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3年前に、ある通信制高校の卒業式に出席したことがあります。
わたしの中学の生徒が、この通信制高校を晴れて卒業するので、「出身中学校の先生」として出席したのでした。
その高校には、中学時代に不登校を経験した生徒がたくさん通っていました。
その生徒たちが、晴れて高校を卒業の日を迎えることができたのです。
代表の女子生徒の「卒業の言葉」は、自らが中学時代の不登校の経験にさかのぼり、登校できなかったつらさや苦しみを振り返りました。
そして、高校生活でふたたび仲間と3年間を過ごし、いまこうして高校を卒業できるという喜びを涙ながらに伝える内容でした。
会場の人もみんなが涙して聴く、感動の卒業式でした。私も涙なしには聞くことができませんでした。
このような式に臨席した私が思ったのは、中学時代に不登校であっても、高校で変わることができるという可能性でした。
現在、中学校に登校できない不登校の生徒が高校進学するにも、さまざまな選択肢があります。
不登校生徒の中にも、規律性調節障害(OD)という、朝に血圧が上昇せず、起きられないので、定刻には登校できないという病気の生徒もいます。
そのような不登校(傾向)の生徒たちが通いやすい進路先として、たとえば、単位制・通信制高校は、阪神間にも、じつにたくさんあります。
中学校時代に学校へ来にくかった子が高校進学を考えるとき、学級担任がそのような通信制・単位制高校の進路先について、知識を持っていて、多様な選択肢を提案できることは必要です。
しかし、そのとき留慮しておくべきことがあります。
それは、「あなたにはこんな選択肢があるんだよ」という「案内」ではないのです。
教師は、進路先案内人になってはいけないのです。
留意するべきことは、「あなたがどんな進路を選ぶかを、わたしといっしょに考えよう」とか「あなたはどんな道に進んだって、やっていけるよ。先生はそう思っているよ」と、心の底からその生徒を勇気づけることなのです。
今行き詰まっているから、なおさら未来への不安をもっている不登校生徒です。
先行きが曇りがちな心情でいる生徒の心から、曇りを取り除くこと。
これが、学級担任のすることです。生徒を支えるというのは、このようなことなのではないでしょうか。
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