メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

ギガ…ミッションO/H。

2021-02-07 22:51:00 | いすゞ
インスタでも少し触れましたが…

お客さんに『1月中には完成するよね⁉︎』と言われ『出来ません…』とは言えなかったEXD52ギガ…
(そもそも預かったのは1月上旬だったのに1月25まで手付かずで後回しにされていたので…)



4速変速時にギヤ鳴りがするという事で相談を受けていたんですが…

他のギヤはギヤ鳴りする事もなく4速だけ。
ダブルクラッチ操作で変速させるとギヤ鳴りせず…
という事は4速変速時に同期が上手くいっていないという事で、4速のシンクロ不良という結論に…

選択肢としてはリビルト載せ替え、中古載せ替え、オーバーホールという3択。

シンクロ不良程度でリビルトミッション載せ替えは高額で割に合わないし、中古は内部の程度が分からず当たりはずれがある上にそこまで安くもない…
結果的にシンクロと当該ギヤの交換程度であればオーバーホールのメリットは大きいという事で今回の選択になりました。


まずはミッションを降ろして縦置きに。




整備書通りの作業だと縦にしたり、横にしたりが面倒…というか大変なので補機も縦の状態で取り外し。

MJZ系のミッションは何度かO/Hした事ありますが、MJTは今回が初めて。
見た目は似てるけど中身は結構違うんですね…


PTO、アッパーコードラント、インターロック機構の取り外し。



フランジの取り外し…
ロックナットのサイズである63mmのソケットが当社になく工具屋を何件か探し回ったけどそんなサイズを在庫している店があるはずもなく出鼻を挫かれましたが、日頃から取引のある整備工場さんに借りる事が出来て事なきを得ました…笑
T自工さんありがとうございました!
その後ウチでもソケット買いました…笑

で、フランジの取り外し。


更にリヤカバーの取り外し。


カウンターシャフトリヤベアリングのインナーレース抜き取り。



リバースアイドルギヤ取り外し。


1速とリバースギヤを取り外して…


メインケースも取り外しますが…
このミッション…
何故かインプットとメインシャフトの接続部分にサークリップが入っていてメインシャフトが簡単には抜けてこないんです…

整備書だとこのメインケースを外す前にインプットシャフトを先に取り外してサークリップのロックを外す事になっているんですが、そんな面倒な事しなくても少し工夫すればメインシャフトは取り外せます。
だってインプットシャフトを先に外すとなるとそれこそ専用工具が必要になりますからね…


メイン、カウンター、シフトロッドを一体で抜き取り。







で、それぞれを分離させてメインシャフトを分解していきます。

画像だとちっちゃく見えますが、このメインシャフトASSY重くて天井クレーンじゃないと持ち上げられません…


適当なスタンドに立てて…




まずはベアリングの取り外し…
おNEWのベアリングプーラーがさっそく役に立つ。






2-3速ギヤを取り外したら…


ひっくり返して7速ギヤに4-5速ギヤの取り外し。


ウマの足にちょうど収まり安定した…笑


6-7速のクラッチハブを抜き取り…

4-5速はプレスで一気に抜き取り。


クソ重たいメインシャフトを落とさないように下で気合入れて支えながらプレス。



メインシャフト単体。


4速のシンクロナイザーとドッグギヤのチャンファー面は当然ガリガリに削れてしまっています…
ドッグギヤだけ交換出来ればいいんですが4速ギヤと溶接で一体化されているのでギヤASSYで交換する必要があります…





その相手のスリーブも当然ガリガリ…





5速のドッグギヤも削れてしまっていたのでこの際だから交換。



交換部品としては各ギヤのシンクロは全交換、4-5速のメインギヤとスリーブ、後は外したベアリングに細かいシール関係といったところ。

2-3速のシンクロ交換。
2-3速だけは摩擦力の強いデュアルコーン式。




4-5速はハブは再使用でシンクロナイザー、コーン、スリーブにプランジャー類は交換。




新品の5速ギヤ。
当たり前ですがチャンファー面はピン角


新品4速ギヤ。


クラッチハブは再使用でスリーブとシンクロナイザーを組み付け。



で、メインシャフトに4-5速組み付け…


更に7速と6-7速のクラッチハブも…
ひっくり返して2-3速も同じように組み付けてメインシャフトはとりあえず完了。


後はカウンターシャフトのベアリングだけ抜いておきます。
今回カウンターシャフトはノータッチ。
というか交換する必要のある部品が無かったので…

で、メイン、カウンター、シフトロッドを一体で組み付け。


今回はインプットシャフトを抜かずに作業しているので(整備書は抜いて作業する事になってる…)サークリップとスプラインの位置関係に少々注意点はあるものの上手く位置合わせすれば入ります。


4-5速は新品。



更にメインケースを取り付け。


リヤベアリングを打ち込み…




リテーナを付けたらミッションを横置きに一度変更。
リヤケースを組み付ける前にインプットシャフトとメインシャフトのスラストが問題ないかを見るためです…




天狗の鼻シールは交換…







天狗の鼻、オイルポンプを組み付けて、メイン、カウンター共にスムーズに回るか?やギヤインとニュートラルの確認…

問題なければもう一回縦置きにして…


残りのギヤを組み付けていきます…










フランジ、ロックナットを締め付け。


インターロックやシフトコントロール系統も組み付けて…




クラッチフォークやレリーズベアリングを組み付けたら、ミッション側の作業は完了。




残りはクラッチ側の作業を行い…
パイロットベアリングの交換。


フライホイールは歪みも無いのでそのまま。


フロント側のディスクをセット。

インターミディエイトプレートは新品交換してリヤディスクのセット。


更にはクラッチカバーの取り付け。


前後スプラインの確認。


で、ミッションを載せる準備を…


ゴソゴソして車載。


プロペラシャフトやその他補機類も取り付けて…


ミッションオイルを注入。
エンジンをかけてしばらくミッションを試運転させて適正量まで補充。


試運転後に各部の締め付けや漏れ確認をして完成。


今回交換した部品。



という事で何とか1月中に間に合い、納車も無事に終わり完了。










コメント (16)

ギガ DPFトラブル…

2019-09-22 14:14:00 | いすゞ
前回の記事で工場の準備の合間に緊急性の高い修理をねじ込んでいると書きましたが…

その修理というのがDPFトラブル。

まずはQKG-EXD77ギガ…



走行距離は93万キロ。



最近DPFの堆積モニターが溜まるのが早く、手動再生しても1週間も経たないうちにまた再生要求される…という事でなんとかしてくれ…と依頼を頂きました。

1日前に手動再生したらしいのですが既に堆積モニターは2段目…




今までは私もそうだったんですが、基本的に多くの整備業者はこういうケースの場合とりあえず強制再生させて様子をみよう…と考えると思うんですが、安易な強制再生はかえって触媒やフィルターを劣化させる可能性があると判明してからは考え方がガラリと変わりました。

実際に私自身もDPF内部にどういった物質が堆積しているのか…を理解してからトラブルシュートの進め方が大きく変わりました。

DPF内部に堆積している物質ですが…

まずは煤。
これはご存知の通りPMと呼ばれる物質です。
それからアッシュ…
これは主にエンジンオイルに含まれる金属成分の事。
エンジンオイルには性能を上げる為に色々な金属成分が添加されています。
(カルシウム、リン、ホウ素、モリブデン、亜鉛などなど…)

で、DPF内部に堆積する主な物質は煤に加えカルシウムと硫黄…
カルシウムはエンジンオイル、硫黄は軽油に含まれる成分です。
コモンレールやDPFが出始めた頃からエンジンオイルは低アッシュオイルが指定され、軽油はS100とかS50規格が推奨されておりましたが、このSとは硫黄の事で…
燃料に硫黄分が多く含まれると触媒機能に悪影響がある事などが分かっていたからでしょう…
最近のディーゼルエンジンではS10などいわゆるサルファーフリー軽油が指定されています。

つまりDPF内部に堆積しているのは煤だけではない訳で…
これは整備士ならお分かりの事だと思いますが、煤は燃焼温度さえ上がれば焼却出来ますがアッシュは金属なので焼ききる事は不可能です。
その為、少しでもアッシュの堆積を防ぐために低アッシュオイルが指定されている訳ですが残念ながらDLやDH規格のオイルを使用してもDPFにはアッシュは必ず蓄積されます。
このアッシュに関してはどうしても物理的に取り除く必要がある訳で、その為各メーカーではDPFの定期的な洗浄や交換を指定しているんです…
これも使用するエンジンオイルを蒸発しないエンジンオイルに交換するだけでDPFに堆積するエンジンオイルの成分を減らしDPFトラブルの多くを予防する事が出来るのですが、この話は長くなるのでまた別の機会にでも書きたいと思います。

話を戻して…
今回のケースは手動再生してもすぐに堆積モニターが溜まり、再生要求が行われる…といったケースでエンジンチェックランプが点灯していない事や故障コードもない事から再生時の燃焼温度はちゃんと上昇している事が分かります。




再生温度がキチンと上昇しているとすれば煤は正常に燃焼していると考える事が出来て、その上で再生要求が頻繁になるという事は内部には煤ではなくアッシュが堆積していると判断出来る訳です…

何が言いたいかというと、ここで強制再生をしたところで状況はあまり改善されないという事。
つまり、DPFを脱着しての洗浄が必要になります。
また、今なら洗浄可能な状態にあるとも判断出来ます。

このまま放置しても改善される事はあり得ません…
放置すれば状況によっては最悪の場合、内部溶損によりDPFの洗浄は不可能な状態になる事も…
そうなると交換しか選択肢がなくなります。
DPFの部品だけで40万しますからね…
交換よりも洗浄出来る段階で洗浄した方がコストを削減出来る事は言うまでもありません。


データ上でもアイドリング時の差圧は3.4kPaなのでやはり高いですね…



1900rpmでは5.6kPa…




という事で、洗浄する為にDPFの取り外しにかかります…




やはりトラクタヘッドが1番やり難いのかな
狭いスペースに詰め込んであるイメージがあるので…笑

ゴソゴソして…







DPFの取り外し完了。


このDPFも重くて危険なので1人でも安全に脱着作業が出来るように専用の治具を製作予定です。(時間が足りなくて進みが遅いですが…)

更にDPFを分解して洗浄していきます。



で、今回私が独立するにあたり、サービスの一環として取り組んでいるのがDPFの洗浄事業。
株式会社オプティという会社様と協力してDPF洗浄サービスを提供しています。
私個人的な意見としてはこのオプティという会社はDPFや尿素SCRなどのディーゼルエンジントラブルに対して間違いなく業界トップレベルの情報やノウハウを持っている会社です…

そういう意味で今まで私が過去の記事で行っていたようなDPFの洗浄作業とはまるで品質が違います…

DPFの内部を徹底的に分析してそれに対する洗浄液の開発や洗浄方法を確立されています。

それに加え私が今まで経験してきたノウハウをプラスしてより品質の高い洗浄サービスを提供出来ればと思います…

DPFを分解して…
こちらはDOC側…



見た目はそんなに詰まってるようには見えませんが、アッシュは内部に堆積します…
ちなみにDOC表面に煤がベッタリ堆積しているDPFなんかを見た事のある方も多いと思いますが、あれはエンジンオイルなどの成分に煤が付着してしまっている状態です。
そういった場合はエンジン側…つまりインジェクター含め、燃焼状態があまりよろしくないと判断する事が出来ます。

こういったようにDPFやDOCの状態でもエンジンの状態が判断出来ます。
逆に言うと今回の車両はエンジン側の状態は良好でDPFもちゃんと機能していると言えます。



で、洗浄工程…




洗浄時に排出される汚水をそのまま排水するのは違法行為なのでキチンと桶で受けて後ほどちゃんと処理します。

DPFから排出されたエンジンオイルの成分やアッシュ…





ここから小1時間ほど洗浄機に投入…



先程少し書いたように溜まった汚水は凝集剤と呼ばれる物を使用して、不純物と水に分離させてから処理します。



分離した水はそのまま排水可能で、残ったフロックは乾燥させて産業廃棄物として処分します。
ちなみに当社では凝集剤の事を"魔法の粉"と呼んでます…笑
いやぁ科学の力って凄いですね…


で、仕上げをして洗浄作業は完了。




各ガスケットやボルト類はキットで交換してDPFassyを組み上げ…





で、ゴソゴソしてDPFを取り付け…



それからDPF内部が完全に乾いていない状態ではNOxセンサーは取り付けない方が無用なリスクを避けられます。
NOxセンサーが壊れる原因の1つと言われているのがセンシング部分への水分の付着…
水分が付着する事により素子が割れちゃうんだとか…

今回の洗浄方法でもそうですが、単体状態で内部を完全に乾かす事はほぼ不可能で…
そのため、ある程度水分を飛ばした後、車両に取り付けて排気熱で乾燥させるわけですが…
当然DPF内部には少なからず水分が残っているのでその水分がNOxセンサーに付着するのを防ぐためにセンサーは取り付けずにエンジンを始動します…



整備書にはダミーセンサを取り付け…と書いてありますが、個人的には付けなくても問題ないと思いますね…
単なるメクラボルトでも問題ないでしょう。

アイドリング状態でエンジンを暖機して排気温度が上がるのを待ち、中の水分を飛ばします…



取り付け直後の中に水分が残っている状態だと差圧は大きくなり、ECUは詰まりと判断してチェックランプを点灯させる事もありますが…





乾いてくれば正常値に戻ってきます。
洗浄前はアイドリング状態で3.4kPaでしたが、洗浄後は0.14kPaまで下がりました。
理想的な状態です。



更に洗浄前は1900rpm時で5.6kPaだったのが洗浄後は2100rpm時でも1.55kPaに…


完全に乾いたらNOxセンサーを取り付け…



カバー類を組み付けて…



システム各部の故障コードがない事を確認…


ここでやりがちなのが作業終了間際の強制再生…
まあもちろん確認の為に強制再生をする事もない事はないのですが、先程も書いたように無用な強制再生は触媒やフィルターの劣化に繋がりかねません…

今回のケースは洗浄前の診断で昇温不良などの故障コードは無かった事から再生制御自体に不具合はないと判断してあるので、強制再生はせずに作業完了です。

こうやって作業工程をトータル的に管理する事が出来ればトラブルを予防する上では非常に有効な方法だと思うんですよね…




コメント (14)

ギガ…クラッチ異音。

2018-09-10 21:58:20 | いすゞ

クラッチから異音がする…という事で入庫したPJ-EXD52ギガ。

実際に入庫した段階では特に気になる音がする訳ではありませんでしたが、サービスホールのカバーを外して中を調べると…

中からグリスにまみれたダンパースプリングの破片がゴロゴロと…


こりゃダメだな…という事で急遽そのまま預かりクラッチのO/Hを行う事に…


まずはゴソゴソしてミッションを降ろします…



で、中の状態を調べるとクラッチディスクのダンパーが数カ所破損しており…





その内、1箇所はディスクのプレートまで割れスプリングが完全に脱落…
サービスホールから出てきたスプリングはコレですね…


で、クラッチハウジング側を見ると何故かオイリー。


ニオイからしてどうやらミッションオイルが漏れてるようで、更に詳しく見てみると…




フロントカバーを止めてるボルトの頭が折れてる…


恐らく破損したクラッチカバーの何らかの破片がフォークとの間に挟まりクラッチペダルを踏んだ時に噛み込んだ事でボルトの頭をへし折ったんでしょう…

ハウジング内に転がってた破片を調べると…


ありました…折れた頭が。


破断面を見ると矢印の方向から負荷がかかり折れてるのが分かります…


ボルトの頭は強い力がかかった為に変形してます。



にしてもM10ボルトとは言え、折れるには結構な力がかかったはずです…

問題は折れ残ったボルトがすんなり抜けてくれるか…
ここのボルトにはロックタイトが塗布されてるし、ボルトの出しろによっては苦労しそうだな…と思っていたんですが…

フロントカバーを外すと、思ったよりボルトの頭が出ていて一安心…笑




これだけ出しろがあればリムーバーが使えます…


リムーバーが入れば難なく抜き取り可能…




ボルトは全数、念のためフロントカバー…通称、『天狗の鼻』も交換します。


オイルシールを圧入…




カバーを取り付け規定トルクで締め付け。
トルクは44Nm…


ここのボルト穴はハウジング内と貫通してるので忘れずにロックタイトを塗布しましょう…
忘れるとミッションオイルの漏れに繋がります。

更にレリーズベアリングの交換…


シャフトやフォークを取り付けて…


レリーズベアリングも組み付けてミッション側の作業は完了。



残るはエンジン側の作業…
カバーやディスクの取り外し…




ツインプレートクラッチの為ディスクは2枚です。


これがフロント側ディスク…


こちらがリヤ側のダンパーが破損したディスク…




それからせっかくなのでクランクシャフトのリヤシールも交換…
スリンガーを抜いて…


新品のオイルシールを圧入…



で、フライホイールの取り付けは塑性域締め付け。
締め付けトルクは79Nmで締め付けた後…




60°からの30°での角度締め…
ボルトの頭にペイントをして…


まずは60°…


その後30°で締め付け合計90°の締め付け。
全てのボルトのペイントが同じ方向に向いてる事を確認…


フライホイールを取り付けたらクラッチディスクを組み付けていきます…
新品のクラッチディスク…


まずはフロント側ディスク…


インターミディエイトプレートも取り付けリヤ側ディスクを…


クラッチカバーを仮付けして、二枚のクラッチディスクのスプラインをアライニングしたら…


カバーを規定トルクで締め付け…
インターミディエイトプレート、クラッチカバー共にトルクは86Nmです。


最後にセットボルトを抜いてエンジン側の作業も完了。


後はエンジンとミッションのドッキング…


無事ミッションも載り…


各補機類を取り付けたら完成です…
トラクターヘッドは上からも作業が出来るのでストレスが少ないです…笑


後はデッキパネルを取り付けたら全ての作業が完了です。



コメント (43)

再修理…

2018-06-13 19:07:24 | いすゞ
NPR81エルフ…
エンジンは4HL1。

エルフに限らず…
いすゞ車に多いトラブルとしてよくあるのが冷却経路へのエンジンオイル混入…

多くのエンジンがエンジンオイルなどの油温上昇対策としてエンジン冷却水を利用した水冷方式を採用しており…
水冷という構造上、オイル経路と冷却水経路が重なり合う部分が必ず出てきます。
当然、その重なり合った部分はオイル経路と冷却水経路双方からお互いが混入しないようにシールされてるんですが…
そのシール部が劣化すると冷却水経路にエンジンオイルが混入したり、逆に冷却水がオイル経路に混入したりします。

正直、他メーカーのエンジンではあまり見ない故障ですがいすゞ車には頻繁に起きます…
少なくとも私はいすゞ車でしかこの症状を見た事がありません。


実は今回の車両は3ヶ月前にオイル混入でウチのメカニックA氏がオイルクーラーの修理をしたんですが…

その後の3ヶ月点検でオイル混入が改善されていない事が判明…
このまま使用し続けるとオイル混入で早期劣化したホースがパンクする可能性大なので、お客様に現状を説明し再度車両を預かり修理する方向になりました。

とはいえ3ヶ月前にオイルクーラーを修理してるのにまだ混入するって事は別の箇所の可能性もあるよな…という事でフロントケース部のシール部も疑い同時に修理する事に。
ちなみにノズルチューブもオイルと冷却水が紙一重の部分ですが、ココは構造上冷却経路側の方が圧力が高いのでオイルが侵入するというよりは冷却水がエンジンオイルに混ざる症状の方が強いです…




作業の方は写真が撮れていなかった為、かなり中途半端なところからですが…笑
オイルクーラー周辺やフロントケース周辺を取り外し。


現車はインディペンデントサスなのでフロントケース取り外しは正直手間がかかります…

フロントケースの取り外しにはオイルパンを取り外す必要がありますがインディペサスの場合クロスメンバーが邪魔でエンジンを吊り上げないとオイルパンが外れません。
更にはステアリングラックも邪魔なので取り外します…




エンジンを吊り上げるため、マウントを取り外すと右側は見事に破断しておりました…


こちらはついでに新品に交換します。


フロントケースやらオイルクーラーも取り外し。




オイルの回ったラジエータはラジエータ屋さんにオーバーホールしてもらいます…

で、オイルクーラーハウジングを掃除しようとした時に原因を発見。



ハウジングのOリングが変形してる…


ココからオイルが侵入したのは間違いなさそうです…


それよりこの状態を見てもう分かる方もいると思いますが…

原因は以前オイルクーラーの脱着作業を行ったI氏のミスです…


恐らくボンドの塗り過ぎでしょう…


ハウジングを取り付ける時に塗り過ぎたボンドが押し出され、その押し出されたボンドがOリングを変形させたんでしょう…


中には多めに塗っておけば安心だろう…と必要以上に塗るメカニックもいますが、ボンドは多過ぎても少な過ぎてもダメ…あくまでも適量です。

整備書にもボンドを塗る時にここのOリングに付着しないようにと注意書きがあります…

もちろん整備書のように数mm幅で一定で完璧に塗る事は人間の手では不可能ですが、今回はボンドの塗布量の重要性が分かる事例ですね…

念の為コアのリークテストもしましたが問題なさそうです。





ハウジングやフロントケース類を洗浄して…


コアの組み付け…


エンジンに取り付けて規定トルクで締め付けていきます…


フロントケースも同じく取り付けてウォーターポンプは新品に…




オイルパンも取り付けてマウントも…


オーバーホールを依頼してたラジエータも戻り…
アッパーとロアタンクのパッキンの交換と内部洗浄してもらいました。


こちらも車両に取り付け。


ラックピニオンやフロントセクションも…






更にコモンレールやサプライポンプも…




ブヨブヨになったサーモスタットも交換します。


で、組み上がったら…
エンジンを回して可能な限り内部洗浄を行います。


アッパーホースから出てくる水がキレイになったらオッケー。
ピンボケすいません…笑


ホースを接続して完成。


念入りに試運転して最終確認…



今度こそオイル混入も止まり完成です…

ウチのミスでお客様に迷惑をかけてしまったので今後こういう事が起きないよう再発防止を徹底しなきゃいけません…

このI氏はボンド大好きメカニックなんですよね…
何かとボンドで対処する悪い癖があります…
ちなみに過去に新品のラジエータホースにボンド塗ってその後すっぽ抜けたのもこのI氏の作業です。

ボンドの扱い方に関しては幾度となくミーティングでも共有してるはずですし…

指摘もしてますが…

周りがどれだけ口酸っぱく言った所で当の本人に改善する気が無ければ何も変わらないって事ですかね…

コメント (16)

ギガ…ミッションオイル漏れ。その2

2018-05-02 08:54:44 | いすゞ


ゴールデンウィークの前半が終わり中日の1、2日は出勤です…

前半連休前に作業していたギガの続き…

休み前にミッション単体での組み上げまでは終わっており後は車両に載せていきます…



ゴソゴソして載りました。


エア配管、オイルホース、ハーネス類などを接続してプロペラシャフトも組み付け、ミッションオイルの注入など…




クラッチブースターとレバーの接続も…
プッシュロッドのクレビスピンはこんなに磨耗してます。


ウチは基本的にミッション降ろす時は無条件で交換する部品です…

これが新品のクレビスピン。
耐摩耗グリスを塗って取り付けます…


各部の接続も終わりクラッチオイルのエア抜きを…




エア抜きが終わったらクラッチの調整を…
スムーサーなので通常のクラッチの調整と合わせストロークセンサも調整する必要があります。

IGオンで緊急スイッチをオン…


診断機を接続してクラッチブースターを指定の調整位置にした時のストロークセンサの電圧が基準値に入るようにセンサーロッドも調整します。


クラッチブースターのプッシュロッドが突き当たった状態でセンサー電圧を0.75V±0.01Vに調整…




その後プッシュロッドを指定の回転戻して完了です。
学習値も確認…


調整が終わったらカバーを取り付けて完成。


最後にスチームで残った油分をキレイに洗浄…



各データを見ながら試運転に出かけます。




変速はスムーズに行われるか?や各センサーの数値、アクチュエータの動きなどに問題ないか?などを確認…


で、試運転から戻り最終確認…

エラーコードも無し…



下廻りの漏れ確認を行なっていたら…

ミッションオイルホース接続部から少量の漏れが…


テーパージョイントのアタリが悪いんでしょう…
一度緩めて清掃、再度締め付けなおして確認…




漏れも止まったようなので完成です。

こういう事があると試運転後の最終確認って大事だなぁと再認識します…

どれだけ経験を積もうが自分の作業を過信しないで確認を徹底する…

これに尽きますね。


後は分解整備記録簿を書いて納車です…

コメント (13)

ギガ…ミッションオイル漏れ。

2018-04-29 15:15:53 | いすゞ
あっという間にゴールデンウィークですねぇ…

世間は9連休でしょうか…


ウチは1、2日は仕事なので中途半端な連休です…

連休前のバタバタ時に中古車屋さんから急遽修理依頼で入庫したCYL51ギガ…

もともとは下取り車両で次の買い手が決まっていたものの、オイル漏れに厳しい荷主さんの仕事を主体とする運送会社だったらしく、『オイル漏れを直さないと使えない…』と半ばクレーム扱いで修理する事になったみたいです。


どうやらミッションオイルが漏れてるらしくクレームで修理するので最低限の交換部品で修理して欲しいとの事。

車両を実際に調べるとクラッチブースターからもクラッチオイルが漏れており、ミッションの方はハウジングの取り付けボルトから漏れてました…

交換部品は最低限でお願い…との依頼なので作業と平行して交換部品の選定をしながら作業を進めます。

まずはミッションを降ろします…




ミッションはMJX12smoother-G




降ろす前はあんなとこから漏れるのか⁉︎…と半信半疑だったハウジング取り付けボルトを見てみると、どうやら本当にここから漏れてるようです…



恐らくハウジングのフランジ部のシールが劣化してボルト穴に抜けてきてるのかな…

いすゞ製ミッションはボンドでは無くフランジシール剤を使用してます。
フランジシール剤はシール性能は高いもののシールする面の面精度が高くないといけませんし、ボンドに比べ硬化後の柔軟性は殆どありません…

まあ、走行距離も90万キロ走っているのでフランジシール剤も劣化するって事でしょう…

安易な考えならボルトの穴にボンドでも詰めとけ…って話になるんでしょうが、それでは根本的な解決にはなりません。
本来ならハウジングを外して修理するのがベストです。

実際、依頼主さんは外からボンドで止めれないかな…なんてお願いされましたがそこはキチンと説明して理解してもらいました。

安く抑えたいのは分かりますが、その場凌ぎの修理で済ませ車を返した後に再発…なんて事になったらそれこそ信用を失いかねないですよ…


今回はオイル漏れ修理が本題でそれ以外の部分は依頼主さんの意向もあって使える物は極力再使用していきます…
なので当然、オイル漏れ修理以外の保証はありませんが了承済みです。

クラッチも点検だけして再度組み付け…


残量はまだ大丈夫そうでした…





ミッションのハウジングをバラす為に補機類を取り外していきます…


スムーサーなので補機がたくさん…

クラッチブースターを外し…


GSUに…




マグネットバルブやら…




取り回しのややこしい配線やホース類も外して単体になったミッション…


ミッション自体は普通のM/Tとなんら変わりはありませんが…
クラッチの断切からセレクト、シフト作業をコンピュータが自動で行うのでセンサーやアクチュエータが多いです…

単体になったらミッションを立ててケースの分解に入ります。




アウトプットフランジ、レンジチェンジケースなどを取り外していきます。







で、リヤケースとアウトプットシャフトASSYを外します…




更にリテーナやサンギヤを抜き…




メインケースを天井クレーンで吊り上げて外します。


問題のボルト穴を見てみると中にオイルが溜まってます…



漏れてない他の穴はこんな感じ。



メインケースが外れてる間にメインシャフトとカウンターシャフトのリヤベアリングは抜いておきます…




あとは外れた部品の洗浄と当たり面の研磨。



各面をオイルストーンでキレイに磨きます…




洗浄と研磨が終わったらサッサと組み付けて…
ウチはフランジシール剤は使わず通常の液体ガスケットで組み付けていきます。


ベアリングを入れ…オイルノズルは再使用不可なので新品に交換…





アウトプットシャフトASSYも…




カバーも取り付け。


リヤシールは新品に交換します…



で、アウトプットフランジを取り付けたら…


クレーンとチェーンブロックで横置きにします。





ここからインターロック機構や各スイッチ、配線配管などの補機類を取り付けていきます…




ちなみに整備書のディテント関係の記載が間違ってるんですよね…

コレ…
赤丸の場所に…


13.5mmのディテントボールを入れるって書いてありますが…


入りません…

入れるはずの13.5mmのボールがもう無かったので、一瞬間違えたか⁉︎…とヒヤッとしましたが物理的に入りませんので…笑

入るのは13.5mmじゃなくて11.1mmですね…


どんどん補機類を取り付けていきます…




GSUも取り付けて…


このややこしい配線や配管類…
頭の中は『ややこしや〜』です。

適当にまとめて…




今回はクラッチブースターも交換するのでリビルトを取り付けて…


ガタのあったロッドとストロークセンサも交換。



これにてトランスミッション単体での作業は完了です…

何とか連休前までにキリの良い所まで作業が進み一安心。
これで気がかり無く休めます…笑

後は休み明けミッションを載せる作業に入ります…




コメント (11)

タービンブロー…

2018-04-05 17:43:54 | いすゞ
気が付けばいつのまにか3月も終わってました…

4月に入っても仕事が落ち着く様子はまるでありません…笑

近くの同業者さんからの依頼で…

走行中に『ガンッ』という音と共にマフラーから白煙を吹いた…という症状で入庫したギガ…

依頼主さんからは『恐らくターボがイカれた…おまけにどっからかオイルが漏れてくる…』という話。

下廻りを覗き込むと、まあオイル漏れが酷い…



エンジン廻りもオイルでベタベタ…


特にエンジン下廻りに関してはゴテゴテのドロドロで…
これはかなり長い事オイル漏れを放置したんだろうな…という状態。

で、エンジンをかけるとスグにフロントのクランクシール付近からポタポタとオイルが漏れてきました…

漏れ方としては異常な量です…
なんか嫌な予感がしたので正直、あまり受けたくない仕事でしたが、ディーラーにも断られたようでなんとかして欲しいとお困りの様子だったので渋々受ける事に…
まあ車の状態を見れば一筋縄ではいかない事は容易に想像出来ますから…
ディーラーさんが断るのも頷ける…(^_^;)


で、依頼としてはターボ、インタークーラーの交換にオイル漏れの修理…といった内容。

エンジンは6WF1で走行は80万キロ…

とりあえず、本当にターボが壊れてるのか確認する為にパイピング類を取り外し…


コンプレッサーホイール側を覗き込むと…


インペラを止めてるナットが無くなっており…

タービンシャフトを回してみるも固着して回らず…

今度はエキゾースト側を確認する為にパイプを外そうとすると…


ジョイントパイプを止めてるスプリングが2本が無くなりパイプの隙間からオイルが噴き出してる…

とりあえず、依頼主さんにはその旨を伝え部品を手配してもらう事に。


で、エキゾースト側を見ると…


シャフトが折れて噛み込んでます…


当然インペラもゲジゲジ…


オイル漏れもかなり酷いので…
油圧低下によるタービンブローの可能性もありそうです…
おまけにターボから漏れ出たオイルがインテークやエキゾースト側にも入り込んでしまってます。

まずはオイル漏れを修理する為にインタークーラーやラジエーター、クランクプーリーなどを取り外して…


取り外したインタークーラーのコア付け根からはオイルが漏れ出てます。





クランクシールの交換。


セッティングツールは無いので、スリンガーを先に圧入…


圧入位置を確認…


シールの打ち込み。

シールの交換は完了…
この方法はイレギュラーな方法なのであしからず…笑

欲しいとは思うけど今更SST買うのもなぁ…

クランクプーリを規定トルクで締め付け。
トルクは267Nm…


フロント周りを組み付け…
支給された新品のインタークーラー。


ファンやらラジエーター、インタークーラーなども取り付けてオイル漏れ修理は完了。


お次はターボを取り外してスタッドの抜き替え。


大型のターボASSYは結構な重量なので天井クレーンで取り付け…
人力でセットするのは結構危なかったりします。
使用するのはリビルトターボ…


EXパイプも取り付け。


スプリングの取り付け部はこんなに削れちゃってます…




こちらは溶接で肉盛りして対応。

で、取り付け。




作業も終わり…


最後にエンジンオイルを交換する為に抜きとると…

なんか出てきた…




何かの破片…
材質は鉄で断面から判断すると鋳物のようです…

ターボのセンターハウジングが破損してオイルリターンパイプからオイルパンに落ちただけならいいんですが…

実際には外したターボのオイルリターンの穴を覗き込んでも中で割れた様子はありませんが…


インペラーのナットも結局見つかっていません…

インタークーラーの中には無かったし…

ん〜嫌な感じ…


とりあえず依頼主さんには説明…
どこの部品か分からない金属片がオイルパンから出てきたことや、ターボを交換した事によるエンジンブローの可能性もなくはない事を理解していただきました。

で、エンジンを始動してしばらく放置しておくと…












今度はリヤのクランクシールからオイルが漏れだしました…(;´д`)

それも結構な勢いでポタポタ垂れてきます…


受けた時の嫌な予感が的中した感じ…


再度、依頼主さんに連絡してどうするかの返事待ちです。






お次はエンジンがかからない…と出張依頼のCYL51ギガ…

話によるとセルモーターが回らずエンジンが始動出来ないらしく…
バッテリーは最近換えた…との事。

現地まで出張…

夜も遅く周りには何も無いので真っ暗…笑


早速状態を確認するとキーを回してもうんともすんとも言いません…

どうやらセルモーターに電気がいってないようで…

スターターリレーまでスタート信号が来てるか確認するとちゃんときており…


今度はリレー出力側でバッテリー電圧が出力されるか調べるとキーをスタート位置にしても電気が流れず…




スタート信号は来てるのに通電しないという事はスターターリレーの不良確定です。

ここのリレーはよくダメになります…
以前は通電しっぱなしになりセルモーターが焼き付いた事もありました。

で、近くのいすゞさんに部品の問い合わせ…

無事に在庫もあったので取りに行き…



新品リレーに交換して無事にエンジンも始動…




こちらのギガは終了。





それから先日の休みに忙しくて放ったらかしされていた自分の車を久々にキレイに洗車…


タイヤもスタッドレスからノーマルにようやく変更…

やり始めたらあっちもこっちもとなり、結局朝から晩まで掃除…

そのかわり久々にピカピカになった…笑


やっぱキレイな車に乗った方が気分はいいですからね…





コメント (2)

ギガ…アドブルー噴射異常。その2

2018-01-25 12:48:14 | いすゞ


前回の記事の続きです。



注文して届いた尿素水サプライモジュール…



早速交換していきます…
これがまたトラクターヘッドなので取り外しにくい…
尿素水タンクの真裏に取り付けられてます。



ゴソゴソして…

取り外しました。








ヒーターホースや尿素水配管は取り外し、中を洗浄。
尿素水配管は温水を注入してエアブローすると綺麗になります。


さっさと取り付け…



更に今回は以前のトラブルもあったのでお客様と相談の結果、尿素水センサーも交換する事に。


こちらも取り付け…


ストレーナー部は汚れておらず…
ストレーナーは汚れてないのに尿素水フィルターは何故あんなに汚れてたんでしょう…


ホースやらカバーも取り付けて完成。
漏れ出たクーラントも補充…


サプライモジュールを交換したらデータのリセットが必要です。





リセット出来たらエンジンを始動して再度、SCR関係のデータを確認していきます…


まず制御前のデータで尿素水圧力が0kPa付近…


修理前はマイナス表示でしたからね…
この時点で違いは明らか。


で、スタートアップ制御が始まると…


最大値も960kPa…

現在値も900kPa前後を維持して良好です。


そのままエア抜きも兼ねて30分ほどアイドリング
させてましたが尿素水圧力はバッチリ900前後で安定…

当然チェックランプは点きませんし故障コードも拾いません。





その後、エンジン停止キーオフでアフターラン制御がキチンと行われるかも確認。
リバーティングバルブがオンになりポンプが駆動して供給ラインの充填率がジワジワ下がっていきます…


充填率が0%になったらリバーティングバルブもオフになりアフターラン制御も完了。


最後にシャットオフ制御も確認…


全て正常に終了したので…

これにて全ての作業が完了です。










そして原因追求の為、取り外したサプライモジュールを分解…


このサプライモジュール内に原因があります…


ウォータージャケット…


ダイヤフラムポンプやセンサーなどなど…


このダイヤフラムがモーターで回転する偏心ポンプシャフトと繋がっておりシュコシュコと尿素水を吸い上げ加圧します…






ポンプ裏には尿素水が内部で漏れた跡が…




少量なので今回の不具合とは関係無いのかな…

となると怪しいのはコイツか…
尿素水圧力センサー。


原因がポンプかセンサーなのは間違いないでしょう。

ただ基準値も分からないし、かといって新品をバラす訳にもいかないし…
(ホントはバラしてみたかったけど…)

ポンプの能力低下もなくはないですが…
フィードバック制御はセンサー命ですからね…

交換前と交換後でセンサーの数値は明らかに変わったので…
やっぱりセンサーが原因でしょうかねえ…



コメント (2)

ギガ…アドブルー噴射異常。その1

2018-01-25 07:20:50 | いすゞ
LKG-EXD52ギガ…
エンジンは6WG1。


エンジンとアドブルーのチェックランプが点灯、アドブルー噴射異常というモニターが出て、おまけにブザーまで鳴った…との事で入庫しました。


いすゞさんはアドブルーのチェックランプが点灯してから300キロ以上走ると耳障りな『ピー』という音が鳴り始めます。
現在故障であればエンジン切っても再始動するとブザーがなり続けます。

これは運転手に『もう勘弁してくれ…こんな不快な音は嫌だ! 早く修理してくれ‼︎』と言わす為のブザーで…笑
要は修理しないとメンタル的に乗り続けるのが困難な設定なんです。

これはお国が厳しく決めている排ガス規制…
その排ガス浄化機構であるSCRシステムが正常に機能しない状態では運行出来ないようにする必要がある為で、故障内容によっては1度エンジンを止めると再始動出来なくなる制御もあります。

SCRシステムが出始めた頃、某メーカーさんの車両はSCRが機能していなくても普通に走れちゃう設定、つまり保安基準不適合の状態でも公道を走れちゃう状況で、それを重く見た国が是正勧告…
自動車メーカー各社に徹底するように通達が出たとか出ないとか。

これも一般のユーザーさんは気にした事すら無いと思いますが排ガス規制値は年式別に法律で上限が決められており、その規制値を超えるような排ガスを排出する事は違法なんです…
そんな訳で今現在では各メーカー共々、SCR系のトラブル時にはチェックランプに加えブザー音、更には再始動禁止制御などの設定が必ずあります…

で、実はこの車両…
以前にもSCRシステムのトラブルで1度入庫した車両でその時は尿素水品質異常のコードでした。

その時の記事はこちら

その時は故障コードを消去して様子を見てもらってました。
それ以降チェックランプは点いてなかったんですが…

もしかしてまた同じコードかなぁ…と思いながら
診断機を繋げて故障コードを確認してみると…


P20E8 尿素水低圧異常…

全然違った…



通常、SCRシステムはエンジン停止時には凍結や結晶化による詰まりや破損を防ぐ為に配管内に残った尿素水をポンプで強制的にタンクに戻す制御をします…
その後エンジンを始動して各温度、凍結の有無、解凍制御などの所定の条件が満たされるとSCRシステムはスタートアップ制御に入り、ポンプを駆動させ尿素水を配管内に充填させいつでも噴射できまっせー…という状態になります。

その後、各センサーからの数値を見て通常制御に移行するんですが…

このP20E8の検出条件を調べてみるとスタートアップ制御時の尿素水圧力が650kPaを下回るか、もしくは通常制御時に750kPaを下回った状態を数十秒以上検知するとチェックランプを点灯させるようです。


原因を探る為に故障コードを一旦消去してデータ上の尿素水圧力を点検。

まずは各データを確認してみると、システムが起動していないにも関わらず尿素水圧力が6548kPa…⁉︎


そんな数字はシステム的にあり得ない数値ですが…
表示がバグってるだけかな⁉︎という事でTPMでも確認…

すると-4.9kPa…


なるほど、あのあり得ない数値はマイナスだった訳か…
どうやらG-SCANはマイナス表示に対応してないようですが…

それにしても圧力がマイナスってのは少々納得いきません…

念のため圧力センサーがキチンと反応するかどうか確認する為にドージングモジュール側でホースを取り外しプレッシャーテスターを接続…


圧力をかけるとデータ上の数値も動きます…




が、リニアには反応するものの、かけた圧と表示する圧に少々誤差があります…

ドージングモジュールの噴射口付近は結晶化してますがこれはどの車もこんなもんですね…


お湯でキレイにして再度組み付け…
ドージングモジュールのアクティブテストも指示値に対して実dutyは全域で良好…




次はエンジンを始動してスタートアップ制御時の各データを確認…
エンジンを始動してSCRシステムを起動するんですが、条件によっては一向に始まらないのでそんな時はDPDを再生させます。


これも作業サポートなんかでシステムテストや試運転があれば良いんですけど…
純正機ではきっと出来るんでしょうね…

再生させて…


しばらくするとスタートアップ制御が始まり、尿素水圧力がグングン上昇していきます。


ところが圧力の変化を見ているとどうも安定しない。
更に通常スタートアップ制御時は尿素水圧力は約900kPaまで昇圧されその後、圧力センサーのフィードバック制御で900kPaを維持します…
実際にはポンプがダイヤフラムポンプのせいか850〜950kPaで上下しますが…

ところが現在のデータでは最大値は811kPaで現在値は777kPa…


しばらく眺めていても現在値が400〜700kPa位で乱高下…


最大値からも分かる通りスタートアップ時には故障検出条件である650kPaを下回る事はありませんでしたが本来900kPaまで上がらないといけないのに811kPaなので若干低め。
その後、通常制御に移行しても上限700kPaよりも上がらない…

そうこうしてるうちにDPDの再生も終わったと思ったら…


点きました…笑


故障コードは…


なるほど…

という事で通常制御時に750kPa以下が数十秒以上続いた為にチェックランプを点灯させたようです。

これで症状の確認はオッケー。

ここから何故、尿素水の圧力が上がらないのか原因を調べていきます…

症状は確認出来たので後はこの不具合の原因となる可能性のある箇所を潰していきます。

まずは加圧部での尿素水の外部への漏れ…

こちらは見たところ外部には漏れは無く、ドージングモジュールの噴射口でのお漏らしもナシ…

他にも尿素水フィルターなどに詰まりが無いかを確認すると…
新旧比較…


こんな汚れてるフィルター始めて見た…

更にサプライモジュールの尿素水のインレットコネクタ部にもゴーズフィルターがあるのでそちらも点検しましたが詰まりは無さそう。

とりあえず、尿素水フィルターは新品に交換。
これが原因だったらいいなーなんて思いながら再度テスト…

ところがやっぱり圧は上がりきらず…




再度チェックランプ点灯し故障コードはやっぱり…


どうやらフィルターが原因ではないようです。

となると残る可能性は尿素水圧力センサーかサプライポンプ…

が、どちらも単体点検は不可能でセンサーもポンプもサプライモジュールの中に組み込まれています。


という事で…




注文しました…



お値段20万円…




と、記事が長いのでとりあえずここまで。

その2へ続きます…
コメント (5)

トラブル続き…

2017-11-16 15:35:43 | いすゞ
PJ-EXZ52ギガ…

車検で入庫。

車検整備自体は特にネタになるような事はありませんでしたが…

全ての作業が終わりエンジンを始動して交換した油脂類の漏れが無いかの最終確認を終え、車両をリフトダウンさせてエンジンを停止するとどこからともなく『シュ〜』といや〜な音が…




調べるとパワーシフターからエアーが漏れてました…




漏れてましたと言うより漏れだしました。

しかもこれから完成検査というこのタイミングで…

ま、こんな事もあるよね…( ´_ゝ`)


とりあえずお客様に連絡してパワーシフターからエアが漏れ出した事を説明して交換の了承を得ました。
時間も無いのでリビルトにて注文。

早速交換の準備を…

トラクターヘッドなのでデッキパネルを外せば交換作業自体は特に苦労する事もありません…





ちなみにこのギガは去年インプットシャフトを交換した車両です。

もう1年も経つんですねぇ…

早いなぁ。

取り外して…


リビルトパワーシフター。


エアホースも同時に交換して取り付け…



で、パワーシフターの交換を終え完成検査も無事に終わり、納車する為エンジンを始動して出発しようという所で何やら違和感が…

メーターを見ると…




!!!!!!!?




すいませーん…

『故障』って出てますけどー⁇

(誰に言ってんだ…)





…。




何かの間違いであって…なんて思いながら1度キーをオフにしてしばらくしてから再度キーオン…

祈るような気持ちで『どうか点かないで…』と念じながらメーターを見るも…


残念。
再度点灯…

(ショックのあまりピンボケ…笑)




嘆いても状況は変わらないのでとりあえず原因を探っていく事に…


このクネクネ矢印の警告灯は運転集中度モニターの故障を意味しています…

こんなデカデカと『故障』って出さなくてもいいのにね。


運転集中度モニターとは読んで字の如く、運転手が運転に集中しているかどうかをモニターしており、ある一定以上の速度でウィンカーも出していないのに車両が左右にフラついたりするとコンピューターは運転手が居眠りやわき見運転をしてるとみなし、ブザーと表示で警告を出します。

この車両では警告だけですが…
最近の新しい車両なんかだとレーンキープアシストやPCS(衝突被害軽減装置)など運転に介入制御してくる機構もあります…


とにかくそんな運転集中度モニターが故障と判断されてます。

まずはG-scanを繋いでみるも運転集中度モニタシステムには未対応…


TPMで確認してみると見事に対応してました。


データ表示や作業サポートにも対応。


TPMは本当に痒い所に手が届く存在ですね。笑

で、故障コードを確認すると…
現在故障でB1003 操舵角センサーB断線/ショートのコードが。
Bとは電源の事でしょう…


過去故障ではB1005 操舵角センサー電源異常が…


どちらも電源系統の異常ですが…


各部のデータを確認してみると…




電源電圧の項目はありませんでしたが…
ステアリング角度はセンター位置で0度で中立位置は高(オン)表示。

試しにステアリングを180度ほど切ってみるもデータ上の操舵角は0度のまま…




画像でも分かると思いますが、中立位置センサーは低(OFF)なのに操舵角が0度という事は本来ならあり得ません。
なのでコンピューターは正確な操舵角を検出できない為にチェックランプを点灯させたようです。

という事でここから操舵角センサー本体の不良なのか…
それともコンピューターと操舵角センサー間の配線不良なのかを調べていきます。

とりあえず部品の値段と在庫を部品商に問い合わせつつ…



安全対策の為、ヒューズとSRS回路をオープンにしてからエアバッグの取り外し。
バッテリーを取り外す必要はありません。


ステアリングホイールの嵌合が激カタで苦労しましたが…


更にスパイラルケーブルも取り外し。
センター位置がズレないようにテーピング…




このセンター位置を間違えて組み付けるとハンドル切った時にブチッという音と共にチェックランプが点灯する事になるのでご注意を…笑

で、これが操舵角センサー…
整備書ではステアリングアングルセンサーとも記載されてます。




このセンサーでハンドルがどちら側にどれだけの角度で切られているかをモニターしてます。

配線図を用意して電源系統の配線を調べたんですが…




写真はありませんが実際にはキーオン状態で約9〜10Vほど流れており、配線図を見ても分かる通り通常は12Vが来ているようですが…
これは恐らくエンジンがかかれば規定値に届くでしょう。
なので電源は一応来てるのでコンピュータ側からの配線に断線は無さそうです。

となるとステアリングアングルセンサー本体の不良かな…⁉︎
センサー本体の内部回路がどうなっているかが分からないので単体点検は出来ず…

とりあえずセンサーの値段は約9,000円とさほど高くもないので交換してみようかなと思い発注をかけると納期が翌日…

なんとかならないかお願いするも、今日中にはどうしても間に合わない…と。


でもお客様の都合上、今日納車しないといけないので…


部品が間に合わないものはしょうがないし、完成検査後に点いたチェックランプも予見は不可能だし仕方ないでしょう…
お客様にもその辺りの事情を説明して納車する為にバラした部品を再度組み付ける事に。

全ての部品を組み付けて故障コードを消去する為に再度スキャンツールを接続。


すると現在故障は無く、過去履歴になってる…⁉︎

あれ…?


故障コードを消去してみると…


その後診断をかけるも正常…


データを確認すると…


ステアリングアングルセンサーの数値がちゃんと動いてるー‼︎‼︎‼︎

もしかして直っちゃった…⁇

バラしてみるもんですねぇ…笑

おそらく、原因はコネクターの接触不良だった可能性が…
脱着した事で通電するようになったんでしょう…

それ以降チェックランプも点かず…


遅くなりましたが納車も終わり発注かけた部品もキャンセル…


無事⁉︎に終了です…


なんとかなって良かったですが…

なんか最近こんなトラブルばっかり…







コメント (4)