
ドラえもん劇場版第一作『のび太の恐竜』上映当時子供だったあなたへ・・・
今なら違った感覚で観ることができると思う。
少なくとも僕はそうだった。
もう十何年もドラえもんなんて見てなかった。興味がなかった。
だから声優陣が一新するときも、さほど驚かなかった。
でも今回はなぜか惹かれてしまったんだ。
子供の頃はただ単純に恐竜とのび太の別れが悲しくて泣いていたんだと思う。
子供が居てもおかしくない年齢になってしまった今、泣きどころの幅が拡がった。
子供たちが成長していくさまに・・・自分が成長してくる過程で無くした純粋さを、熱さを持っている子供たちに・・・大人になることでいろんなものを削り捨てることを覚えてしまった自分に・・・
号泣だった。涙が頬をつたい、首筋をつたい、襟から入って胸を、腹をつたいウエスト部分がびしょ濡れになるまで泣いた。泣き声を押し殺すのに必死だった。これだけ泣いたのは『ALWAYS~三丁目の夕日~』以来だ。
主題歌も素敵だった。スキマスイッチの『ボクノート』。
とても心に突き刺さった詩・・・
足元に投げ捨てたあがいた跡も
もがいてる自分も全部僕だから
抱えてる想いをひたすらに叫ぶんだ
その声の先に君がいるんだ
この声が枯れるまで歌い続けて
君に降る悲しみなんか晴らせればいい
ありのままの僕を 君に届けたいんだ
探してたものは 目の前にあった
子供の目から見た大人への『期待』
大人の目から見た子供への『憧れ』
いろんな想いが交錯しながら、それでも自然と足は未来へと進んでいく・・・
そんな歌に感じ取れた。
それでも全て聴き終わったときに見えてきたのは、『夕方、明日また遊ぶ約束をして手を振って分かれる子供たち』のヴィジョンだった。
まだご覧になってない方へ・・・
この春、ちょっとだけ優しい気持ちになってみませんか?