MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

あと 199億秒

2009-10-22 00:04:11 | まるチャンの「何だ、これ!?」

10/22    まるチャンの「何だ、これ!?」 (28)

             あと 199億秒





     今までの『ボクの出てきた記事』一覧だよ。




 やあ、ボク、まるだよ、ワン!

 みんな元気? ボクね、今、復習してるんだよ…?




 音楽には色々変わったのがあるってこと、解ったんだ。



 まず、えーと、演奏者は静かにしてるけど、周りで音が
鳴っちゃう音楽
でしょ。

 それから、楽器はやっぱり鳴らさないけど、歩いたり、水
飲んだりして、楽器以外の音をさせる音楽もあったよ。



 それに、840回繰り返すピアノ曲もあったな。 18時間
かかるんだって、ちゃんとやったら。 これ、きっと一番
長い曲だよね?

 「いつまでも無限に繰り返せ」なんていう、ずるい曲も
あるけどさ。 そういうのは除いちゃおうね。




 ようし、ボク、念のために調べてみようっと。 これより長い
曲があるかどうか、検索して。 多分無いと思うけどね。

 どれどれ、"演奏時間の長い曲" …と。 お、あったあった。




   「クラシック音楽ではオペラに長い作品が多く見られ…。」



 そりゃあそうだ。



   「ヴァーグナーの『ニーベルングの指環』は、
   四日四晩で15時間かかります。」



 なるほど、確かに真面目な作品らしいけど。

 でも、『ヴェクサシオン』の18時間には及ばないもんね。

 やった、やった!



   「シュトックハウゼンのオペラ『光』は、
   7部作で28時間かかります。 全曲が
   演奏されたことはまだありません。」



 なんだ、これ! うわぁ、こんなのがあるんだ…。 なるほど、
お金がかかったりするから演奏が無理なんだね。



 でもこれ以上長いのは、もう無いよ、きっと。




   「ジョン・ケージの…」


 お、出てきたよ。 "演奏しない" 曲、作ったおじさんだ。



   「… "ASLSP" はピアノ曲で、通常は20分、
   速くやれば数分または1分以内で…」



 何だ、これ。 そんな短い曲、お呼びじゃないもんね、今は。



   「…のちにオルガン用に編曲。
   80分以内でも演奏は可能。」



 だからもういいって言うのに。 今は長い曲、
探してるんだから…。



   「ケージ自身は、"可能な限り遅く" (as slow as possible)
    としか指定していない。」



 "可能な限り" って言ってもね…。 2倍か3倍でしょ、どうせ。




   「そこで作曲者の死後、あるオルガン奏者が
   確かな根拠から演奏時間を算出し、とある
   歴史的なオルガンに "ゆかり" のある場所で、
   電気と機械仕掛けによる演奏が始められた。」



 …、…、……!?



   「開始は2001年9月5日で、終了は2640年の予定。」




 えー! 何だ、これ! 何かの間違いじゃないの…?

 引き算すると…、639年だよ…! ギャワーン。




   「同プロジェクトの公式サイトです。 ページ
   右上のカウンターが、残り演奏時間(秒)。」
           (黒地白抜き数字)




 どれどれ、あと何秒になるのかな…? えーと、ずいぶん
多いな、桁数が。 1、2、3…、11桁もあるぞ。

 ということは、あと199億秒だって!



 1時間は3,600秒だよね。 24倍して1日は86,400秒。
365日として、1年は31,536,000秒。

 えーと、199億秒だから…。 本当だ、あと631年、残ってる…。

 うわあ、1億秒って、3年より長いんだ!

 2010年には、それでも198億秒台になるよ…。

 あっ、今2011年8月31日の夜だけど、まだ19,907,633,140秒も
残ってるぞ。 ボク、計算、間違えちゃった…。




 ワーン、調べたりなんか、しなけりゃよかったなぁ…。
いやになっちゃったよ。




 でも、これって、ケージさんが決めた長さじゃないよね?
639年っていうのは。 「可能な限り遅く」って、確かに書き
残してはいるけど。

 人間の一生をはるかに超えるような演奏時間を、ケージ
さんが生きていたら、本当に望んだかな…?




 ケージさんは、「沈黙をつくろうとしてもできない、自分の
死後も音は鳴りつづけるだろう」って、確かに言ってる。
それは本当なの。

 でも、機械にやらせてまで、「可能な限り長く」演奏して
欲しいって思ったのかな…? それ、∞ (無限大) っていう
意味だよね。



 ケージさんて、人がビックリするようなことをほかにも色々
やったけど、一人の人間として真剣に考えたからじゃない
かなーって、ボク、感じてたのに…。

 ただ「実験的なことをやりたかった」だけじゃなくて。 でも
ますます解んなくなってきたよ、ボク。




 まあいいや…。 イヌの一生は、もっとずっと短いから、
どっちみちボクには無理だよね? この曲。



 ボク、maru のやつ相手に、おウチで『4分33秒』やること
にしようっと、もう一度。 これなら273秒で終わるもん。

 それにこの曲、"初演のときの演奏時間" が題名になった
だけだから、4分33秒より短くてもいいんだよね? "楽章"
が三つありさえすれば。 ワン。



 みんなは、あと199億秒、がんばって数えてね…?



 じゃあ、またね、ワン…。




 参考サイト



  [トリビア 演奏時間が1秒しかない曲



  [演奏時間の長い曲
     ↓ この中には、こんなことが書いてあるよ…?? ↓

   ジョン・ケージの「HPSCHD」(1969年)の演奏時間は最低20分から
   無限大となっていて、これが最長と言うこともできる。 また同じく彼
   の「カートリッジ・ミュージック」や「アリア」・「4分33秒」・「ピアノのため
   の音楽21-36、37-52」等は演奏時間が不確定である。




  [演奏時間639年の音楽] (2006年1月6日の記事)



      ↓



2006年1月6日の記事

演奏時間639年の音楽、第二のコードが鳴らされる 独

【ASLSP】ドイツ東部、ハルバーシュタットのブキャルディ廃教会にて続けられる演奏予定時間639年の音楽がこのほど、開始5年目にしてようやく第二のコードへと進行したとのこと。このパフォーマンスで演奏されているのは、米作曲家のジョン・ケージ(1912-1992)が発表した"Organ2/ASLSP"(As SLow aS Possible = 出来る限りゆっくりと)という曲である。演奏は2639年の終曲を目指して2001年9月5日に始められ、全くの無音パートである最初の一年半を経て、2003年2月2日には最初のコード(ソ#,シ,ソ#)が鳴らされた。そして2004年7月には新たな重りが鍵盤に乗せられ、一オクターブ下のミが加えられた。その音(ミ)は今年5月5日まで続く予定であるという(写真は演奏が続けられるオルガン)。

そして今週木曜の午後5時(GMT16:00)、ようやく最初のコードから、今後数年鳴り響くことになる第二のコード(シ、ド、ファ#)へと進行したのである。

ジョン・ケージの"ASLSP"は1985年、もともと20分間のピアノ曲として発表され、1987年にオルガンの為に編曲されたものである。しかし今回の演奏を行うジョン・ケージ・オルガン・プロジェクトは、ケージが曲名に委ねた意志を汲み取り、オルガン編曲をもとに、演奏時間を639年まで引き延ばしたという。639年という時間は、同教会に初めてオルガンが設置された1361年から数えて、プロジェクトが開始された2001年までの時間を元に設定された。また今回のプロジェクトで使用されるオルガンは新しく特別に作られたもので、新たな音の必要に応じて、パイプを継ぎ足していく形で使われる。

ジョン・ケージは二十世紀の音楽に絶大な影響を与えた作曲家アルノルト・シェーンベルクの弟子の一人で、かの有名な完全無音の音楽「4:33」といった前衛的な作曲で知られている。

また運営者らは、このパフォーマンスの思想的背景として、”変化の早い現代社会における平静と緩慢な時の流れの再発見”といったコンセプトを語っているとのこと。


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