まつなが畑のはたけ日記

農ある生活をするため奈良御所市金剛山の麓に農地を借りスタート
素人農業の何気もない日々の日記

こういう時こそしっかりと生きよう

2011年03月14日 20時02分41秒 | Weblog
車のラジオをつけて農作業をする。




地震が発生してから思考が停止し情報を得ることだけに集中していた。
特に原発についての本当に必要な情報は少なかった。

そんな時、原発資料情報室の動画を見てフォトジャーナリストの広河隆一氏が測定器(放射能の)を持って現地にいることを知る。何か情報が無いかとDAYSのHPを見ていたが、これと無かったのは現場に向かっていたからだった。
DAYSは創刊号から原発に警鐘をならしてきた。そして広河さんはチェルノブイリの取材にとても力を入れていた。地球上の今起こっていることの中で、チェルノブイリの事故が(25年経った今でも)最もひどい「人間と自然の尊厳を危機にさらすもの」の一つだったからだろう。

今回のような原発事故を無くす方向に向けたいと思うならDAYS JAPANを購読し続けるのも一つの方法だろう。情報を得ることとDAYSの存続は大きな力だ。

そして福島原発が、出来るだけ早く収束し、放射能汚染がこれ以上広がらないことを・・・現場の作業員、住民、そしてその大地、空気、水・・これ以上被害が拡大しないことを祈る。祈る。







朝、携帯が鳴る。
新しい取引先のNさんから。嫁さんの前の職場の野菜担当の方なのだが、よく話を聞くと嫁さんが早朝に思い募って、携帯にメールをしたようだ。(我が家は携帯が夫婦で1台なので・・・)
もしこのブログを読まれていたら、
突然、早朝のメールを、申し訳ありませんでした。
そして嫁さんのことをご心配いただき・・ありがとうございました。


お話の中で
「僕に何が出来るかな?と考えた時、こういう時だからこそ日々を大切に過ごさなければと思うし、何かしなければいけない時にはすぐに動けるように体調も整えておかないと と思って。」
と言われたのを聞き、心の中がスッと整理されていく。

ちょうど出荷が終ったときだった。
実はこの出荷はどうしようかと一度悩んだ。
事態の深刻さから出来るだけ活動は停止しエネルギーを最小限に保っていたほうが良いのでは?
と考えていた。
しかし、私たちも日々平常に保とうという考えでいたから、お客さんに対しても同じで食べ物の供給は止めてはいけないと思いなおした。
特にセット定期便のお客さんとはどんな非常事態でも出来るだけ繋がり合えることが大切で、定期便という積み重ねはそれだけ大きなものがそこにはあると思ったのだ。


電話のあと改めて夫婦で話し合い、自分達は日々の生活と農作業(定期便の出荷も含め)をし、それ以外のことは最小に留めようという事にした。
そして、今日の「森の勉強会」をキャンセルし、来週の「ももの会」シュタイナーの勉強会もキャンセルする。

まだまだ先が見えない時。
こんな時だからこそ自分たちの毎日の暮らしを大切に、何か出来ることがあれば、その時行動できるよう今は最小限に留め、備えておきたい。







DAYSを含め多くの機関が常に警鐘を鳴らしてきた。
原発事故は偶然でもなければ想定外のことでもない。必ず起こりうることだった。

しかし、今後日本から原発が減っていくのだろうか?

地震が発生した時ちょうど確定申告を出しに行き、共産系の集会の途中だった。
私は共産党支持者ではないのだけど資本主義の中にも共産主義的な要素が必要だと思っている。
そこで大店舗法の話を聞く事が出来た。
この法律が廃止されてから大型店舗が商店街の近くに出来るようになったのだが、近くに作る理由は商店街を閉鎖に追い込むため。その後違う交通の便が良いところに、さらに大きいショッピングモールを作り商店街の大型店舗を閉鎖し集客するという手法をとるという。
ちょうど集会の近くにあるイオンは閉鎖され、商店街はガランとした状態。車で20分の所には最近大きなイオンモール出来たところだった。

私がこの話と原発に思うのは、自営業者が減りサラリーマンが増えるという仕組みにどうしようも無いと思い募ってしまうことだ。

経済活動には電気が保障され、使うことに何一つ疑問を持たない。それは企業にとって当然のエネルギーである。

一部の権力者(社長や上司など)の支配する中では、なかなか一人一人が意志を持つのは難しい。社員の多くが原発反対と思ったとしてもその経済活動は止める事が出来ない。
サラリーマンと言う歯車が一つ一つが繋がり動くエネルギー源が原発ならどうすればいいのだろうか?
例えばイオンで働いていて「原発反対だから夜間の営業を辞めましょう。」と誰が言えるだろうか?誰も夜間なんて働きたくないはずなのにサラリーマンは経済活動に背を向ける意志を持つ事が許されない。

原発反対と言ってもその歯車が外れていかない限りは動き続けてしまう。

自営業者が多ければ多くの意見と変化が期待できる。
皆一人一人が考え意見を述べることが出来、小さいというのは身軽で変化も速い。そして、その意志と言うのはきっと、とても大きい力となるだろうと思う。
大きな企業になるほど意志が少なく野望が多い、大きな力がある変わりに身動きが取り難い。止まれば潰れてしまう。だから政治にも経済界の力はとてつもなく大きい。

原発を考えた時、まずは自分達の生活の在り方、そして出来るだけ小さい単位で個が独立した形が必要だと思う。
人が人として意志を持ち生活をすることが世の中をより良くしていく最低条件ではないだろうか。

だが私が農協を辞めるとき多くの人が反対し、理解を示してくれなかった。それはもしかしたら原発が止まらないことを意味しているのかもしれない。



原発さえなかったら・・・
今そこに費やしている多大なエネルギーを被災した人々の救済に当てられるのに・・・

悔やまずにはいられない。






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