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マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

自動車業界 (その3)

2023-01-14 10:51:27 | 工業技術
【はじめに】
 今回は、インドとアメリカの自動車業界について書きます。

 21世紀になって、インドの経済は発展し始めましたが、古い文化が残っていて経済発展の足枷になっている様に思います。それで、カースト制度等についても書いておきます。

【インド】
 インドの国土は中国の『35%』ですが、人口は中国とほぼ同じです。1991年から自由化政策を採用して、近年急激な経済成長を続けています。中間所得層が増えて、購買力も高くなって来ています。四輪車の潜在需要は大きいと私は予想しています。

 2020年度のバイクの生産台数は、1,835万台で世界一でした。インドはバイクの輸出国です。然し、四輪車の生産台数は少ないですが、(人件費が安い為か?)四輪車の価格が安いので輸出国です。 インドで最大の自動車会社は『マルチ・スズキ』で、日本のスズキの子会社です。

 インドで二番目の自動車会社のタタ・モーターズは、イギリスのジャガーとランドローバーを傘下に収め、韓国やスペインにも進出しています。(インドの企業は、少し成功すると、国内に投資しないで外国に進出する傾向が有ります。)

 インドは、大気汚染が極めて深刻で、電気自動車(EV)化が進むと予想されています。既に、非常に安価なEVが市販されています。

★ 国土面積≒328.7万km2
★ 人口≒13.8億人 ・・・2020年
★ 自動車 :生産≒ 440万台、 販売≒ 376万台、保有≒ 6,853万台 ・・・2020年
★ 自動車メーカー :マルチ・スズキ、タタ・モーターズ(Tata Motors)、マヒンドラ(Mahindra)、・・・

(余談 :牛肉と豚肉) インド人の80%はヒンドゥー教で、14%がイスラム教徒です。ヒンドゥー教は牛肉を、イスラム教徒は豚肉を食べられません。ヒンドゥー教は牛乳を飲んだり、乳製品を食べる事は許されています。 牛は屠殺(とさつ)して→→ヒンドゥー教が食べられないので→→輸出しています。・・・私には腑に落ちない風習の様に思います。

(余談 :カースト制度) 1950年に施行された憲法で『カースト制度』は禁止されていますが、現在でも存在しています。工業化が進んだ地域では急激にカースト制度が無視される様になるのでは?と思いますが、農村地域では簡単には無くならないのでは?と思われます。

 カースト制度はヒンドゥー教の考え方から生まれました。神の前では平等が基本のイスラム教徒でも、インドではカースト制度に近い社会慣習を採用しています。 インド陸軍の一部では、同じカーストで部隊を編成しています。

 カースト制度には2種類あります。江戸時代の『士農工商∔非人』に近いのが『ヴァルナ (種姓)』です。 人間を、バラモン(司祭階級)、クシャトリヤ(武士階級)、ヴァイシャ(庶民階級)、シュードラ(隷属民)、パーリヤ(不可触民)に分類する制度です。

 もう一つの身分制度が、『ジャーティー』で、職業(生業)の世襲制度です。例えば、大工の子は大工になって、大工の息子と娘しか結婚できず、大工同士しか一緒に食事出来無いと言う制度です。時代が経つにつれて→→細分化され→→『ジャーティー』は3,000程にもなっている様です。

 インドのカースト制度は、『ヴァルナ』と『ジャーティー』が両方適用されるので、私には良く理解出来ません! 例えば、農民は『ジャーティー』では『農民カースト』で、『ヴァルナ』では『シュードラ』です。 然し、土地持ちの農民は『クシャトリヤ』と主張している様です。

(余談 :王) 昔のインドは『藩王国』の集合体の様な国でした。現在でも、トンデモナイ富豪の『王(マハーラージャ)』が存在しています。

(余談 :英語と高等教育) インドには多種多様な言語が存在しています。 憲法では、公用語は『ヒンディー語』ですが、15年間は英語を第二公用語とすると規定していました。その後、無期限に延長されて現在も英語は第二公用語として使用されています。・・・私は、インドの紙幣を持っています。日本の紙幣には漢字とローマ字が印刷されていますが、インド紙幣には17の言語が印刷されています。

 インドには優秀な大学が沢山有りますが、英語で授業しています。インド人の英会話には訛りが有りますが、英語圏で十分通用する様です。卒業後に外国に出て行くケースが多いい様です。『インド工科大学』が有名ですが、国立の工学系大学・23校の総称です。日本では近年『人材不足』が問題になっていますが、「インド工科大学卒業生が国内で働き始めたら、インドの工業は一層発展する」と私は見ています。

(余談 :インドの紙幣) 私はインドに行った友人達からインドの紙幣を沢山貰ったので、今でも大切に保管しています。インドの紙幣はクシャクシャ、汚れていて、落書きが多く、黴菌が沢山付着している恐れが有るそうです。 (日本のATMの一部では、殺菌しているそうです。)

【アメリカ車】
 私が若かりし頃、アメリカの自動車業界には『ビッグスリー』と呼ばれる巨大企業が3社有りました。現在何とか頑張っているのは、ゼネラルモーターズ(GM)とフォードモーターの2社だけです。 (GMは2009年に倒産し→→アメリカ政府が支援して再建されましたが、現在も財務状況は厳しい様に思います。)

 アメリカは世界第二位の自動車生産国ですが、世界第一位の輸入国になってしまっています。ドルが世界の基軸通貨で無かったら、アメリカ人は今の様な豊かな暮らしが出来ない国家になってしまったのです。

❶ ゼネラルモーターズ(GM)
❷ フォードモーター
❸ クライスラー :現在はオランダに本社が有るステランティス N.V.の一部門になっている。
➍ アメリカン・モーターズ :1987年にクライスラーに吸収された。

【アメリカに有る自動車工場】
 アメリカには、勿論GM、フォード、テスラの工場が有りますが、日本やドイツの企業が沢山、アメリカに工場を持っています。アメリカの自動車生産台数には、これらの工場で生産された数が含まれています。

・・・ 日本とドイツのメーカーがアメリカに所有する工場 ・・・
★ トヨタ自動車 :ケンタッキー工場
★ トヨタ自動車とマツダ :アラバマ(?)工場
★ 日産自動車日産自動車 :デカード工場、キャントン工場、スマーナ工場
★ 本田技研工業 :メアリズビル工場、イースト・リッベルティ工場、アラバマ工場、ティッモンズビル工場、
★ フォルクスワーゲン :チャタヌーガ工場
★ メルセデスベンツ :バンス工場
★ BMW :スパータンバーグ工場

【テスラ社とマスク氏】
 テスラ社は、電子技師であったニコラ・テスラ(1856年~1943年)の名前を拝借して、2003年に設立された会社です。2009年にスポーツタイプの電気自動車『ロードスター』の製造を開始しました。太陽光発電所の建設なども手掛け、急成長しています。

 2008年にイーロン・マスク氏がCEO(最高経営責任者)になって経営しています。マスク氏が21.9%の株式を所有しています。テスラの株価が異常に高いので、マスク氏は世界一、二を争う長者になっているのです。

 私の独断と偏見で見たマスク氏は、『目立ちたがり屋の御天気屋さん』です。順風満帆の時は『それ行け!』と実力を発揮しますが、厳しい局面に向かうと『さじを投げてしまう』のでは?と危惧しています。

・・・ テスラ社の生産台数 ・・・
★ 2012年 :0.26万台
★ 2013年 :2.2万台
★ 2014年 :3.2万台
★ 2015年 :5.0万台
★ 2016年 :7.6万台
★ 2017年 :10.3万台
★ 2018年 :24.5万台
★ 2019年 :36.7万台
★ 2020年 :49.9万台 ・・・この年から黒字になった。
★ 2021年 :93.6万台
出典 :ポジテン『テスラの販売台数の推移と売上高・営業利益率・純利益の推移』・・・2022年9月22日


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