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アマチュア 第八話
不動産契約において、決済日というのは、売主、買主、立会の司法書士、仲介業者、銀行関係者など
一つの契約に関係する全ての人間が集合する日でもある
予め話し合いを経た上で決定する者であり、全員がその日に備えて何らかの準備を行う
体調不良や急な事故など、よほどの事が起こらない限り、変更はない
変更してはいけない
私は不動産業に関わる上で、強くそう感じている
決めた決済日の二日前に、実はローンの申し込みが数日前で、そもそもこの日に決済できない等と言う今回の件は、
十数年この仕事を続けている私でも、初めての事であった
完全に仲介業者のナビゲートミスである
怒りが収まらない私ではあったが、起こってしまった以上、すぐさま売主に連絡を入れる必要が有った
「西本です、実はこういった事情で(とは言っても事情なんぞ無いにも等しいのだが)、15日の決済日には
残念ながら決済する事ができません・・・ 」
売主「 え~、そんな事あるんですか?旅行の日程もずらしたのに・・・・・」
「大変申し訳ございませんm(__)m・・・」
私はがっかりとも、不審感ともとれる売主のイントネーションに対して、それ以上の言葉がみつからなかった
売主「 では、いつになるんですか?」
「 はい、私の聞いている以上は、そもそも決済日を決める段階になかったようです。買主はまだローン審査の結果を聞いていないわけでして、
ローンが通らないなんて事もまだ十分あり得ますので・・」
売主「 え~、そうなんですか?! 」
「 はい、この上は私の方からも都度、状況を問い合わせていく事にします。その上で連絡を入れさせて頂きますので 」
売主「 わかりました・・・・とりあえずは待つしかないようですね・・・・」
この人たちはダメだな・・・・
そう思われても仕方のない始末であった
売主としては契約違反を主張して、この契約を破棄するつもりはどうやらない
私としては、契約の相手方も、相手方の不動産屋さんとも、もうやり取りを重ねたくはない心境ではあったのだが
話の性質上、私が決めて良い事ではなかった
ふう・・・・
疲れる・・・・
言いようもない倦怠感に襲われたような気がした
話が終わりとならない以上は、今後は同じ失敗は許されない
私は、意にそぐわない、もしくは意見を挟まれるとすぐに口調が変わる九入氏をコントロールする事に
とても重いモノを感じてはいたのだが、今後は私の方が主導で、やりとりを継続する事を誓った
九入氏の話によれば、買主がローンの申し込みを行ってから約10日ほど経った頃・・・
当たり前の様に何の連絡もしてこない九入氏に私は電話を入れる事にした
「 はい、九入です。 」
さらりとした電話に出た九入氏の口調にも多少の怒りが込み上げる
「 西本です。先日の連絡よりすでに10日ほど過ぎていますが、買主さんのローンの進捗はどうですか?」
九入氏「 いや、何も聞いてない 」
「 ・・・・・・ 」
ひっぱたくよ?^^
「九入さん、言いたくはないですが、この間の決済日の延長の件はあり得ない事なんですよ。
売主さんにも多大な迷惑をかけているのに、その後の流れを追っていないんですか? 」
九入氏「 ・・・・・いや、そんなん銀行の問題やろ。返事がこないのはわしの責任じゃないと思うけどな 」
「ですので、問題はそこじゃないんですよ。銀行なんか、何も問題ないんですよ。あなたは買主さんに銀行から
何らかの連絡がないか確かめたんですか? 」
九入氏「 いやだから!そんなん銀行と買主がやってる事やから!わしにはどうしようもないやろ! 」
「あなたが何も把握していない事が大問題なんですよ!銀行から返事があったか、何か他の提出物を求められているとか、
何も把握していないんでしょう!これ、買主から連絡有って、ローンあかんかったらしいわなんて、こちらは承知できませんよ」
九入氏「 もうええわ!そこまで言うなら聞くわ。また連絡するから。 」
何だこの人?
今までよくやってこれたな
まるっきりに近い程、共同仲介のいろはが分かっていない
そしてその後数日間、九入氏からの連絡はなかった
続く・・・