いつもこのブログを見て頂いて有難うございます
日経の大手不動産会社による同系販売会社の完全子会社化の記事
とても今後の不動産業界を示唆している様に感じます
ネットってやつはですね
もろ刃の剣
HPなどの充実化で各社がしのぎを削ってきた近年の結果
個人会社が太刀打ちできない程の充実したポータルサイトを生み出し
いわゆる人の手と言える仲介をメインとする不動産会社の職を奪いつつあるんですね
今後はもっと加速するんでしょうね
法35条の重要事項説明や契約書の特約部分等の、技能や知識が必要とされたうえで
人が介在する部分はやはりなくならないとは思いますが
顧客の発見という作業がポータルサイトをみて買い客自らが問い合わす数が増えるとなると
仲介業者の社内でも担当者の優位性を獲得したり
担当する事で知識の向上やスキルアップが図られるとすれば
総体的にその数が減っていくという観点からは
やはりこれを効率よくやる幾つかの会社に仲介業務はいつか集約されていくような気がします
ネットによる効率化 → 人の職が減る
一昔前、リストラという言葉が流行し、インターネットが色んな会社に導入された後に、それが現実化しだした事が
思い返されてなりません
人がやらなくてはならない部分のレベルアップこそが生き残りのカギかも知れないですね
アマチュア 第三話
「 どうしても欲しいわけじゃないからな 」
同じ仲介業者として、九入氏のこの一言には私は強い嫌悪感を抱いた
そもそも、電話で済む話である事は言うまでもない
わざわざ断りを入れたにもかかわらず、「 会って話したい動機 」が全く読めないのだ
もし、この後に何らかの交渉をしたいのであれば、なぜ、不快と取られかねない動きをするのかが
私にはどうしても理解できないのである
しかし、私にはもう一つこの手のタイプの方にダメ出しをしたい点がある
この人は「 買い主 」ではない
あくまでその方の立場となって交渉事を行うという責務は負っているのだが、とは言え、職業は
仲介業者なのである
売主・買主が利害がバッティングしている事なんぞは、既知の事実であり、それを踏まえた上で
合理的なポイントに落としどころを見つけて「 仕事にしてゆく 」という概念が無ければ
九入氏はただの代理人であるか、ただのメッセンジャ―なのだ
「 では、この話はここまでですね 」
私は手帳をたたんだ
九入氏「 いや、まあ難しいとは思うんやけどな、買い手さんはこれだけやったら出しても良いて言っとるわ 」
と言いながら、早々に席を立とうとした私に何本かの指をたてた
もはや相手に対して失礼と言う概念は九入氏は持ち合わせていない
私はそう判断した
つまり、私と分かり合い、共同で話を詰めていくという協力姿勢は既に九入氏の中で放棄している
しかしながら、私が知りたかった事実は、そこである
一つは幾らで買いたいのか?
一つはこの人は交渉の相手としてふさわしいと捉えてよいのか?
実に二つの疑問が一挙に解決した事を振り返れば、今日の面会は意義ある物であったのかもしれない
少なくとも、私の精神衛生上はそう言える
金額は九入氏の指の数が表現している
そして、九入氏は交渉人としてプロフェッショナルにはとてもおぼつかない技量の持ち主であり
今の立場はすなわち買い客のメッセンジャーにすぎない
私は再び座り直す事にした
「 そうですか、いいでしょう。具体的な数字が出ているのであれば私も売主に伝える事が出来ます 」
九入氏「 まぁ頼んどくわ。そやけど、あの物件ならこんなもんやろう、云々〇▲□ 」
と話は続いたが、私は同意と取られない相槌を打つことに終始し、喫茶店を出た
その後、私は私の依頼人である売主に連絡を取り、この金額での商談継続の許しを得た
つまり通常であれば、ここでこの話はほぼまとまりかけていると言える
だが、九入氏のこれまでの行動や、話の伝達技術を見るに、まだひと波乱あるかもしれないという疑念を払拭するには
至らなかった
私は、売主からは商談継続の許しを得たが、その日の内に九入氏に連絡をする事はやめ
次の日に改めて連絡を入れる事にした
次の日
私は九入氏に連絡をいれてみた
プルルルル
「 はい九入です ♪~♪~♪~ 」
背景に流れる音楽で、九入氏は今日も喫茶店にいる事がわかった
ちなみに時間帯は今までとは違うのだが、やはり一日中、喫茶店を行脚しているのだろう
「 クリエイト 西本です。昨日の件ですが、売主はそれで構いませんと言っているので、買主さんに伝えてもらえますか? 」
九入氏「 そうか、ほな買主に連絡いれとくわ。そしたら契約はいつになるんかな? 契約書はわし作らんでもええんやな」
勿論、売り手側である私が契約関連書類を作成する事には間違いない
しかし、言葉のトーンからは、私が作った書類を精査する雰囲気が全く感じられない
あとは宜しく的な風にしか聞こえないのだ
「 はい、私が作ります。書類は今週中にお渡しできるように手配いたしますが買い手さんはいつでも
良いのですか? 」
九入氏「 いや、わからん、まあ聞いとくわ 」
ですよね?
「 ではこちらの書類は週明けにお渡しします。売主さんの印鑑も取り付けてからお渡ししますので 」
九入氏「 おお、わかった。まぁ頼んどくわ 」
この様なやりとりを経て電話をきった
私は自営業を始めて既に10年以上がたつ
世の中の43歳という年齢の男性は、相手が年上だからと言って、親しくもないのにこの様な物言いをされるものなのだろうか?
ちなみに、私は東京や大阪、神戸の不動産業者の方と電話や面会した際に、丁寧な言葉を当初から使わない人にはお目にかかった事がない
続く