「昆虫はすごい」丸山宗利 著
光文社新書 2014
ページを繰るごとに、すごい!
いつも疑問に思っていた完全変態と不完全変態の意味が
冒頭に書いて在って、一気に引きこまれました。

この本によれば、ヒトが今日まで築いてきた文明社会のもろもろは
とっくの昔に昆虫たちがやっているというのです。
狩猟採集、農業、牧畜、建築、戦争、クローン、奴隷制、居候、共生、
そしてもちろん、着飾る、プレゼント、恋、旅…
随分昆虫の本は見てきたので、
擬態や奴隷制や寄生などには驚かないけれど、
自爆するアリの存在には驚きました。
どんな小さな生き物でも生きようとするのが生き物だと思っていました。
仲間を守る、あるいは巣を守るために自爆し、
敵に毒液をかけて自分も死ぬというのはあり得ないことです。
しかし、この自爆するバクダンオオアリは、
巣の中の同じ(共通の)遺伝子を守るという意味で、
生命は遺伝子の乗り物、という考え方からすれば、
理に適っているのかもしれないのです。
人間の自爆と比較して考えてしまいます。
ヒトの場合は個の死は遺伝子の死と同じ。
ヒトとして2百万年以上も受け継がれて、
誕生した、宇宙にたったひとつの遺伝子は消え去るのです。
ヒトは国家や宗教などの幻想のために自爆します。
幻想のために戦争し、人殺しをします。
アリやハチが巣を守るのと、
兵隊が城を守るのとは全く意味が違うのです。
個こそヒトにとって最も大切なもの、
ヒトが人になること、ではないでしょうか。
ヒトの脳が大きくなったのは、
個の生、個の発達、個の行動のためなのだと思います。
そして、昆虫たちがやらないこと、
それは言語ではないかと思います。
一人一人が考えて自分の言葉を発する、
言語を使って、コミュニケーションをとり、記憶し、更に考える。
そのために、ヒトは今のような頭でっかちな姿になったのではないでしょうか。
昆虫の本を読みつつ、思ったことです。

光文社新書 2014
ページを繰るごとに、すごい!
いつも疑問に思っていた完全変態と不完全変態の意味が
冒頭に書いて在って、一気に引きこまれました。

この本によれば、ヒトが今日まで築いてきた文明社会のもろもろは
とっくの昔に昆虫たちがやっているというのです。
狩猟採集、農業、牧畜、建築、戦争、クローン、奴隷制、居候、共生、
そしてもちろん、着飾る、プレゼント、恋、旅…
随分昆虫の本は見てきたので、
擬態や奴隷制や寄生などには驚かないけれど、
自爆するアリの存在には驚きました。
どんな小さな生き物でも生きようとするのが生き物だと思っていました。
仲間を守る、あるいは巣を守るために自爆し、
敵に毒液をかけて自分も死ぬというのはあり得ないことです。
しかし、この自爆するバクダンオオアリは、
巣の中の同じ(共通の)遺伝子を守るという意味で、
生命は遺伝子の乗り物、という考え方からすれば、
理に適っているのかもしれないのです。
人間の自爆と比較して考えてしまいます。
ヒトの場合は個の死は遺伝子の死と同じ。
ヒトとして2百万年以上も受け継がれて、
誕生した、宇宙にたったひとつの遺伝子は消え去るのです。
ヒトは国家や宗教などの幻想のために自爆します。
幻想のために戦争し、人殺しをします。
アリやハチが巣を守るのと、
兵隊が城を守るのとは全く意味が違うのです。
個こそヒトにとって最も大切なもの、
ヒトが人になること、ではないでしょうか。
ヒトの脳が大きくなったのは、
個の生、個の発達、個の行動のためなのだと思います。
そして、昆虫たちがやらないこと、
それは言語ではないかと思います。
一人一人が考えて自分の言葉を発する、
言語を使って、コミュニケーションをとり、記憶し、更に考える。
そのために、ヒトは今のような頭でっかちな姿になったのではないでしょうか。
昆虫の本を読みつつ、思ったことです。
