05/20 私の音楽仲間 (61) ~ Mozart の♭の響き
⑩ 深まる謎
私の室内楽仲間たち (41)
これまでの 『私の室内楽仲間たち』
関連記事 Mozart の♭の響き
メヌエット?
四重奏から交響曲へ
Mozart の短調のメヌエット
ハイドンの短調のメヌエット
アレグロ マギレット
ミラノ土産
素材の倉庫
## → ♭♭♭
3つの♭、3つの音符
深まる謎
Mozart の変ロ長調 (KV159)、変ホ長調の弦楽四重奏曲
(KV160) を巡る今回の旅も、そろそろ終わりに近づきました。
親しい仲間と室内楽を楽しんだ、午後のひととき。 この日
は前半にシュポアの弦楽6重奏曲、後半に Mozart の二曲の
四重奏曲。 予定の曲目はすべて消化し終わりました。
しかし、まだ時間が少しあります。 そこでリクエストの
あったのが、弦楽四重奏曲第11番変ホ長調 KV 171
でした。
と言っても、例によって恥ずかしながら、私はこの曲を演奏
したことがありません。 これでは「紺屋の白袴」どころか、
「楽隊屋の赤恥」です。
実は譜面を覗いたことも、聴いたことも…。 またしても
"抜き打ちオーディション" (笑) になってしまいました。
全体は、以下の各楽章から成っています。
第Ⅰ楽章 変ホ長調
Adagio 4/4 ~ Allegro assai 3/4 ~ Adagio 4/4
第Ⅱ楽章 変ホ長調
Menuetto 3/4
第Ⅲ楽章 ハ短調
Andante 4/4
第Ⅳ楽章 変ホ長調
Allegro assai 3/8
演奏したのはⅠ、Ⅲ楽章だけですが、何とも神秘的な思い
に囚われながら弾いたのを覚えています。
私にとっては、同じ変ホ長調でも、『魔笛』より不思議な
世界。 17歳の Mozart が作った。 ああ…。
また一つ、謎が増えたようです。
1773年3月にミラノから戻り、交響曲第26番などを作ると、
Mozart は夏をヴィーンで過ごします。 そこで生まれたのが、
この変ホ長調を含む6曲の四重奏曲でした。
それらは、
第8番 ヘ長調 KV168、
9番 イ長調 KV169、
10番 ハ長調 KV170、
11番 変ホ長調 KV171、
12番 変ロ長調 KV172、
13番 ニ短調 KV173
の各曲です。 すべてメヌエットを含む4楽章からなっており、
『ウィーン四重奏曲集』と呼ばれることもあります。
詳細は、下記の優れたサイトをご覧ください。
アマデオ弦楽四重奏団 から [K171の楽しみ]
譜例の詳細
今回のシリーズでは、Mozart の曲にたくさん登場してもらい
ました。 作曲順に整理してみると、
(1) ディヴェルティメント ニ長調 KV136 (125a)
(3楽章) (ミラノ) (1772年、16歳)
(2) 弦楽四重奏曲第6番変ロ長調 KV159
(3楽章) (ミラノ) (以下 1773年、17歳)
(3) 弦楽四重奏曲第7番変ホ長調 KV160
(3楽章) (ミラノ)
(4) 交響曲第26番変ホ長調 KV184 (161a)
(3楽章) (ザルツブルク)
(5) 弦楽四重奏曲第11番変ホ長調 KV171
(4楽章) (ヴィーン)
(6) 交響曲第25番ト短調 KV183 (173dB)
(4楽章) (ザルツブルク)
そこでは、ジャンルを越えた関連もいくつか見られました。
今回ご一緒に見てきたものを、以下にまとめてみました。
(1) と (3) の関連
⑧ 『## → ♭♭♭』
(2) と (6) の関連
① 『メヌエット?』
② 『四重奏から交響曲へ』
③ 『Mozart の短調のメヌエット』
④ 『ハイドンの短調のメヌエット』
⑤ 『アレグロ マギレット』
⑥ 『ミラノ土産』
⑦ 『素材の倉庫』
(3) と (4) の関連
⑨ 『3つの♭、3つの音符』
最後に、今回演奏でご一緒したメンバーの、
Violin のU.さん、Viola の O.さん、チェロのM.さん、
ありがとうございました。
"3人の童子" (『魔笛』の登場人物) さんたち、次回は、
一体どんな旅に私を連れ出してくれるのでしょう!?
ところで今しがた入った連絡では、U.さんが
「ご病気加療に入られます」とのこと…。
心配です。 お祈りいただければ幸いです。