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箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

人は一生学び続ける

2016年12月06日 05時47分48秒 | 教育・子育てあれこれ

一般的にいう「勉強」。これには勉めて(つとめて)行い、人に強いる(しいる)というように、とかく「勉強はしなければならない」というような「苦行」を連想させます。

だから、教師や親は子どもに「勉強しなさい」と言います。

しかし、勉強は知らなかった知識を身につけるものであり、元来楽しいものです。

自分の中学校時代をふりかえっても、地理には自分が行ったことのない地域に目を向け、「どんなところか」と思う楽しさがありました。

歴史には、ずっと昔に生きた人びとの時代に思いを馳せるので、ある種のロマンのようなものを感じました。

理科の生物では、自分が育った自然環境と重ね、興味が駆り立てられました。

このように、勉強とは本来、楽しいものです。

もちろん、知識を身につけ、それを活用していくための努力はいりますが、進めていくうちに楽しさに変わっていきます。

ですから、私は生徒に対して、あまり勉強とは言いません。かわりに「学習」を使います。みずから学び習うという意味を込め使います。

三中で行っている教科の授業をみても思いますが、ただたんに知識を教師が説明し伝え、生徒がノートをとり、覚えるという昔ながらのやり方では、生徒は勉強をしんどいものと感じます。

一方、生徒が興味関心を高め、「学びたい」という気持ちを高めた、そのための活動ができる授業では、生徒の表情がちがいます。そこには、生徒の学びがあります。

学習の目的の一つは、人に役立つためというねらいは、以前にも書きました。そしてその喜びは、最終的に自分にかえってきます。

もちろん一義的には、目の前にある高校受験に合格できるための勉強も必要です。

そのことを踏まえた上で、中学生にとっての学習は、将来、人の役に立つためにやるものです。

人に貢献するには、学校だけで学習は完結するものではなく、人は一生学び続けるものです。人のため、自分のため。その基礎を築くのが、学校での学習です。