社長日記

日々の出来事や、感じることなど、思いつくままに・・

新連載 「 権利と義務 」第五話

2014-10-13 15:00:08 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いて有難うございます

 

今日は朝から物件に設置してる看板を朝から撤去♪

こんな日に、時折入る緊急電話や~

ヘルプに備え、事務所待機っす

 

まぁやる事なんていくらでもあるんですけどね

気持ちはほぼお休みモード^^

まぁ別にいいんじゃないって感じです

 

さて、新連載の「権利と義務」

同業者さんは割に分かる内容だと思うんですが、一般の方にはやや複雑やも?

と思いながら書いてます

出来るだけ分かりやすく書いていきますので、飽きずに見て下さいね~

 

 

新連載 「 権利と義務 」 第五話

 

 

G司法書士との込み入った会談の後

私はこの話は無理に進めるべきではないと判断していた

 

売り主Tさんと水道管と道路所有者Vの金銭問題が解決し、両者の和解がないと

こんな事は進められる訳も無く・・・・

この問題に不動産屋の私が介入していっても仕方のない事であった

 

再び売り主Tさんの事務所・・・

 

「 Tさん、こういうわけで、共同事業者であったVさんは、どうやら水道メーター設置の同意の印鑑を

押すつもりはないみたいです 」

 

Tさん 「 西本さん、それおかしいで!だってね、共同事業っていったって、土地はわしが購入して

水道の本管設置工事と排水の本管設置工事はVが自分でやったものって言ってるらしいけど、そのお金

もわしから出てるんやで!」

 

「え?そうなんですか?」

 

Tさん「 そうや、自分の権利も確保したかったVは、その工事費用をわしに借りてるんや。

確かにその金銭は貸した事になってるけど、全く返してもらってへんのや。

全額返して自分のモノっていうんやったら分かるけど、その他の金銭も含めて返済してへんのに・・・ 」

 

「でも、Tさん、これ、水道管の名義をVさんに当時してしまっていますよね。個人的な金銭のやり取りは

役所には通用しませんわ・・・ 」

 

Tさん 「 わし、いっぺん水道課に行ってくるわ。わし名義の土地に、水道管の枝はもう引き込んでるんやから・・・・・

引き込むって事は、その時に使用する事に同意してるからこそのはずやろ?それやったら何の為に水道を引きこんだんや?」

 

「 ほんまですよね。役所が何と言うかわかりませんけど、現状見てもらって、一度、役所の判断を仰ぎましょう」

 

Tさん 「合わせて一回、Vに連絡いれるわ。わし、これちょっと納得できへんで。彼が水道使用の同意の印鑑を

文句なしに押せばそれで済む話なんやろ?」

 

「 それが一番早いのは間違いないです。役所の方は一度私が行ってきますので、TさんはVさんに連絡いれてもらえますか? 」

 

Tさん「 そやな、そうしよか、わし直接連絡入れたら、Vも(うん)て言うと思うわ・・・ 」

 

 

こんなやりとりを経て、あくる日に私は役所を訪ねることにした

 

役所「 これは困った事態ですね・・・・ 」

 

「 しかし、既に引き込まれているんですよ? 」

 

役所「 分かっています。ただね・・・・本管の所有者が別個人だと・・・メーター設置の時に必ず

同意の印鑑がいるんですよ・・・・ 」

 

「 それは法的なルールですか? 」

 

役所「 まぁウチも含めて、いくつかの市町村はそうだと聞いていますがね、ウチとしては本管の所有者から

勝手に使用してる事とか、破損した時の責任問題とかで、メーター設置時に必ず同意の印鑑を必要としていまして

例外は認められないんですよ・・・特に、事情をお伺いしている限り、本管の所有者さんはたぶんクレームを入れて

きますよね?・・・・・・・ 」

 

「 100%入れてくると思います・・・・でも、そこは突っぱねる理由になりませんかね?既に引き込んでいるんだから

その時に、むしろ土地の所有者のTさんに同意を得たんでしょうと・・・ 」

 

役所「 仰っている事は正にそうなんですけどね・・・ 」

 

 

 

何とも歯切れの悪い回答であった・・・

役所の場合、必ずという返事は基本的に返してこない

善処します、とか、会議で検討します、などが一般回答で有るが、こうも歯切れが悪いリアクションで

結果として良い回答が返ってくる事はまず考えられなかった

 

 

法律で戦うしかないか・・・・・

 

私は、知り合いの別の司法書士に六法全書をお借りし、生まれて初めて分厚い六法全書を見開いた

法律用語が相当ややこしく、文脈も「 そうではないこともない 」的な曖昧な表現が続く

私は水道管の権利に関する判例と権利に関する項目をピックアップし、このケースで本管所有者と

はたして戦えるものなのか?を調べ始めた

 

 

 

 

驚いたことに、今回の事例に関係すると思われる箇所は、数か所しかなかった

 

 

 

調べた結果

 

 

 

 

 

 

 

 

戦えない事が分かった

 

 

 

 

 

 

厳密にいえば、負けるだろう・・と言う事だが、過去の判例のケースと全てが合致するわけでもなく

民法や宅建業法の観点から、土地の無償使用(枝の水道管を使用させないのに土地の一部を無償で占有している)という所で、

一縷の望みがあったと言えばあったのだが、仮に争いを始めたとして、判決が出るまでの時間的な問題として

今回の不動産取引がオジャンになる事には変わりが無い

しかも、相手は経済的な事情により、金銭を弁償できないのだ

何も持たない相手と戦っても、気分が晴れるだけであるばかりか、弁護士費用もばかにならない

 

 

 

やるだけ徒労であった

 

 

 

わたしは、その足でTさんの事務所に出向き、Vとの話の内容を確認する事にした

 

 

Tさん「 西本さん、あかん、何回電話してもでえへんわ・・・かけなおしてもけえへん・・・」

 

「 でしょうね、Vさんにしてみれば、この件が流れる事が目的でしょうし、わしの許可が無かったら

その土地は売り物にならんのやぞって事を十分にTさんにアピールできるでしょうから、電話に出て

わざわざ言い争う必要なんてないんでしょうね」

 

Tさん「 わし、腹立ってきたわ・・・お金も返さんばかりか、邪魔までしよって、恩知らずとはこの事やな。

なんで売り物にならん土地をわしが持ち続けて、固定資産税払い続けやなあかんねん」

 

「 自分が建築させてもらえるお客さんを自分で見つけるまで粘る気でしょうね・・・・ 」

 

Tさん「 わしにも意地があるわ・・・・もうええ!今からわし、Vの家へ行ってくるわ!! 」

 

「 ちょ・・ちょっと待って下さい・・・家は既に調べてあるんで、僕がまず行ってきます。」

 

頭にきている時に、こんな複雑な話などできるわけもない

結論、こじれて帰ってくる事は目に見えていた

 

 

自ら出向くと言って聞かないTさんを何とか説得し、私はVの家へ車を走らせた

 

ピンポーン

 

 

返答はない

 

私は諦めて、その日に何度か時間を変えて訪問するも、一向に出てくる気配が無かった

留守なのかどうかは分からない

しかし、他人の家を「 いるんだろう!!! 」とインターホンを何度も押せるものでもない

 

日を改めて何度か訪問するも、やはりVとその家族は出てこなかった

 

しゃぁないな・・・

 

 

私は方針を変え、ポストに手紙を入れることにした

聞きたくない話をいきなり目の前でされるよりも、ワンクッションとなってこの方がむしろ良いのかも知れない

 

そう考えた私は、考えうる限りの丁寧な言葉使いと、Tさんの怒りには触れず、協力をお願いしますという内容の

手紙をしたため、Vの家のポストに投函した

 

 

 

 

 

 

 

その手紙に対する返答は、意外にも実に素早いものであった

しかし、送られて来たVの手紙には、いかにもVの人柄がうかがえる身勝手な内容が書かれていたのだ

 

 

 

 

 

現物は今でも保管してある

 

 

 

しかし、筆跡は個人情報でもある為、転載する事とする

(以下 原文)

 

書面承りました

文書を見て、あなたがしている事、考え方には理解しかねます

私とT氏とで仕上げた仕事です(本物件を含む分譲地を指す)

最初の条件が変わった以上、私の最大の協力条件である通行権等を無い物としてほしい物です

クリエイト様には関係のない事ですが、工事は全て私がやり、工事代金も全て私が支払っております

給水、排水管は私の所有物です

善人で有る人ならば、他人の給水・排水管を持ち主の承諾もなしで使用する事はしないでしょう

今回の分譲地内の工事施工及び工事代金は全て私の責任でやっております

私のものです

私の承諾及び許可なくして使用する事を禁止します

 

 

                                       以上

 

 

マイルドセブンを片手に私はうすら笑いを浮かべながらこの手紙を読んでいた

 

 

 

 

 

 

 

 

「  ほな水道管を撤去せんかい^^ 」

 

 

 

何をほざいとんねん^^

 

他人の土地に引き込んでもうとるやないか

 

工事代金もTさんに借りたお金で返してへんくせに 笑笑

 

もうええな・・・ 

 

一応の礼儀は通したで^^

 

 

もはや話し合う相手ではないと判断した私は、この手紙と私の投函した手紙のコピーを持って

Tさんの事務所へ車を走らせた・・・・

 

 

 

 

                                          続く・・・・

 

 

 

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