いつもこのブログを見て頂いてありがとうございます。
さて、いよいよ今年も終わり感が強まってきましたね
私もボチボチ事務所を片付けながら、年内の残り作業を続けています
今年もですが、まあ色々とあった一年でした
連日の忘年会で前向きでない事は結構忘れてますが(笑)
年明けの仕事もいくつか準備を始めていますが、残り何日か、やりきっていこうと思います~
新連載 「 本当にあったいい話 」
第九話
私としては現段階でやれる事のすべてを終え、後の成り行きはBさんとKさん姉妹の結論に委ねることにした
プルルル
「 クリエイト 西本です 」
B「 あ、〇〇県のBですm(__)m 、和歌山の実家の件で・・・・ 」
私「 有難うございますm(__)m 妹さんどうでした? 」
B「 はい、西本さんが買い手さんと話してくれて、私が思うにもこれ以上のタイミングはもう無いと思いましたので
妹と話しました 」
私「 はい、これからの仏壇の管理が問題でしたね 」
B「 妹はやっぱり、あの土地を相続するのも嫌だと言い出して・・・ 」
私「 そうですよね、あの土地の売買金額については話されましたか? 」
B「 いえ、そこまで聞かずに私はもう手におえないから、お姉ちゃんが相続してくれと・・・ 」
私「 なるほど、解体工事をやっても赤字にはならない所まで来ていることはご存じないのですね 」
B「 ええ・・持ち出しのお金が要ると思っているようで、最後まで話は聞いてくれませんでしたが、私が相続して
処理をすべて任せると言って電話を切りましたので、今後の事をすべて西本さんにお願いします 」
私「 そうですか、それなら私も責任を持ってこの件を円満解決に収めます、私の中ではもう青写真はすべて出来ていますので
お任せください 」
B「 それと・・・今回の件で・・・私・・・何と言っていいのか・・・・ 」
私「 どうされました? 」
B「 妹に後の処理をすべて振られてしまって・・・結局仏壇の件が何の解決にも至らなかったのですが・・・ 」
私「 和歌山にお住まいじゃないですからね・・・ 」
B「 ええ・・・でも・・・不動産だけ相続するわけにもいかないので、主人に思い切って相談したんです・・・・ 」
私「 今後の管理ということですか? 」
B「 はい・・・・そしたら・・・・主人が・・・ 」
私「 はい・・・・ 」
B 「 それなら、うちの仏壇に魂を移して、今後は家で祀っていこうって言ってくれたんです・・・・泣・・・・・・・・・ 」
私「 本当ですか?! ・・・ 」
B「 はい、こちらの家はこちらの家で、先祖代々の仏壇もありますし、こんな事、親戚内すべての了解も必要ですし・・・
私、主人の一言で涙が止まらなくなってしまって・・・・・ 」
私「 いいご主人様ですね・・ 」
B「 有難うございます・・・色々あって、すごく心労にもなったけど、こんな嬉しい結果になるなんて・・・
ずっと、何十年も宙ぶらりんになっていた事が、今回の件できれいに整理出来る事になったんです・・・
本当に有難うございます・・・・・・・ 」
今回の事は、不動産取引を何度も何度も仲介してきている私にとっても、前例がない程の良いご縁と思えた
確かに、経験を重ねるにつれ、クレームであるとか、何か違和感の残る取引というのは数を減らしつつある
しかし、こんなに感動が伝わるお客様の言葉を聞いたのは初めてかもしれないと思えた
私「 では、解体屋さんにGOを出してスケジュールを押さえてもらいますね。」
B「 はい、よろしくお願いします。〇日にお坊さんに来てもらって、仏壇の魂を抜きますので、それ以降でお願いします 」
私「 了解しました、今後、和歌山での事は私の方で全部管理しますので、ご心配なく・・・ 」
電話を切った後、すぐに私は解体工事を依頼するW社長に電話をかけた
プルルル
W 「 まいど^^ 」
私「 〇△□てなわけで、工事をお願いますね~ 」
W 「 了解です~^^ 中の荷物から出しますんで、〇日以降で入れる日をお知らせします 」
この電話を切った後、続けざまに買主であるH氏に電話をかけた
私「 社長、・・・・というわけで・・目途が立ちましたので、契約日のご指定お願いしますm(__)m 」
H「 そうか~よかった、じゃぁ銀行にすぐスケジュール確認するわ~ ^^ 」
ここで後ろの土地と建物については今できる処理が終わり、さらに前半分の所有者に電話をかけた
私「 ・・・・というわけで、後ろの件は解決しました。またがって建っている建物の解体工事の兼ね合いがありますので
同タイミングでの契約をしたいのですが・・・・・ 」
S 「 え!そうなの?妹のKさんがあれだけごねていたのに・・・解決したの? 」
私「 はい、お姉さんのBさんが相続者になられまして、仏壇の件も含めてすべて解決しました 」
S「 ありがとう・・・では、こないだから言われていた境界ポイントの立会い、明日でもいいですか? 」
私「 はい、今回分筆する事になるので、明日の立会で境界ポイントが定まると思っておいてください 」
S「 わかりました。私にとってもお隣は子供の頃からお付き合いのあるお家だったんで、円満に進んで嬉しいです^^ 」
私「 よかったですよね^^ じゃぁ明日の〇時に現場でお願いしますね^^ 」
この様なやりとりを経て、次の日を迎えた
時間通りに現場で待っていると、前半分の所有者のSさんと、そのお母さんと思われる老婆が建物からでてきた
S 「 西本さん、今回はお世話になりましてありがとうございます。 これは私の母親です 」
老婆「 母のJですm(__)m この件、本当に有難うございましたm(__)m 」
見れば80歳あたりであろうか・・・・
少し体調も悪いと思われるおばあさんがご丁寧にあいさつをくれ、この不動産についてのエピソードを語り始めた
聞けば、おばあさんが子供の頃にこの建物の前身は建ったという
始まりは不法占拠であった事は老婆の親も当時から把握してはいたのだが、戦後の混乱期でもあり、助け合いの精神で
建物が建つ事を許容し、近所付き合いも重ね、時代が収まってからは賃貸契約を正式に交わし、今に至るという
だが、代かわりを重ねるにつれ、いつしか不都合も起こり、あげくには賃貸料も未払いのままとなり、希薄となりつつも
近所付き合いの関係上、法的措置を取る事を控えたまま、ここ数年は放置の状態であったという
しかし、シロアリ被害がある事や、空家のままで放置となり、反対隣のビルも修繕ができない状態となってからは
この問題を自分が生きている内に必ず解決しなくては・・・との想いであったそうだ
お婆さん「 戦後、70年・・・・・・・この問題は続いていたんです・・・・それがようやく・・・・・泣・・・ 」
私「 当代と次世代では、同じ関係が続くとは限らないですからね・・・ 」
お婆さん 「 ええ・・でも・・やっとこの件が解決すると思うと・・・・ 」
私 「 〇日からは解体工事も始まります。見る限り、狭くて両隣の建物の事も考慮しての工事になりますので
あと一歩という所です。 」
お婆さん「 ありがとうございます・・・宜しくお願いします 」
このやりとりを経て、その場から司法書士に連絡をいれた
R「 そうですか・・・^^よかったですな^^ 」
私「 ええ、相続の件もR先生にお任せしておいてよかったです^^ 関係者がみんな喜んでくれる結果となりましてね 」
R「 ほう^^それはよかった 」
私「 工事が終わり、決済日が決まったら連絡を入れます^^ 」
R「 了解しました^^ 」
以上のやり取りを経て、この件に関しては決済以外のほとんどの仕事を終えた
解体工事の行方を管理する業務は残されてはいたが、平素、お付き合いのあるW社長にお任せしてある以上
私の中では解体工事に係る大きなストレスはほぼなかった
手帳を取り出し、決済日の予想日を確認しようとした時、安堵感の為か、大きなため息が出た
開いた手帳は10月のページである
振り返れば、まだ作業の残る現時点で、去年の年末に相談を受けてから実に10ケ月に及ぶ継続業務であった
勿論、そればっかりをやっていたわけではない
しかし、解決に向けて進まない案件を抱え続けることは、経験のある人ならわかるであろうが
中々のストレスなのだ!
とは言え、かなりの紆余曲折を経たが、結果としては、関わる全ての人に
「 ありがとう 」 と言ってもらえる仕事を行う事が出来た
なんか縁起のいい仕事やったな ^^
パタン!と手帳を閉じ、携帯電話を取り出した
プルルル
私「 あ、もしもし、西本です 」
M 「 毎度~お疲れさん ^^ 」
私「 昨日アノ件で印鑑をくれないと言ってた方なんですけど・・・ 」
M「 そうなんよ、〇〇の売主さんとあんまり仲良くなかったみたいでなぁ、すんなり印鑑くれへんのよ 」
私 「 一応、過去に、将来の為の印鑑代を支払った時の領収書、手に入りましたんで僕今から行ってきますわ~ 」
M「 え!そんなん見つかったん!? 何とかお願いしますわ~ 」
私「 OKです~、夕方にまた連絡します~ 」
別の案件の作業の為の段取りを行い、マイルドセブンの火を消した
本当にあったいい話 完
皆様、本シリーズもご愛読いただき有難うございました
なんかですね、不動産の仕事って、問題がなければ100点なんですけど、そんな時こそ
うっすらプロの業者としての値打ちみたいなもんが伝わらない気がするんですよね
思い込みですかね?笑
まぁ色々あるんですけど、今回のテーマのもとになった仕事は、長きにわたる財産問題や
ご家族間での確執とか、その立場になった人でしかわからないであろうストレスっていうんですかね
こういうのが絡まりあった感じで、一見するだけでは分からない複雑な要素をいっぱいはらんでいたんですね
取り掛かってみて ぉぉ・・てな感じもあったんですけど笑
やっぱり 「 ありがとう 」 って最後に言われると嬉しいものですね
相談を頂いたH氏、いつも頑張ってくれる業者さん達、最後までついてきてくれた売主さん方
皆さんに感謝です
2014年 いい仕事できました!!
そして最後までご覧いただいた皆様、ありがとうございます!!m(__)m
和歌山の不動産物件情報はこちらから(クリエイトホームページ)
http://www.create-mn.com/