社長日記

日々の出来事や、感じることなど、思いつくままに・・

西庄 旧町開発物語シーズン2 第三話

2013-03-29 10:02:13 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いて有難うございます。

桜の季節となりました。

消費税UPが駆け込み需要を招くという噂もありましたが、やはり和歌山での影響はほぼありません。

むしろ今年度の動きは鈍いという印象を受けております。

 

さて、本日は西庄旧町開発物語 シーズン2第3話を記載したいと思います。

マンネリ感がぬぐえなくもないですが、参考になるエピソードもでるかと思いますのでお時間のある時にでも

ご覧ください。

 

~ 西庄 旧町開発物語 シーズン2 第3話 ~

 

ある朝、BOSS のブラックを片手に私はパソコンの前で悩んでいた。

 

「 何でやろうな~。毎日10づつ位しかカウント増えへんな・・・・ 」

 

当時、私は手でチラシをまき続ける事の限界と、その効果に大きな疑問を持っていた。

簡単にいうと費用と時間のロスに、効果が見合わないのである。

 

そんな折、私は相当の費用を犠牲にして「 ホームページ 」という物に特化する業者になる決心をしたのだった。

導入するのは割とあっさりと決めた。

なぜなら、今の動きの延長にゴールが無い事はハッキリとしていたからだ。

数年先には続けていけなくなるに違いないし、和歌山市の全域でチラシをまく事もできない。

更に、フリーペーパーの様な広告紙に広告を載せるには毎回かなりの費用がかかる。

 

結論、少ない費用で高いパフォーマンスを得るには、インターネットしかない事は分かり切っていた。

だが、当時の不動産業界におけるインターネット活用の事例は少なく、成功者はいない、というのが現状であり

和歌山でネット不動産は絶対に成功しないといった意見まで囁かれた。

 

「 やっぱりネットはあかんのかな・・・・この増えてるカウント、絶対、俺が見てる回数やな・・・・ 」

 

清水の舞台から飛び降りる様な覚悟で支払った費用の甲斐もなく、半年を過ぎてもホームページによる恩恵らしき物は

皆無であったのである。

 

クリエイトのホームページの右上にカウンターがある。

今日の朝のカウントは 106151 とあるが、その日の朝は1000にも届いていなかった様に思う。

お金はかかる、効果はない、そんな状態が続いていたこの頃は、毎日足取りが重く、何をどうすれば・・・という

漠然とした不安が、常時私の脳裏に霧を発生させていた。

 

プルルルルルル

 

ふいに電話が鳴った。

 

 

「 クリエイト 西本です。 」

 

「 あ、クリエイトの西本さんですか・・・・? あのう私、○○と申しますが・・・ 」

 

 

この方のお名前を聞いた時、すぐにピンと来た!

そう、例の医院の名前と同じ名前であったのだ。

 

 

「 実はお手紙を何度か頂いた○○ですが、今私は○○県の○○市に住んでおりまして、連絡が遅くなったのですが

 手紙に書かれてあった境界確定については私どもにも関係がありますので、一度お会いしたいのですが・・・ 」

 

 

やはり手紙は所有者様の手に届いていた!

しかも登記簿上の所有者ではなく、相続等で所有者とはなったものの変更登記を行っていないとの話であった。

 

 

「 有難うございます!私としましては、どうしてもお会いしたいと考えておりましたので、ご連絡を頂きまして

 とてもうれしいです。いつ頃がよろしいでしょうか? 」

 

「 ええ、実は今日和歌山市に来てるんです・・・。今日の昼からでも大丈夫ですか? 」

 

この日、よくぞ他府県に行かなかったものである。

頻繁に出かけるわけではないが、ご縁がなければ、この天運が生かされる事は絶対にない。

ご縁がないという人や出来事とは、なぜか会えないという、「 負のスパイラル 」に巻き込まれるのである!

 

 

「 全然大丈夫です!何時でも合わせますのでご連絡を下さい。」

 

 

という事で、初めての手紙を送ってから実に一年以上を経て、医院跡地の所有者様に面会がかなったのである。

自分でも信じられない様な奇跡ではあったが、お会いしてみてひとつ分かった事があった。

 

実は一度目の手紙は管理人から郵送されてきたものの、しょっちゅう管理人も現場に行くわけでは無かった為

雨にぬれてしまい、文字の判別が所々つかなかったという事であった。

見ず知らずの人間から判別がつかない手紙を送られても、たいていの人はアクションを起こしはしないだろう。

 

しかし、二回目の手紙については、恐らく誰かが転送している事や、投函した時期が梅雨時でも有った為、私は

ナイロン袋に入れて郵送せずに、ポストへ直接投函していたのだった。

その為、内容が正確につながり、更に親戚の法事で関東から神戸へ来るというタイミングと偶然にも幸運が重なった

結果、今日へと至ったのであった。

 

 

 

 

 

                                                     続く・・・・・・・

 

 

 

 

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西庄 旧町開発物語シーズン2 第二話

2013-03-17 16:07:14 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いて有難うございます。

 

つい最近、こんな事がありました。

ガー○ン○ークにあるTSU○AYAにての事、私があるDVDをレンタルしようとカウンターにて並んで

いました。

良く流行っていた為、少し待つ事にはなりましたが、特段気にする事もなく私の番が回ってきました。

 

「 あの~お客様、先日レンタルして頂いておりました商品はご返却済みでしょうか?」

 

レジの何らかの表示を見ながら問いかける店員さんは私から見れば何らかの根拠があって言っているのだろうと

思い、返却した記憶はあるが、外のボックスに入れた記憶しかなく、少し混同してしまいまして、

 

「 え~、返したと思うけど、ないですか? 」

 

と聞き返した。

 

「 はい、まだ返却されてはいませんので、今日はご利用いただけません 」 との事。

 

(あれ?Dvdと違うものboxに入れたのかな? )と勘違いする程に私は時々とんでもない間違いをする事がある。

 

「 そうですか、じゃあ延滞料払います。 」といった所、「 いえ、どちらにしてもご利用はできませんのでお家で探してみてください」

 

と言われた。

私が悪い事に違いはない。

 

借りようとしていたDVDはその日にどうしても見たかったので、すぐ家に帰り、見たところ 無い!

やっぱり返したよな・・・・という思いが希望的観測に繋がらない様に、冷静に考え直してみたが、やっぱり返却した。

 

なんやろな・・・と思いつつ、再びお店へ・・・

カウンターで、先ほどの経緯と間違いなく返却しましたんで・・・と伝えたところ、その対応にあたった店員さんは

しばらくお待ちください、と言いお店の奥の方へ消えた。

 

私はぼ~っと待つのが嫌いな性格なので、借りようとしていたコーナーへスタスタスタ・・・と向かい、再び手に取ろうと

していると、その店員さんが現れ、「 お客様、あの、もうレンタルは利用できる状態になりましたので! 」と言った。

私が 「 どういう事? 」と聞くと、店員さんは再び「 あ、もう大丈夫です!!^^ 」と同じ答えが返ってきた。

 

「 ふ~ん 」と答え、カウンターへ向い再び列に並ぶ。

レンタル期間を問われ、1泊2日で・・・と答え、料金を提示されたまま払った。

 

帰り際、その店員さんに 「 あったんやな 」と聞くと、「 ハイ! 」と返事が返ってきた。

今、手にしているDVDは、たとえ5分でも返却期限に遅れると追加料金を取られる。

そういうビジネスに関わる人間として、このスタッフさんは、無駄に時間を浪費させ、往復をさせる事となったお客に対して、

「 配慮が出来ないタイプ 」 だと思いながら、その場を後にした。

 

~ 西庄 旧町開発物語 シーズン2 第二話 ~ 

 

{ 灯台もと暗し }ということわざがある。

今、まさにそれが目の前で起きようとしていた。

 

井戸の上のブロックの隙間から、良く見えるようになった隣の空き家をのぞいていた所、ふいに竹ぼうきを持った

男性が家から出てきた!

 

腰を抜かしそうになった私ではあるが、霊ではない事はあきらかだ。

勝手に殺してはいけない。

 

その男性からは私の姿はバッチリ目に入るはずである、が、気付いてか気付かずか全く意に解する風でもなく

前の道路の方に出て行った。

不動産関係の仕事をしていると、こちらが何かを訪ねたい相手ほど、こういうリアクションは良く返ってくる。

恐らく、相手からすれば、「 何か接触を持ちたそうにしている見ず知らずの人 」という風ににこちらが映るのかもしれない。

 

しかし、どれだけ思い返してみても、この家は空き家である事は間違いない。

この家の関係者だろうと思い、私は工事を見守る体で、少し離れた所からその男性の方を観察していた。

その男性は、私の方を見る事は一度もなく、鬱蒼と茂る立木から道路に散乱する落ち葉を丁寧に掃き集めていた。

 

 

「 どうしようかな・・・この機会を逃すわけにはいかんしな・・・ でも、絶対話しかけてくれるなの雰囲気やな・・・」

 

少し躊躇はした私ではあったが、大阪まで探し求めに行った相手である可能性が高いのである。

アクションを起こさずにはいられなかった。

 

思い切って話しかけてみた!

近づくほどに、ドン.タッチ.ミーのオーラが強くなるのを感じたが、まさか怒りはしないだろう・・と思い

 

「 あの~作業中すみません。 」と話しかけてみた。

 

一般常識的にはかなりの近距離と言えるはずの近さではあったが、フル無視であった。

 

「 すみません。少しよろしいですか? 」と再度大きめの声をかけると、その男性は、作業の手は止めず

こちらを見るまでもなく、「 何か? 」と小さい声を発した。

 

「 お仕事中、すみません。私はお隣の土地の件を担当している不動産屋のクリエイトの西本と申します。

 解体工事を始める前に、ごあいさつに伺ったのですが、何度か来てもお会いできませんでしたので

 改めてごあいさつさせて頂きます。騒音や振動でご迷惑をおかけします。 」と伝えた。

 

「 ああ・・工事やってるね、私は年に何度かしかここへは来ないから、気にしないでいいよ 」とようやく会話が

成立した。

 

「 そうでしたか。この家の持ち主さんですか?」と尋ねたところ、「 まあ、正確には違うけど、それが何か? 」

 

ここで、この問題は必ず解決の糸口をみつけておかなくてはならない。

 

「 はい、大事な相談をさせて頂きたいんです。実は、今工事中のこの隣とこちらの敷地に半分ずつ井戸が

 またがっていますよね。これの扱いについて相談させていただきたいんです。 後、境界も確定したいので」

 

「 井戸な。そうやな。これは昔、隣の○○さんと私がまだ子供の頃、うちの家とで共同で使ってたんや。

 まあ境界はこのブロックの中心やと思うわ。詳しい事はわからんけど、こっち側やとかそっち側やとかはわからんわ。

 中心やったらお互い文句ないん違いますか・・・ 」

 

私にとってもこの事は好都合である。

こちらの持ち主さんもはっきりとは分からないのだから、中心にしましょうと隣が言ってくれれば何の異存もなく

解決できる。

 

「 たぶんそうでしょうね。ではこちらで手配しますので、測量士が持参する書類に所有者さんの印鑑を頂きたいんです

 けども、ご住所と電話番号をうかがってもいいですか? 」

 

と尋ねたところ、意外にもそれについては頑として拒否された。

 

「わし、住んでるところは言いたくないんですよ。ブロックの中心という事で目印をいれといてくれたらいいんで、それで

 やっといて下さい。 」

 

その後も散々食い下がってはみたが、取り付く島もなかった。

しかし、印を入れる事に同意いただければ、買主さんが 「 まあいいよ 」と言ってくれている以上、取引はできる。

誠に残念ではあったが、この件についてはこれ以上は言わない事にして、肝心の井戸の扱いについて切り出してみた。

 

「 では、井戸についてですが、どう思われます?こちらとしては、半分だけ埋めるという事はできないんで

 放置するか、この際埋めてしまうかという事になると思うんですが・・・・・ 」

 

「 いや、埋めてほしいんや。せっかく業者さん入ってるし、うちももうこの井戸は使ってないんで、ただし費用は

 そっちで持ってくれるんが条件やけど・・・ 」

 

少々の理不尽さを感じない事もなかったが、私はこちらの持ち主さんに費用の件は相談しますと言い、もう一度

この場所でお会い頂ける約束を何とか取り付けた。

後で知らないと言われても困る。

必ず、埋める直前に、もう一度現場でのokを取っておきたかった。

 

その後、費用についてはこちらの所有者さんに了解をもらい、数日後、お隣の男性と再度現場で立ち会った末に

井戸を埋める事はできた。

 

振り返ってみると、今工事をやっている土地と、この男性の土地と反対側の医院跡と3セット(ざっと400坪)で

開発する事を目標にしてはいたのだが、連絡先を教えてはくれなかったこの男性の土地については、遂にあきらめざるを

得なかった。

 

 

しかし、医院跡については、実は先がある。

 

 

そう、一年前、私が空き家と分かっていて郵送した手紙は、一か月ほどはポストに入っていたが、その後ポストから

こつぜんと無くなっていたのである。

又、無造作に放り込まれたチラシなども定期的に片づけられ無くなっている事も確認していた。

なぜか・・・?

 

 

 

 

 

答えは一つ。

 

 

 

 

 

 

 

医院跡の土地については、管理人がいるはずなのである!!

 

 

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西庄 旧町開発物語 シーズン2 第1話

2013-03-13 17:07:37 | Weblog

長い時が過ぎた。

ブログの更新をさぼり始めてから・・・

思えば前回のシリーズの最中に、フェイスブックの参加も重なり、少々頑張りすぎたのかもしれない。

 

しかし、フェイスブックにおいては、いろんな人からの応援も頂き、むしろ誰が見ているのか見ていないのかも

分からないまま書き続ける事を思えば、とても励ましになった事は言うまでもない。

そろそろ迎える春に向け、新たにシーズン2を記載していこうと思います。

常に事件が起こっているわけではないので、刺激が感じられるかどうかは分かりませんが、私にとっても

自分の勘を信じる良いきっかけになった案件でしたので、良かったらご覧ください。

 

 

~  西庄開発物語 シーズン2 第一話  ~

 

様々な局面を乗り越え、ようやく狙いを定めた古い空き家の建つ土地を、クリエイトで売らせてもらうという

段取りがついた。

ふとしたボタンの掛け違いがキッカケとなり、仲たがいをしてしまった売り主様さんとも今はとても良好な関係で

連絡を取り合えている。

 

「 さて、まずは解体工事やな・・・ 」

 

お客心理というのは不思議なもので、実に環境の良い、利便性を兼ね備えた土地であっても、実際にそこに古家があると

やはり薄暗い印象を心のどこかに感じざるを得ない様である。

又、この土地については、既に購入客の目星はついており、更地にしてくれるのであれば・・・と大方の話はついていた。

 

 

売り主さんとは合意をし、解体工事を行ったうえで物件を引き渡すという条件で遂に工事が始まった!

 

 

「 思えば長い話やったわ・・・・・」

 

 

ドスン!ドスン!と重機が建物を壊していくのを眺めながら感無量であった事は間違いない。

この件についてはこれでほぼ段取りが着いたと言える。

しかし、一安心した私の眼には、その隣にある古い個人医院跡が映り、次の案件への期待と不安が入り混じっていた。

 

「 ここは連絡とれないな・・・ 。境界画定せなあかんしな・・・・ 。 どうしよう・・・・ ・ 」

 

解体中のこの不動産の売り主にしても、偶然転送された手紙が東京の売り主のもとに届き連絡が取れた様な次第である。

更には、この物件の両隣も空き家になっており、いまだにこの二軒の家主には行きあたってもいないのである。

実に最初に手紙を郵送してから1年が過ぎようとしていた。

 

「 もう一回法務局へ行くか・・・・・・・」

 

思い立ったらすぐに車に乗り、私は法務局へ向かった。

車内のテレビでは、アメリカで初の黒人大統領が誕生したというニュースが流れていた・・・・・ 

法務局で閉鎖謄本といわれる過去の所有者の変遷を調べなおした所、左隣の家については、最も新しい(とは

言っても昭和中期の記録であるが)大阪市の住所が記載されており、ほぼ確実に無駄足とは

思えたが、勢いで訪ねてみることにした。

 

 

「 1時か・・・着いたら夕方、帰りは遅くなるなぁ・・・・ 」

 

 

しかし、悩んでいても仕方がないのである。

和歌山人には慣れない交通渋滞に巻き込まれながら、実際にその足で向かった!

 

「 ここらへんやな・・・ 」 

 

ようやくそれらしきエリアに着いた私は、和歌山で言えば中央郵便局並みの大きさの郵便局の駐車場に

車を止め、付近を歩きまわった。

しかし、さすが大阪市中心部である。様変わりもはなはだしい程のビジネスビル街のど真ん中を歩く私には

西庄の古家のオーナーがこの近辺に居住しているとはとても思えなかった。

しかも、住居表示も大きく変わっているのか、どうもそれらしき雰囲気の所にも行きつかない。

悩んだ末、私は一番番地が近い、見ず知らずのお家のインターホンを押したのである。

 

ピンポーン♪

 

「 はい・・・・ 」

 

数10秒後、その家の方がインターホンに出た!

自分で押したとは言え、かなりの驚きである!!

 

「 あのう、突然すみません。実は私、和歌山から来ました不動産屋の者なんですが・・・ 」

「 はい。」

 

意外にも「 先を言え 」という低めのテンションの声が返ってくる。

 

「 実は和歌山の不動産の件で、所有者さんの○○さんという方を訪ねて来たんですが、ご存じないでしょうか? 」

「 う~ん、わし、長い事この辺りに住んでるけど、○○さんって聞いたことないわ。すまんな。 」

 

とご丁寧に教えてくれた。

 

「 そうですか。お時間をとらせてスミマセンでした。有難うございます 」

 

この様なやりとりを、何軒かで行ってはみたものの、全て同じ回答であった。

ふと、気付けば、辺りはすっかり暮れ、もはや住居表示を確かめる事も不審と思われる時間帯となっていた。

万に一つとも思い、近所の不動産屋に飛び込んで聞いてはみたが、一通りの自慢話を聞かされただけに終わり

疲れ果てた私は、2時間ほどの帰り道に着く事にしたのだった。

 

これだけの執念で隣の人を探すのにはワケがある。

繰り返しにはなるが、これから売ろうとする土地と隣の人との境界を確定しなくてはならないのである

これが出来なければ、基本的に物件を引き渡す事はできない。

購入したはいいが、思ったよりも隣家の土地がこちら側に入っているという事もあり得るからである。

状況にもよるが、何かしらの根拠となる境界杭の後やブロックへの印などが無い場合は、絶対にやっておかなくては

ならないのである。

更にやっかいな事に、実は解体中の土地と左隣の土地との間には半円づつお互いの境界に入っている古い井戸があった。

これは共同でこの井戸を使っていたと思われる形跡であった。

買主は、「 まあ置いといてくれてもいいよ。しばらく建築するつもりもないし、してもそこは使わんわ」

と言ってくれてはいたのだが、私としては、このタイミングで絶対にこの井戸は埋めておきたいと考えていた。

 

「 仕方ない・・・次の手を考えるか・・・ 」

 

私は明日の朝一番に、測量を行ってくれている土地家屋調査士の先生に相談する事にし、長い帰路についたのだった・・

 

 

次の日の朝、灰の落ちかけたマイルドセブンを片手に私はもう一度現場に行ってみることにした。

どうせ事務所から数分の距離である。

 

敷地を隔てるブロック壁がある以上、境界線はこのブロックの真ん中かどちらかのツラであるはずである。

私はそこだけぽっかりとブロックを設置していない井戸の上部から隣の家をのぞいていた。

 

 

鬱蒼と茂る手入れはされていない立木の奥の家は、もはや生活の匂いもなく、ひびの入った薄そうなガラスの向こうには

りんりんと鳴る黒い電話が置かれていた。

それはそうである。

一年前から草刈りでこちら側の敷地で何度も作業をしていたが、一度も人は見掛けた事もなく、外の郵便受けも

雨露でしおれたチラシが溢れかえらんばかりなのである。

解体工事が始まり、ようやく隣の家をじっくりとこちら側から見える今となっても、その状況には何の変わりもなかった。

 

 

「 しかし、どえらい古いなぁ・・・・ 」

むしろ感心して見ていたその時である。

 

 

ガラガラガラ

 

 

なんと!驚いたことに、その家から人が出て来たのである!!!!!

あまりの衝撃に、内臓が口から飛び出しそうになった事は言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                                   続く・・・・・・

 

 

 

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