箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

大学の努力が求められる オンライン講義

2020年12月15日 08時21分00秒 | 教育・子育てあれこれ


新型コロナウイルス感染防止のために、多くの大学の講義が、今年度からオンラインになりました。

後期に入っても、対面型講義とオンライン講義を併用している大学が多いようです。

オンライン講義には、2種類あります。一つはインターネットでライブ中継するライブ方式です。他の一つは教員が動画を配信するオンデマンド方式です。

教員にとっては大学に出向かなくてすむというメリットはあるようですが、オンライン講義は準備を含め、負担がかかります。

とくにオンデマンド方式は、学生が見やすいように工夫したり、撮影の仕方を工夫したり、動画を作るのに、結構たいへんだという声も聞きます。

しかし、実際のところ、動画作成に熱心な教員ばかりではありません。学生の声を集めてみますと、さまざまな不満が聞こえてきます。

*「講義の時間にパソコンを準備して待っていても、授業が配信されないことがあります。
ネット上の掲示板には、講義の資料とレポートの課題がアップロードされているだけだった。
『あとは自分でやりなさい』ということです。
教員からは何のフォローもない。これが大学の講義と言えるのですか。こうして単位だけをもらえるのなら、何のための大学なのかわからない。」

*「午前中の講義がアップロードされず、教員とも連絡がつかなかった。夜になって配信され、その日のうちに授業の感想を提出するということもあった。
バイトが夜に入っていたらどうしただろうと思います」

*「大学の講義はふつう90分ですが、動画は30分ほどで終わったりしたことがあった。何年か前に録画した動画が配信されたこともある」

もちろん、すべてがこんな状態ではないとは思われます。かなり準備に手間をかけ、見やすさ、わかりやすさを追究している教員もいるとは思われます。

でも、教員が講義をせず、資料だけを示して、課題の提出を求める場合がけっこうあると報道されていました。

韓国では、私立大学がオンライン講義にしたため、一部学費を学生に返すように決定したそうです。

でも、日本の場合は、学費は返還しないとしています。

しかし、学費の中には大学の施設利用費も含めているでしょうから、学生にすれば「十分にキャンパスにも行っていないのに・・・」という理不尽さを感じるのはもっともです。

小中学校、高校の場合、最近ではZoomの扱いにも教員は慣れてきて、児童生徒の家庭学習のサポートのため、授業の精度を上げています。

少なくとも、学習のための資料紹介と宿題提示だけには終わっていません。


大学もオンライン講義をするなら、高齢でオンライン講義に適応しにくい教員もいるでしょうが、もっとその質を上げる努力が教員と大学当局に求められます。


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