泣ける!実に泣ける映画だ!
この作品のテーマは『繋がり』・・・人と人との繋がり・・・
山田孝之演じる武島直貴には一生拭えない繋がりがある。殺人で服役中の兄・剛志の存在・・・両親のいない二人には貧しいながらも楽しい生活があった。それが一変したのは剛志が直貴の大学進学の資金を手に入れるために空き巣に入り、それを見つけた家主を殺害してしまった日から・・・
直貴には仕事をするにも夢を見るにも人を愛するにも《兄が殺人犯》という汚名がついてまわる。ついに直貴は兄との繋がりを、兄が刑務所から送ってくる手紙という名の繋がりを断ち切るために返信に「兄貴を捨てる」と綴ってしまう・・・
僕はもしかしたら人との繋がりをあまり大事にしていないのかもしれない。分かったふりをしていたのかもしれない。だから直貴が就職した電器店の会長に繋がりについて諭されるシーンで心の中の何かが解かされたかのように涙が溢れたのかもしれない。誰かにこんな風に言って欲しかったのかな・・・
それにしても山田孝之はこの作品のように陰のある演技が上手いな。見ているこちらがキャラクターとリンクしたり、そのキャラクターの身近にいる人間の心情にさせてくれたり。感謝したくなる。
この“手紙”のDVDが来月発売されるらしい。多分同時にレンタルもされるだろうから是非多くの人に見て欲しい。そんな作品だ。