社長日記

日々の出来事や、感じることなど、思いつくままに・・

アマチュア第八話

2017-05-23 08:23:41 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いてありがとうございます。

 

暑い日が続きますが、体調を壊す事の無い様、皆様くれぐれもご自愛くださいませ

 

 

アマチュア 第八話

 

 

不動産契約において、決済日というのは、売主、買主、立会の司法書士、仲介業者、銀行関係者など

一つの契約に関係する全ての人間が集合する日でもある

予め話し合いを経た上で決定する者であり、全員がその日に備えて何らかの準備を行う

体調不良や急な事故など、よほどの事が起こらない限り、変更はない

 

変更してはいけない

 

私は不動産業に関わる上で、強くそう感じている

 

決めた決済日の二日前に、実はローンの申し込みが数日前で、そもそもこの日に決済できない等と言う今回の件は、

十数年この仕事を続けている私でも、初めての事であった

完全に仲介業者のナビゲートミスである

 

怒りが収まらない私ではあったが、起こってしまった以上、すぐさま売主に連絡を入れる必要が有った

 

 

「西本です、実はこういった事情で(とは言っても事情なんぞ無いにも等しいのだが)、15日の決済日には

残念ながら決済する事ができません・・・ 」

 

売主「 え~、そんな事あるんですか?旅行の日程もずらしたのに・・・・・」

 

「大変申し訳ございませんm(__)m・・・」

 

私はがっかりとも、不審感ともとれる売主のイントネーションに対して、それ以上の言葉がみつからなかった

 

 

売主「 では、いつになるんですか?」

 

「 はい、私の聞いている以上は、そもそも決済日を決める段階になかったようです。買主はまだローン審査の結果を聞いていないわけでして、

ローンが通らないなんて事もまだ十分あり得ますので・・」

 

売主「 え~、そうなんですか?! 」

 

「 はい、この上は私の方からも都度、状況を問い合わせていく事にします。その上で連絡を入れさせて頂きますので 」

 

売主「 わかりました・・・・とりあえずは待つしかないようですね・・・・」

 

 

 

 

この人たちはダメだな・・・・

 

 

そう思われても仕方のない始末であった

売主としては契約違反を主張して、この契約を破棄するつもりはどうやらない

私としては、契約の相手方も、相手方の不動産屋さんとも、もうやり取りを重ねたくはない心境ではあったのだが

話の性質上、私が決めて良い事ではなかった

 

 

 

ふう・・・・

 

 

疲れる・・・・

 

 

 

言いようもない倦怠感に襲われたような気がした

 

 

 

話が終わりとならない以上は、今後は同じ失敗は許されない

私は、意にそぐわない、もしくは意見を挟まれるとすぐに口調が変わる九入氏をコントロールする事に

とても重いモノを感じてはいたのだが、今後は私の方が主導で、やりとりを継続する事を誓った

 

 

 

 

 

 

九入氏の話によれば、買主がローンの申し込みを行ってから約10日ほど経った頃・・・

 

 

当たり前の様に何の連絡もしてこない九入氏に私は電話を入れる事にした

 

 

「 はい、九入です。 」

 

さらりとした電話に出た九入氏の口調にも多少の怒りが込み上げる

 

 

「 西本です。先日の連絡よりすでに10日ほど過ぎていますが、買主さんのローンの進捗はどうですか?」

 

九入氏「 いや、何も聞いてない 」

 

「 ・・・・・・ 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひっぱたくよ?^^

 

 

 

 

「九入さん、言いたくはないですが、この間の決済日の延長の件はあり得ない事なんですよ。

売主さんにも多大な迷惑をかけているのに、その後の流れを追っていないんですか? 」

 

九入氏「 ・・・・・いや、そんなん銀行の問題やろ。返事がこないのはわしの責任じゃないと思うけどな 」

 

「ですので、問題はそこじゃないんですよ。銀行なんか、何も問題ないんですよ。あなたは買主さんに銀行から

何らかの連絡がないか確かめたんですか? 」

 

九入氏「 いやだから!そんなん銀行と買主がやってる事やから!わしにはどうしようもないやろ! 」

 

「あなたが何も把握していない事が大問題なんですよ!銀行から返事があったか、何か他の提出物を求められているとか、

何も把握していないんでしょう!これ、買主から連絡有って、ローンあかんかったらしいわなんて、こちらは承知できませんよ」

 

九入氏「 もうええわ!そこまで言うなら聞くわ。また連絡するから。 」

 

 

 

 

 

 

 

 

何だこの人?

 

 

 

 

今までよくやってこれたな

 

 

 

 

 

まるっきりに近い程、共同仲介のいろはが分かっていない

 

 

 

 

そしてその後数日間、九入氏からの連絡はなかった

 

 

 

 

 

 

                  続く・・・


アマチュア第七話

2017-05-10 09:49:48 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いて有難うございます

GWもすぎ、(とは言っても私は特段なにもありませんでしたが)、今年度後半に向けての動きが開始ですね

気合を入れ直して頑張ろうと思います

 

 

 

アマチュア  第七話

 

 

司法書士から送られてきた必要物の書類の項目に、「 抵当権設定の欄がない 」

日常の不動産取引の現場では、特段気にかける事もないのではあるが、今回ばかりは私はとてもこの事が

気になった

 

 

(おかしい・・・)

 

 

悩んでも仕方がない、これは司法書士に聞いてみよう

 

 

私は電話を取って司法書士事務所に電話をかけてみた

 

 

「 はい、紀の川司法書士事務所です 」

「わたくし、2月15日の決済の件でお世話になるクリエイトの西本と申します 」

 

紀の川「あ~、はいはい、九入さんからの案件ですね 」

 

「 はい、書類のファックスありがとうございました。で、一つ気になるのですが、抵当権の項目がないのですが

買主さんは現金で買われるのですか? 」

 

紀の川「 え!ローン使われるんですか? 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でた

 

 

 

 

「 はい、九入さんからはそう聞いていますが、抵当権の設定項目が無いので、現金で買われる事に変更したのかと思いまして」

 

紀の川「 いや、九入さんからは費用見積もりを出してくれと言われましたが、融資を利用する旨は聞いていませんでして・・・ 」

 

「 そちらからは九入さんに問い合わせていないのですか? 」

 

紀の川「 すみません、同じものを九入さんにも渡していますが、何の連絡もないので当然、融資は利用しないものと思いまして 」

 

「もし、融資を利用するのであれば、その金融機関とすり合わせが要りますよね? 」

 

紀の川「 はい、勿論です、私も初耳なんで、すぐに九入さんに連絡して聞いてみます 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まったく

 

 

 

 

この電話を入れた時点で、もう一週間ほどしかない

 

 

 

まあ、連絡さえつけば間に合うか・・・

 

 

そんな事を思いながらカレンダーを見つめていた私は、この後に起こる事をまだ予想していなかった

 

 

 

その後、司法書士からは何の連絡もない

だが、抵当権の設定費用は九入氏の顧客が支払う費用であり、私が売主に案内している必要経費には何らの影響もない

その点から見れば、今回の私の行動は、九入氏の仕事の抜けもれを見つけてあげただけに等しく

こちらには何らの影響もない以上、「 アノ件はどうなりましたか? 」と改めて連絡する必要もなかった

 

 

 

そして決済日まであと二日となった13日の朝

 

 

 

九入氏より私の携帯に電話がかかってきた

 

「 もしもし、西本です 」

 

九入「 あ~九入です。いや実はな、買主さん、なんかバタバタしてたみたいで、ローンの申し込み先週の木曜にやったみたいなんや 」

 

「 はい?先週の木曜日?決済は今週の水曜ですよ?銀行の3営業日で審査して融資の実行なんてあるわけないじゃないですか!」

 

九入氏「 いや、だから!そんなもんわかってるから!なんせ今電話かかってきて買主が、だから間に合わんって言うんや」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふざけんな!

 

 

 

 

 

 

 

 

「 九入さん、あなたほったらかしてたんですか?なんでその連絡が今なんですか?売主もスケジュールを空けて準備もしているんですよ?」

 

九入氏「 いや、そんなん言うても仕方ないやろ。買主も忙しかったみたいなんや 」

 

「 買主が忙しいなんてことは問題じゃないんですよ!買主の動きが今の状態で、来週に決済なんかできるわけないという事を、

あなたが把握していない事が大問題なんじゃないですか!なんで前もって確認して、決めた15日に決済する為にはいつまでに

何をすべきかという事を案内していないんですか! 」

 

九入氏「 いやそうかも知れんけど、もうここで言い合っても仕方ないやないか。とにかくそういう事やから、また次の決済日確認して

連絡するから! 」

 

 

 

 

言い合い?

 

 

 

次の決済日?

 

 

 

天然ボケなんか

 

 

 

「 もういいですわ。ちょっと僕の判断では何の返答もできませんから、売主に連絡を入れて、どうするか確認します」

 

 

契約違反という言葉を、九入氏は恐らく知らない

当然、契約違反には違約金というペナルティが付随し、買主は、九入氏が十分なケアをしていなかった事が原因で

何も得る事もなく、お金を払った上で謝らなくてはいけないという「お詫び料」ともいえる高額のお金を捨てる事になる

その額は契約金額の20%

 

 

 

あほすぎる

 

 

不動産取引をしようとする時に、もっとも気をつけなくてはならないのは、自分のエージェントとなる不動産屋のである

これの選択が単なる縁故であったり、知り合いの紹介だからと言ってその背景も調べずに行うと、こんな事が起こりうるのだ

 

 

買主は昔からよ~知ってて

〇〇ちゃんで

良く飲みにもいって

ゴルフでもよく一緒して

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それだけの友ならば、それだけきっちりやったれよ

素人の買主に責任押し付けるってなんやねん

 

 

私は中々怒りが収まらなかった

 

 

 

 

完全にもらい事故である

 

 

お粗末すぎる内容の報告を入れる為に、私は売主に電話をかけた

 

 

 

 

 

続く