英語・ダイエット・その他徒然なるままに

趣味の英語学習(TOEIC 970点)やダイエットの成功談など、色々書いていきます。

またまた細かいですけど (2)

2015年09月20日 22時26分35秒 | 英語
前回の続きです。なぜcondemn A on B という言い方と condemn A for B という言い方があるのか。本当の正解は私も知りませんが、想像できることを述べてみます。

まず後者のforを使う言い方は、受験英語を叩き込まれた我々日本人にとって馴染みのある言い方だと思います。賞罰を表す動詞と一緒に用いられるforってやつですね。このfor自体は「理由」の意味を持っていて、要は、”~したから、~したという理由で”誰々を非難する、という感じです。

で、前置詞forの後ろをよく見てみると、itsという所有代名詞がついています。もちろん、所有主は非難されるべき行為を行った動作主体です。"お前さんの~という行為を理由に、お前さんを非難する”、とまあ、こういう感じではないでしょうか。つまりこの場合、前置詞 for の後ろに来ている名詞は、condemn の直接目的語になっている人が行った、その人による行為、ということで、”直接目的後であるその人による”という意味が明確にこめられているわけです。そういう名詞が後ろに来て、それを理由に非難するとなっているわけです。実際、condemn A for B を使った用例を色々調べていくと、for の後ろに所有代名詞が来ているケースが非常に多いです。そして、所有代名詞がない場合でも、例えば doing などがくることが多くて、要するに全部、condemnの直接目的語となっている人、その人自身がおこなった何か、という意味がはっきり示された、行為者との結びつきが強く表現された名詞が来ているわけです。doingの場合は”そいつがやったこと”ということですね。

一方、見出しのcondemn A on B の方を見てみると、例示した英文ではBの部分に treaty withdrawal という名詞が来ています。”お前による”とか、”誰々による”とか、”誰々がやった”という形ではなくて、あっさりと一般名詞が来ているだけです。この名詞部分だけを見た場合、行為の主体を臭わせる表現はひっついていません。だから、”お前のその~という行為”、そのために非難するぞ、という感じではなくて、”~の観点から”という、単なる一般名詞を理由に非難するぞという感じになっているのです。だから、on を使っているのです。Bの部分が its treaty withdrawal となっていたら、onではなくて forになると思います。

ちなみに、例文ではforを使っている方は受動態の文になっていますが、これはたまたまで、別に受動態だから forになっているわけではありません。能動態でもforを使うケースは当然ありますから。

ネットで色々調べてみると、上の私の説明と似たような解説をしている人もいるので、この説明は多分正しいと思います。

いかがでしょうか?こんなことにいちいち神経を使わなくても、condemn N.Korea for treaty withdrawal でも十分通じるよと仰る方も多いかもしれません。はい、何を言わんとしているかは十分わかってもらえるでしょうから、コミュニケーションとしては全く問題ないと思われます。巷の英会話などはこのレベルで行われている営みだと思います。

そういう営みを否定するつもりはありません。でも、私の好みではないんですね。私はもっと言葉を大事にしたいですから。意思疎通できればそれでいいとは思いません。


またまた細かいですけど

2015年09月20日 01時09分46秒 | 英語
日頃の勉強の中で、またまた、”おや?”と思う英語に出会いました。皆さんも考えてみて下さい。何か気付くことはありますか?

World condemns N.Korea on treaty withdrawal

North Korea was roundly condemned Friday for its decision to withdraw from the Nuclear Nonproliferation Treaty and for its bellicose warnings of a new world war. China, the North's major ally, said its president "disagrees" with the move.

(出典:1日1分!英字新聞、石田健、祥伝社黄金文庫)

特に難しい箇所はないと思います。NPT(核拡散防止条約)なんてのは社会人として知っておくべき最低限の常識でしょうし、bellicoseなんて単語も、英検1級レベルの単語帳等には必ず載っている、必須単語です。最後の"its president"は当然、中国自身の国家主席を指していて、「中国の国家主席も今回の北朝鮮の条約脱退の動きには反対している」ということです。ここまで解説すれば、文意を取れないということはないと思います。

どうですか?この英文を読んで、何か気付きませんか?もちろん、実力があり過ぎて、全ての表現が当たり前過ぎて”何も不審に思わない”というのであれば、素晴らしいことです。しかし、平均的な英語力の日本人なら、”おや?”と思う箇所があるはずです。いつも言っていますが、受動的に英語を追いかけて意味が取れたら安心、じゃあ、ダメですよ。今後自分でも同じ英語をひねり出せるかどうかという視点で、隅々まで神経を張り巡らせて英語を眺めてみて下さい。そうすれば、必ず、何か気付くはずです。

私が”おや?”と思ったのは、condemnですよ、condemn。上記の英文の中で3カ所ほどcondemnが使われていますが(厳密には、3番目は接続詞andの後なので省略されていますが)、最初の見出しの中のcondemnには後ろに on が続いているのに対し、本文中では2カ所とも for が続いています。これは一体どういうことなのでしょうか?3カ所とも「~のかどで誰々を非難する」という同じ意味のはずですが、見出しの所だけ前置詞が違っています。

こんなの当たり前だと言える人は、ここに目が行かなくても別に構いません。しかし、なぜ異なる前置詞が使われているのか理由を説明する力が無いのにここに気付かなかった人は、普段からダメダメな勉強をしているのです。「英語の追い方が甘い」と思います。

どうしてなんでしょうね?実は私も、恥ずかしながら確固たる自信を持って説明することはできません。たぶんこういうことなんだろうな、と想像できるだけです。今回は一旦ここで切って、次回の記事で私の考えを書いてみます。

こういう所に気付いて、あーでもない、こーでもない、と考えを巡らせ、自分なりに納得しながら英語を吸収していくのが、大人の英語学習だと思います。ちょっと大げさかもしれませんが、こういう所に目が行くか行かないかが、いわゆる「センス」の有る無しではないでしょうか。鈍い奴は気付かないんですよ。