来年の春に卒業予定の大学生の就活で、面接とか筆記試験の実施が6月1日から解禁になりました。
この日程ルールには罰則がないこともあり、実際はもうすでに前倒しで5月15日の段階で、およそ8割の学生に内定が出ていると聞きおよびます。
この前倒し内定の理由は働き手不足で、早期の内定を出し優秀な人材を確保したいという企業側の意図がうかがえます。
働き手不足の時代は、いわゆる「売り手市場」を加速させています。
大手企業では、すでに「最終面接を行う段階」との声が多く聞こえてきます。
この就活情勢に穏やかでないのが、文部科学省です。
従来、翌年春の採用のための教員採用試験の1次試験は7月から行われました。
しかし最近企業の内定時期が早まっているのを受け、来年春に採用予定の教員採用試験は1次試験を6月16日にするよう、各自治体の教育委員会に通知を昨年出しました。
その結果、今年度の1次試験は6月から始める自治体が増えました。
しかし、今年はすでに上記の通り、多くの学生が5月15日段階で企業から内定をもらっています。
その内定を得ている学生は、「ぜったい教員になる」という人を除いて、もはや6月に教員採用試験を受ける気にはならないでしょう。
教員採用試験の倍率低下、教員不足はますます深刻になります。
そこで、文科省は今年再び通知を各自治体に向けて出しました。
その内容は、「来年行う教員採用試験の1次試験は5月11日実施を標準とする」というものです。
また、今年から大学3年で1次試験だけは受けれるように制度変更している自治体もあります。
年毎に早まる教員採用試験ですが、このままでは、教員志望の学生はその意向を早く固めて、2年次から本格的な準備をしないと合格できなくなるでしょう。
ただ、教員免許を取得するため、大学4年の5〜6月には教育実習を受けるのが通常となっていたので、柔軟に対応する必要があります。