マリヤンカ mariyanka

日常のつれづれ、身の回りの自然や風景写真。音楽や映画や読書日記。手づくり作品の展示など。

『水・空気・食物』300人詩集

2021-03-10 | book
数年前まで、京都でカフェをしていました。
京都の中でも特に観光客の多い場所でした。
その中で、じみーにやっていたのでお客さんは少なかったけれど、
「これから〇〇へ行こうと思うけど、
どうやって行くのが一番早いだろうか?」などの質問をよく受けました。
会計の時に、私の方から「どちらからですか?
どうぞ良い旅を・・・」などの会話を交わすこともありました。
そんなある日、中年の女性の一人旅のようでした。
いつものように「どちらからですか?」
と尋ねたら「福島の浜通りです。」と言われて、
ビックリして言葉に詰まり、何も言えなくて、
何か、ごにょごにょ言ったような気もしますが、
避難してこられた人だったのかもしれない・・・
(まだ多分原発が爆発してから1年も経っていなかったと思います。)
何か言えることがあったのではないか、私にもその時出来ることがあったのではないか、とずーっと考えています。

高層ビルも、地下鉄も、
米や野菜も、魚も肉も・・・
巨大な東京の繁栄は、
ずーっと東北の人たちのおかげだったことがわかりました。
福島(原発のある町)の人たちの暮らしと命を危険にさらして、成り立っていたことがハッキリと見えました。
日本中の人が、そのことを一生懸命考えたら、
もしかして、「どこかを犠牲にする政治」が少しはかわるかもしれない、と思いました。

それなのに
何も学ばず、知らんぷりをして、
自分の利権しか考えない政治家たちが、
積み上げた嘘の山の上に「東京オリンピック」の旗を立てようとしている、
そのおぞましさに吐き気がします。



『水・空気・食物』300人詩集
    子どもたちへ残せるもの
    2014年 コールサック社(コールサック=石炭袋)


宮沢賢治を含めた300人の詩人による未来へ語り継ぐ詩集。
(序章以外は現代の詩人、公募によるものです。)
序章+水の誕生、生命の故郷・海、食の場、子どもたちの命、酒・果実・ティータイム、生物の声、など12の章に別れていますが、
最後の12章は「3.11と私たち」となっています。
読みたい箇所を、読みたい時に読んでいます。










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