーさんでも交換したようですが、もう一度交換します。






新品のフィルター…



プレフィルターや接続されるゴムホース類も交換。




綺麗な燃料を50リッター給油して燃料のリターンホースをタンクに戻さず外部に排出…


そのままエンジンを始動してリターンの燃料の状態を点検します…




リターンしてきた燃料…


色はやはりおかしいですね…

燃料が無くなるまでエンジンを回しリターンしてきた最後の方の燃料を採取。

まずコレが給油した燃料の色。


で、こちらが戻ってきた燃料…



並べてみるとこんな感じ。


ここで綺麗な燃料がリターン側に戻ってこればという淡い期待もありましたが…
この違いからサプライポンプからのオイル混入は現在進行形と思われます。

このサイクルが繰り返され入庫時のようなドス黒い色になったんでしょう。

という事でサプライポンプの交換は必須となります…

更にマフラーから黒煙が出る時点でDPFは内部で溶損してると思われ交換が必要です。

尿素SCR触媒は分解時に内部状況を点検して判断する事に…

インジェクターの補正値は意外にも悪くはありませんでしたが、過度な期待は辞めときます。笑

なので現状サプライポンプとマフラーの交換は決定的になりました。
インジェクターはポンプ交換後洗浄剤を注入して要経過観察、尿素SCR触媒は分解時に点検といった感じ。

とりあえず部品を手配して現在作業待ちです。

今回のような燃料タンクに尿素水を間違えて入れるトラブルは遅かれ早かれ入庫するだろうと想定はしていましたが…
尿素水を間違えて燃料タンクに入れてしまった場エンジンをかけずにその場で燃料を抜き替える事。
これで損失を最小限に抑えれる上、無用なトラブルは防げます。

尿素水タンクに間違えて燃料を入れた場合も同じです。

間違ってもネットのデマ情報を信じないで下さいね…笑


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リフレッシュ…

2018-06-26 19:03:29 | 旅行・観光

仕事ネタばかり書いているとどうしてもマンネリ化してくるので…


今回は観光ネタです…笑




つい先日、ちょっとした用事があり家族と東京へ行ったんですが…

せっかくなので帰りの道中で一泊し観光してきました…




この写真でどこか分かる方もいるかもしれませんが…


静岡です。
自然が多く良い所ですね…

一番の目的は子供に大井川鐵道のリアルトーマスを見せてあげる事…笑

前から連れていってあげたかったんですが、なかなか予定が立たず行けずじまいだったので今回諸用で東京に行くついでにい予定を立てた次第。

で、トーマスも最初は見るだけを想定してたんですが、現地に行ったら席に若干の余裕があるという事で急遽乗れる事に…

車で行ったんですが新金谷駅周辺には無料の駐車場があり駅までのシャトルバスなんかもありすごい便利でしたね…

行きは新金谷駅からSLに乗って千頭駅まで行き帰りはトーマスに乗って帰ってくるというプラン。
本当は千頭から先の井川線の方が絶景らしくそっちも乗りたかったんですが、土砂崩れの影響で行けないとの事…(^_^;)

しかしこんな何百トンもある列車を蒸気の力だけで走らせるなんて凄いなぁ…
職業病でメカ的な部分が気になって仕方ないです。笑





なんか子供よりも自分が楽しんでるような状態でしたが、SLに乗って新金谷駅から千頭まで1時間ちょっとの旅…
大井川沿いを走る線路、車窓からの風景はキレイでした。





で、千頭駅に到着。


あ…


いた…笑
ヒロにパーシー。


更にトーマスも…


帰りの列車の時刻まで1時間程空くので付近をフラフラしてたら美味そうな匂いにつられて見事に罠にハマる…


普通に美味かった…笑


帰りはトーマスに乗れるという事もあって子供は大喜び…

が、実際に乗って分かった事…

乗ってる人間にはそれがトーマスだって事は分からないという事実…


いや…よく考えたらそりゃそうだよなぁ。

外から走ってる所を見た方がトーマスだと思えるでしょうね…笑

まあでもなんだかんだ楽しかったし、身も心もリフレッシュ出来たので満足。



最近は仕事で色々とあったんですよ…笑
正確に言うと最近というかここ1年くらいずっと…

理想と現実のギャップ…

これに尽きますね。

なんでもそうだと思いますが目標があってのプロセスだと思うんですが…
会社の目指す目標と自分の目指す目標に許容出来ないギャップが生じた場合…

・納得出来ないまま我慢して続けるか…

・自分の考えを尊重し行動するか…


どっちが正解かどうかはその時々によって変わるだろうし、またその後の行動でも変わってくると思います。

でも私には納得出来ない事を納得出来ないまま続ける事は到底出来ません。

ここ1年程前から色々とアクションは起こしてきましたが…
どうやら会社に改善する気は無いようです。


ま、私は自分の信じた道を行きます…笑


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最近の作業…20

2018-06-21 08:53:55 | 整備
最近の作業です…


まずはFR1プロフィア …
エンジンはA09C。

エンジンチェックランプが点灯したという事で現地まで出張で見に行く事に。
お客様曰くチェックランプが点いてエンジンの吹け上がりが悪くなったらしいです…

現地に到着して…


早速確認すると…
現在点灯中。


ドライバーさんの言うようにアクセルを踏み込んでもブスブスとくすぶってしまいスムーズに吹き上がりません…

故障コードを確認すると…


EGRアクチュエータ故障…

ほぼ答えですね…笑

写真撮り忘れましたがデータ上のEGR開度はフェイルセーフの為、目標が0%なのに対し実開度は51%と開きっぱなしで固定されてました。
これではエンジンも吹けないはずです…

その後何度かキーのON、OFFを繰り返すと動いたり動かなかったり…と動作は安定しませんが完全に固着してる訳でも無さそうです。


という事でEGRアクチュエータの不良で間違いないでしょう。

通常EGRが故障と判定されるとフェイルセーフで全閉状態で固定されるので運行にはさほど影響もありませんが、今回のように開きっぱなしで固着するとエンジンの吹け上がりはすこぶる悪くなります…
また、フェイルセーフにより全閉固定されるとEGR制御によるNoxコントロールが出来なくなるのでアドブルーの消費量は一時的に多くなったりもします。
もちろん走れるからといって、そのままずっと運行する事は出来ないので早めの修理が必要ですが…


部品を問い合わせると近くの営業所に在庫もあるようなのでそのまま車をお預かりして修理する事に…
作業的には特に苦労する事はありません…




パイプごと取り外しEGRバルブを交換します。


が、しかしパイプの中は…




バルブも…


カーボンがゴテゴテに…
更にEGRクーラーのコアも…



出来る範囲で掃除はしますが…



コレですよ。笑


このカーボンがエンジンに吸われる訳です…
当然、エンジンにとって良い事は何一つありません。

EGRは本来エンジンにとっては全く必要ない機構ですからね…

環境対策の副作用として修理コストが高くなりそれをユーザーが負担する…

どう思います⁇


新品のEGRバルブASSY…
135000円です…(;´д`)



パイプ類のカーボンも出来る限りキレイにしてバルブを取り付け…





更にエンジンに組み付けて…




データを確認…
目標開度に対して実開度の追従も良好です。


という事で修理は完了。

しかし環境対策の為に車の維持管理コストは確実に上がってますね…
最近のディーゼルエンジンのトラブルはカーボンやブローバイガスを起因とするものがほとんどです…

少々話逸れますが…
つい先日、あるケミカル関係のプロフェッショナルの方とお会いする機会があり、昨今のカーボントラブルについて色々とお話をさせて頂きました…
業界としてはディーゼルエンジンのカーボントラブルに対して徹底的に原因究明やテストを繰り返し行っている趣旨、最近では良好な結果が出た事など非常に為になるお話をさせて頂いて、やはり第一線を行く方は違うなぁ…と感心しました。

その中で一つ勉強になった事…
ディーゼルエンジンに対する『エンジンオイルの成分や特性』
これが我々が思っているよりはるかに重要だという事…
DPF付き車両にはDH-2オイルが指定されているのは周知の事実ですが、最近の研究ではDH-2でも内容成分によってカーボンやブローバイのトラブルに繋がる事が判明したようです…
もっと言ってしまえば純正メーカーが指定するオイルでさえ不十分な事もあるらしいです…

更に意外だったのは交換サイクルもオイルの成分によっては頻繁に交換するのはかえって逆効果になるという事。

多くの人が最近のディーゼルエンジンのカーボントラブルは機構上避けられない事と思ってる中、(私もそうでした…)実験と検証を繰り返し原因を追求、それに対する対策を行いまたテスト…という途方もない苦労を重ね、現状のトラブルを無くそうとする姿勢は尊敬に値します。
某メーカーさんには純正採用が決まったようなので今後が少し楽しみです…
様子を見てウチも検討してみます…

話が逸れましたが…


恒例?の分解チェック。


EGRバルブにギヤ、コントローラが一体になっておりCAN通信にて制御されてます。
カバーを取り外すと…


錆が…


アマチュアを抜き取ると…


ブラシレスモーター。


見るところベアリングからの錆っぽいですね…
ベアリングにはガタがあります…
そのガタによりステータコイルとローターコイルも接触してます…

ギヤ類には問題ありません…


これは経年劣化っていうよりベアリングの耐久性の問題じゃないでしょうか…
こういった状況をメーカーが製造側にフィードバックする事で今後がキチンと対策されていれば良いんですけどね…

どこかのメーカーみたいに何でもかんでも定期交換部品だなんてバカげた話は勘弁してくださいね…笑

という事でプロフィア は終了。



お次はタイミングベルトの交換で入庫したKDH200Vハイエース…



走行距離は約30万キロ…
インジケータも点灯してます。


タイミングベルトに加えウォーターポンプやサーモスタット、オイルシール関係を交換するフルコースです…
写真だけサラッと…笑
















交換した部品達…


インジケータをリセットして完了です。


それからマイカーの運転席アームレストの表面がひび割れして肘がチクチク痛かったので…


新品に交換して


完了。


アームレスト単品で6000円…
高いのか安いのかよく分かんないっす…笑

とりあえず左肘の不快感からは解放されたのでヨシとします…





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再修理…

2018-06-13 19:07:24 | いすゞ
NPR81エルフ…
エンジンは4HL1。

エルフに限らず…
いすゞ車に多いトラブルとしてよくあるのが冷却経路へのエンジンオイル混入…

多くのエンジンがエンジンオイルなどの油温上昇対策としてエンジン冷却水を利用した水冷方式を採用しており…
水冷という構造上、オイル経路と冷却水経路が重なり合う部分が必ず出てきます。
当然、その重なり合った部分はオイル経路と冷却水経路双方からお互いが混入しないようにシールされてるんですが…
そのシール部が劣化すると冷却水経路にエンジンオイルが混入したり、逆に冷却水がオイル経路に混入したりします。

正直、他メーカーのエンジンではあまり見ない故障ですがいすゞ車には頻繁に起きます…
少なくとも私はいすゞ車でしかこの症状を見た事がありません。


実は今回の車両は3ヶ月前にオイル混入でウチのメカニック I 氏がオイルクーラーの修理をしたんですが…

その後の3ヶ月点検でオイル混入が改善されていない事が判明…
このまま使用し続けるとオイル混入で早期劣化したホースがパンクする可能性大なので、お客様に現状を説明し再度車両を預かり修理する方向になりました。

とはいえ3ヶ月前にオイルクーラーを修理してるのにまだ混入するって事は別の箇所の可能性もあるよな…という事でフロントケース部のシール部も疑い同時に修理する事に。
ちなみにノズルチューブもオイルと冷却水が紙一重の部分ですが、ココは構造上冷却経路側の方が圧力が高いのでオイルが侵入するというよりは冷却水がエンジンオイルに混ざる症状の方が強いです…




作業の方は写真が撮れていなかった為、かなり中途半端なところからですが…笑
オイルクーラー周辺やフロントケース周辺を取り外し。


現車はインディペンデントサスなのでフロントケース取り外しは正直手間がかかります…

フロントケースの取り外しにはオイルパンを取り外す必要がありますがインディペサスの場合クロスメンバーが邪魔でエンジンを吊り上げないとオイルパンが外れません。
更にはステアリングラックも邪魔なので取り外します…




エンジンを吊り上げるため、マウントを取り外すと右側は見事に破断しておりました…


こちらはついでに新品に交換します。


フロントケースやらオイルクーラーも取り外し。




オイルの回ったラジエータはラジエータ屋さんにオーバーホールしてもらいます…

で、オイルクーラーハウジングを掃除しようとした時に原因を発見。



ハウジングのOリングが変形してる…


ココからオイルが侵入したのは間違いなさそうです…


それよりこの状態を見てもう分かる方もいると思いますが…

原因は以前オイルクーラーの脱着作業を行ったI氏のミスです…


恐らくボンドの塗り過ぎでしょう…


ハウジングを取り付ける時に塗り過ぎたボンドが押し出され、その押し出されたボンドがOリングを変形させたんでしょう…


中には多めに塗っておけば安心だろう…と必要以上に塗るメカニックもいますが、ボンドは多過ぎても少な過ぎてもダメ…あくまでも適量です。

整備書にもボンドを塗る時にここのOリングに付着しないようにと注意書きがあります…

もちろん整備書のように数mm幅で一定で完璧に塗る事は人間の手では不可能ですが、今回はボンドの塗布量の重要性が分かる事例ですね…

念の為コアのリークテストもしましたが問題なさそうです。





ハウジングやフロントケース類を洗浄して…


コアの組み付け…


エンジンに取り付けて規定トルクで締め付けていきます…


フロントケースも同じく取り付けてウォーターポンプは新品に…




オイルパンも取り付けてマウントも…


オーバーホールを依頼してたラジエータも戻り…
アッパーとロアタンクのパッキンの交換と内部洗浄してもらいました。


こちらも車両に取り付け。


ラックピニオンやフロントセクションも…






更にコモンレールやサプライポンプも…




ブヨブヨになったサーモスタットも交換します。


で、組み上がったら…
エンジンを回して可能な限り内部洗浄を行います。


アッパーホースから出てくる水がキレイになったらオッケー。
ピンボケすいません…笑


ホースを接続して完成。


念入りに試運転して最終確認…



今度こそオイル混入も止まり完成です…

ウチのミスでお客様に迷惑をかけてしまったので今後こういう事が起きないよう再発防止を徹底しなきゃいけません…

このI氏はボンド大好きメカニックなんですよね…
何かとボンドで対処する悪い癖があります…
ちなみに過去に新品のラジエータホースにボンド塗ってその後すっぽ抜けたのもこのI氏の作業です。

ボンドの扱い方に関しては幾度となくミーティングでも共有してるはずですし…

指摘もしてますが…

周りがどれだけ口酸っぱく言った所で当の本人に改善する気が無ければ何も変わらないって事ですかね…

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プロフィア …プロシフト不調。

2018-05-31 20:35:43 | 日野
24年式のLKG-SH1Eプロフィア…

プロシフトが変速出来ずチェックランプが点灯…
走行不能になったとの事でレッカーにて入庫しました。




現在はチェックランプも消え走行可能なようですが…


故障コードを確認すると…


P188C シフトユニット故障
P0913 シフトユニットモーター異常(無電流異常)


と以上が過去コードとして残っていました。
各データは少々気になるところがあるものの今のところは正常に作動してるようです…






このP188Cシフトユニット異常の検出条件は自動変速時や任意変速時にシフト制御を3回やり直しても完了しなかった場合に異常と判断するようで…

P0913シフトユニットモーター異常はシフト制御時にモーター駆動信号を出しているにも関わらず無電流の状態を検知すると故障コードを記憶するようです。

この条件から考えればおおよそ不具合の原因は予想がつきますが…

プロシフトECU〜シフトユニット間のハーネスは点検の結果異常なし。
可能性としてはプロシフトECUなどの不具合も無いとは言い切れませんが症状が出たり出なかったりという事を考えるとアクチュエータの可能性の方が高いですね…
症状が確認出来る状態であればデータ上のシフト制御ステータスからシフトモーターの実デューティの変化を見れば原因も特定出来るでしょう…

ただ、今は正常になってるので確認出来ず。

お客様には今現在症状が確認出来ない事も伝え、原因の可能性が高い部品の見積もりを出しておりましたが…

OKが出たので早速作業開始です。

現車はトラクターヘッドなのでミッションへのアクセスはデッキパネルを外せば非常に楽チン…
カーゴとかだと地味に苦労すると思います。



問題の部分…


シフトモーターと…


セレクトモーター…


見るところレンジケースが交換されてるのでリコール対象車ですね…
このミッションはプラネタリキャリアの強度不足から起こる変速不良でリコールが出てます…

今回は恐らくシフトモーターの不具合でしょうが、シフト側もセレクト側も同じモーターを使用しているので予防も含めて両方交換です。
値段も1個約26000円とさほど高くもありません…

取り外して…


新品のモーター…
近くの各営業所には在庫がゴロゴロしてるのでよく出る部品なんでしょうね…笑


取り付け…
締め付けトルクは6Nm。


トラクターヘッドなので交換作業自体は30分もあれば終わります…



で、シフト、セレクトモーターの取り付けが終わったら各学習の実施。
A-MTなのでアクチュエータやセンサー交換後は初期学習が必要になります…

ダイアグモニターと専用ハーネス…


運転席足元にある設定用コネクタと専用ハーネス、ダイアグモニターとATMタグの付いたコネクタをそれぞれ接続します。




まずはニュートラル学習…
このニュートラル学習はプロシフト用エアタンクのエアーを全抜きしてノーエア状態で学習させる必要があります…

キーONにして…


所定の操作をして学習…




最終的に表示が"N"表示になれば学習完了。


続いてシフト位置学習…
今度はエアーを溜めてまたまた所定の操作を…




こちらも"N"表示で完了。


更に通常はモーター交換時には必要の無い作業ですがドライバーさんからクラッチの繋がりに違和感がある…という事だったのでクラッチ学習もついでに行う事に。
エンジンを暖機してコレまた所定の操作を…


しつこいですが"N"表示で学習完了。


で、整備書では本来ならシンクロ学習も行わなければならない事になってるんですが…
このシンクロ学習だけ何故かダイアグモニターでの学習は不可能…
専用の診断機が必要になってしまいます…

当然、専用診断機なんて持ってないのでシンクロ学習をするならディーラーさんにお願いする必要があります…

が、実際にはギヤイン時にギヤ鳴りがする事も無いので今回はこのままです。

勿論、プロシフトECUやシンクロ機構を交換した場合には間違いなく学習は必要になってくる作業だと思いますが、個人的には今回のようにモーターやシフトユニットだけの交換時はギヤ鳴りしなければあえて現学習値をリセットする必要は無いと思いますね…

それにこのシンクロ学習も結構大変そうなんですよね…
走行しながら学習する必要があるのでスピードテスターなどのフリーローラーに乗せないと学習も出来ませんし…
その一連の作業を10回以上繰り返さなければならなかったり…
それで完了という訳ではなく、トラクターヘッドは更に使用過程で学習していくという複雑な工程…




今のところ念入りに試運転しても特に不具合はありません…




故障コードも無し。


これで恐らく問題ないでしょう…

後はカバーを取り付けて…



完成です。









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最近の作業…19

2018-05-27 00:48:12 | 整備

まずは前回トラブルシュートをしたコンドル


見積りを出してお客様の返事待ちでしたが承認が下りたので作業を開始。
もともと車検で入庫してたので車検整備とVNTの交換を同時進行で作業…

アレコレ外して…


トラブルの元凶であるVNTコントローラ…


取り外し…


取り外したVNT…
ポイしてやりたい気分ですが返却する必要があるのでそういう訳にもいきません…


こちらはリビルトのVNTです。


スタッドボルトなどを交換して…


どんどん組み付け。




で、エンジン始動…


ヒューズが飛ぶ事も無く故障コードも無し。


エアフロやVNTにスロットルの作動にも当然問題ナシ…






これにてコンドルは完了…


お次はサイドブレーキを引いているのに坂道で車両が徐々に下がってくる…との事で入庫したキャンター。
ブレーキテスターで制動力を測定すると数字もさることながら車輪がロックせず…
全く効いてない訳ではありませんが効きが甘いようです。

サイドブレーキワイヤーなどには問題無くセンターブレーキを調整してみるも変わらず…

サービスホールからは残量が見えないのでとりあえずブレーキシューは換えてみましょうか…となり、そのまま作業をする事に。

外から見る限り何か異常があるようには見えませんが…



部品を注文してセンターブレーキをバラすと…



ドラム内が何故かオイリー。




ミッションのリヤシールからオイルでも漏れたか⁉︎と思いましたが見たところリヤシールからは漏れはありません…

が…

何やらボルトからオイルが垂れた跡はある…


これはバックプレートの取り付けボルトですが…

貫通ボルト⁉︎…なんて考えながらボルトを取り外すと…




貫通してる訳では無さそうですが、何やら黒い点が…
ファイバースコープで覗き込んで見ると…



穴が空いてる…⁉︎

他のボルト穴はこんな感じ…




これは恐らくリヤハウジングの製造段階での不良品でしょうね…
恐らくダイキャスト製法でしょうが、鋳込み工程でエアーでも噛んだのか…
それともCNC加工でのミスなのかは分かりませんが…

その穴からミッションオイルがボルト穴に抜けてセンターブレーキ内でオイル漏れが発生、結果的にサイドブレーキの効き不良という状態になったんでしょう…

お客様はなるべく早く使いたいとの事なので今回はボルトにシール処理をして対応する事に。

オイルを吸ったライニングは問答無用で交換。




こちらが新品のライニング…


ドラムは綺麗に洗浄して再使用していきます。




元どおりに組み付けてキャンターも完成。





そして最近多いのがトレーラーのエアサス修理依頼。
エアサストレーラーでハイトセンサーを交換したら片方だけエアが入らなくなった…という症状。

コレ…実に多い依頼なんですが…

基本的に電気式のハイトセンサーを使用してる車両は交換したらほぼ100%キャリブレーション作業が必要になってしまいます。

今回もディーラーさんからの依頼でトレーラーのタイヤが走行中バースト…
その結果ハイトセンサーが破損した為、交換したらエアサスが動かなくなったというもの。

このように交換した後に片側が不動となるケースの場合、ハイトセンサーを交換した事による左右の整合性エラーが原因となる事がほとんどです。

話を聞いた時点で恐らく整合性のエラーだろうという事で出張で作業をする事に。

現地に着き診断機を繋ぐと…


ですよね…

という事でキャリブレーションを実施。


無事にキャリブレーションも成功して…


故障コードも無くなりました。


コレにて完了。

このトレーラーの電子制御式のエアサスに関しては各部品の交換後にキャリブレーションやパラメータ設定が必要になる事があります。
その為、交換したら動かなくなった…というケースは非常に多いです。







そして整備とは全然関係ないネタですが…

先日、あるテレビ番組で見た料理がどうしても食べたくなり…
いてもたってもいられずスーパーに出向き…

1枚2000円もする破格の黒毛和牛ステーキを買ってきて…








作りました。
黒毛和牛ステーキon theガーリックライス…


どうしても食べてみたかったんですよ…笑

基本B級グルメで満足出来るタイプですが、コレには大満足…


やっぱり高い肉は美味い‼︎








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