きまぇ いぃのを こなから くらわして
「気めへを見せて、いゝのを二合半と喰らはせやせう」
『東海道四谷怪談』四世・鶴屋南北
-気前のいいところを見せて、いい酒を徳利でやろうじゃないか。
江戸時代の一刻は、今の約二時間。小半時は、今の約三十分。
というように、江戸語の「小半」は四分の一を表す。
この「小半」を「こなから」と読ませ、
「一升酒の四分の一」の意で使った。
一升の四半分は二合五勺、すなわち「二合半」である。
「小半入 こなかいり」といえば、二合半徳利のことになる。
すなわち、江戸時代の徳利は、二合ではなく二合半が基準だった。
「なから」に小粋とか小洒落たの「小」の字を付けると、
「こなから」になるわけで、意は「ほどがいい」というところであろうか!。
なから【半ら/中ら】半分ほどの量や大きさ。また、半分ほどの程度
こ‐なから【小半/二合半】(「こ」「なから」とも半分の意)
1.半分の半分。一升の四分の一。二合五勺(約4.5竕:デシリットル)。
2.少量の酒。こなからざけ。