メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

プロフィア …プロシフト不調。

2018-05-31 20:35:43 | 日野
24年式のLKG-SH1Eプロフィア…

プロシフトが変速出来ずチェックランプが点灯…
走行不能になったとの事でレッカーにて入庫しました。




現在はチェックランプも消え走行可能なようですが…


故障コードを確認すると…


P188C シフトユニット故障
P0913 シフトユニットモーター異常(無電流異常)


と以上が過去コードとして残っていました。
各データは少々気になるところがあるものの今のところは正常に作動してるようです…






このP188Cシフトユニット異常の検出条件は自動変速時や任意変速時にシフト制御を3回やり直しても完了しなかった場合に異常と判断するようで…

P0913シフトユニットモーター異常はシフト制御時にモーター駆動信号を出しているにも関わらず無電流の状態を検知すると故障コードを記憶するようです。

この条件から考えればおおよそ不具合の原因は予想がつきますが…

プロシフトECU〜シフトユニット間のハーネスは点検の結果異常なし。
可能性としてはプロシフトECUなどの不具合も無いとは言い切れませんが症状が出たり出なかったりという事を考えるとアクチュエータの可能性の方が高いですね…
症状が確認出来る状態であればデータ上のシフト制御ステータスからシフトモーターの実デューティの変化を見れば原因も特定出来るでしょう…

ただ、今は正常になってるので確認出来ず。

お客様には今現在症状が確認出来ない事も伝え、原因の可能性が高い部品の見積もりを出しておりましたが…

OKが出たので早速作業開始です。

現車はトラクターヘッドなのでミッションへのアクセスはデッキパネルを外せば非常に楽チン…
カーゴとかだと地味に苦労すると思います。



問題の部分…


シフトモーターと…


セレクトモーター…


見るところレンジケースが交換されてるのでリコール対象車ですね…
このミッションはプラネタリキャリアの強度不足から起こる変速不良でリコールが出てます…

今回は恐らくシフトモーターの不具合でしょうが、シフト側もセレクト側も同じモーターを使用しているので予防も含めて両方交換です。
値段も1個約26000円とさほど高くもありません…

取り外して…


新品のモーター…
近くの各営業所には在庫がゴロゴロしてるのでよく出る部品なんでしょうね…笑


取り付け…
締め付けトルクは6Nm。


トラクターヘッドなので交換作業自体は30分もあれば終わります…



で、シフト、セレクトモーターの取り付けが終わったら各学習の実施。
A-MTなのでアクチュエータやセンサー交換後は初期学習が必要になります…

ダイアグモニターと専用ハーネス…


運転席足元にある設定用コネクタと専用ハーネス、ダイアグモニターとATMタグの付いたコネクタをそれぞれ接続します。




まずはニュートラル学習…
このニュートラル学習はプロシフト用エアタンクのエアーを全抜きしてノーエア状態で学習させる必要があります…

キーONにして…


所定の操作をして学習…




最終的に表示が"N"表示になれば学習完了。


続いてシフト位置学習…
今度はエアーを溜めてまたまた所定の操作を…




こちらも"N"表示で完了。


更に通常はモーター交換時には必要の無い作業ですがドライバーさんからクラッチの繋がりに違和感がある…という事だったのでクラッチ学習もついでに行う事に。
エンジンを暖機してコレまた所定の操作を…


しつこいですが"N"表示で学習完了。


で、整備書では本来ならシンクロ学習も行わなければならない事になってるんですが…
このシンクロ学習だけ何故かダイアグモニターでの学習は不可能…
専用の診断機が必要になってしまいます…

当然、専用診断機なんて持ってないのでシンクロ学習をするならディーラーさんにお願いする必要があります…

が、実際にはギヤイン時にギヤ鳴りがする事も無いので今回はこのままです。

勿論、プロシフトECUやシンクロ機構を交換した場合には間違いなく学習は必要になってくる作業だと思いますが、個人的には今回のようにモーターやシフトユニットだけの交換時はギヤ鳴りしなければあえて現学習値をリセットする必要は無いと思いますね…

それにこのシンクロ学習も結構大変そうなんですよね…
走行しながら学習する必要があるのでスピードテスターなどのフリーローラーに乗せないと学習も出来ませんし…
その一連の作業を10回以上繰り返さなければならなかったり…
それで完了という訳ではなく、トラクターヘッドは更に使用過程で学習していくという複雑な工程…




今のところ念入りに試運転しても特に不具合はありません…




故障コードも無し。


これで恐らく問題ないでしょう…

後はカバーを取り付けて…



完成です。









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最近の作業…19

2018-05-27 00:48:12 | 整備

まずは前回トラブルシュートをしたコンドル


見積りを出してお客様の返事待ちでしたが承認が下りたので作業を開始。
もともと車検で入庫してたので車検整備とVNTの交換を同時進行で作業…

アレコレ外して…


トラブルの元凶であるVNTコントローラ…


取り外し…


取り外したVNT…
ポイしてやりたい気分ですが返却する必要があるのでそういう訳にもいきません…


こちらはリビルトのVNTです。


スタッドボルトなどを交換して…


どんどん組み付け。




で、エンジン始動…


ヒューズが飛ぶ事も無く故障コードも無し。


エアフロやVNTにスロットルの作動にも当然問題ナシ…






これにてコンドルは完了…


お次はサイドブレーキを引いているのに坂道で車両が徐々に下がってくる…との事で入庫したキャンター。
ブレーキテスターで制動力を測定すると数字もさることながら車輪がロックせず…
全く効いてない訳ではありませんが効きが甘いようです。

サイドブレーキワイヤーなどには問題無くセンターブレーキを調整してみるも変わらず…

サービスホールからは残量が見えないのでとりあえずブレーキシューは換えてみましょうか…となり、そのまま作業をする事に。

外から見る限り何か異常があるようには見えませんが…



部品を注文してセンターブレーキをバラすと…



ドラム内が何故かオイリー。




ミッションのリヤシールからオイルでも漏れたか⁉︎と思いましたが見たところリヤシールからは漏れはありません…

が…

何やらボルトからオイルが垂れた跡はある…


これはバックプレートの取り付けボルトですが…

貫通ボルト⁉︎…なんて考えながらボルトを取り外すと…




貫通してる訳では無さそうですが、何やら黒い点が…
ファイバースコープで覗き込んで見ると…



穴が空いてる…⁉︎

他のボルト穴はこんな感じ…




これは恐らくリヤハウジングの製造段階での不良品でしょうね…
恐らくダイキャスト製法でしょうが、鋳込み工程でエアーでも噛んだのか…
それともCNC加工でのミスなのかは分かりませんが…

その穴からミッションオイルがボルト穴に抜けてセンターブレーキ内でオイル漏れが発生、結果的にサイドブレーキの効き不良という状態になったんでしょう…

お客様はなるべく早く使いたいとの事なので今回はボルトにシール処理をして対応する事に。

オイルを吸ったライニングは問答無用で交換。




こちらが新品のライニング…


ドラムは綺麗に洗浄して再使用していきます。




元どおりに組み付けてキャンターも完成。





そして最近多いのがトレーラーのエアサス修理依頼。
エアサストレーラーでハイトセンサーを交換したら片方だけエアが入らなくなった…という症状。

コレ…実に多い依頼なんですが…

基本的に電気式のハイトセンサーを使用してる車両は交換したらほぼ100%キャリブレーション作業が必要になってしまいます。

今回もディーラーさんからの依頼でトレーラーのタイヤが走行中バースト…
その結果ハイトセンサーが破損した為、交換したらエアサスが動かなくなったというもの。

このように交換した後に片側が不動となるケースの場合、ハイトセンサーを交換した事による左右の整合性エラーが原因となる事がほとんどです。

話を聞いた時点で恐らく整合性のエラーだろうという事で出張で作業をする事に。

現地に着き診断機を繋ぐと…


ですよね…

という事でキャリブレーションを実施。


無事にキャリブレーションも成功して…


故障コードも無くなりました。


コレにて完了。

このトレーラーの電子制御式のエアサスに関しては各部品の交換後にキャリブレーションやパラメータ設定が必要になる事があります。
その為、交換したら動かなくなった…というケースは非常に多いです。







そして整備とは全然関係ないネタですが…

先日、あるテレビ番組で見た料理がどうしても食べたくなり…
いてもたってもいられずスーパーに出向き…

1枚2000円もする破格の黒毛和牛ステーキを買ってきて…








作りました。
黒毛和牛ステーキon theガーリックライス…


どうしても食べてみたかったんですよ…笑

基本B級グルメで満足出来るタイプですが、コレには大満足…


やっぱり高い肉は美味い‼︎








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コンドル…トラブルシュート。

2018-05-17 19:41:15 | UD

車検整備で入庫した20年式のBDG-MK35Cコンドル…
エンジンはJ05。


担当者さんからはチェックランプも点いてるからそれも見といて!とお願いがあったので…
車検整備の前にチェックランプの原因だけ調べておこうとトラブルシュートをする事にしたんですが…

最近DPF関連の修理が立て続けに入庫してたのでもしかしたらこの車両もその類かもしれないなぁ…なんて軽い気持ちで作業を開始しました。





ところが診断機を繋ぎ故障コードを確認すると…






…⁉︎





なんか嫌な予感がプンプンしますが…


手を出した事に若干後悔しながらもここからは覚悟を決めて診断する事に…←初めからそうしろ


エンジンは普通にかかるもののフェイルセーフで2000rpm以上は回りません。

まずは現在の故障コードを記録だけして一旦消去。
で、残ったのが下のコード。


P0102 エアフローセンサー系故障(Low)
U1123 CAN通信異常(VNT)
P2101 吸気絞り弁故障固着
P0045 VNT故障(重度/軽度)
P2103 スロットルモーター短絡

とこんな感じ…


まあどこから調べていいのか分かりませんよね…笑

とりあえず上から順に調べていく事に。

まずはエアフローセンサー。
データ表示で吸入空気量を調べてみると2000rpmでレーシングさせてるのに1.15gm/sとあり得ない数字。
というか動いてないです…


更にVNTもアクティブテストを実施するも一向に動かず…



まずエアフロセンサーを診断書通りに…

コネクタを外してIGオン時の電圧を測定。


基準値としては10V以上が正常値ですが実際の電圧は2.6Vと全然低い…


多少なりとも電気が来てるという事は断線はしてないようですが…
それにしても2.6Vって中途半端な電圧です…

診断フローでは10V以下の場合はハーネス異常かもしくはDC-DCコンバータ異常となっております。
恐らくエアフロの作動電圧が12VでDC-DCコンバータで24Vから12Vまで下げてエアフロに入る為、IGオンで10V以上が正常という事でしょう。

それが2.6Vという事はこの時点で怪しいのはコンバータですよね…
電圧変換が上手くいってないのかな…なんて。

更にVNTの配線もIGオンで19V以上が正常値に対して実際の電圧は4.5V。
これもフローチャートでは電圧が19V以下の場合はハーネス不良という診断になってます。






この時点ではどこか配線に不具合があるのかな…なんて漠然と思ってましたが…
まずはエアフロの故障コードを追っていく事に…

配線図を用意してDC-DCコンバータを調べます…
このコンドルは助手席下にECUが鎮座しており、そこにコンバータも付いてます。


ECUが取り付けられているプレートの裏にDC-DCコンバータが…通称デコデコですね。


本来なら24Vが入り12Vで出てくるのが正常でしょうが、どこを測定しても24Vはおらず、4.5Vと2.5V。



配線図を詳しく見ると変換された電圧は確かにエアフロセンサーに入り…


4.5Vがコンバートされて2.5Vに…
それがエアフロセンサーに入るようで…
その為、エアフロ前で電圧を測定した時に2.6Vだったんですね…

となるとおかしいのはコンバータに入る4.5V…⁉︎

またまた配線図と睨めっこしてこの配線がどこと繋がってるのか調べると…


まあ色んな所と繋がっており…
VNTやらディーゼルスロットルにEGRなどなど。

ん⁇

確か現在残ってる故障コードもこれに関係するような所ばっかりだったよな…と確認するとまあ見事に合致するではありませんか…


更に配線図を追っていくと大元はバッテリーからリレーを介してECUのいくつかの端子に入りその手前でDC-DCコンバータ、VNT、ディーゼルスロットル、EGRバルブに入りDC-DCコンバータからは変換された電圧がエアフロセンサーに入ってます。


とりあえずこの4.5Vの出所を突き止める事に…

当然、繋がってる配線はどこを測っても4.5Vなので回路毎に切り離し配線図の記載と合ってるか確認しながら測定…という地味な作業の繰り返しです…笑


で、調べていくとECUのある端子から4.5Vが出力されている事が判明…
矢印のオレンジ色の線です。


本来は24Vが流れる配線…しかも入力側の端子のはずなのに何故⁇


この4.5Vが正常なのかどうかが判断出来ないのでどうしたもんか…

もしかしてこれが原因⁉︎

いや、何の確信も無くECUを原因とは言えませんよね…
13万もするので換えてみる訳にもいきませんし…


で、同じ型式の管理車両がないか調べてみると別のお客様が若干年式と型式に違いがあるものの似たような車両を所有してたので、事情を説明しお願いして出張で確認させていただく事に…

快く承諾して頂いたお客様には感謝です。

早速出張で確認しにいくと型式はMK36CでエンジンもJ07と現車とは若干違い、ECUの品番も違いましたが端子の配列と配線の色は一緒でした。

同じ条件でオレンジの配線を測定すると約5Vが流れておりました。
この差は恐らくバッテリーの状態によるものでしょう…
という事は問題の車両のECUから4.5Vが流れるのは正常と思われます。
ただし、全てのコネクタを繋いだ状態でIGオンにして測定すると正常な車両はちゃんと24Vが流れる事も確認…

問題の車両はIGオンにしても24Vが流れず4.5Vのままなのでその辺りが怪しいな…と

その後会社に戻りトラブルシュートの続きを。

実は帰りの道中に色々考え、今更ながら気づいた事が…


お恥ずかしい話ですが…
多少なりとも電気が流れている事で完全に頭の中から外れていた部分…




ヒューズです…




全てのヒューズを確認すると…



1個だけ切れておりました…(;´д`)


切れていたのは矢印のエンジンコントロールと排気ブレーキの兼用ヒューズ。


入庫した時にメーター内の排気ブレーキのランプがエンジン回転中でも点灯しっぱなしだったのはヒューズが切れてたからなのか…と今更気付く。←遅すぎる


で、新しいヒューズを入れてみるもIGオンで一瞬でパチっと飛ぶ始末…
という事はどこかで回路がショートしてるという事。

ヒューズ上流側にはバッテリーからの電圧がかかってるので当然24Vが来てますが…
切れたはずのヒューズ下流側にもECUからの4.5Vが…

それが各アクチュエータに流れていた訳です。


そのおかげでかなり苦労しましたが…



その後もどの回路でヒューズが飛ばなくなるのかコネクタを外してはIGオン…という作業を繰り返し…

儚くも一瞬で散っていった戦士達…笑


ブレーカーヒューズ買えよって話ですね。





で、あるコネクタを外した時だけヒューズが飛ぶ事はありませんでした…



原因は…




まさかの…




VNTコントローラでした。




今までVNTコントローラの不良は数え切れない程修理してきましたが、内部基盤がショートしてるのは初めて遭遇しました…
VNTの電源が色んなアクチュエータと兼用だった為にこんな大量の故障コードを検出した訳です…


問題の修理はコントローラ単体での供給が無くなっているのでターボチャージャーASSYでの交換となってしまいます。

新品のお値段は35万と高額…

当然、新品なんて使ってられないので信用出来るリビルト品にて見積もりを出す事に…

後はお客様の返事待ちです。




にしても整備書の診断フローチャートも色んな故障コードが同時に検出されてる場合はアテにならない事もしばしば…

問題の配線に電気が流れていた事でヒューズ切れは除外して初期段階でハーネスを疑い過ぎていました…
その決め付けから基本的な点検を怠ったために遠回りするという典型的なダメパターン…


まだまだ勉強が足りませんね…














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最近の作業…18

2018-05-12 07:27:32 | 整備
最近の作業です…

この仕事では何故か同じ車の似たようなトラブルが続く事ってありますよね…

1台目はPB-XZUダイナ…


エンジンチェックランプが点灯した…という事で入庫。

現車を確認すると現在点灯中…


もうエンジンかけた瞬間から振動が酷く明らかに1気筒死んでるよね…って状態。
故障コードを確認すると…


No1インジェクター異常のコードが。
このコードは補正値が15m㎥/sを超えると検出されます…

画像を撮り忘れましたが、1番の補正値は当然振り切っておりました。

という事でインジェクターを交換する事に…
エンジンはS05D。


ヘッドカバーやらインジェクションパイプを取り外して…






インジェクターを取り外し。


問題の1番インジェクターのノズルチューブが他と比べベタベタしてるな…と思いシリンダー内部を確認すると…




ピストントップにオイルなのか燃料なのかよく分からない液体が付着してました。
ノズルから燃料がリークしたのか、それともインジェクターOリング劣化でオイルが下がってきたのか…

他のシリンダー内部は乾いてます…



全数リビルトインジェクターに交換します。


アレコレ組み付けてIDの書き換え。


エンジンを始動して暖気をしつつ各データを確認…


補正値も良好になり、ついでに強制再生を…
昇温や差圧にも問題なし…


という事で1台目のダイナは完了。




次は2台目のダイナです…


これまたPB-XZUと1台目のダイナと同型式の連番車両で、同じお客様の車両です。
こちらもエンジンチェックランプが点灯して入庫
してたんですが調べると故障コードはP2002が。


DPR関係の故障コードですね…

データ上ではこちらも1番のインジェクター補正値が4.0m㎥/sと今すぐどうこう…というレベルではありませんがお世辞にもイイとは言えない数字。


早速原因を調べる為に一度故障コードを消去して強制再生を実施してみると…
昇温スピードが明らかに遅い…
300℃付近まではまずまずの速度で上がっていくんですがそこからが遅い…

最終的に下の画像のように再生温度は前側でも400℃で後側も440℃付近までしか上がらず。


燃焼温度としてはもちろん全然足りません。

そんな状態がしばらく続き再生が終わると…


再度点灯…
故障コードは同じくP2002なので、どうやら昇温不良でエラーを拾うようです…
再生中の前側排気温度が450℃を越えないと昇温不良判定となります。

で、何故温度が上がらないのかを調べていると…

ダイナ、デュトロでは定番⁉︎のEXパイプ途中のジャバラ部から排気漏れを起こしていました。

が、問題のジャバラ部はDPR前段触媒と一体になっており、単品での供給はありません。

つまり…
ジャバラ部の排気漏れを修理するには触媒を交換する必要があります。

お客様は高額な触媒に嘆いておられましたが修理しない訳にはいかないという事で承認を頂き部品の手配と作業を進める事に…

これが届いた部品…
触媒withジャバラ。


触媒が安い訳ありませんからね…
お値段は約160,000円…

メーカーの設計はやはり製造段階でのコスト削減しか考えてないんですよね…
触媒直前でフランジで切り離せるようにしておけば不要な高額修理は避けられるのに。
最近の車はそんなんばっかりで、修理コストが高額になります。

DPRを降ろして…


フィルターは軽く洗浄して触媒を組み付け。


車両に取り付けて完成。


ここから再度強制再生を行い昇温不良が改善されたかを確認します…
順調に昇温して…




最終的に550℃付近まで上がり…


無事に再生終了。


という事で2台目のダイナも完了。



更に3台目のこれまたダイナ…
こちらもエンジンチェックランプが点灯したとの事で入庫。
現在点灯中…


故障コードはこれまたP2002…


3台目はお客様こそ違いますが続きますねぇ…笑

で、これも調べると昇温不良のエラーで2台目よりも更に低い350℃付近までしか上がらず…


調べると今度は排気シャッターバルブから排気が漏れてました…(^_^;)
写真撮ったけど画像だと煙が写らないですね…笑


もう再生中にシャッターバルブ付近から白い煙がモクモク出てましたから…

カバーを外してみると普段から排気漏れしてるようで真っ黒け…


という事で排気シャッターを交換する事に…

シャッターバルブの取り付けボルトってどこの車でも熱のせいで大体ガチガチに酸化してますよね…
このダイナも安定のサビ具合。

通常のM/T車とかだとマフラーとミッションの間に多少なりともクリアランスがあるのでEXパイプは外さず車上で固定ナットを溶断するんですが、今回の車はA/T車で…
シャッターバルブのすぐ横にはA/Tオイルパンが…


クリアランスが狭すぎてこの状態で酸素を使えばA/Tオイルパンのガスケットにダメージを与える可能性があるので酸素は使えず。

なのでEXパイプを取り外す必要があります…

なんとか3本は抜けてきましたが…


残り1本は折れました…




で、フランジに溶接されてるナットは酸素で溶断。


ここは今後の事も考えボルトナットによる取り付けに変更します。


新品のシャッターバルブ。


車両に取り付けて…






ここから強制再生を実施します…


結果的に500℃まで昇温しましたが…
もう少し上がって欲しいトコですね…
まあエラーを拾う温度では無いのでとりあえずは問題はありませんが…

インジェクターが怪しい感じはしますけどね…

お客様は早く使いたいとの事なのでインジェクションクリーナーを注入して一旦様子見です…




話は全然変わりますが新しいマイクロメーターを買いました…
今までアナログメーターしか使った事無かったんですが…

とうとうデジタルを…


1μmまで測定出来ます…

今まで必死になって目盛りを読んでましたが、デジタルなら数字が出るから早い…笑

0点のセットアップも凄いカンタン…


ここまで劇的に測定しやすくなるとダイヤルゲージやシリンダーゲージもデジタルが欲しくなってきた…

いや〜時代はやっぱりデジタルですね…笑










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ギガ…ミッションオイル漏れ。その2

2018-05-02 08:54:44 | いすゞ


ゴールデンウィークの前半が終わり中日の1、2日は出勤です…

前半連休前に作業していたギガの続き…

休み前にミッション単体での組み上げまでは終わっており後は車両に載せていきます…



ゴソゴソして載りました。


エア配管、オイルホース、ハーネス類などを接続してプロペラシャフトも組み付け、ミッションオイルの注入など…




クラッチブースターとレバーの接続も…
プッシュロッドのクレビスピンはこんなに磨耗してます。


ウチは基本的にミッション降ろす時は無条件で交換する部品です…

これが新品のクレビスピン。
耐摩耗グリスを塗って取り付けます…


各部の接続も終わりクラッチオイルのエア抜きを…




エア抜きが終わったらクラッチの調整を…
スムーサーなので通常のクラッチの調整と合わせストロークセンサも調整する必要があります。

IGオンで緊急スイッチをオン…


診断機を接続してクラッチブースターを指定の調整位置にした時のストロークセンサの電圧が基準値に入るようにセンサーロッドも調整します。


クラッチブースターのプッシュロッドが突き当たった状態でセンサー電圧を0.75V±0.01Vに調整…




その後プッシュロッドを指定の回転戻して完了です。
学習値も確認…


調整が終わったらカバーを取り付けて完成。


最後にスチームで残った油分をキレイに洗浄…



各データを見ながら試運転に出かけます。




変速はスムーズに行われるか?や各センサーの数値、アクチュエータの動きなどに問題ないか?などを確認…


で、試運転から戻り最終確認…

エラーコードも無し…



下廻りの漏れ確認を行なっていたら…

ミッションオイルホース接続部から少量の漏れが…


テーパージョイントのアタリが悪いんでしょう…
一度緩めて清掃、再度締め付けなおして確認…




漏れも止まったようなので完成です。

こういう事があると試運転後の最終確認って大事だなぁと再認識します…

どれだけ経験を積もうが自分の作業を過信しないで確認を徹底する…

これに尽きますね。


後は分解整備記録簿を書いて納車です…

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