若いころから、この世の中は男が支配している…的な意識が強かった。外国の映画などで、
女性の主人公がスーパーウーマン的な活躍をしても、「まあ、現実はそうはいかないだろ
う」と、否定的な顔をしていた。それがいかに時代遅れの偏見だったと悟ったのは、40歳
を過ぎてからである。
国内旅行が好きになり、目的地へ移動するのにミステリを読むようになった。一番初めに手に
したのは東野圭吾だった。20代のころ、角川文庫が大々的に「横溝正史フェア」をして、「犬神
家の一族」や、「獄門島」、「八ツ墓村」の映画が大ヒットしたが、当時は世間のフィバーぶりに
感化されて本を手に取っただけだが、今度は本当に読書が好きになった。
東野圭吾さんの本はほとんど読破し、他の作品もいろいろ読んだ。こう言っては生意気だが、
ここ20年で、日本の作家もあか抜けて来たな…と感じた。赤川次郎が一大ブームを巻き起こし、
それに続く島田荘司、京極夏彦、綾辻行人、有栖川有栖、倉知淳…ここに列記できないほど、
実力派の作家さんが目白押しである。
しかし、だ。ミステリの分野で自分のナンバーワンは、「アガサ・クリスティ」である。これ
は譲れない。いつしか、外国の歴代ミステリも読むようになり、ダシール・ハメット(マルタの鷹)、
エラリー・クイーン(X、Yの悲劇)、レイモンド・チャンドラー(長いお別れ)、ロス・マク
ドナルド(さむけ)など読破してきたが、クリスティにはとうてい及ばないと思う。
アガサ・クリスティ。生涯100もの作品をの残しながら、駄作がほとんどないという「ミステリ
の女王」。彼女の前ではひれ伏すしかない。「そして誰もいなくなった」、「アクロイド殺し」
「オリエント急行殺人事件」など、世界的に有名なミステリを残してきたが、彼女の本領は、
次のグループの作品にあると思う。
お薦めしたいベスト3は、「検察側の証人」、「葬儀を終えて」、「ナイル殺人事件」だ。この
3作品は、クリスティーのどんでん返し的なおもしろさが堪能でき、その犯人、意外性に思わず
唸ってしまう。
この3作品を読むと、他の作品も読まずにはいられない症状が起きる。クリスティ中毒になるこ
と請け合いだ。でも、この中毒は楽しいよ~。
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