さて、まだ続く、エスカレーターの乱。
お昼を食べた後、再び歩き始めた。
コルマールは、アルザスでストラスブールに次ぐ観光地なので、小さな町と言っても歩くと結構な距離にもなるし、商業施設も多い。
エスカレーターは「こういうふうに引きずられるように歩くのは好きじゃない」と言い出した。
誰だってそうだと思うが、つまり用のないところ、そして人が多いところを歩きたくないということだ。
時折現れるアルザスらしいお店や美術館の前では足を止める。
私は昨日見かけた、小さなアルザスの女の子が描かれた大きめのスーパーのエコバッグが欲しかった。それを見つけた!!HANSIという画家が描いている女の子で、HANSIの美術館があったのだ。
美術館には入らなかったが、併設されたおみやげ物屋には入れたので、いくつかこのアルザシエンヌ(アルザスの女性、女の子)のモチーフのごく小さくて軽いものを買うことにした。
もちろんエコバッグもあった。
それからまた歩いていると、惣菜店があり、奥さんはここでシュークルートを買った。
料理上手な奥さんの目にかなったものがあったようだ。
疲れてきたこともあり、お茶でも飲まないかと、言ってみた。
カフェはどこも人がいっぱいだ。奥まで行って尋ねたが、どうもすぐには席が用意ができないらしい。
こういう時、待つのがきらいなエスカレータだ。案の定不服である。しかしどこも同じように混んでいることもあり、少し待つことにした。
トイレも並んでいる。それほど時間がたつことなく、席の案内があった。
注文を取りに来た時、また信じられないことを言った。
私も奥さんもそれぞれ飲みたいものを頼んだ。
「では、ムッシュは?」「Rien(何もいらない)」