男が男に惚れる、ということがある。
ゲイやホモではなく、その生き方や行動にまるで雲ひとつない青空を仰いでいるかのような清々しさを感じ、憧れることである。
戦国の世、『傾き者(かぶきもの)』と呼ばれる者たちがいた。作品による説明では《異風の姿形を好み、異様な振る舞いや突飛な行動を命がけで愛するものたち》のことを指すらしい。要は『派手な行動や格好をしている人が社会など周りの目を気にせず自分自身を貫き通す』ということ。その時代、天下一の傾き者と呼ばれる男がいた。加賀藩・前田家の家臣、前田慶次郎利益(まえだけいじろうとします)・・・前田慶次である。彼を主役に書かれた作品が“花の慶次”である。
隆慶一郎という作家さんの“一夢庵風流記”が原作、平成元年に少年ジャンプに原哲夫先生(北斗の拳の作家)の絵で一話読切で載り、翌年から連載された。
こんなエピソードがある。
ある家臣が前田利家が大事にしている織田信長公の甲冑を壊してしまう。利家は切腹を命じるが、そこに現れた前田慶次。信長公の甲冑を真っ二つにし傷だらけの家臣の顔を指して一言、
「(信長公の甲冑より)その傷こそ生涯をかけて殿(利家)を守り通した忠義の甲冑ではござらんか」
・・・か、かっこいい・・・
こんなエピソードがある。
作品に出てきてはいない史実だが、【平成教育委員会】の過去の問題で出題されたもの・・・
前田利家の家臣、前田慶次郎一益(これでとしますと呼ぶ説もあるらしい)は敵陣に向かい「俺は前田利家の影武者だ!」と叫んだ。・・・らしいです。
・・・か、かっこいい・・・影武者が正体をバラすなんて。
ちなみに亡くなったhideもレコーディング中に読んでいたそうです。男だったら誰でもこんな男に憧れを抱くんじゃないかなぁ。