メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

プロフィア …尿素水混入トラブル。2

2018-07-21 21:05:45 | 日野
前回の続きです…

サプライポンプ、DPR、尿素SCR触媒を交換してとりあえずエンジン始動出来るまでになりました…


ここから綺麗な軽油と洗浄剤を入れエンジンを回し、リターンを排出し可能な限り燃料経路の内部を洗浄していきます…


リターン燃料は全て廃棄する事になりますが、この方法が一番早くまた確実に綺麗になります…

エンジンを回しながらとりあえず100リッター程循環させた時の変化がこんな感じ…
左が新品、真ん中がサプライポンプ交換直後のリターン燃料、右が100リッター循環時のリターン燃料。


多少綺麗にはなりましたがまだまだ汚れております…

という事で更に150リッター程給油して内部の循環洗浄…


最終的にこんな感じ…
同じく一番左から新品でそれ以降のリターン燃料の色の変化です。


一番右が最終的なリターン燃料…
まあここまでキレイになればとりあえず安心でしょう…
という事でリターンホースも燃料タンクに接続し内部洗浄は完了…

で、引き続き診断機を繋ぎインジェクターの補正値を確認…


データを見ても分かる通り…

悪くは無いんです…

数値自体は…



ただ、アクセルをグンと開けた時にエンジンからカタカタ音がするんですよ…


しかも結構大きな音で…


これはパイロットやプレ噴射が上手くいってない時に発生する音で…
いわゆるノッキング音…


コモンレールのマルチ噴射は1サイクルに複数回の燃料噴射を行うんですが…
パイロット噴射に始まり、プレ噴射、メイン噴射にアフター噴射、最後にポスト噴射などなど…
これを1サイクルで行います。

メイン噴射の前に行われるパイロット噴射とプレ噴射はどちらも予備燃焼でパイロット噴射はPMをプレ噴射はNOxの発生をそれぞれ抑制する効果があり、それと合わせてディーゼル特有のノッキング音の低減効果があります…


エンジンサイズにもよりますがこのディーゼルノック音はまあまあ大きな音で、結構な騒音になるんですが…

今回はアイドリングでは気になりませんが吹かすと『カタカタカタ…』と不快な音が発生しておりました…

まあよく考えればあれだけ汚い燃料が回っていた訳ですからインジェクター内部も当然汚れているでしょう…


という事でインジェクターも交換する事にしました。




インジェクター交換時は高圧パイプも基本的には同時交換となっており交換するパイプをまとめたパイプキットの設定があります。
日野さんはこういう所が親切ですね…
マフラーのガスケットキットもそうですが、これだと発注漏れも無くなりますし頼む方も頼まれる方もミスなく効率的になります。




リビルトインジェクター…


振り分けて…



インジェクターを取り外し…


車が新しいだけあって見た目もキレイです…
が、左から順に1〜6番ですが2番の先端はリークしてる跡も見られますね…


インジェクターやパイプを取り付け…




ヘッドカバーやEGRパイプを取り付けて…
IDコードも書き換え。


エンジンを始動して確認…

無事にカタカタ音は無くなりました。

これビフォーアフターの動画を撮っておけばよかったと後悔してます…笑

それくらい劇的に静かになりました…


後はサイドバンパーやらデッキパネルやらを取り付けて…


全ての作業が完了です…

後は使っていく段階で燃料ももう少しキレイになるでしょう…




で、以前ちょっと気になっていた事…
燃料に尿素水が混入したのにセジメンタのフローセンサーが反応しなかった事がどうにも気になり…

ちょっと実験…

軽油に尿素水を入れた場合どんな状態になるのか…⁉︎

軽油と尿素水…


混ぜてみると…

尿素水を入れた時に泡が立ち、それがなかなか消えないんですよね…


当然、軽油は上部に溜まりますが下部には泡立った尿素水が…

しばらく放置しておくと泡はパチパチ弾けながら収まってきます…


落ち着くとこんな感じ。
上が軽油で下が尿素水…



もしかしたらこの泡立った状態にフローセンサーが入ると浮かなかったりするのかな…

どうなんだろ…

それはそれで今度時間見つけて試してみる事に…



しかし最近の暑さといったら異常ですね…



こんな日は早く帰りましょう…笑






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プロフィア …尿素水混入トラブル。

2018-07-14 16:49:48 | 日野

前回の記事で少し書いた燃料に尿素水が混入してトラブルとなったプロフィア …



部品も揃ってきたので作業を開始。


症状としてはマフラーから黒煙が出る…との事でしたが、診断結果としては燃料タンクにアドブルーを誤注入した結果、サプライポンプのメカニカルシールがダメージを受け燃料にエンジンオイルが混入、燃料品質が著しく低下した事によるPM過多状態からのDPF内部溶損、結果的にマフラーから黒煙が出る…という判断に行き着きました。


入庫時に採取した燃料はこんな状態…


とんでもない色をしております。

前回時に燃料タンクも新品に交換して綺麗な軽油を給油してリターン経路をタンクに戻さずタンク外に排出する方法でリターン燃料を調べてあり…

給油した燃料がこの色に対し…


リターンしてきた燃料はこんな色…


この色の変化はエンジンオイルが微量ながら混ざる事によって起こったと思われます。

燃料にエンジンオイルが混ざる可能性がある所と言えばサプライポンプ以外にはありませんよね…

という事でまずはサプライポンプから交換する事に。


特に苦労する事無く外す物さえ外せば降りてきます。
取り外す時か取り付ける時どちらでも構いませんが1番の圧縮上死点は出す必要があります…

で、ポンプを外してギヤの組み替え。






こちらはリビルトのサプライポンプ…




ギヤの取り付け…
締め付けトルクは246Nm…





で、ポンプを取り付けていきます。
まずは1番の圧縮上死点を出します…
フライホイールの1/6のマークを合わせた時のギヤケースの切り欠きとタイミングギヤの山が合っているかで1番の圧縮上死点を確認…
ヘッドカバーを取り外しておらず、サプライポンプも外れてる時はココで1番の圧縮上死点が確認出来ます。


見にくいですがハウジングに切り欠きが作ってあります…


ポンプを取り付けてポンプ側のタイミング確認も…
こちらは確認用の穴と確認用SSTがあります…


SSTが無くてもタイミングの確認は可能ですがその場合パワステポンプを取り外す必要があります…
値段も数千円なのでE13Cのポンプ交換する時はあった方がいいSSTですね…


ポンプの確認用の穴にSSTを差し込み…


奥まで入ればタイミングはオッケー。


ちなみにタイミングがズレてると奥まで入りません。


規定トルクで締め付けます。



で、なんだかんだ取り付けてサプライポンプの交換は完了…
ちなみに燃料フィルターケースも新品に交換しました。





ココから少々脱線します…笑

取り外したサプライポンプ…
返却する前にどうしても確認したいので少々分解させて頂きます。

フィードポンプ部のシールを点検します。




サプライポンプのカムシャフト部にはエンジンオイルが供給されており、フィードポンプ側にオイルが侵入しないようにシールされてます。

キレイにしてみるも明らかな損傷は無さそう…


ただ、シールの中間部分は黒ずんでます…


オイルが侵入した跡でしょうか…

更にフィードポンプ側の燃料経路を見比べてみると…


心なしか吐出側の方が黒ずんでるように見えます…


カムシャフトのシール当たり部が爪でなぞると明らかに段付き摩耗しておりました…




この摩耗も本来こんなものなのか、それとも尿素水が混入した事によるものなのか…
どうなんでしょう…
見比べた事無いから分からないな…

とは言え燃料にエンジンオイルが混入する原因となるのはココのシール不良しか無いですからね…

まあ少々納得いかない事もありますがやっぱり尿素水が混入した事によるトラブルと考えるのが自然ですかねぇ…

とりあえずサプライポンプの交換は完了…




お次はDPFの交換に移ります。
サイドバンパーやステップ、デッキパネル等を取り外し…


ややこしく見えますがコレも取り外しに苦労する事はありません…


接続されている温度センサーや差圧ホース、尿素水インジェクター、フランジを切り離し、まずはDPR ASSYを降ろします。





それから尿素SCR触媒ASSYを降ろします…







まずはDPFの分解から…
酸化触媒入口側…




反対のフィルター出口側…
煤が酷いです。


表面に溶けた様子はありませんがフィルター出口側に煤が堆積してる時点でフィルター内部の溶損か破損により煤がフィルターを通過している証拠です。

基本的にはDPFはディーゼルエンジンの規制対象となるPM(粒子状物質)より細かい目のフィルターなので通り抜ける事は物理的にありません…
まあ正確に言うとナノサイズの微粒子であるSPMは通り抜けるようですが、規制の対象とはならない程の量のようですが…
色んな文献を読んでいて興味深いのはこのSPMがフィルター表面にスートレイヤーと呼ばれる層を形成する事で元の性能から更にフィルタリング能力を高めているという事。

つまり新品のフィルターに敢えてナノサイズの煤を堆積させる事で新品時より高いフィルター性能を発揮するという事…

考えた人は天才…いや、変態ですね…笑


下の画像を見ても分かるとおりハニカム状のセルの表面だけでは無く内部にも煤が付着してるセルがいくつかあるのが見えると思いますが…


その部分は煤がフィルターを通り抜けてしまってるという事です。


更にSCR触媒の方も分解して確認すると…


SCR触媒入口側は一部溶損しておりました。



出口側も当然ですが煤で真っ黒け。


これではマフラーから黒煙が出る訳です…
更にこんな状態では触媒の機能は十分に活かせないでしょう…

排ガスの後処理機構では…
エンジンから出た排ガスは酸化触媒を通り、その後DPFでPMが捕集されます…
最初の酸化触媒は煤の燃焼を促進する為の触媒で…
そのDPFでPMを除去された排ガス中に尿素水を噴射する事で加水分解されアンモニアが生成され…
そのアンモニアがSCR触媒でNOxと化学反応を起こし無害な窒素ガスと水に還元します。
更にSCR触媒で反応しなかった余剰分のアンモニアを大気に放出するのを防ぐためにアンモニアを酸化させるアンモニアスリップ触媒が付いてます…
触媒はハニカム状のセルに用途に合わせた物質を数種類コーティングしてありますが、そのコーティングされた表面に煤が堆積すると還元作用は明らかに低下します…
ましてやDPF以降の触媒では煤が堆積する事は想定外ですからね…


こちらが新品のDPR ASSY…


前側に酸化触媒、後側にDPFが組み込まれてます…

更に追加で注文していたSCR触媒も…


こちらも前側にSCR触媒、後側はアンモニアスリップ触媒が内蔵され一体となっております。


余談ですが、この触媒2点でお値段70万超えです…(-_-;)



まずはDPRの組み立て…




ちなみにこのマフラー関係を洗浄や交換する場合に必要となるガスケットやボルト類をまとめたキットがあります…



SCR触媒も組み付けて…




各フランジのボルトは規定トルクで締め付けます…




で、まずはSCR触媒を車両に取り付け…


更にDPRも取り付けます…







と、マフラーを取り付けた所で一旦終了…


長くなるので続きは次回です。






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プロフィア …プロシフト不調。

2018-05-31 20:35:43 | 日野
24年式のLKG-SH1Eプロフィア…

プロシフトが変速出来ずチェックランプが点灯…
走行不能になったとの事でレッカーにて入庫しました。




現在はチェックランプも消え走行可能なようですが…


故障コードを確認すると…


P188C シフトユニット故障
P0913 シフトユニットモーター異常(無電流異常)


と以上が過去コードとして残っていました。
各データは少々気になるところがあるものの今のところは正常に作動してるようです…






このP188Cシフトユニット異常の検出条件は自動変速時や任意変速時にシフト制御を3回やり直しても完了しなかった場合に異常と判断するようで…

P0913シフトユニットモーター異常はシフト制御時にモーター駆動信号を出しているにも関わらず無電流の状態を検知すると故障コードを記憶するようです。

この条件から考えればおおよそ不具合の原因は予想がつきますが…

プロシフトECU〜シフトユニット間のハーネスは点検の結果異常なし。
可能性としてはプロシフトECUなどの不具合も無いとは言い切れませんが症状が出たり出なかったりという事を考えるとアクチュエータの可能性の方が高いですね…
症状が確認出来る状態であればデータ上のシフト制御ステータスからシフトモーターの実デューティの変化を見れば原因も特定出来るでしょう…

ただ、今は正常になってるので確認出来ず。

お客様には今現在症状が確認出来ない事も伝え、原因の可能性が高い部品の見積もりを出しておりましたが…

OKが出たので早速作業開始です。

現車はトラクターヘッドなのでミッションへのアクセスはデッキパネルを外せば非常に楽チン…
カーゴとかだと地味に苦労すると思います。



問題の部分…


シフトモーターと…


セレクトモーター…


見るところレンジケースが交換されてるのでリコール対象車ですね…
このミッションはプラネタリキャリアの強度不足から起こる変速不良でリコールが出てます…

今回は恐らくシフトモーターの不具合でしょうが、シフト側もセレクト側も同じモーターを使用しているので予防も含めて両方交換です。
値段も1個約26000円とさほど高くもありません…

取り外して…


新品のモーター…
近くの各営業所には在庫がゴロゴロしてるのでよく出る部品なんでしょうね…笑


取り付け…
締め付けトルクは6Nm。


トラクターヘッドなので交換作業自体は30分もあれば終わります…



で、シフト、セレクトモーターの取り付けが終わったら各学習の実施。
A-MTなのでアクチュエータやセンサー交換後は初期学習が必要になります…

ダイアグモニターと専用ハーネス…


運転席足元にある設定用コネクタと専用ハーネス、ダイアグモニターとATMタグの付いたコネクタをそれぞれ接続します。




まずはニュートラル学習…
このニュートラル学習はプロシフト用エアタンクのエアーを全抜きしてノーエア状態で学習させる必要があります…

キーONにして…


所定の操作をして学習…




最終的に表示が"N"表示になれば学習完了。


続いてシフト位置学習…
今度はエアーを溜めてまたまた所定の操作を…




こちらも"N"表示で完了。


更に通常はモーター交換時には必要の無い作業ですがドライバーさんからクラッチの繋がりに違和感がある…という事だったのでクラッチ学習もついでに行う事に。
エンジンを暖機してコレまた所定の操作を…


しつこいですが"N"表示で学習完了。


で、整備書では本来ならシンクロ学習も行わなければならない事になってるんですが…
このシンクロ学習だけ何故かダイアグモニターでの学習は不可能…
専用の診断機が必要になってしまいます…

当然、専用診断機なんて持ってないのでシンクロ学習をするならディーラーさんにお願いする必要があります…

が、実際にはギヤイン時にギヤ鳴りがする事も無いので今回はこのままです。

勿論、プロシフトECUやシンクロ機構を交換した場合には間違いなく学習は必要になってくる作業だと思いますが、個人的には今回のようにモーターやシフトユニットだけの交換時はギヤ鳴りしなければあえて現学習値をリセットする必要は無いと思いますね…

それにこのシンクロ学習も結構大変そうなんですよね…
走行しながら学習する必要があるのでスピードテスターなどのフリーローラーに乗せないと学習も出来ませんし…
その一連の作業を10回以上繰り返さなければならなかったり…
それで完了という訳ではなく、トラクターヘッドは更に使用過程で学習していくという複雑な工程…




今のところ念入りに試運転しても特に不具合はありません…




故障コードも無し。


これで恐らく問題ないでしょう…

後はカバーを取り付けて…



完成です。









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初入庫…3

2018-03-19 23:51:57 | 日野
初入庫シリーズその3です…笑




FWの新型プロフィア…



ひと通り大型4社がモデルチェンジを終え、正直なところ見た目は日野さんが一番評判がいいです…

まあ大事なのは見た目だけではありませんが…

見た目も重要な要素の1つである事は間違いありません。

どうせならカッコいい方がいいでしょう…笑



フロントパネル開けるとコーナーパネル部も一体で開くんですねぇ…





シートがカッコいいですね…
トラックにこのシートは贅沢ですよ…笑
まさか本革ではないと思うけど…



内装の色あいはレンジャーと同じです…




パーキングブレーキもインパネに…


ボルボやベンツと同じですね。



プロシフトのシフトレバーは無くなりダイヤルセレクターとなりこれまたインパネに…


特徴的なデイライトも…


エンジンはA09C…
もちろん、改良されてるでしょう。


エキゾースト側を見てちょっとビックリ…


まさかのツインターボですかコレ⁉︎


ドライヤーもWABCOのカートリッジになってます…



純正テールはダサいっすねぇ…笑


シャーシは特に変わったところは無さそうです…




さあ…


これでモデルチェンジした車両でまだ入庫してないのはふそうさんのスーパーグレートだけですねぇ…



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初入庫…2

2018-02-15 18:58:56 | 日野
初入庫シリーズです…



こちらも当社のお客様第一号となった…




新型レンジャー。



見た目はカッコいいじゃないですか…‼︎笑




メーターもすごい見やすいです…


最近のトラックにもステアリングスイッチは標準装備なんですねぇ…


インテリアもモダンな色分けで小洒落てますよ…トラックのくせに…笑





ハザードスイッチがインパネに移りましたね…
これは賛否が分かれる所でしょうが、最近のトラックはインパネが主流のようです。
コンビネーションスイッチで慣れちゃってる人は間違いなくウォッシャーを作動させるでしょう…


新型エンジンのA05Cは低馬力仕様だけNOx対策にアドブルーは使用してないようです…


EGRをNOxセンサーのフィードバックで緻密にコントロールする事でNOx低減を計ってるんでしょう…
その為かEGRは大容量タイプですね。




PM対策には噴射制御とDPR…
トータル的に使い手の事を考えた結果だと思います。
PMトラブルやカーボントラブルが少々心配ですが…
アドブルーを使わず排ガス規制をクリア出来るなら、余計なコストがかからないので使わない方が良いに決まってますからね…


ただし、同じA05Cでも高出力仕様にはSCRを搭載してるようです…



車両は少し手直しして3月に新規登録です…



ところで不整地仕様はどうなるんでしょう…

前のレンジャーみたいにコーナーパネルに角目ヘッドライトはやめて下さいね…


ダサいから…笑


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プロフィア…オイル漏れ修理。完

2018-02-06 23:00:00 | 日野
またまた前回の続きです…


全ての補機類の組み付けも終わり…





冷却水の注入を…
従来のプロフィアは冷却水のプレッシャータンクが助手席側後部でしたが、エアループのプロフィアになってからラジエター上部になりヘッダータンクという名称になりました…


で、コレも位置的に注水するのが地味に大変なんですが…
この手のプロフィアになってからはフロントバンパーグリル内に冷却水の給水コネクタがあり専用の給水ソケットを繋げてポンプで圧送する事で給水とエア抜き時の時間短縮が可能になりました。

コレが車両側給水用コネクタ…
この先がラジエターのロアホース接続部に繋がってます。


こちらが純正工具の専用ソケット…


後は市販品のポンプとホースにバルブ付き2wayジョイントを組み合わせた給水キット…


コレを使用する事でジョッキで注水するより圧倒的に効率が上がります…
このE13Cのカタログ上の全冷却水量は約55リットル…
仮に55リットル全量を6リットル入るジョッキで注水するとなると、LLC原液を入れて水道水で割ってエンジンルームに登って注水…この同じ作業を約10回繰り返す事になります…

それに比べてこの方法は先に30%に薄めたLLCを作ってポンプで圧送するので作業的にメカニックの負担も減るし注水時間も短縮出来るしエア抜きの時間も短縮出来ます…

使用するLLCは純正です…


ソケットを繋げて…


あらかじめ30%に調整した濃度のLLCを注水…


画像だと見えないかもしれませんが、流量を調整出来るバルブを付けてあるのであまり勢いよすぎない程度に注水します。

で、ヘッダータンク側まで水位が上がってこれば注水完了。


実質、注水時間は数分で終わります。


その後エンジン始動…
サーモスタットが開くまで暖機させます…


しばらくエンジンも回したのでエンジンオイルとエレメントの交換…



雪がチラつく中、試運転に出かけます…


試運転から戻り各部の漏れや締め付けの最終確認…






無事にオイル漏れも止まりました。
後は翌日冷間時の冷却水量の確認をして全ての作業が完了です…



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プロフィア…オイル漏れ修理。その2

2018-02-04 18:25:21 | 日野

プロフィアの続きです…


加工に出してたシリンダーヘッドが戻って来ました。


今回はオーバーヒートした訳ではありませんでしたが歪んでました。

しかも0.08mmも…
歪みの基準値は0.05mm以下なのでオーバーしてます…

やっぱりヘッドを外したら測定も含めた研磨は必要ですね…笑
ノズルチューブもあまりイイ状態ではなかったので交換してもらいました。



バルブのラッピングを行い…




バルブを組んでいきます…








カムアイドルギヤは仮組み…




ヘッド下面もしくはブロック上面を研磨するとタイミングギヤのバックラッシュが変わってしまいますが、このE13Cはアイドルギヤで調整が可能なので測定するまでは仮組みです。
バックラッシュが調整可能ならついでにヘッドガスケットも厚み違いを数種類出してくれればいいのに…と思いますけどね(^_^;)

画像のカムアイドルギヤのセンターシャフトのノックピンを抜いてセンター位置をオフセットさせる事で調整します。


経験上0.05mm以下の研磨量なら基準値を外れる事はまず無いと思いますが…
今回は0.08mm研磨してるので要確認です。

マニホールドも組み付けて…




ヘッドを載せる下準備を…
スタッドを抜いたエキマニとターボ側のネジ山は載せる前に必ず修正しときましょう…


ブロックもオイルストーンで掃除して…


新品のヘッドガスケットをセット…




慎重にドッキング。


ヘッドボルトを2人がかりでヘロヘロになりながら締め付けたら…
ガスケットを入れ、抜いたスタッドを先に入れておきます。


ターボ内に異物が入り込むと嫌なので締め付けも。


ヘッドの締め付けも終わったのでカムアイドルギヤのバックラッシュ測定…




ヘッド側アイドルギヤとブロック側アイドルギヤのバックラッシュ基準値は0.038〜0.356mmとなっており測定の結果0.315mmなので合格。

という事でギヤの調整は必要なさそうです。
0.1mm研磨してたらダメだったかも知れませんね…


インジェクターの取り付けや…


カムシャフトも…
メタルは新品に交換です。






インジェクションパイプも…






その日はそこまで。

翌日から更に続きを…
ロッカーシャフトを載せて…


規定のトルクで締めた後、指定の角度で塑性域締め付け…


で、バルブクリアランスの調整…
INが0.28mmで…


EXが0.49mm…


調整が終わったらジェイクブレーキの取り付け…




スレーブラッシュの調整…
クリアランスは1.3mm。


で、ヘッドカバーの取り付け。






更に周りの補機類も…
燃料フィルターケースや…


EGRなど…




サーモスタットは勿論新品に…


と、明日は土曜日なので車検のお手伝い…

一旦作業はストップです。
続きは来週から…






話変わりますが最近使ってる液体パッキン


まずは今まで使ってた液体パッキン…
使用するメーカーはスリーボンドやピットワーク、ドライブジョイなど様々ですが形は全て同じチューブタイプ。


それにこのようなシボリ用のノブを付けてガスケットを押し出して塗布していましたが…




シボリ加減と手を送るスピードの調整が意外と難しかったり、使い始めは良くてもフタを開けて時間が経つと押し出すのに力が必要だったりと苦労する事もしばしば…

他にもコーキングガンのようなカートリッジタイプもありますが一度に大量に塗布する場合は有効ですが普段使いにはデカ過ぎるし小物には使い難い…
そんな理由で殆どの方がチューブタイプを使用してると思うんですが…

最近使って大ヒットしたのがコレ↓



ロックタイトの液体パッキンなんですが…
最大の特徴はケースの中が二層構造になってて片側に液体パッキン、もう片方に高圧ガス(HFC134a)が封入されており付属のレバーを握るとガスの圧力で液体パッキンが押し出されてくるんです…

コレがまたすごい楽に液体パッキンを塗布出来るんです…
レバーの握り具合で吐出量も調整できるので片手でも均一に塗布する事が可能です。

内容量は260gで、金額的にも標準的なチューブタイプの100gを2本買うより安いです。

こんな感じで適当にレイアウトを決めて試してみると…


片手で楽にしかもキレイに塗布出来ます…
チューブタイプは両手じゃないとキレイに塗布出来ませんからね。



コレを営業さんからやらせて貰った時に即決でした…笑



決してロックタイトの回し者ではありませんが、これはおススメです…笑









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プロフィア…オイル漏れ修理。

2018-01-30 22:54:42 | 日野
以前の記事にも少し書いたオイル漏れ修理で入庫したQKG-SH1Eプロフィア…

調べた結果シリンダーブロックとヘッドの間からオイルが漏れており…
ヘッドガスケット不良と判定、修理にはヘッドガスケットの交換が必要になります。


が、このE13Cエンジンのヘッドガスケットには一部保証延長が出ており調べたところ該当する事が判明。
普段お世話になっているディーラーさんに作業も含めた対応をお願いしたところ二言返事で『忙しいから無理〜!クレーム処理するから作業は○○さんトコでお願い…』という事で交換部品と工賃の一部をメーカー負担で作業は当社で行う事に…

大型車両の重整備はとにかく場所を取るのと、長いこと居座るので段取りが重要で…
他の仕事の予定を上手く合わせながらようやく今週から作業開始です。


早速ヘッドを降ろす為に補機類の取り外し…



前にも少し触れましたが、このE13Cはターボチャージャーを外さなくてもスタッドボルトを先に抜けばヘッドが降りるので時短と交換部品点数の削減が可能です…

とりあえず、邪魔な物を取り外し…








矢印のスタッドボルトを外します。
マニホールドとターボが4本のナットで取り付けられてます…



スタッドを酸素で炙り…


普段は滅多に活躍しないトルクスメガネレンチ…笑


狭苦しい奥の2本にもこの10°オフセットなら絶妙なクリアランスで入ります。




スタッドを抜き取り…


手前と奥でサイズが違いますがE10とE12のメガネなら一本で事足ります。


更にブロックとマニホールドを繋ぐステーのボルト2本も取り外し…




これでエキゾースト側の補機類の取り外しは完了…


次はインテーク側の補機類…
EGRクーラーやらインテークスロットル周辺を…





更にヘッドカバーを外しジェイクブレーキ、コモンレール、ロッカー&カムシャフトやインジェクターを取り外し…


オイル管理が悪いのは一目瞭然…


アレコレと外して…




ヘッドを降ろします…




ここからマニホールドやバルブ関係を取り外してヘッドをエンジン屋さんに加工に出します…

今回はオーバーヒートではありませんが…
ウチはヘッドを外したら平面研磨や水圧テストは出来る限り実施します…
もちろんお客様と相談の上ですが、なるべく実施する方向でお願いしてます。

バルブシールは問答無用で交換ですが…

バルブの取り外しもバルブスプリングが強力なので1シリンダー毎に取り外します…
こうしないとスプリングの力に負けてシャフトが曲がっちゃうんですよね…笑
スプリングの圧縮にも電ラチェが大活躍…






24本取り外したらステムシールも外してエンジン屋さんに出します。





ヘッドが戻ってくるまで細かい作業や各部品の掃除ですが…

オイル管理が悪いので苦労しそうです…


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レンジャー…エンジン不調。2

2017-10-17 08:00:48 | 日野


PB-FC7Jレンジャーがエンジン不調で入庫。
エンジンはJ07E…



ドライバーさんに症状を聞くとどうやらアイドリングが安定しない…との事。

とりあえず症状を確認する為エンジンを始動。

エンジンをしばらくアイドリングさせておくとハンチングし始めました…
動画1

その時のデータは…

動画2

動画3
動画2では実コモンレール圧が安定していないのが分かると思います。
更に動画3では表示項目を増やしインジェクターの補正値も表示していますが燃圧が10MPa台から40MPa台まで乱高下しており、それに連動してメイン噴射量も安定しておりません…
更に補正も常に入るような状態。

グラフで見るとこんな感じ…
アイドリング状態なのにポンプの制御電流や実コモンレール圧が波打ってます。
また目標圧に対して実燃圧が大きくズレてます。



基本的に燃圧が安定しない場合の原因はSCVが濃厚で、J型エンジンなどでは特に多いトラブルです。
SCV不良の場合、サプライポンプ系の故障コードが入る事もありますが、何も入らない事も…
ちなみに今回のケースも故障コードは無し。


で、早速SCVを交換する事に。

このタイプのSCVは在庫として常に常備してるのでドライバーさんが待ってる間に修理出来ます。



エンジンタイプによっては何もバラさなくても可能なタイプもありますが、今回は少々バラす必要があります。

このエンジンのSCVはフューエルエレメントケース真下にあり、ケースかインテークダクトのどちらかを外さないと取り外せません…

インテークを外すとなると作業上冷却水も出てしまうのでエレメントケースの方が得策ですね…
また、作業的にフューエルエレメントも交換するので尚更です。

まずはケース内の燃料を抜きつつケースの取り外し…




SCVがお目見え…



ゴミや埃の侵入は極力避ける必要があります…
取り外す前に周りをパーツクリーナ&エアブローで掃除してから取り外します。




さっさと新品を組み付けていきます。




SCVとはSuction Control Valveの略なんですがサクション…という名前からも分かるとおり、燃料を吸込む量をコントロールしてるバルブです。
このタイプのサプライポンプは吸い込む量で燃圧をコントロールしてるので、SCVが不調になると燃圧の不安定に繋がります。
その為SCVでは物凄い精密な制御がされております。

私が知ってるだけでもメーカーは十数回の形状変更や改良をしており…
それだけ精度と耐久性のバランスが難しいという事でしょう…


で、SCVの取り付けが済んだら
エレメントケースも洗浄して取り付けます。





旧フューエルフィルターはまずまずの汚れです…


新品のフューエルフィルターを付け、各パイプも規定トルクで取り付け…


更に燃料のエア抜きを行い交換作業は完了です…



で、SCVの交換作業後は機差学習が必要です…

エンジンを始動して冷却水と燃料の温度を通常時の温度まで暖機します。


冷却水は60℃以上、燃温は30℃以上…

新品のSCVでも学習前のデータでは目標燃圧に対して実燃圧が大きくかけ離れてる事が分かると思います…


これはECUが以前のSCVの学習値のまま制御してるからでせっかくSCVを換えても機差学習をしないとまるで意味がありません。

で、学習を行います…





その後エンジンを始動して各データを確認。

動画4

目標燃圧に実燃圧がピッタリ追従しています…
更にサプライポンプの機差学習フラグが完了になっている事を確認…



補正値も良好です…


後は各部の燃料漏れなどが無いか…しっかり確認。


フェンダーやサイドカバーも取り付けて全ての作業が完了です。





ドライバーさんも早く直ったので喜んで帰っていきました…



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プロフィア…インジェクター交換。

2017-04-11 23:27:41 | 日野
ADG-SS1Eプロフィア…


もともとこの車両は3月に出先でエンジンチェックランプが点いた…との事で出張で見に行った車で…


現地に着き故障コードを確認すると…


スートとはススの事です。


差圧チェックをしてみると…


12.4kPa…

トラクターヘッドのE13Cでの差圧基準値は9.5kPa以下なので基準値を大幅に超えております…

運転手さんに話を聞くと、最近ススの堆積モニターが溜まるのが早く、焼いても焼いてもすぐ溜まる…という事だったらしく少し手動再生を忘れたらチェックランプが点いた…と。

この車両…年式は19年式ですが走行距離はたったの3万キロ…
重量物運搬用のトラクターでNR装置が付いており、最高速度は60km/hに制限されてます。

使用状況によって大きな影響を受けるDPFにとっては少々酷なようで…

基本的にアイドリング状態や低速走行が多く、また最高速度も60km/h以上出ないのでフィルター内が高温になる状況が圧倒的に少ないんでしょう…
そうなると必然的にススが溜まりやすい環境になってしまいます。


インジェクターの補正値もあまり芳しくないです…


DPRのステータスは…


昇温不良の判定が。
この昇温不良はDPRの再生で排気温度が上がらない…という事。
排気温度が上がらない原因として考えられるのは…

インジェクター不良やEXシャッターバルブの開度不良…そして酸化触媒の劣化などが挙げられます。

とりあえず現地で強制再生をすると…


まずまずの温度まで昇温し無事再生も終了。
その後の差圧チェックでは…


とりあえず基準値内には収まりましたが…
インジェクターの数値も良くない事から後日入庫してもらい、インジェクターの交換とDPRの清掃をする事に。


で、4月に入り入庫…
部品はもう来てるので早速作業を開始。

まずはインジェクターから交換する事に…




ジェイクブレーキのアクチュエータを取り外さないとインジェクターは外せないので取り外し。

メーカーによってEEブレーキとかエンジンリターダとかパワータードなんて言われてますが、本来はジェイクブレーキという名称です。
開発した人の名前だったような…笑

いわゆる圧縮解放ブレーキの事で減速時などにエンジンの圧縮工程の抵抗を利用するエンジンブレーキで…
圧縮上死点付近で燃料は噴射せずエキゾーストバルブを開くのでバルブタイミングを可変する必要があるのでこのような造りになってます…



取り外したアクチュエータ…
これが二つ付いてます。


で、インジェクターも取り外し…





リビルトインジェクター…


何番にどのインジェクターを取り付けるかを決めておきます…
コレを間違えると元も子もありません。







ノズル先端…
ここに肉眼で見るのは苦労するほど小さな穴が8個ほど開いてます…


インジェクションパイプやリターンパイプは新品に交換します。


各部を規定トルクで締め付け…








ジェイクブレーキも取り付け…


スレーブクリアランスの調整。


クリアランスは1.3mm。


6気筒とも調整してヘッドカバーも取り付け。






お次はDPRの清掃…


フィルターを取り外し…


見た目以上にススの堆積は酷かったです…




画像だと分かりづらいと思いますがこれだけで500mlペットボトルが満パンになる位…
それが3本分ほど出てきました…


キレイになりました…





後はスタッドボルトも全数交換。
このタイプは裏からナットが炙れるので折れ込ませる心配もありませんね…




新品のスタッドとガスケットを組み付けて…


フィルターをビルトイン。


更にカバーを取り付けてDPRも完成…





DPRの強制再生をする前にインジェクターのIDコードを書き換え…







エンジンを始動してDPRの強制再生を行なっていきます。


最終的にINが501度、OUTが450度まで上がり無事に再生も終了。
ススは大体470度あたりから燃焼すると言われており500度まで上がれば昇温は問題無いでしょう。

振り切っていたインジェクター補正値も良好になり…


差圧もアイドリングで0.2kPa…


全開時も掃除前は約12kPaあった差圧も5.8kPaまで下がりました。


後はエンジンオイルを交換して全ての作業が完了です…


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