いま大学、企業の理工系分野での女性の少なさが課題なっています。
女子は男子にくらべて、理系教科が苦手なのでしょうか。
テストでの正答率を比べると、数学で女子が52・1%、男子は51・8%。理料は女子が50・3%、男子は49・1%でした。
男女の差はほとんどないのです。
しかし、教科への意欲は数学、理科でいずれも男子が女子を上回っています。
しかし、わたしの教職経験から言うと、女子はもとから理系教科に消極的なのではありません。
小学校4年生から高校3年まで好きな教科を尋ねると理科と答える児童生徒は多いのです。
ところが大学の理系学部では、圧倒的に男子学生が女子学生の数が多くなっています。
つまり、大学進学の段階で、理系学部を女子が選ばないという実態が浮かび上がってくるのです。
そこには、「女子は理系が苦手」というきめつけ・思い込みという無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)がはたらいているのです。
この無意識の偏見は、世間一般に存在しますが、小中学校の教員もその偏見を根強くもっていると考えられます。
一方で、最近では理系学部に「女子枠」を設けていますが、教員までもが女子は理系が苦手と考えている以上、その効果は限定的と思われます。
まずは、教員の意識を変えていくことが喫緊の課題です。
そして、進路指導で女子が理系を選択するよう支援していく教員が増えれば、状況は変化してくるでしょう。