私が3月に掲載した【パティスリー・ノワ】の記事について,5月3日付けで,パティスリーノワの店長様から下記のコメントをいただきました。
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この度は、パティスリー ノワにご来店いただき、誠にありがとうございます。
今回スペシャリテがお客様のご期待に添えず、申し訳ございませんでした。
商品に関しまして、作り置きはなく、フランボワーズソースも当店で作っておりますが、この度の貴重なご意見を今後の参考にさせて頂きたく存じます。
ただ、店名を検索するとこちらの記事や当店の写真が不特定多数の方々に観覧され、営業業務に差し障りますので、出来ましたら記事の削除をお願い致します。機会がございましたら またのご来店をスタッフ一同心よりお待ちしております。
パティスリー ノワ 店主
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ご希望に添えず残念ですが,結論から申しあげますと,「記事の削除」はいたしかねます。店長様からのコメントをいただいてから、一ヶ月の間,このブログを停止し,これからも続けていくかどうかも含めて考えた末の結論です。
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理由は大きく二つあります。
1つ目は,なぜ私のコメントだけ削除しなければいけないのか?
そして,2つ目。こちらの方が重要なのですが,このブログは私の失われた感情・自分の意見を取り戻すために始めた,「私の心のリハビリ・ブログ」なのです。
一見,食ブログのように見えるかもしれませんが,お店の名前以外は営業時間,場所を書いていないのは,そのためです。
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店長様からコメントをいただいてから,私なりにネット検索し,私の記事が貴店に与える影響を客観的に考えてみました。
まず検索した結果,店主様は自社に関するブログをこまめにチェックされ,貴店への不満が書かれている記事に対しては,何件もコメントを寄せておられる方だと言う事がわかりました。
そのお詫びのコメントを拝見しましたが,私が見た限りでは「記事を削除してほしい」と書いておられたものは,一つもありませんでした。
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そこで,一つ目の理由です。なぜ,私の記事だけ,削除を希望されるのでしょうか?「この記事は,よくない」と意見を言うのは個人の自由だと思います。しかし,削除となると,話は別です。
文章が至らないものだったのは,申し訳ないと思います。
ですが,あれは一個人の感想です。私は悪意のある批判めいた文章を書いたつもりはありません。「あの記事には,あんな風に書いてあったけど,ここのケーキは美味しいよね。」という方もいらっしゃる筈です。
現に「貴社のケーキは美味しい」とコメントを寄せられている方はおられましたし,店長さんがお詫びのコメントを寄せられた姿勢を褒めておられる方もいらっしゃいました。
ゴールドブロガークラスならいざ知らず、私の記事一つでお店の営業に差しさわりがある可能性は低い筈です。
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そして,もう一つ,想像してみてはいただけませんか?
味の好みは千差万別です。100人が同じものを食べれば、「これは美味しくなかった」と言う人が,必ず何人かいる筈です。「たまたま,その人の好みには合わなかったんだな。」と考える人も少なくないと思います。
(私の友人たちは,お店の批評をした後,『私はこう思うけど,人それぞれだから,自分で試してみて。』と言います。)
ですが,もし自分が作ったケーキを「このケーキは美味しくないから,売るのは止めて貰えませんか?」と言われたら…,店長様は納得できますか?
私にとって「記事の削除」とは、そういう事です。
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人から見たら「どうして、こんな事に引っかかっているのか?軽い気持ちで対処すればいいんじゃないの?」と思われるかもしれません。「流せるだけの度量がない」と言われれば,おっしゃる通りです。
でも,私は店長様からのコメントをいただいてから,“何か”が引っかかって,記事が書けなくなりました。
「何にこんなにこだわっているのか?」,「どうして割り切って,スマートな対応が出来ないのか?」私自身にも,わかりませんでした。
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ですが考えていく内に,「店長様からのコメントは,私が抱えている問題と向き合う,絶好の機会なんじゃないだろうか」、と思うようになったのです。
私は今,公私共に人生の岐路に立っています。
まさにそんな時に「どうしても譲れないものは何?」,「私は何のために,このブログを始めたの?」という,本来の目的を考える機会を貰えた事に気づきました。
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時間をかけて考え抜いた答えは,「これは長い年月をかけて,損なわれ続けた,自分の心を取り戻す為に始めたブログだった」、という事でした。
私のこの数年間は,傷つけられた人間の尊厳を取り戻すために,試行錯誤を重ねる日々でした。「自分の感情に気づけるようになりたい。」,「それを相手にうまく伝えられるようになりたい。」
そして,いつかは「自由に自分の意見を表現できるようになりたい。」それが,このブログを始めた目的でした。
私は誰の為でも無い、自分自身の心の回復のために,この2年間、このブログを書き続けてきていたのです。
ですから,どんなにつたない記事であっても,人の言うままに削除してしまったら,自分の感情を封じ込めて,自分の意見が言えない,人の顔色を見ながら生きるワタシにまた逆戻りです。
私は自分の心を封印したまま,プライドを持たずに生きていく人間として終わるのは嫌です。
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「人はそれぞれの価値観で生きている。その中でスムーズに成長できた人間は その価値観からはずれた人間が いったい何につまずき 何に傷つくのか わかりはしないだろう」
このような記事を出してもいいものか,随分迷いましたが,私は,この言葉に力を得て,この記事を公開する事にしました。
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店長様のコメントのお陰で長年,私が抱えている問題と真っ向から向き合って考える機会をいただきました。ご希望に添えられず申しありませんが,ご意見,ありがとうございました。
敬具
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