MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

頭の体操 (139) 漢字クイズ 問題/解答

2014-01-10 00:00:00 | 頭の体操 漢字クイズ

01/10    頭の体操 (139) 漢字クイズ




        『これまでのカタカナ語句には、

        カタカナ部分のみ各回ごとに載っており、

         それぞれの記事に飛ぶことも出来ます。

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      『頭の体操 漢字クイズ』 カテゴリーでは、

     『問題・解答』の全文が直接ご覧になれます。 こちらは

      「新しい記事 (トップ) 古い記事 (奥)」 の順です。





 08/09 ~ 10/06 に登場した外国語の人名、地名、用語が、
カタカナ表記で (1) ~ (20) に、登場した順に並んでいます。

 また、(A) ~ (T) に並んでいるのは、それぞれを漢字で
表記
しようとしたものですが、どう読めばいいでしょうか?



(1) ポナフィディン    (2) フラジオレット    (3) ハ―モニクス

(4) ポリープ     (5) ペンシルベニア-ダッチ     (6) カノア

(7) カノ   (8) ワカ   (9) ワア   (10) ヴァカ   (11) カナリア

  (12) ヴァン・スヴィーテン男爵  (13) リヒノーフスキィ伯爵

   (14) フォン・ロプコヴィッツ侯爵     (15) イディオム

(16) シェルデ河   (17) パルツィファル   (18) エッシェンバッハ

     (19) ブラバント国     (20) ムンサルヴェッシュ

(A) 侮赤  (B) 話飽  (C) 我禍  (D) 暇飲  (E) 彼悪

(F) 金成悪       (G) 治終春       (H) 師選出代

(I) 慰弟尾無     (J) 歩裏萎父     (K) 不埒俺務

(L) 葉有藻煮薬   (M) 得支援馬映   (N) 不良番頭黒

     (O) 無怒猿蔑視    (P) 変標遺逃仇恥

   (Q) 飯無不意餌隠    (R) 不安守備逸点断癪

(S) 不穏呂風後部溢請酌  (T) 裏費納付過奇異薄謝来




[解 き 方]


  ・ 漢字を読み、主にその音を用いて、原語での発音を表わそうと試みた
   ものです。

  ・ 音読み訓読みが混ざっています。 必要な場合は、濁点()、
   半濁点()、送り仮名を補ってください。

  ・  従来のカタカナ表記による読み方とは、必ずしも一致しない場合が
   あります。

  ・  音ではなく、単語の意味を外国語に置き換え、その発音を用いる
   こともあります。 「星 → スター」、「太陽 → サン」のようにです。
    今回はありません。

  ・ 口語的俗語的にくだけた読み方をすることもあります。
   (例) 「汚 → きたねぇ」、「社長 → ボス」。
    今回はありません。

  ・ 漢文もどきに、順番を入れ替えて読む場合もあります。
   (例) 「不読 → よまず、よまん、よまない」。
    今回はありません。

  ・ 人名漢字の中には、“”、”” ともに含まれている場合もあります。 
   姓に加えて "first name" をご自分で補ってください。
   (例) 「ヨーゼフ・シュトラウス」。
    今回はありません。

  ・ 音や意味とは無関係で、漢字から連想しないと解けないものも!
    今回はありません。

  ・  厳密に見るといい加減なものもありますが、そこは冗談の世界。
   お見逃しくださいませ。



   解答
    ↓





以下、08/09 不惑の慟哭より




(1) ポナフィディン  (Q) 飯無不意餌隠



 沖縄の東にある南大東島は、かつてオランダ人やロシア人
によって “発見” され、それぞれ異なる名で呼ばれていました。

 ロシアの海軍士官ポナフィディン (パナフィヂーン) は、生涯で
地球一周航海を二度行いましたが、二度目の際の船の名が
“ボロヂノ”。 それに因み、大東諸島を “ボロヂノ諸島” と
名付けました。



             (wikipedia より)

    



 南の島といえば、思い浮かんだのが南鳥島。 でも、
どこにあるの?

 地理の苦手な私は、位置関係を整理してみました。



 南鳥島は、日本最東端の島です。
                                     ↓

              (wikipedia より)



               ↑

 最南端は? こちらは沖ノ鳥島。 共に小笠原諸島に
属し、東京都の管轄です。

                    ↑

 さて、やはり小笠原諸島の中にある西之島。 2013年
11月に海底噴火で新島が出現し、一ヶ月の間に双方が
繋がってしまいました。

 2014年1月現在は、こんな形。 胴体部分が新島です。



     
     

        日本が「スヌーピー島」を手に入れた より




以下、08/11 調和しないハ―モニクスより




(2) フラジオレット  (K) 不埒俺務



 元々は楽器名ですが、弦楽器では、“笛のように純粋な
音を出す奏法
” の意味で使われる用語です。 “ハ―モニ
クス” とも言われ、こちらはギターでもお馴染み。

 2本の指を用いる場合は、それぞれが置かれる弦上の
位置を、楽譜で示すのが原則ですね。



 ところが作曲家によっては、“実際に鳴る音” しか書いて
くれないこともある。 こうなると演奏者は、事前に、かなり
考えなければなりません。

 「えーと…、この音は、*線のどこを触れば出るのかな?
それとも…。 ああ、やはり指を2本使わないと駄目か…。
嫌だなぁ、面倒だなぁ…。」




(3) ハ―モニクス  (L) 葉有藻煮薬



 譜例は、指が1本で済む例ですが、音符は二つ、上下に書いて
ありますね。 下は指を触れる位置、上は実際に鳴る音です。







 D、A、E…とあるのは、“D線の上の”…などを示します。 同じ
高さの音でも、普通は「どの弦を用いるか」を選択できる場合が
多いのですが、ハ―モニクスでは弦を特定する必要があるから。

 これは “親切な作曲家” の例ですが、情報が多すぎる嫌いも
あり、却って混乱します。



 2本の指を用いる場合は、指を置く位置が正確でないと、
うまく鳴ってくれない。 鳴りにくいのは、また音を出す右手
に原因があることもあります。

 ちなみに、「ハ―モニクスで出した音程は必ず低くなる」…
という説がありますが、これも弓の位置次第で解決する場合
が多いようです。




以下、08/17 甘かった私より




(4) ポリープ  (J) 歩裏萎父

 昨年は二度の入院騒ぎを起こし、家族を心配させてしまい
ました。 別に健康を過信していたわけではなく、最低限の
検査は続けていたのですが。

 最初は、ピロリ菌が原因の出血性潰瘍。 生まれて初めて
救急車で搬送されました。 一週間で退院し、菌はその後に
根絶されました。

 二度目は大腸のポリープで、それも複数。 うち一箇所は
癌の一歩手前でした。 こちらは、自治体による年一回の
検査がきっかけで、事無きを得ました。

 「元気で楽器、弾いていたいんでしょ? だったらね…」と、
家族に叱られそう。 『老いては子に従え』…です。




以下、09/04 頭の体操 (137) 漢字クイズ 問題/解答より




(5) ペンシルベニア-ダッチ  (P) 変標遺逃仇恥



 20世紀前半、米大リーグで活躍した名選手も、これでした。

 以下はwikipediaから。



 「この愛称は、ワグナーがペンシルベニア・ダッチ(ペンシル
ベニア州のドイツ系移民)の家系出身であることと、同姓の
作曲家リヒャルト・ワグナーのオペラ『さまよえるオランダ人』
の英語訳題名に由来している。」



 “この愛称” とは、“The Flying Dutchman” です。




(6) カノア  (E) 彼悪

 ご存じの “Canoe”。 英語でカヌーは、こう書くんですね。

 ところが[wikipedia]によれば、言語によって様々な呼び方
があるとか。 発祥地がカリブ海周辺だからで、以下はその
名称です。

 表記した漢字には、どれも何の意味もありません。 まして
私には無関係ですよ…。



(7) カノ  (D) 暇飲

(8) ワカ  (C) 我禍

(9) ワア  (B) 話飽

(10) ヴァカ  (A) 侮赤




以下、09/17 歌を捨てたカナリアより




(11) カナリア  (F) 金成悪



 昨年他界した実母は、カナリアを飼っていたこと
があります。 私が小中学生の頃でした。

 そうそう、手乗り文鳥も。 優雅でしょ?



 ところが今になって思い出してみると…。 どうも
投資が絡んでいたようだった。 孵化し、ちゃんと
健康体に育ったら、さるルートで売るのです。

 でも趣味と実益を兼ねたものだったから、本人は
楽しかったのでしょう。 母は動物好きで、その後
は “チャコ” というトラ猫も飼いました。



 ちなみに、“かなり” は漢字でどう書くのか?
“可成” でいいのか。

 私にはかなり難しい問題です。



 こちらは、白いカナリアの羽です。



        若田光一さんの Twitter] より




以下、10/01 幻の馬より




(12) ヴァン・スヴィーテン男爵  (R) 不安守備逸点断癪



 「ミスをしたほうが負ける。」 野球に限りませんが、よく
言われることですね。

 監督の立場だったら、ボヤキの一つも口にしたくなります。



 でも、その後が問題です。 感情を爆発させる? それとも…。

 もし貴方が、オーケストラの指揮者だったら? 演奏する楽員
にも、ミスは付き物です。



 音楽に勝敗は関係ありませんね。 コンクールでもない限り。
でも、『敵は我が内にあり』という言葉もあります。

 最大の敵は自分である。 そう思っているほうがいい。 特に
演奏家は、自分自身を鍛えるしかないから。



 さて、この考え。 スポーツの監督とは無関係でしょうか。

 自分をコントロール出来なければ、他人を動かせるはずが
ないから。 最終目的は、望ましい結果を得ることです。




(13) リヒノーフスキィ伯爵  (T) 裏費納付過奇異薄謝来



 私事で恐縮ですが、私は二足のわらじを履きつつ、
売れない “楽器商” を続けています。 以下はだいぶ
昔の出来事ですが…。

 あるチェロの高名な教師が、私の扱っていた弓を、
お弟子さんに推薦してくれたことがあります。 その
お蔭で、結局お買い上げに繋がりました。



 私はその先生に、お礼と称して、心ばかりの品物を
お持ちしました。 ところが、それを差し出すなり…。

 「この中味は何ですか? 受け取れません!」



 そう言われて、私のほうはビックリ。 「お口に合えばいいの
ですが」…とお渡ししたのは、文字通り “菓子折り” だったから
です。

 その先生には、間接的に多少の面識があったので、“失礼が
無いように”…と思ったからですが…。 却ってご機嫌を損ねて
しまいました。



 …ということは、“色々な例がある”…ということなんでしょうね。
学校で教えておられれば、「ぜひウチの子を入学させてやって
ください」…と、裏金を渡されそうになることもあるだろう。

 音楽界の世情には、いまだに疎くてやっていけない私です。




(14) フォン・ロプコヴィッツ侯爵  (S) 不穏呂風後部溢請酌



 私の幼少時代、銭湯が全盛の頃にも、家庭風呂はありました。

 もちろん木製です。 それをタガで固く縛った、いわば大型の
樽のようなもの。 中のお湯が漏れてしまうことも、珍しくありま
せんでした。



 これだけなら、まだ “不穏” ではない。 問題なのは、そんな
風呂で酌をされるという状況です。 さて……。

 ちなみに、最高級の弓の材料とされている、フェルナンブコ
元々は “酒樽のタガ” としてフランスに渡ったのが、その由来
だったこと、ご存じでしたか?




(15) イディオム  (I) 慰弟尾無



 熟語、慣用句…などと言われる。 ほぼすべてが、二つ
以上の単語から成ります。

 したがって、単語の原義から類推するだけでは、意味
が解らないことが多い。 具体的な場面、文脈といった
“実例” の体験、想定が不可欠です。



 これ、楽譜の音符も似ている…。

 「こういう配列では、語尾には減衰が伴うのが自然だ。」

 「その逆に、ここでは音量を保ちなさい。 むしろ、膨らみ
加減のほうがいい。」



 要するに、“聞く耳に自然” かどうか…なのです。

 考えてみれば、どれも “言葉”、“言語” ですね。
往々にして、我々には馴染みの薄い…。




以下、10/06 考えすぎの私より




(16) シェルデ河  (H) 師選出代



 「良い先生を選ぶためなら、多少の投資は惜しまない。」

 それも解ります。 でも、別の読み方があります。



 「先生が選ぶのは、代金をたくさん出す人だ。」

 …先ほどの裏金を連想させます。




(17) パルツィファル  (G) 治終春



 これは、どう読むことにしましょうか? 治終春。

 私は、「治る、ついに、春に」…と読みたい。



 不治の病や難病でなくても、頑固な悩みを
抱えていたら…。 もし貴方も。

 桜咲く春を迎えるのが、毎年辛い私です。




(18) エッシェンバッハ  (M) 得支援馬映



 さて、“パルツィファル”。 あまり聞き慣れませんね。
ほかに “パルツィヴァール” という読み方もありますが。

 ヴァーグナの 『パルジファル (Parsifal)』の元となった
のは、幾つかの説話。 その一つが、中世の詩人ヴォル
フラム・フォン・エッシェンバッハ (1170-1220) による
ものです。

 そこでは “Parzival” となっています。 ただし彼が
参考にした原典は、フランス語の作品で “Perceval”。



 なお、このエッシェンバッハを、タンホイザーの友人
ヴォルフラムとして、ヴァーグナは登場させています。




(19) ブラバント国  (N) 不良番頭黒

 ブラバント公国は実在した地域。 主要都市アントワープ
は、『ローエングリン』の舞台ともなりました。

 ただし、この “Antwerp” は英語の表記。 オランダ語の
“アントウェルペン” など、幾つか読み方があります。




(20) ムンサルヴェッシュ  (O) 無怒猿蔑視



 騎士たちは、この “Munsalvaesche” で聖杯を守っています。
エッシェンバッハの『パルツィファル』、その舞台です。



 では、場所はどの辺か? もちろん想像上の地名ですが、
「舞台はフランス」…と考えるのが自然でしょう。

 現に『ローエングリン』では、「白鳥の騎士がシェルデ河を
下ってやって来る」…とある。 その源流は北フランスだから
です。



 ところが『パルジファル』では、舞台はスペインに “移設”
され、名前もモンサルヴァ―ト (Monsalvat) と変わりました。

 それがなぜかは解りません。 しかし煌びやかなパリで、
惨憺たる思いを味わった作曲家のことです。 フランスが
嫌になったとしても、無理はありません。

 「文明に毒された都会的な雰囲気は、やはり作品の舞台
としては好ましくない。」 そう考え直したのかもしれません。



 オードリー・ウィリアムソン著、『ワーグナーの世界』 (中矢
一義 訳、1976年、東京創元社)
には、以下の記述があります。

 「もっと後の時代の伝説になると、聖杯の安置されている
場所がスペイン、ピレネー山脈のモンサルヴァ―トへと移り
変わり、そこで聖杯を守護する者は、罪なく圧迫されている
人々を救うために旅に出るという、中世騎士道の形式を、
いまだに取っている騎士たちとなる。」




 お疲れさまでした。




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