社長日記

日々の出来事や、感じることなど、思いつくままに・・

世襲 第二部 「偽善」 第二話 および 年末のご挨拶

2013-12-26 10:37:49 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いて有難うございます。

今回を持ちまして、本年度のブログ更新は最終とさせていただきます

一年間、お付き合いを頂きまして有難うございました。

不動産に無関係の方からは、少し内容が分かりにくいという貴重なご意見も頂戴しておりますが

今のところ、流れがありますので、同業者様向けになってしまうかもしれませんが、このまま

続けていきたいと思います。

コメントでもご意見を又お待ちしておりますので、宜しくお願い申し上げます。

 

さて、クリエイトは、12月28日より1月4日までお休みを頂きます。

又、新年新たに再出発をしたいと思いますので、宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

         世襲 第二部 「 偽善 」

 

             第二話

 

 

約束をすっぽかされた数日間、先方からは全く連絡が無かった。

又、私としても、現実問題としてあり得ないであろう隣地の主人からの申し出に対し

一応話を伺いに行きましょう・・というスタンスであった為、あえて連絡はしなかった。

 

もういいのかな?

 

そんな風に考え始めていた矢先、ふいに私の携帯がなった。

 

♪♪♪~♪♪~   「 はい、クリエイト西本です。」

 

「 あ~この間はすみません、ちょっと同席する人の都合が今日まで確認取れなかったもので・・・」

 

電話の相手は約束をすっぽかした隣地の主人であった。

ちなみに、上記の発言内容の中に、約束を無断ですっぽかして、直後にフォローもしない事に対する

説明らしきものはない。

まさに、当人の都合のみである。

声のトーンもまるっきり悪びれてはおらず、当然という調子であった事はいうまでもない。

 

 

一瞬、そうとは気づいていないであろう、先方の失礼な態度に対するクレームを言ってやろうかとも

考えたが、これから面会する相手にわざわざ電話で喧嘩をふっかける必要もない。

そこはぐっとこらえて相手の話の続きを待った。

 

隣地の主人 「 それでですね。ちょっと擁壁問題に詳しい人が来てくれるんで、明日の○時に来てくれませんか?」

 

私「 いいですよ、では伺います。 」

 

余計な事は言わず、返答だけを返した。

 

 

翌日、次にすっぽかした場合は、二度と電話を取らない心づもりで、隣地の主人の事務所を訪ねた。

長年、隣の物件の管理を続けてきたA氏も念の為、同伴しての事である。

 

「 あ~こんにちは~ どうも御足労いただきまして^^ 」と怪しげな笑みを浮かべる隣地の主人は

なぜか機嫌が良さそうであったが、私とA氏は意に介さず、 「では問題の擁壁を見てみましょう」

と壁に近づいて行った。

 

この時の隣地の主人は、社長然とした立派なスーツを着こなし、悪意のかけらも見せない善良そうな

物腰である。

 

 

隣地側から、問題の壁を見上げた私は境界と思われるポイントを探し、端から端まで見て回る

つもりだったのだが、結論から言えばその必要はなかった。

なぜなら、壁の基礎がある地点は、明らかに 越境 していたからだ!

どう見ても、壁の隣地側のツラを「 ここが境界ですよ 」とは言えない。

私は冷や汗が流れるのを感じた・・・・

 

 

 

A氏は分かっているのか分かっていないのか、「 あ~超えてますね 」と口調は軽い。

その事が分かった時、ふいに後ろに人の気配を感じた。

振り向いた私の眼には、同業者もしくは建築関係者と感じられる男性の姿が入ってきた。

 

しかし、十年以上この業界にいる私ですらも、お会いした事は無く、見かけた事はない人である為

軽く頭を下げた程度の挨拶を交わし、隣地の主人に誘われるままに、とりあえず事務所の中に入ることにした。

 

 

場所が変わり、応接室のソファーに座った私とA氏に、隣地の主人は重厚そうな本棚から二冊のアルバムを

取り出し、私とA氏の前に置いた。

しかしその時、隣地の主人は、私には( 初めまして^^ )と出した名刺を、A氏には出さず、(どうも^^)とだけ

挨拶を交わした。

この事から、A氏と隣地の主人は過去に名刺交換をしている事が推測できた。

同じく、A氏も(あ~その節はどうも^^)と挨拶を返した事からも同じ事が推測できる。

確かにA氏は言っていた・・・・

 

 

「 まこっちゃん、僕半年前に隣地の主人と会って、お隣同士で何の協議事項もなく、問題もなく仲良くやってる

 って聞いてるで 」 と。

 

 

その後、アルバムを見ながら当時の擁壁の工事風景の写真など数点を拝見し、よくも保存していたものだと

感心しながらも、越境の問題についてどこを落とし所にするか、私の頭は別チャンネルでフル回転していた。

ただ、実は、私も返す刀は用意してあった。

その日、隣地の主人と会うまでの期間に、私は問題の壁と類似の壁が立ち並ぶ、崖が多いこのエリアの

擁壁を全て調査して回ってあったのだ。

外からしか見ていなかったが、越境の可能性を捨て切れていなかった私は、ならば何故、隣地の敷地に

数十センチ入り込んだ所に壁があるのか?という問いに対する答えを探し続けていたのである。

 

 

高さの違う土地(しかも3mも)の境界に低い側と高い側のそれぞれ所有者がブロック塀を作る事はあり得ない。

この様な場合は、高い側が擁壁を所有していて、高い側の境界線に壁のツラが来る事がほとんどである。

この事はあくまでも一般的な話であるが、しかし重要なポイントが一つある。

 

それは、土地の高低差が宅地造成を始める時からあるという事だ。

この様な場合は、分譲業者や旧住宅供給公社などは高い側の敷地に壁を収めるように造成工事を行う。

しかし、この一点において、本件の場合は明らかに一般的なケースではないと考えられた。

 

 

なぜなら、隣地を囲んで隣接する他の全ての土地は、同じ高さだったのだ!

つまり、隣地だけが、どんと低い位置にまで、自らの意思で掘り下げたとしか考えられないのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

                                       続く・・・・・

 

 

 

 

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世襲 第二部 「 偽善 」 第一話 

2013-12-18 16:36:27 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いて有難うございます。

十二月も半ば、皆様忘年会や、個人的なお付き合いなどにお忙しい事と存じます。

私はと申しますと、同じくとなりまして、慢性的な寝不足との戦いの日々が続いております。

この時期、体調などを崩しやすいと思いますのでくれぐれもご自愛くださいませ。

 

さて、新連載 「 世襲 」は今回より第二部に入っていきます。

この話の原因はまずは「 崖 」で有る事はお分かり頂けましたでしょうか?

A地とB地に高低差がある為、崖が生まれ、そこにどの様な建造物を作り、その取り扱いに

ついてのAとBの所有者の協議がどうなされたのか?

この辺の辺りを第二部 「 偽善 」では記載していきたいと考えております。

引き続きご愛読頂けましたら幸いです 

 

世襲  第二部  「 偽善 」

 

     第一話

 

蝉の鳴き声がちらほら聞き始めたころ、私の頭はうっすらと、もやがかかった様にすっきりとしなかった。

朝から晩まで引っかかる何かがあり、夜中に目を覚ます日々が続いていた・・・

 

ハウスメーカーのKさんより、隣地の主人から「 擁壁の指摘 」があった知らせを受け、私は全てを

調べなおす日々が続いていた。

しかし、3mの高さが30mも続く壁を、自分の敷地内に無断で造られた上に、当時

その工事が完了するまで知らなかった、という隣地の主人の話はとても信じられない。

自宅があるわけでもない、毎日見に行かない、よそに所有する遊休地であれば有りうる。

しかし、本件の場合は毎日寝起きする自宅の庭なのである。

私はまだ隣地の所有者には会っておらず、K氏よりの報告のみではあったのだが、隣地の主人と

会う前にその嘘を暴く為の、情報を収集しておきたかった。

 

しかし、Kさんからの再三の催促もあり、隣地のご主人のスケジュールの都合もあり、私の

準備は整わないままで、初めての「 直接対峙 」のタイミングは来た。

私は、その人の顔を見ると怒りがこみ上げてくる事を予想していたが、「 怒った方が負ける 」

事は世の中よくあるという事を思い出し、絶対に感情を表さない覚悟で隣地の主人の事務所を

訪ねた。

怒りを抑えると、妙に緊張がこみ上げる事に気付いた。

しかし、私がインターホンを押さない限り、向こうから何か?とは決して言ってこない。

意を決し、四角の中の小さい丸いボタンを押した・・

 

 

 

 

 

 

約束の日付、約束の時間である。

 

 

 

 

 

しかし、相手は留守であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

既に戦いは始まっていたのだ!

 

 

 

 

応対にでた奥さんとみられる方は、私が今日のこの時間にアポイントを頂いている事を伝えると

特に悪びれもせず、留守である事を私に告げ、何時に戻るとも応えてはくれなかった。

抑えようとする怒りが再びこみ上げる。

 

怒ってはいけない・・・

怒ってはいけない・・・

絶対に怒ってはいけない・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

ふざけんな!

 

 

 

 

車の中に用意してきた書類をぶちまけた!

しかし、伝わってはいるであろう私の訪問に対しての「 すっぽかし 」についてのお詫びどころか

何一つ先方からの連絡はなかった。

繰り返すことにはなるが、隣地の主人は事業人である。

いわゆる「 社長 」だ。

しかも、何十年も続く企業で有り、和歌山でも知る人は多い。

うっかりとはとても考えられなかった。

その後連絡のない事がその事を物語っていると言える。

私はこの事だけで、相手の悪意を読み取った気がしていた。

既に相手は私と戦うつもりであり、擁壁の後退及び新築が最終目的ではあれども、私を倒す事が

その最初の目的で有ると推測できた。

 

 

 

 

 

 

やったろか・・・・・・

 

 

 

 

 

話を聞くまでは、相手と話し合いの上で、隣地にも損とはならない落とし所をみつけて行く

気持ちも無いではなかったが、私はこの時腹をくくった・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

                                 続く・・・・・

 

 

 

 

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世襲 第一部 「 崖 」 第十一話

2013-12-05 16:20:32 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いて有難うございます。

 

フェイスブック、ラインなどSNSと呼ばれるツールを利用する事が増えた昨今、非常に

便利なツールで有ると共に、「 言葉で話す 」という事の正確さが身にしみて感じる

気がします。

又、ラインなどはまだしも一対一のやりとりが出来るのに対して、フェイスブックは

複数の目にさらされる訳ですので、意味の取り違いや訂正しなくちゃならない事など

について、ある種「 パブリックな場 」である事をより認知する必要がある様に感じます。

 

 

      世襲 第一部 「 崖 」  

 

                

              第十一話

 

 

ついに○○町の不動産物件は、その九割をXさん、残る一割をZさんにそれぞれ引き渡す事ができた。

これは、決済が終了した事を意味し、不動産屋の仕事としてはひとまず完了したと言える。

 

私は、契約に至るまでの長いやり取りからくる心労がたまってはいたが、共に取り組んだA氏と

感慨深くその土地を眺めていた。

お互いをねぎらい、とても長い上り道を共に進んできた事による達成感を二人で噛み締めていた。

 

 

決済がすんだ数日後、私は休日で有る事もあり、友人と、とあるゴルフ練習場でアプローチの練習に

いそしんでいた。

 

その時である。

 

プルルルルル

 

私「 はい、西本です。あの件、無事に済みまして良かったです。 Kさんも安堵されたんじゃないですか? 」

 

電話の相手は、九割を購入頂いたお客様の新居を、購入頂いた土地の上にこれから建築を行う会社の

担当者だった。

名前を聞けば誰でも知る大手メーカーの和歌山担当者である。

 

Kさん 「 あ、西本さん、そうですね。一安心ですよね。と言いたい所なんですがちょっと問題が発生しまして・・」

 

不動産取引を行い、後に建築を行う会社から土地の事についての質問や処理してほしい事等のリクエストを

決済後に依頼される事は頻繁にある。

しかし、そのほとんどは、土地の契約を行う際にほとんどを調べつくしている私ども不動産業者の知る範囲内で

あり、解決できない問題等は過去にない。

この電話を受けた時も、私はアプローチ用のSWを片手に、「 あ~どうされましたか^^ 」と余裕があった。

 

 

Kさん 「実はですね。あの土地ですが、隣地より3m程高くてその境界に擁壁(ようへき)がありますよね。

     今日は建築を行った際の地盤とその擁壁の強度について調査に入ったんですわ。

    で、崖下の隣地側から見ないと分からないんで、お隣さんに許可を頂いてお庭に入らせてもらった

    んですよ。まぁ擁壁の強度はこのままで問題ないという結果が出たんですけどね。 」

 

※(ようへき → ブロック等ではなくコンクリートで造った崖を支える壁

※造成工事等では最もお金のかかる部分と認識されている

 

私 「 あ~そうですね、良かったじゃないですか、やり直さなくてもそのまま建築にかかれますね^^ 」

ひとまず、SWを置き、マイルドセブンに火をつけながら私は当然の回答をした。

 

Kさん 「 それはそうなんですけどね。実は調査が終わって、崖上のお客さんの土地で地盤調査を

     している時に、お隣さんが下から降りてきてくれって言うんで、お隣さんの事務所に入ったんですよ。

   そしたらですね、そこのご主人が、この境界の壁はこちら側に越境していて、ある日突然○○さん(売り主)

   の親父さんがうちの敷地内に壁を作ったっていうんですよ・・・・・でこの壁を撤去して全てやり直せって

  言われてしまいまして・・・・・ 」

 

 

 

 

 

 

ぽろっとマイルドセブンが私の口から落ちた・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

ちなみにその擁壁の高さは約3m、奥行き30mはある。

瞬間に計算しただけでも2000万円は新設にかかるであろう事は容易に想像がついた。

しかも、その壁は、お隣の建物すれすれ、しくは一部はお隣の屋根の軒に接触していそうな程の、繊細な位置

にある事は既に確認できている。

これを撤去する事は容易な事ではなく、特殊な技術とかなり繊細な近隣対策を要する事は間違いなかった。

私は、重要事項説明書を作る際の調査手順をKさんの話を聞きながら思い返していた。

 

 

・擁壁は古く、境界位置を指し示す杭やプレートは現場になかったはず。

・また、一般常識的に考えて、自分の土地の中に隣が無断で壁を作る事などはありえないはず。

・しかもその壁は高さ3m、奥行き30mもあり、工事に相当の期間日数がかかる一大建造物である。

・当事者の隣の主人には、正月明けにAさんが挨拶におもむき、売却を考えているが後に問題を

 残さない様に、現在の売り主との間に何も協議事項がなく、問題もない事の確認が済んでいる事を

 A氏から聞いてある。(決済は GWを過ぎた時期である為、半年も前に確認はすんである)

・お隣からは、売り主さんのご家族はとても親切で仲良くさせて頂いていたと聞いてあり、後の問題も

 人間関係的な問題も何もない事を本人の言葉で確認してある。

 

 

売り主はこの不動産を世襲したが、ここにはほとんど住んだ実績もない事から、お隣へのヒアリングを

あえて行ったのだ。

お隣は少なくとも3世代は続くお家で有る事は間違いなく、通算で60年以上はこの土地に居住している

はずである。

もし、無断で壁を作られた等の常識では考えられない一大事があれば、当初から揉めているはずであり

当人同士が理解している事はおろか、わざわざ第三者のこの土地の管理人であるA氏が訪ねた際

その事を真っ先に訴えるはずである。

 

あえてそう呼ばせてもらうが、後にそうと分かる事となる、この悪意のかたまりの隣地のとぼけた老人

所有者が変わるその瞬間を待っていたのだ!!

老人とは言ったが、身なりもきっちりとし、社会的地位もあり、世間的には事業人として知る人は多いと思われる。

当然、思考もしっかりとしており、計算づくでこの時を狙っていた事は疑う余地もなかった。

 

 

私は、全てを整理し、Kさんにひとまず断りを入れ、A氏に電話を入れた。

 

A氏は、「 そんなあほな^^ 自分ちの庭に壁作られて、しかもあんな巨大な壁、工事してんの知らんかったって

      あるわけないわな^^まこっちゃん、ほんでその人と僕話したで。前にも言ったと思うけど、紳士的で

     協力しますよ~って温和な方やで^^なんかの間違いちゃう^^? 」

 

 

私もその言葉を信じたかった。

いや、むしろ疑う方がおかしいのである。

A氏は子供ではない。プロの不動産屋の私とも不動産について対等のやり取りを行い、その職業知識や

先見にも何の問題もなく、むしろとても優れた人物なのである。

しかし、長年不動産取引に関わって来た私は、一抹の不安をぬぐえなかった。

 

※このストーリーは事実に着想を得た、フィクション(ほぼ事実と言えるが全てを書けない為)だが、この部分に関しては

私に加えA氏も共に体験している紛れもない事実である。

 

不動産の様な高額の取引を行う際は、突拍子もないアクシデントは起こりうる。

又、何か一つのキッカケで、態度をひるがえし、金銭を要求する隣地所有者も過去にいた事も事実である。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな時、人はうそをつく

 

 

 

 

 

真実をねじまげ、物事の一点を取り上げ、だからこういう事を言うのだという大義名分を身勝手に造りあげるのである。

私は職業柄、こういう人を何人も見て来たし、結論、その目的は多くが金銭であった事も体験している。

この時も、私の脳裏には過去の苦い経験と、そういった人々が見せる 「 守銭奴顔 」への不快感がこみ上げていた・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

                               続く・・・・・・・・・・

 

 

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世襲 第一部 「 崖 」 第十話

2013-12-03 17:02:14 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いて有難うございます。

とうとう12月になりましたね。

今年も残すところ一月をきったわけです。

最後の追い込み、頑張って参りたいと思います♪♪

 

 

       世襲  第1部  「 崖 」 

 

                    第十話

 

不動産を買うに至るには、大きく分けて三つの行為がある。

 

一つ目は 「  申込み  」 である。

これは買い付け証明書といわれる書面に署名捺印し、買主が売り主に対して購入意思とその条件を

明確に示す行いである。

 

二つ目は 「 売買契約締結 」である。

これは、対象不動産に関する法的説明を受け、契約書にそれぞれ署名捺印する事によって双方の売買契約

の意思を法的に有効にする行為である。

しかし、この段階では代金は全て支払うわけではない。

手付金を支払う事によって、双方の縛り(しばり)が発生し、お互いの心変わりに対するペナルティを設定する

にとどまり、足元が固まった状態となった上で、買主はローン締結へと至るのである。

 

三つ目は 「 決済 」である。

文字通り、残代金を買主が売り主に支払い、その時点で実質上の対象不動産の所有権が売り主より買主に

移転する事となる。

 

A氏と私とで進めてきた○○の不動産の売買行為については、遂に一つ目の段階を迎えた事となる。

油断はならないが、買主の融資に関する不安がなければ、多くの不動産屋さんはここで一安心はできる。

A氏については、まさしく既に決着がついたかの様な雰囲気であった事は言うまでもない。

しかし、私はこれから契約書と重要事項説明書を作成するにあたり、とても大きな不安を抱えていた。

なぜなら、真の売主は関東にお住まいのままで、相続したこの不動産についての深い知識はほとんど

有していないと思えたからである。

そう、この真の所有者は、古くから大きな立派な家柄と不動産を世襲したにすぎないのである。

 

私がその不安をA氏に伝えると、基本的に楽観と希望的な観測が入り混じるA氏らしくこう答えた。

 

「 あ~まこっちゃん、うち、親の代からここの不動産の管理任されて何でも知ってるから心配ないよ^^

 むしろ○○さんより僕の方がよ~しってる位やと思うで^^ 」

 

そう、管理人もその役目を世襲していたのであった。

 

この事がこのブログを書く事となった全ての原因ではない。

根本的な原因としては、およそプロらしからぬ私自身の痛恨のミスがあった事が原因である。

しかし、物事は なんでも 「 点 」 では存在せず、小さな又は大きな点と点のつながりが

形となった 「 線 」 として存在すると私は思う。

 

 

 

これが、あの時のあれが・・・と思いだす原因なのかもしれない。

しかし、その一点は前の一点からのつながりである事は間違いない。

 

 

余談となったが、契約を終え、決済まで紆余曲折はあれどなんとか無事に終えた事は

間違いない。

しかし、全てが終わったと安堵したのもつかの間・・・・・背筋の凍る問題が浮上したのである・・・

 

 

 

 

 

                                          続く・・・・・・

 

 

 

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