おやままさおの部屋

阿蘇の大自然の中でゆっくりのんびりセカンドライフ

『誤診列島』と『幕末早春賦』

2011年03月03日 16時03分12秒 | 日記
今外は雪が降っている。
立春をとうに過ぎているのだから、もう忘れ雪といってもいいんだろうが、昨日湯布院の由布岳も雪で山頂は真っ白だった。



春ジャガの種芋は購入したのだが、植えるタイミングを図っている。まだ4月まで雪や霜がある阿蘇の高地、騒がず、慌てずー。

今朝早く、市内に下りて定例の大学病院眼科診察を受けた。結果は良好。白内障の術後、目が見え過ぎて現在のレンズでは逆に度が強すぎて見えにくくなっている。そのために明日また、同じ眼科で「眼鏡外来」を受診し、そのまま眼鏡屋に行って新しいレンズに取り替える。

大学病院からホームドクターの所に行って、背筋の痛みの相談をした。筋を違えたのか10日前くらいから痛みがある。狭心症の症状にも同様の状況があるとも聞くしー

いろいろ検査して心臓は大丈夫と聞いたので一安心だった。背中・肩のストレッチ法を丁寧に教わってきた。

さて、中野次郎氏の「誤診列島」でアメリカの医師養成について日本と比較しているけれど、徹底的なアメリカ賛美でナショナリストとしてはそこまで米国一色に染まらなくてもーと思う気持ちがどこかにあるのだが、大学の医学部教育、そして卒後の臨床教育と実践経験の丁寧さは恐れ入った。
まず一般大学の文系・理系を選択して4年勉強して学士号を取る。これは日本の医学関係でない普通の大学を卒業するということだ。ただし成績は優秀でなければならない。その上で、大学の医学部の入試を受けて合格して専門学部に入る。そして最初の2年間は基礎医学、さらに2年間の臨床医学を学び、卒業試験に合格した後(1部)、国家医師開業試験に合格することでやっと大学医学部を卒業する。これで医学士(MD)。さらに1年間の研修医を勤めて臨床実地の国家試験(第3部)に合格することで各州から医師開業免許が与えられる。しかし、病院勤務するためにはさらに2年の研修の必要がある。

たしかに日本と比べるとじっくりゆっくり医者を育て上げる体制になっている。ここで素敵だと思うのは、一般大学を4年勉強して学士号を取ってからいよいよ医学教育に入るというところだ。医学部はもっとも難関で相当頭が良くて勉強していなければ合格しない。日本でもそうだが、頭がいいから、勉強ができるからといってその人間としての人格が備わっているのかというと、そこがどうも日本では疑問なのだ。日本人の医療不信の原因の一つでもある。

徹底して一般教養を学ばせること、倫理も宗教も文学もしっかり勉強した上で専門部に入ることこれがたしかにいいと思う。

「幕末早春賦」は二度目になるが、日本の洋学について深く研究したいと思っているので、初めて読んだ時面白く読んだのだが、今回はつまんなかった。土田宮五郎が主人公なのだが、これはフィクションでもうひとつデテールの造型の弱さを感じた。
大野藩という小藩で蘭学が盛んに学ばれ、情勢の動きに沿ってオランダ語から英語へと移っていく様は興味深いのだが、ぐんぐん引っ張っていくストーリーの魅力がなかった。

それでもこの大野藩、大分(豊後)の福沢諭吉を生んだ中津藩など小藩について興味が出てきた。
昨日小旅行で日田に行った。天領なのだが、ここには広瀬淡窓の学塾があった。こんな田舎に、大村益次郎、高野長英など4000人が学び巣立っていたのだから、都会田舎都鄙(とひ)は関係ないのだ。いい師と夢を持って真摯に学ぼうとする学生がいれば教育は成果を上げるのだ。