最近、突然「退職します」と言って職場を辞める若い人が目立ってきています。
いままでなら、ふつう辞める前には職場の周りの人に相談したり、意向を伝えたりすることが多かったと思います。
また、周りの人にも同僚の辞める意思が伝わっていたりします。
ところが、最近では上司に「今日で仕事を辞めます」と言って、前ぶれなく突然辞めていく人が若い世代の中に散見されるようになっています。
わたしが知っている学校の例でも、学級担任がある日突然来なくなり、「今日から退職します」とアナウンスして辞めていった若い教員がいました。
その人たちは、その仕事が嫌だったのでしょうか。
職場の人間関係、仕事のやりがいなどに問題を感じてやめる人もいるでしょう。
しかし、今は職場が嫌なわけでもないし、仕事に難しさを感じてやめるのではないケースがあります。
なかには、「会社は可もなく不可もないです。不満や不安はないです。でも、それが自分にはあわないのです」
そのように言います。
「知り合いの友人の話を聞くと、彼の仕事はチャレンジの機会や成長のチャンスがあるそうです」
「でも、私の場合は、このまま今の職場にいても、もう先が見えていて、おもしろくないのです」
つまり、今よりもさらなる可能性を求めて転職するのです。
もちろん会社側も働き手をつなぎとめようと対策を打っているでしょう。
しかし、それでも会社の将来を担う人がやめるということは、ある意味で、その人が会社に見切りをつけたと考えることができます。
そもそも、今の若い世代のは一度就職した会社で定年まで勤めようとする人は少ないのです。
転職は当たり前と考えているようです。
2022年度に異なる業種、異なる職種に転職した正社員は、全体の4割にのぼるという報告があります。
そのうちわけは、20〜24歳の人が一番多く、50%を超えたそうです。
ただ、こと学校の教員の転職に関していうならば、年度途中に退職するのはやめておいた方がいいでしょう。
学校から担任の先生が突然いなくなるということで、多くの児童生徒が戸惑うことになります。
それが教職の特殊性です。与える影響が大きすぎます。