世界中に溢れる日本製の自動車や電子機器が、
日本を感じさせる独自のものだとはいいかねる。
そこで、ことばや文字をはじめ、感覚でわかる文化的なものに目を向ければ、
日本に溢れる外国と、外国にある日本の少なさとに気づく。
経済大国であるだけに、その格差はなおさら際だっている。
いわゆる国際化の時代になって、そんな一方通行もずいぶん減ったが、
まだまだ日本人の旺盛な「上等舶来志向」にはかなわない。
古来、中国との関係がそうであった。
◆漢字は輸入されても、かなは輸出されない。
◆漢詩を日本人がまねても、和歌を中国人が作ることはない。
◆漢和辞典はあっても、和漢辞典はない。(※日中辞典はある)
◆中国の古典は日本の古典であるが、日本の古典は中国の古典ではありえない。
文化的な先進・後進といってしまえば、それまでであり、
実際そう考えている人も多い。
しかし、それだけではないような気がする。
《 参考・参照・引用 》
◆讀賣新聞 2009/04/27 朝刊 文化面「ワールドスコープ」
岡本 隆司 京都府立大学准教授 生の「日本」溢れる台湾