マリヤンカ mariyanka

日常のつれづれ、身の回りの自然や風景写真。音楽や映画や読書日記。手づくり作品の展示など。

土蔵(倉)

2020-11-09 | Weblog
この辺りでは街道沿いにも、農家にも、今でも倉が多くみられます。



見るからに土蔵、ではなくて、
表面は板張りで一見、住居と同じように見えます。



けれど、倉の方は、土台が高く、壁が厚く、窓が少なくて、
防火や防湿、防獣、あるいは盗難に対する防御がしっかりしています。
何がしまってあるのでしょう?
かつては、米や芋や繭や酒や布などが保管してあったのだと思いますが・・・
細部にまで丁寧な仕事が見事で、素晴らしいデザインだと思います。
「銅板」の窓がついています。
緑青色になっているのもよく見かけます。

崩れかけた倉がありました。
壁土の中の「竹小舞」が見えています。


「ささらこ(簓子)下見張り」と呼ばれる方法でパネルのようなものを作り、
土壁の上に、張って(吊り下げて)いるのだそうです。
簓子とは、横木との間に隙間がないように刻みを入れた縦の細木のことで、
釘の頭が外に出ないように、
裏側から横木に打ち付けてあるのだそうです。
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             (図はネットから)
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表面はかつては「魚脂の塗料」で黒く塗られていたそうです。
板張りが痛んだら、取替えられるようになっています。
そのような作りになっているのは、
壁土の質が雨風に弱いなどの理由があるのかもしれません。
(台風が多い!)

この倉は最近リフォームしたようです。



簓子板張りに見えますが、
近くからよく見ると、表からしっかり止められているようです。

こちらは、傷んだ部分を(あるいは別棟に通じていた部分かもしれませんが)
波板トタンで表から止めつけています。


こちらは倉ではありませんが、
泥はねや雨から土壁を守るために工夫された「簓子板張り」であることがわかります。
所々表から釘を打って補強しているようです。


昔の家を見ると、大工さんと、本当に様々な職人さんたちのコラボで作られていたんだなーと思います。
昔の技を伝える職人さんがいなくなれば、こんな倉は、もう作ることは出来なくなるでしょう。
残念です。




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