
「ふるさとは、遠くにありて思ふもの」という言葉があります。室生犀星の言葉です.
でも、わたしは生まれてから一度たりとも引越しをしたことがありません。
大学も家から4年間通いました。
わたしにとって、「ふるさとは近くにありて思うもの」となります。
さて、魯迅の名作『故郷』のなかに、次のような一節があります。
「私」が船に乗っていよいよ故郷を去るときの景色がみごとに描写されています。
故郷では、旧友と再会して、人びとの変わりように「私」は驚くのです。
山が遠ざかるのを目にしながら船底に水がぶつかる音を聞く。寝入った家族の横で、「私は故郷からすっかり遠く離れたところにきてしまった」との思いに暮れるのです。
おそらく、河に繰り出す船に乗ったときの情景ですが、故郷は大きく変わっていました。
いつもふるさとに住んでいるのですが、ふるさとは何も変わっていません。
景色は多少変わりましたが、小さいころから過ごしているふるさとは、変わることなく、いまもあります。
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