社長日記

日々の出来事や、感じることなど、思いつくままに・・

新連載 「 責務 」 第二十二話

2016-10-28 14:43:41 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いて有難うございます

 

寒くなりましたね~

 

今年は12月に一生に一回の経験になるかもしれない予定が入りそうなので

と~っても楽しみにしています♪

 

なにかって?

 

それはお楽しみ

 

となると「 なんやねん 」となる

 

ヒント

 

 

「 打ち上げ 」

 

 

もうわかりましたよね~

 

 

 

「 責務 」 第二十二話 ~  最終話  ~

 

 

 

 

どうやら梅田氏は私の提案を受け入れ、永代供養に係る費用を、売却益の中から折半で負担する事に同意した

 

数日後・・・・

プルル

 

 

「 クリエイト西本です 」

 

「 東京の目黒です。この間の件で高野寺の住職さんと連絡が取れまして、費用の方も確認が取れました 」

 

聞けばその費用は中々の物であった

 

「 そうですか。では、私はその作業が終わるのを待って解体工事を進めますので、日程が決まれば教えてください 」

 

目黒「 ・・・・そこで、一つお願いがあるのですが・・・ 」

 

 

 

 

 

 

 

イヤやて

 

 

 

 

 

「 ・・・なんでしょう・・・・ 」

 

目黒「 実は色々考えたのですが、魂抜きと永代供養の日には、私は立ち会わない事にしようと思いまして 」

 

「え・・・ 」

 

目黒「 そこで、西本さんから住職に電話を入れて頂いて日程を打ち合わせて頂きたいんです 」

 

「 ・・・・それは構いませんが・・・立ち会われないんですか? 」

 

目黒「 はい・・・もうご位牌もそのまま住職に持ち帰って頂いてお寺で供養してもらいますので 」

 

「 ・・そうですか・・・わかりました・・・ 」

 

 

東京からわざわざ来るのはさぞや大変であろう

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、私には理解できない

 

 

 

 

私は言われたまま住職に電話を入れてみる事にした

 

 

プルルル

 

「 空海です 」

 

「クリエイトの西本と申します。以前に梅田さんの仏壇の件で電話を入れた者なのですが・・・」

 

空海「 あ~、はい、あの後目黒さんから電話が入りまして、依頼は承諾しました」

 

 

 

前回とは異なり、非常にスムーズに話は進み、住職が古家まで来る日の日程が決まった

 

 

 

そして当日

 

 

 

約束の時間の10分前には現場についた私は鍵を開け始め、中の窓を全て開け放ち始めた

昭和の香りの残るこの物件には縁側があり、南側の縁側の雨戸をあけると、何故か子供の頃のなつかしい感じがよみがえった

 

縁側からのぞいてみると、今まさにヘルメットを脱ごうとする袈裟衣の男性が

原付の前に立っているのが視界に飛び込んできた

 

 

 

 

坊さんと原チャリ

 

 

 

ミスマッチゆえに何故か印象が強く、よく目にする気がするのは私だけであろうか

 

 

縁側から顔を出した私と目が合ったお坊さんは、こちらにあまり感情の宿らない表情をむけた様に見えた

 

 

 

どうも

 

 

高野寺の住職の第一声であった

 

 

西本です

 

 

愛想のない挨拶を交わし、住職はスス・・と茶席を思わせる振る舞いで仏壇の間に進み、何やらふろしきを広げ始める

家の鍵を預かる私は当然これから行われる儀式に立ち会う事となり、まっぴる間にそう音量が大きくない読経が響くという

TV等の映像で見れば、やや薄気味悪くも感じる場にとどまる事になった

 

 

仏壇の前に座る住職は、おもむろに閉じた仏壇の扉を開け始める

 

 

 

仏壇は物である

 

間違いなく意思を持たない物質である

 

 

 

住職の後ろから仏壇がゆっくりと開いていくのを見ていた私は、なぜか改めて、そう自分に言い聞かせるほどに

圧 を感じさせられた

 

 

ほどなくして、仏壇の前で読経を始める住職

 

その後ろに座る私

 

 

ちなみに私は親族ではない

 

 

8畳の和室に二人だけが佇んだまま、読経は進んでいった

 

 

 

 

 

 

住職「  では、私はこれで失礼します 」

 

丁寧に布でくるまれたご位牌を持つ住職はそう言った

 

 

そしてシートが上に開いた原チャリに全てを収めた住職は、姿勢の良い状態で原チャリを操り帰って行った

 

 

 

 

すべての作業を終えた家の中に私は再び立ち戻り、全ての窓を閉めた

 

 

 

 

これで数日後には予定されている解体工事が当然の様に始まっていく事となる

 

 

小さなため息をついた私は、一段落ついた安心感からか、少し体が軽く感じたような気がした

 

最後に玄関のドアを閉め、私は車を停めている駐車場へ向けて歩き始める

 

 

 

10m程家から離れた時

 

 

 

 

 

 

ふと何かに呼び止められたような気がして私は振り返った

 

 

 

 

 

目をやったその先には

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やはり全ての雨戸が閉じられた家しかなかった

 

 

 

 

 

 

家は意思を持たない物質である

 

 

 

 

 

全ての役目を終え、解体工事を待つだけになった家を振り返りつつ、なぜかもう一度、自分にそう言い聞かせた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           責務   ~ 完 ~

 

 

 

 

 

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新連載 「 責務 」 第二十一話

2016-10-20 10:20:21 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いて有難うございます

 

もはや十月後半

 

えらい早い

 

あと3か月もしないうちに新年

 

そんな時期です

 

残る後半戦

 

フルスロットルで頑張りたいと思います

 

「 責務 」 第二十一話 ~  王手  ~

 

 

ネットで調べてみると、永代供養というのをしてもらうと数十万円はかかるらしい

 

私は、流れの中で急浮上してきたとは言え、その家の仏壇の歴史を終えるキッカケになってしまう

事に心を砕く事だけで、その費用については実の所注目していなかった

 

 

 

 

 

 

 

マヌケである

 

 

 

 

 

 

魂抜きをして、ご位牌を相続人のどちらかの家に移すというゴールに期待をしていたからかもしれないが

やはり、この選択肢についても下調べをしておくべきだったと思う

 

 

今回の件では、不動産を売却するとは言え、解体費用なんかを差し引くと、両相続人の手元には、そう満足を得られるような金額は

残らないであろう事は想像できる

そんな中で、更に数十万円の費用がかかる永代供養費、仏壇の歴史を終える事、この二つの問題はそう軽くはない

実子である目黒さんにとっては心痛も伴ったであろう

単に金銭の問題だけではなかったはずである

 

しかしではあるが、だからこそ、これは親族間で解決してもらい、菩提寺である高野寺にも直接依頼をしてもらわなければならない

 

 

 

先日の電話で、私は目黒さんに伝えた

 

「 目黒さん、永代供養をするという事であれば、それはご親族からの依頼でなければ、住職さんも話すら聞いてくれません。

梅田さんとのやりとりについては、私が口をはさむ事ではありませんが、血のつながっていない梅田さんにそれを委ねるよりも

実子である目黒さんが決断する事の方が良いのではないでしょうか? 」

 

目黒「 とてもご先祖様に申し訳ない事なので、どうしても私の口からは言えなかったのですけど、もう仕方ありませんね・・・

先方(梅田さん)は私からの連絡には出ないし、費用についてはどうすべきか西本さんアドバイスして頂けますか? 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アドバイスして頂けますか?

 

 

 

という目黒さんの一言の意味は既にわかっている

 

 

梅田家、目黒さんで折半するという形に話をつけてほしいという事である

もっと言えば、目黒さんの心中では家名を継いでいる梅田さんの方で、それを負担すべきだという考えもあったであろう

私の目から客観的に見ても、やはりそれは梅田家で采配をふるい、永代供養をして仏壇の歴史を終わらせるという

心的な労苦を伴う判断も梅田家が負担すべきではないかと思わないでもない

 

 

 

 

 

だが、もはやそれはかなわない

 

 

 

 

 

 

「目黒さん、淀川弁護士を通じてその話は私の方で決着をつける事が出来る様に動きます。

ですので、高野寺には必ず連絡をいれてください。費用についても、お寺との関係や付き合いの程度が

関係するようですので、住職には目黒さんの方から確認をし、話し合ってください。 」

 

 

目黒「 わかりました・・・今日明日中に必ず連絡をいれます・・・・ 」

 

 

 

そして今日、私は淀川弁護士にこの件で電話をいれた

 

 

「 淀川先生、仏壇の件については、目黒さんの方が永代供養をするという選択をしました 」

 

淀川先生「 あ~そうですか。まぁそれしかないでしょうね~ 」

 

 

この軽いタッチは弁護士独特の物なのか、あえて感情をもつべきでないという振る舞いなのかは定かではない

ただ、不快感を感じる事だけは事実である

 

 

 

「 はい、で、今日お電話しましたのは、その費用についてですが・・・私が調べた範囲では数十万円はかかると思います 」

 

淀川弁護士「 え~そんなかかるんですか~ 」

 

「 はい、目黒さんはこの費用は梅田さんの方で負担もし、菩提寺への依頼も家名を継いでいる梅田さんの方から

入れてほしいと、ずっと考えていたようなのですが、依頼に関してはもう私がやりますとおっしゃっています。

で、費用の件なのですが、これは淀川先生の方から梅田さんに電話を入れて頂いて、売却金額からその費用を

支払い、残った分について協議を行うという事に同意して貰える様に話していただけますか? 」

 

 

淀川弁護士「 なるほど・・・・・あえて持ち出すとなれば、どちらの家が払うかという問題にもなるし、そういう形にした方が

両者もうんと言いやすいでしょうね。わかりました。私もその方が良いと思うので、連絡を入れます 」

 

 

「宜しくお願いします。これで片付かなければ、恐らくこの不動産売却は現時点では不可能だと思いますので 」

 

 

 

 

 

 

将棋でいえば王手であった

 

 

 

 

私はこれで打てる手は全て打った様に感じていた

 

 

 

 

 

その日の夕方

 

 

 

 

 

 

梅田氏は提案に同意した、という連絡がはいった

 

 

 

 

 

 

                           続く・・・・・

 

 

 

 

 

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新連載 「 責務 」 第二十話

2016-10-13 09:54:48 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いて有難うございます

 

めっきり秋ですね~

 

最近ですね、私よく行くんですが、加太エリアに干物屋さんがあるんですね

 

そこはよく見てないと通り過ぎちゃうんですけど・・・・

 

なんかすごく安いし、美味しいんですよね~

 

まぁさんまなんかの季節物って感じのモノはあまり置いていなくて

 

地場でとれた魚を干物にしている感じです

 

僕のお気に入りはイカの一夜干しと、小さめのタイの干物なんですけど

 

これ、スーパーで買うのとは味が比較になりません

 

あまり買い物に行かないので詳しくはないですが、決して高くもありません

 

意外に知らない人多いみたいです^^

 

 

 

 

 

「 責務 」 第十九話 ~  真意  ~

 

 

「 空海です 」

 

前日に続き、19:00

 

私は今日こそはスムーズに進展が見られる事を願いつつ、目黒さんの実家の菩提寺の高野寺に電話をかけた

昨日と違い、電話に出た相手は間違いなく住職と見受けられる

 

 

「 夜分恐れ入ります。昨日そちらへお電話をさせて頂きましたクリエイトの西本と申します 」

 

目黒さん ×→ 高野寺

 

私 ▲ → 高野寺の住職の奥さん

 

高野寺の住職の奥さん △→ 住職

 

今までの流れはこうである

 

そして今日は

 

 

私 〇 → 住職

 

 

こうなるはずである

いや、こうならなければいけない

 

住職「 はぁ、なんかお電話頂いていたみたいですね・・・・ 」

 

どうやら耳にはしているが、趣旨が伝わっていないか、趣旨に対する不信感が声のトーンから伝わってくる

 

しかし、ここでひるんでは何をしているか分からない

 

「 はい、奥様にもお伝えしたのですが、私はそちらの檀家の梅田家の不動産の処理を担当していまして、

その処理の中で実は仏壇のある家が建っている土地を売却する事になりました。 」

 

住職「 はぁそうですか 」

 

「 ええ、で、家の方は解体しますので、中にある仏壇の魂を抜くという作業と永代供養を頂くようにそちらへ

連絡してほしいと、梅田家の娘さんの目黒さんから依頼を受けましてお電話を入れた次第です 」

 

 

 

 

 

 

 

 

完璧な説明だ!

 

 

 

 

私は緊張を紛らわす為に、火のついたメビウスを片手に電話していた

むろん、吸わない

 

 

住職「 あのね、あなたね、そんな事を他人が依頼するのはおかしいと思いませんか? 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思います

 

 

 

 

 

 

 

 

 

住職 「 今のお話を聞きましてね、私はあなたが一概に嘘を言っているとは思いませんがね、その話を聞いて

うちが、分かりました、では梅田家の仏壇の魂抜きをして永代供養しますよ、と言えると思いますか? 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

期待はしてますが

 

 

 

 

 

 

 

思いません

 

 

 

 

 

 

 

100点の回答ですな^^

 

 

 

 

「 おっやる通りです。私としても住職さんのご意見と同じ考えです。一つ聞きますが、目黒さんから電話は入っていませんか? 」

 

 

住職「 聞いてませんよ 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐろ~

 

 

 

 

「 そうですか。私は内容は目黒さんより伝えた上で、依頼をかけるという作業だけを依頼された者ですので、

何の連絡も入っていないのであれば、住職さんのご見解はまさにその通りですね 」

 

住職「 まぁ、私どもの役割というのは、西本さんのおっしゃる内容の事を行う事もありますが、せめて親族の、

もっと言えば仏壇の守りをされている人という事をこちらが把握している人からの依頼でないと、動くことはできませんよ 」

 

「 おっしゃる通りだと思います。一度私の方から目黒さんからそちらへ電話を入れてもらう様に連絡します 」

 

住職「 そうしてください。それがないとうちは何もできませんから 」

 

「 了解しました。一つ聞きたいのですが、魂抜きは費用はいくらくらい要りますか? 」

 

住職「 物を売るわけではなくお布施という性質の物ですので、明確な金額はありませんが、一般的には

一万円位のお布施をして頂ける方が多いですね 」

 

「 なるほど、それも目黒さんに伝えておきます 」

 

そういい残し、電話をきった

 

 

 

 

恐らくではあるが、事前の動きとしては、私が動く範囲に限定すればこの電話の内容を目黒さんに伝えた時点

でミッションコンプリートであろう

 

 

 

出来る事はやった

 

 

しかし、目黒さん

 

 

なぜ連絡をいれない?

 

 

 

私は無慈悲な罵倒を受けた事に対する憤りを感じつつも、この役目を終える為にすぐに目黒さんに電話を入れた

 

プルルルル

 

 

「 目黒です 」

 

「和歌山のクリエイトです 」

 

「 あ~どうもお世話になります。高野寺に連絡は入れてくれました?あれから私も気になっていて・・・ 」

 

 

このブログを読んでいる方には違和感のある反応であろう

約束違反とも言える、重要な連絡を事前に菩提寺にいれていない目黒さんは、何事も無かったかのように、

しかも、しれっと気になっていたとまで言う

しかし、これは、私の様な仲介の役目を担う人間としては、意外によくあることなのだ

 

 

 

 

人はずるい

 

 

 

いつしかこういう印象を人に持ち

いつしか傷を負わない様に事前に身をかわし

相手の気持ちに感化されて善意で動こうとする気持ちまで利用される事もあり

 

 

 

 

 

 

人が嫌いになる

 

 

 

十数年この仕事を続けてきて私が何度か陥った感情である

 

 

「 目黒さん、住職に概要は伝えました。ですが、先方は親族の代表ともいえる方からの依頼でない限り

何もできないし、交渉したりする次元のお話ではないという趣旨の回答です 」

 

目黒「 そりゃそうですよね 」

 

 

 

 

 

 

 

まてぇぇぇい

 

 

 

「 わかっていましたよね? 」

 

目黒「 はい、ですがどうしても直接お寺に聞きづらい事がありまして、間に西本さんが入って頂きたかったんです 」

 

 

実は私は住職とのやり取りの中で、住職に対して一つ質問をした時に、ふと目黒さんが先に連絡をいれなかった理由が分かったような気がしていた

そしてその理由に対する答えを出すためには、私はあと一つ、住職に問いただしておく事が一つあった

 

 

 

 

恐らくここであろう

 

 

相続人である目黒さんと梅田さん

 

この関係の中で、誰もこの行動を起こさなかった理由もようやくわかった気がした

要はその事自体の全容を示し、目黒さんからは梅田さんに対して言いにくいであろうこの問題の

解決までを、弁護士を通じて梅田さんに伝えるなど全ての事を私にやってほしいという事であったのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

永代供養の費用

 

 

 

 

流れの中でこの問題が浮上したとは言え、私はこの点を見過ごしていたのだ!

 

 

 

 

 

                        続く・・・・・

 

 

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新連載 「 責務 」 第十九話

2016-10-07 12:39:20 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いて有難うございます

 

去年から今年にかけて、不動産市場と顧客の性質は明らかに変貌を遂げた様に感じます

これって、多分「 転換期 」

 

 

断っておきますけど、私見ですよ?

 

都市部に比べて、比較的土地の単価も高くなく、といった所が和歌山市の様な街の一つの特徴と言えると思うのですが

都市部では、現代人は

 

車はいらない

 

一戸建てはいらない

 

賃貸で十分

 

 

まぁ総体的な感じの私の個人的な評価なんですけど、世論を見てればこんな感じ

 

「 しかし田舎は違う 」

 

    が

 

 

「 田舎もそう 」

 

こうなりつつある様な気がしてならない

過去の段階ではビジネスをする隙間がまだあった事が、まさに田舎の不動産屋さんの市場と言えるのですが

今は緩やかではあるが変貌を遂げてきて、ついに変わろうとしている

そんな気がします

 

これって政府が言うように、2013年9月を起点に、前年前月比で景気が上がり続けているという評価が

 

事実ではないから?

数値を上げる為に行ったハリボテの一時施策の結果だから?

 

多分違う

恐らくではあるが、これは親世代がこれまでの様に、結婚した子供達が、土地や家を買うタイミングでお金を出してくれる層では

無くなって来たからではないかと思う

それ自体がとても先進国の要素として大事な要素ではあるが、平均寿命が延びた事と、まだまだ生活をし続けていかなくては

ならない世代が親世代となってきている事

加えて、昔からあった慣習のはずなのに、今や当然の様に多額の費用がかかるとなった介護の事情など

 

 

中々自分たちの資金繰りを後に回してまで、安心して暮らしていける日本ではなくなって来ている事が原因ではないかと思う

つまり親世代の変化が今まさに市場を変化させてきている様に思います

 

まぁこういうのって、単に経済だけではなく、このブログの連載の話ではないですが

 

慣習の変化

生活スタイルの変化

 

こんな事も少なからずの因果関係を持って、日本とその経済は変わって来ている様に感じる今日この頃です

となると、提供側は、自力で必要世代が手に入れる事の出来る水準の不動産商品を提供していく必要があるのでしょう

 

 

 

「 責務 」 第十九話 ~   ファウルチップ ~

 

 

 

どうやら遂に私が目黒さんの生家の菩提寺に電話をかける時間が来た

たかが電話をする程度の事でこんなに緊張するのは、学生時代に、今からつきあってくれと好意を持つ女子の家に電話を掛けた時

以来かもしれない

 

 

非常に重苦しい気分ではあったが、もう仕方ない

目黒さんからの既に入っている電話で、あらかたの説明がついており、私は事務的にこれを行っている人間だと

認識されている事を願い、目黒さんから教わった電話番号に電話をかけてみた

 

プルルルル

 

 

プルルルル

 

 

 

 

前にも書いたが、清水の舞台から飛び降りるつもりで、決心の末に電話をかけた時は

 

 

 

 

 

 

 

たいてい相手は電話にでない

 

 

 

そしてこの緊張を再び味わう

 

 

 

ふぅ・・・・

 

 

歯がゆくもあるが少しホッとした感もぬぐえない

 

私は一旦他の作業に戻る事にした

しかしながら、やはりその事が気になり続け、結果的に見れば苦しむ時間が長引いたにすぎなかった

 

 

19:00を私は目途にしていた

 

 

19:05

 

 

5分間の葛藤を過ぎ、再び私は電話をかけた

 

 

プルルル

 

 

「 はい、空海です 」

 

和歌山市で一般的とされる宗派ではないお寺でもあるだけに、まぁ関係ないと言えば関係ないのだが

私はすこし身構える気持ちで電話をしたのだが、意外にも先方は姓を名乗って電話に出た

 

 

 

そりゃそうだ

 

 

京都や奈良の観光客が来るほどの大寺でもない限りは、普通はそうであろう

寺の名前ででる方がむしろレアなのかもしれない

もし、興味がある方がいれば、一度ご近所のお寺に電話をかけてみて頂きたい

 

 

 

「 あ、夜分に失礼いたします。私、宅建業者のクリエイトの西本と申します 」

 

空海「 はぁ? 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でた

 

 

 

 

 

まるで的を得ていない事はこの第一声でわかる

だが、電話に出たのは女性であり、ご住職ではない様に思えた事が、何とか私に二の句を継ぎさせた

 

 

 

 

「 あ、あのぅ・・・東京の目黒さんからの依頼でお電話を差し上げているのですが・・・ 」

 

空海「 東京の目黒さん・・・・はぁ?誰ですかそれ? 」

 

 

 

 

 

 

この瞬間、もし健康診断中であれば、私は即病院行きと判断されたであろう

 

 

 

 

動機がはんぱない

 

 

なぜなら、何らの情報ももっていない相手に、これから私の話す内容は、前回申し上げた通り

悪質ないたずらと取られても何らの不思議もない内容であったからである

 

 

 

 

目黒さん

 

 

 

 

やってくれましたね・・・・

 

 

 

後悔先に立たず

いや、弘法も筆の誤りと言うべきか

 

 

 

後者は違う・・・

 

 

いや、そんなことはどうでもいい!

 

 

「 実は、先に連絡をそちらへ入れておきますと聞いていたので、今私が電話をしているのですが

実はそちらの檀家であられる梅田家のご親族から依頼をうけておりまして 」

 

空海「 はぁ?何の話ですか?あなた一体誰ですか? 」

 

 

 

 

 

アウェイ感がはんぱない

 

 

「 あ、先ほども申しましたが、私は宅建業者のクリエイトの西本と申しまして、そちらの檀家さんの梅田さんの仏壇の件で

電話を入れておる次第です 」

 

空海「 ・・・・・・なんかよくわかりませんけど、で、何の御用件ですか? 」

 

「 実は、梅田さんの長女さんで、今はお嫁に行かれて目黒さんとなっている方から、真田寺さんに依頼をしてくれと

言われているのですが・・・ 」

 

空海「 はい・・・一体何の依頼ですか? 」

 

 

本来であれば、もう少し前置きのし様もあるのであるが、矢継ぎ早に相手から聞かれたら

テンポよく回答しない事には、この様なやり取りの時は成立しない事が多い

かなりの防御線を張ってから切り出したいと思っていた本丸に、私はほぼ丸裸で突入する事になってしまった

 

 

「 はい、仏壇の魂を抜いて頂いて、永代供養をして頂きたい旨を依頼してくれと言われまして 」

 

 

空海 「 ・・・はぁ 」

 

 

 

素っ頓狂ではあるが、想像にあまりある攻撃力を持つ切り返しである

 

 

「 私の方からも再三、それはご当人でとお願いしたのですが、話すと長い事情がございまして、連絡

だけは私の方からして欲しいと言われて電話をしております 」

 

 

空海「 まぁ、よく分かりませんけどね、住職は今出かけているので、帰ってきたら一応いっときます 」

 

 

「 お手数をおかけします。では、明日またお電話を致します 」

 

 

電話の主は奥さんであった

できればもう話したくない

 

 

 

 

 

 

やられた

 

 

 

私はメビウスを取り出し、すぐさま火を付けた

 

 

 

電話しとくって言ったやないか!

 

 

丸一日以上も空いている上に、この時間に真田寺に電話をかけると伝えていた以上

単なるタイミングの行き違いとは考えにくかった

しかし、電話をかけるっていったじゃないですか!と目黒さんに対して抗議の電話をする事に生産性はない

 

 

 

すでに舵はきったのだ!

 

 

結果的に見れば、ワンクッションと考えればよい

なんか変な電話かかってきたよ・・・と今晩は空海家で盛り上がる事であろう

 

 

 

私はこの電話を踏まえ、次に話すであろう住職への説明の仕方について考え始めた

 

 

希望的観測ではあるが、恐らく目黒さんは昼間に何度も真田寺に電話をかけたが留守だったのであろう

まずは私が小石を投げた事による波紋を、明日私が電話するまでの間に、目黒さんが電話をかけて

鎮めてくれるのであろう・・・

 

 

 

そんな事を考えながら、私は事務所をでた

 

 

 

 

 

そして次の日の同19:00

 

昨日よりは幾分ましな心持で私は再び真田寺へ電話をかけた

 

 

 

プルルルル・・・・・ガチャッ

 

 

 

「 空海です 」

 

野太い声の主は、どうやら住職だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                            続く・・・

 

 

 

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新連載 「 責務 」 第十八話

2016-10-04 09:27:01 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いて有難うございます

 

今の国会中継って、中々面白いですね

いや、中身については、具体的な今の日本に関する問題をきっちり討論しろよ!という

気持ちは強いんですよ?

 

でも、それ以上に、まあこんな事で面白がっていてはダメダメなんですけど

アホな会話やっとるな~って思うんですよ

 

芸人みたいに笑いをどっかで取ろうとする質問者

一方軽くかわす事を賞賛するかのような拍手

 

内容がですね、過去の発言に対して今の行動はどうなのか?とか

何年も前の週刊誌のインタビューでの発言はどうなのか?とか

 

 

 

 

野党の質問が超くだらねえ 笑

 

 

もっともっと北に対する防衛の隙間はないのか?とか

経済施策の進捗はどうなのか?とか

 

まあ、同じレベルでも困りますが、センセ方はあまりに現代社会で実際にさらされる風を理解していない様に思うんですよね

 

 

 

 

爆笑国会

 

 

あまり興味がない私に関心を向けさせた事は一つの功と言えるのでしょう 笑

 

 

 

 

「 責務 」 第十七話 ~ 変化   ~

 

 

 

「 東京の目黒です、この間から色々お騒がせしてすみません 」

 

いつまでやっても仕方ない

私としては、この問題に対するこちらからの投げかけは最後にするつもりでいた

プロセスの選択肢は幾つかあるとしても、結果としては一つなのだから

 

 

 

仏壇を処理しなければ、解体工事はできないのだ!

 

 

「 いえ、で、どうです?仏壇の件、目黒さんのご意見は固まりましたか? 」

 

目黒「 ええ、もうここまで来れば、梅田さんの方は何があっても何もしないでしょうし、私の方が折れなければ

この話はここまでですね。西本さんにもとても迷惑をかけてしまいますし・・・・ 」

 

 

どうやら事態は収まりつつあった

 

「 そうですね、やはり血のつながった方でないと、これは処理できないでしょう。では、仏壇は魂を抜いて

ご位牌を移されますか? 」

 

 

目黒「 それしか方法はないですね。しかし、ご位牌はやはりうちでは預かれませんの。こちらにはこちらの仏壇が

ありますし、私は他家に嫁いだ身ですので・・・・ 」

 

「 つまり、永代供養をされるという事ですか? 」

 

 

 

 

かねてより、私の頭の中には存在したこの言葉を遂に私は口にした

現状を見る限り、他に方法はなかったのであった

しかし、それは私の口からは提案する事は決してできなかった

 

 

少し話はそれるが

 

不動産仲介業に於いて、こういう当事者の感情やこれまでの人生、又は家系に関わるセンシティブな個別要件と

いうのは時折出現する

不動産売買の契約をスムーズに進める為の、手順の知識や法解釈がある事ををスキルでありそれがあると自認する同業者はままあるが

私の感覚はそうではない

当然、それらは必要な要素ではあるのだが、人の感情や物事の道義、背中を押されなければ立場上イエスと言えない事への

無難な後押し等、それが信頼に足る人物なのか等、実は仲介業者の人物そのものも大いにスキルの要素としてカウントできると思う

 

 

 

 

宅建士とはそれ程重い役割を担うのである

 

そういう意味では、我々はお客の前でだけ誠実で心の優しい人間を気取っても、良い仕事なんてのはできはしないのだ

 

 

 

 

 

 

 

自分で言ってて耳が痛い!

 

 

 

 

話を戻す

 

 

目黒「 はい、もうそうするしかありません。」

 

「 そうですか。それが済めば解体工事にかかる事が出来ます 」

 

 

一件落着

 

 

そう見えた

 

 

目黒「 実はそれで、西本さんに一つお願いがあるのですが・・・・・ 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

断る!

 

 

 

 

 

 

最後まで聞いてはいないが、体が先に反応しそうになる

 

 

目黒「 菩提寺の電話番号をお伝えしますので、そこに電話をかけて、永大供養の依頼をしてもらえませんか ? 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だからなんでやねん!

 

 

 

 

 

 

なぜ、この事に関してだけは、みな私に依頼するのだろうか

そんな大それた事を第三者の私ができるわけがないのだ

仮にだ

仮にしても、私が電話をして依頼したとして、一方の依頼を聞く寺の住職が引き受けるわけがないのだ

もし、私が住職であれば、間違いなく、悪質ないたずら電話として処理をするに違いない

 

 

 

 

「 本気でおっしゃっていますか? 」

 

 

目黒「 どう考えても私からは依頼できないんです ・・・・ 」

 

 

もはや目黒さんの心境は私には理解できない

理解できないほどの葛藤か、私の知らない経緯、もしくは事情があるに違いなかった

 

 

「 ・・・・・しかし・・・住職さんも絶対驚きますよ・・・・ 」

 

目黒「 私の方からも電話を入れておきますので・・・ 」

 

 

(その時依頼すればいいんじゃ・・・・・)

 

 

目黒「 但し依頼は西本さんにしてほしいんです・・・ 」

 

 

電話の向こうではすすり泣く声が漏れ聞こえてきた

 

 

 

もう仕方ない

 

 

「 わかりました。では明日の午後に電話をいれますので、それまでに必ず私から電話がある旨を伝えておいてください 」

 

 

目黒 「 わかりました・・・・涙 ・・・・ 」

 

 

なんという世知辛い世の中であろう・・・・

日本と言う国はここまで来たのかという感がぬぐえなかった

私はあくまで私の周辺環境から思う事、感じる事がベースにあるので、目黒さんを非難する気は毛頭ない

事情が違えば立場も違い、考え方が大きく変わる

しかし、今回の件はどうも気が乗らない

 

 

私は電話を置き、話の流れを整理してみた

 

何度考え直しても、住職さんにしてみれば電話をかけてくる私の事は胡散臭いと思うだろ・・としか思えなかった

 

 

時代は明らかに変わりつつある

 

 

いつもとは何かが違う、ほろ苦い煙の味をかみしめつつ、私はパソコンの電源をいれ

キーボードの上に置かれたMEVIUSと書かれたブルーの箱をそっと横に置いた

 

 

 

 

 

 

                                 続く・・・

 

 

 

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