私は、『ファーウェイの問題』と言うタイトルで、米中貿易戦争に至った経緯や私の考えを、2019年1月から4月に掛けて12回投稿しました。余りにも長文の為に、論点が不明確になってしまいました。私の言いたかった事を、要約して見ました。
【資本主義国と共産主義国の経済競争】
日本・欧米諸国の資本主義国と、ソビエト/中国の共産主義国の経済競争は、圧倒的な前者の勝利で終わりました。
共産主義に拘ったソビエトは崩壊してしまいましたが、中国は、ソビエトの轍を踏むのを避ける妙案を考え出したのです。それが、鄧小平が1978年から始めた改革開放政策です。
改革開放政策の詳細は、私のブログ『ファーウェイの問題(その4)』を参照願います。日本・欧米諸国と、その企業の経営者達は中国の巨大な潜在マーケット等々に魅了されて、鄧小平の予想以上に投資し、進出しました。そして、停滞していた中国経済は発展し始めました。
【豊かになったら中国は民主化するだろう!】
鄧小平は、外国企業に中国マーケットへの参入を許すに当たり、厳しい種々の条件(規制)を設けましたが、「経済が発展して豊かになったら、民主化するだろう! 民主化せざるを得なくなるだろう!」と、西欧諸国の指導者達と、進出した企業の経営者達は勝手に思い込んだのです。
鄧小平は、その規制を将来撤廃して、民主化するとは言っていませんでした。鄧小平は、1997年に亡くなりましたが、経済が発展するにつれて(規制を緩めるどころか)、強めていきました。キッシンジャーさえも、中国の民主化を”一人よがり”に思い込んでいた様に、私は見ていました。
【天安門事件で改革開放の内容を改悪】
改革開放後、10年経過して、少し豊かになると、学生や市民が「もう少し自由が欲しい」と言う運動を起こしました。それが、1989年の天安門事件です。
中国の指導者達は、改革開放を進めたら市民運動が起こる事は予想していたと思いますが、こんなにも早く起こるとは考えていなかった様に思います。事前準備が出来ていなかったために、手荒な手段で市民・学生運動を鎮圧して、多くの死者が出てしまいました。
この事件以来、『共産党への不満を少なくするためには?』、『不満が大きくなったらどう対処するか?』等々、経済発展(改革開放)よりも共産党の維持を最優先課題にする方向に、政治の舵を切ったのです。西側諸国は、天安門事件の非道性を問題にして、改革開放政策を変質させた事は問題視しませんでした。
【習近平の妙案】
2012年に習近平が実権を握りました。以来、私は『彼が何を/どうやるか?』注目して来ました。もしかしたら、京杭大運河を建設した隋の文帝と煬帝やモンゴール帝国を建国したチンギス・カンの様に、遠大な計画を立てて→実行しているのでは?と考える様になったのです。
2013年にアジアインフラ投資銀行、2014年に一路一帯構想を提唱した時から、習近平は鄧小平以上に思い切った大計画を実行し始めたのです。当時のアメリカは、オバマ大統領の時代でしたが、「そんな計画は、何時か失敗する」と見ていた様に思いました。京杭大運河や万里の長城を建設した、漢民族の”底力”を知らなかったのでしょう!
習近平が実権を握る前から、沢山貯まった外貨で、(悪徳高利貸しの様に)経済的弱小国に高金利で金を貸し、国営企業の余剰な鉄やセメントでインフラを整備させて、その国を支配する計画を進めていました。習近平は、その無茶な政策を、アジアインフラ投資銀行の設立や一路一帯構想として、世界に認知させる事にしたのです。
第4次産業革命(インダストリー4.0)は、2011年にドイツで言い出したのですが、中国は”逸早く”その重要性に気付き、金と人財を集中投入して取り組んだのです。先ず5G通信技術の開発に着手しました。日本のマスコミでは、「5Gでは、5G用のスマホと沢山アンテナが必要らしい!」くらいにしか報道しませんが、海底ケーブル網をさらに増やし、通信衛星も増やす必要が有ります。中国は、この分野にも着々と投資しています。5G通信の旗手になるためには、サムソン1社ではどうする事も出来ないのです。大国家プロジェクトが必要です。
【中国の問題点と力の背景】
中国には改革すべき問題点が多数有りますが、一つ一つ解決するのでは無く、鉄やセメントの生産過剰の問題は、逆に活用する事を考え出したのです。先進諸国に安い価格で売ると、ダンピングだと言われますが、金の無い後進国に安売りしても国際的には余り問題になりません。他派閥の共産党員がA国有企業のトップだとします。彼を汚職摘発を理由に逮捕して、自派閥の共産党員を送り込めば、そのA企業を自由にコントロール出来ます。A企業が資金豊富だったら、その金を重点分野に投資させたり、外国の企業を買収出来るのです。
(1) 中国の解決が必要な課題
① 国営企業の生産過剰問題
② 赤字と非効率な国営企業問題
③ 共産党独裁への国民の支持を持続→経済成長の維持→仕事量を毎年増やす。
④ 共産党員の腐敗を撲滅
(2) 中国の力の源泉
❶ 豊富な外貨
❷ 技術の急激な進歩、工業の発展→→世界の工場
❸ 優秀な人材が豊富になった。
❹ 漢民族の逞しい/貪欲な国民性、人口も多いい(巨大なマーケット)
❺ 土地は全て国有
❻ 巨大な国営企業群 (黒字で、豊富な資金を有する企業も有ります。)
❼ 一党独裁で決断が早い→ファーウェイの様な民間企業へも税金を投入出来る。
(3) 中国の野望
① 人民元の国際準備通貨化 (アメリカの影響力を排除する。)
② 中国を中心にした国際マーケットの創設/拡大
③ 第四次産業革命の主導権獲得
④ 5G通信 (海底ケーブル網、通信衛星)
⑤ 軍事大国化
⑥ 世界の地下資源と食糧(農産物+漁獲)の独占
⑦ 西欧諸国の優良企業の買収
【中国への追い風】
1990年代になって、中国に心地良い追い風が吹き始めました。21世紀になるいと、風の勢いは少しずつ強くなり、中国共産党は少し自信過剰になってしまいました。
中国の経済的な野望達成には、他国の経済の低迷/困窮や国内紛争は好都合なのです。ロシアのプーチン大統領でさえ、中国の進出を認めざるを得なくなっています。ドイツが思い切った援助をしない限り、イタリアは中国への依存を深めると思われます。
中国が、「蔭で国際紛争の種を蒔いている」とまでは言いませんが、以下に列記する様に、中国が”漁夫の利”を得そうな事案は多数有るのです。
① ロシア :原油価格の下落と経済封鎖→経済が低迷→プーチンの支持率低下
② イギリス :EU離脱問題
③ ドイツ :ドイツ銀行の経営難
④ イタリア :経済的困窮
⑤ フランス :改革の遅れ、黄色いベストデモ
⑥ イラン :アメリカの一方的核合意破棄→緊張
⑦ シリヤ :内戦 (ロシアは軍隊を送り込んでアサド政権を支援していますが、経済的な見返りを得ているのか?ロシアの国力を消耗するだけでは?)
⑧ ベネズエラ :経済危機→国内の混乱→アメリカへ難民
⑨ 欧米諸国への移民問題 :紛争国から中国への不法移民問題は発生していません。
⑩ 国際テロの問題 :(国際テロ対策が各国の重要な課題ですが、中国は脅威的な数の監視カメラを設置→外国からテロ集団が侵入するのが難しい!)
【習近平】
21世紀になって中国が密かに進めていた世界戦略を、習近平が公表してしまいました。米・西欧諸国は、「そんな無理な計画は失敗する」と高を括っていたのですが、トランプ大統領が問題にするまで、着々と計画を進めてきました。
習近平が、あと10年間秘密裏に世界戦略を進めていたら、アメリカでも『どうする事も出来ない状態』になっていたと思われます。習近平は自信過剰になって、早まってしまったのです。
★ 2012年 :習近平政権の誕生
★ 2013年 :アジアインフラ投資銀行設立
★ 2014年 :一路一帯構想
★ 2015年 :中国製造2025
★ 2015年 :南沙諸島の埋め立て開始
★ 2017年1月 :トランプ大統領就任
★ 2018年 :米中貿易戦争(アメリカが追加関税を掛け始めた)
★ 2018年12月 :カナダがファーウェイの孟晩舟氏を逮捕
【米中貿易戦争とはなんでしょうか?】
中国を共産主義国だと思っている人が、今でも沢山いますが、決して共産主義国では有りません。現在の中国の国家体制を端的に表す造語が必要です。何方か是非とも考えて下さい。私は仮に『共産資本主義国』と命名しておきます。
米中貿易戦争は、第4次産業革命の主導権を握るための、共産資本主義国とアメリカの巨大企業群を背負ったトランプ大統領の戦争だと思います。アメリカは、この戦争に負けると貿易赤字は更に拡大し、軍事力は相対的に低下するのです。アメリカのやっている事は、国際ルールに反している様に思いますが、背に腹は代えられないのです。
米中貿易戦争とは、資本主義国と共産資本主義国(中国)との闘いです。臨機応変に政策が打ち出せる共産資本主義国の方が、短期的には有利だと私は見ています。ヨーロッパ諸国は種々問題を抱えていますから、西側の諸国が一枚岩になって、中国と対陣する事は不可能だと思うのです!
(余談) 二組の弱小ギャングが抗争を始めたとします。巨大なギャングの親分が仲裁に入ったら事は収まるでしょう。ダントツの二組のギャングが抗争を始めたら、弱小のギャングの親分は、「どんなにして生き残るか?」考える必要があります。野党の政治家も含めて、「日本が、どう立ち回るのが一番良いか?」真剣に考えて、行動を起こす時なのです。
【能天気な日本の政治家と政府】
日本が、第5世代の通信技術(5G)の開発を疎かにしたのは、NHKにも責任が有ると、私は思います。NHKは、4Kや8Kテレビに注力して来ましたが、5G通信の重要性とは比較になりません。
私は、2010年にリタイアしました。普通は時間を持て余すと言いますが、40年間ほど設計/研究/開発に従事してきましたので、世界の技術革新の調査などして、結構楽しく過ごしています。2010年代になって、中国の技術は急激に発展しています。2017年から、両院の予算委員会は森友/加計問題で貴重な時間を空費してしまいました。5G通信技術開発や第4次産業革命に、国家予算を投入する議論は全く無かったです。(政治家達は、別の惑星の住人の様に見えました。)
今でも長距離間のデータのやり取りは、通信衛星では無くて、海底ケーブルが利用されています。2018年現在、海底ケーブルの総延長距離は(手毬の糸の様に)地球を”30周”する長さに相当するそうです。もっと増やす必要があります。日本には、NECを始め、この分野で活躍している企業があります。それらの企業を国がバックアップするなどして、5G通信技術や第4次産業革命の旗手にはなれなくても、選手団の一員にはなって欲しいと思います。
【資本主義国と共産主義国の経済競争】
日本・欧米諸国の資本主義国と、ソビエト/中国の共産主義国の経済競争は、圧倒的な前者の勝利で終わりました。
共産主義に拘ったソビエトは崩壊してしまいましたが、中国は、ソビエトの轍を踏むのを避ける妙案を考え出したのです。それが、鄧小平が1978年から始めた改革開放政策です。
改革開放政策の詳細は、私のブログ『ファーウェイの問題(その4)』を参照願います。日本・欧米諸国と、その企業の経営者達は中国の巨大な潜在マーケット等々に魅了されて、鄧小平の予想以上に投資し、進出しました。そして、停滞していた中国経済は発展し始めました。
【豊かになったら中国は民主化するだろう!】
鄧小平は、外国企業に中国マーケットへの参入を許すに当たり、厳しい種々の条件(規制)を設けましたが、「経済が発展して豊かになったら、民主化するだろう! 民主化せざるを得なくなるだろう!」と、西欧諸国の指導者達と、進出した企業の経営者達は勝手に思い込んだのです。
鄧小平は、その規制を将来撤廃して、民主化するとは言っていませんでした。鄧小平は、1997年に亡くなりましたが、経済が発展するにつれて(規制を緩めるどころか)、強めていきました。キッシンジャーさえも、中国の民主化を”一人よがり”に思い込んでいた様に、私は見ていました。
【天安門事件で改革開放の内容を改悪】
改革開放後、10年経過して、少し豊かになると、学生や市民が「もう少し自由が欲しい」と言う運動を起こしました。それが、1989年の天安門事件です。
中国の指導者達は、改革開放を進めたら市民運動が起こる事は予想していたと思いますが、こんなにも早く起こるとは考えていなかった様に思います。事前準備が出来ていなかったために、手荒な手段で市民・学生運動を鎮圧して、多くの死者が出てしまいました。
この事件以来、『共産党への不満を少なくするためには?』、『不満が大きくなったらどう対処するか?』等々、経済発展(改革開放)よりも共産党の維持を最優先課題にする方向に、政治の舵を切ったのです。西側諸国は、天安門事件の非道性を問題にして、改革開放政策を変質させた事は問題視しませんでした。
【習近平の妙案】
2012年に習近平が実権を握りました。以来、私は『彼が何を/どうやるか?』注目して来ました。もしかしたら、京杭大運河を建設した隋の文帝と煬帝やモンゴール帝国を建国したチンギス・カンの様に、遠大な計画を立てて→実行しているのでは?と考える様になったのです。
2013年にアジアインフラ投資銀行、2014年に一路一帯構想を提唱した時から、習近平は鄧小平以上に思い切った大計画を実行し始めたのです。当時のアメリカは、オバマ大統領の時代でしたが、「そんな計画は、何時か失敗する」と見ていた様に思いました。京杭大運河や万里の長城を建設した、漢民族の”底力”を知らなかったのでしょう!
習近平が実権を握る前から、沢山貯まった外貨で、(悪徳高利貸しの様に)経済的弱小国に高金利で金を貸し、国営企業の余剰な鉄やセメントでインフラを整備させて、その国を支配する計画を進めていました。習近平は、その無茶な政策を、アジアインフラ投資銀行の設立や一路一帯構想として、世界に認知させる事にしたのです。
第4次産業革命(インダストリー4.0)は、2011年にドイツで言い出したのですが、中国は”逸早く”その重要性に気付き、金と人財を集中投入して取り組んだのです。先ず5G通信技術の開発に着手しました。日本のマスコミでは、「5Gでは、5G用のスマホと沢山アンテナが必要らしい!」くらいにしか報道しませんが、海底ケーブル網をさらに増やし、通信衛星も増やす必要が有ります。中国は、この分野にも着々と投資しています。5G通信の旗手になるためには、サムソン1社ではどうする事も出来ないのです。大国家プロジェクトが必要です。
【中国の問題点と力の背景】
中国には改革すべき問題点が多数有りますが、一つ一つ解決するのでは無く、鉄やセメントの生産過剰の問題は、逆に活用する事を考え出したのです。先進諸国に安い価格で売ると、ダンピングだと言われますが、金の無い後進国に安売りしても国際的には余り問題になりません。他派閥の共産党員がA国有企業のトップだとします。彼を汚職摘発を理由に逮捕して、自派閥の共産党員を送り込めば、そのA企業を自由にコントロール出来ます。A企業が資金豊富だったら、その金を重点分野に投資させたり、外国の企業を買収出来るのです。
(1) 中国の解決が必要な課題
① 国営企業の生産過剰問題
② 赤字と非効率な国営企業問題
③ 共産党独裁への国民の支持を持続→経済成長の維持→仕事量を毎年増やす。
④ 共産党員の腐敗を撲滅
(2) 中国の力の源泉
❶ 豊富な外貨
❷ 技術の急激な進歩、工業の発展→→世界の工場
❸ 優秀な人材が豊富になった。
❹ 漢民族の逞しい/貪欲な国民性、人口も多いい(巨大なマーケット)
❺ 土地は全て国有
❻ 巨大な国営企業群 (黒字で、豊富な資金を有する企業も有ります。)
❼ 一党独裁で決断が早い→ファーウェイの様な民間企業へも税金を投入出来る。
(3) 中国の野望
① 人民元の国際準備通貨化 (アメリカの影響力を排除する。)
② 中国を中心にした国際マーケットの創設/拡大
③ 第四次産業革命の主導権獲得
④ 5G通信 (海底ケーブル網、通信衛星)
⑤ 軍事大国化
⑥ 世界の地下資源と食糧(農産物+漁獲)の独占
⑦ 西欧諸国の優良企業の買収
【中国への追い風】
1990年代になって、中国に心地良い追い風が吹き始めました。21世紀になるいと、風の勢いは少しずつ強くなり、中国共産党は少し自信過剰になってしまいました。
中国の経済的な野望達成には、他国の経済の低迷/困窮や国内紛争は好都合なのです。ロシアのプーチン大統領でさえ、中国の進出を認めざるを得なくなっています。ドイツが思い切った援助をしない限り、イタリアは中国への依存を深めると思われます。
中国が、「蔭で国際紛争の種を蒔いている」とまでは言いませんが、以下に列記する様に、中国が”漁夫の利”を得そうな事案は多数有るのです。
① ロシア :原油価格の下落と経済封鎖→経済が低迷→プーチンの支持率低下
② イギリス :EU離脱問題
③ ドイツ :ドイツ銀行の経営難
④ イタリア :経済的困窮
⑤ フランス :改革の遅れ、黄色いベストデモ
⑥ イラン :アメリカの一方的核合意破棄→緊張
⑦ シリヤ :内戦 (ロシアは軍隊を送り込んでアサド政権を支援していますが、経済的な見返りを得ているのか?ロシアの国力を消耗するだけでは?)
⑧ ベネズエラ :経済危機→国内の混乱→アメリカへ難民
⑨ 欧米諸国への移民問題 :紛争国から中国への不法移民問題は発生していません。
⑩ 国際テロの問題 :(国際テロ対策が各国の重要な課題ですが、中国は脅威的な数の監視カメラを設置→外国からテロ集団が侵入するのが難しい!)
【習近平】
21世紀になって中国が密かに進めていた世界戦略を、習近平が公表してしまいました。米・西欧諸国は、「そんな無理な計画は失敗する」と高を括っていたのですが、トランプ大統領が問題にするまで、着々と計画を進めてきました。
習近平が、あと10年間秘密裏に世界戦略を進めていたら、アメリカでも『どうする事も出来ない状態』になっていたと思われます。習近平は自信過剰になって、早まってしまったのです。
★ 2012年 :習近平政権の誕生
★ 2013年 :アジアインフラ投資銀行設立
★ 2014年 :一路一帯構想
★ 2015年 :中国製造2025
★ 2015年 :南沙諸島の埋め立て開始
★ 2017年1月 :トランプ大統領就任
★ 2018年 :米中貿易戦争(アメリカが追加関税を掛け始めた)
★ 2018年12月 :カナダがファーウェイの孟晩舟氏を逮捕
【米中貿易戦争とはなんでしょうか?】
中国を共産主義国だと思っている人が、今でも沢山いますが、決して共産主義国では有りません。現在の中国の国家体制を端的に表す造語が必要です。何方か是非とも考えて下さい。私は仮に『共産資本主義国』と命名しておきます。
米中貿易戦争は、第4次産業革命の主導権を握るための、共産資本主義国とアメリカの巨大企業群を背負ったトランプ大統領の戦争だと思います。アメリカは、この戦争に負けると貿易赤字は更に拡大し、軍事力は相対的に低下するのです。アメリカのやっている事は、国際ルールに反している様に思いますが、背に腹は代えられないのです。
米中貿易戦争とは、資本主義国と共産資本主義国(中国)との闘いです。臨機応変に政策が打ち出せる共産資本主義国の方が、短期的には有利だと私は見ています。ヨーロッパ諸国は種々問題を抱えていますから、西側の諸国が一枚岩になって、中国と対陣する事は不可能だと思うのです!
(余談) 二組の弱小ギャングが抗争を始めたとします。巨大なギャングの親分が仲裁に入ったら事は収まるでしょう。ダントツの二組のギャングが抗争を始めたら、弱小のギャングの親分は、「どんなにして生き残るか?」考える必要があります。野党の政治家も含めて、「日本が、どう立ち回るのが一番良いか?」真剣に考えて、行動を起こす時なのです。
【能天気な日本の政治家と政府】
日本が、第5世代の通信技術(5G)の開発を疎かにしたのは、NHKにも責任が有ると、私は思います。NHKは、4Kや8Kテレビに注力して来ましたが、5G通信の重要性とは比較になりません。
私は、2010年にリタイアしました。普通は時間を持て余すと言いますが、40年間ほど設計/研究/開発に従事してきましたので、世界の技術革新の調査などして、結構楽しく過ごしています。2010年代になって、中国の技術は急激に発展しています。2017年から、両院の予算委員会は森友/加計問題で貴重な時間を空費してしまいました。5G通信技術開発や第4次産業革命に、国家予算を投入する議論は全く無かったです。(政治家達は、別の惑星の住人の様に見えました。)
今でも長距離間のデータのやり取りは、通信衛星では無くて、海底ケーブルが利用されています。2018年現在、海底ケーブルの総延長距離は(手毬の糸の様に)地球を”30周”する長さに相当するそうです。もっと増やす必要があります。日本には、NECを始め、この分野で活躍している企業があります。それらの企業を国がバックアップするなどして、5G通信技術や第4次産業革命の旗手にはなれなくても、選手団の一員にはなって欲しいと思います。