金曜22時NHKドラマ「これは経費では落ちません」がすっごく面白い。
あああ、ドラマで面白いのがないなと嘆いていたら思わぬ拾い物。いやあ情報不足、ごめんなさい。
だいたい、しみじみ系か泣きたい系かが好きだから、この手の痛快ドラマは全く見たことがなかったのよ。
食わず嫌いは損しちゃうわね。
(昨夕)
石鹸メーカー「天天コーポレーション」の経理部に勤めるアラサー独身女子森若沙名子、多部未華子チャンね。
もう彼女がぴったりどんぴしゃのはまり役。これ以上はないわ。
あの目力の強さできりっと「これは経費では落ちません」なんてばっさり、
伝票出した輩ははああとすごすご引っ込むわけよ、厳しいんだからなんて愚痴りながら。
多部ちゃん含め経理部は4人 。後輩役に伊藤沙莉、先輩に平山浩行、部長役に吹越満さん。
この3人が絶妙。
現実にいそうだよね、こんな部員たち、という役どころを3人とも生き生きと演じていて楽しいのよ。
平凡でいながら個性あふれるキャスト、なんて最高です。
私、特に吹越満さんが好きだから、彼が演じるちょっとおちゃらけていて、
それでいてほんとはできるんじゃないかしらの感がある部長を見ているだけでも満足。
さて先週の金曜日は第2回「落とす女落とせない女の巻」
当然の経費を請求できない社員、必要以上の経費を当然のごとく出してくる社員、話はそこから展開する。
広報誌のインタビューに答える森若さん。
「会社の利益と社員の経費がイーブンに過不足なく使われているかチェックするのが経理の仕事です」
どうよ、まるで見本のような答えでしょ。
「怖がられている嫌われていることは平気じゃないです。
隈なくチェックして各部署から疎まれるならそれも私の仕事です。人に好かれるのは仕事ではありません。」
どうよ、この肝っ玉の据わった明快な解答。スカッとするじゃないの。
その長セリフを多部未華子さん、滑舌よろしくどすんとストレートに投げ込んでくるの。痛快よ。
そして森若さん、ただ四角四面のがちがち経理社員じゃない。
インタビュー場所には、先の落とす女落とせない女のお二人もいることは承知の上で、
「ただ人から好かれるのが仕事の人もいます」
「その予算を無駄なものにでなく、効果的なものに使ってほしいと思います。本当に正しいと胸を張れるものに
会社の大事なお金を使ってほしいです」
と、それとなく必要以上の経費を使っている広報社員に伝えているの。ここらあたりの脚本がまたいいの、上手い。
現実は厳しくて、とてもそんなこと言えないよの声が聞こえてくるかもしれないけれど、森若さん、私応援するわ。
インタビューの最後は
仕事とは「きっちりと働いて責任を果たし、働いた分の給料を適正にもらうこと」
とのあまりにそっけない答えに、広報誌の人がね、夢とか楽しいことは?なんて訊く。
森若さん「数字がぴたりとしまった瞬間が楽しいです」ですって。わはは、らしい。
ちなみに森若さんの座右の銘は、余計な事に手を出さない意味の「ウサギを追うな」。
1話ごと完結のドラマですから3話からでも十分大丈夫。
話の展開、多部未華子チャンや脇のキャストの演技、その他もろもろを楽しみながら観ても損はないと思います。
絶対暑苦しくないですから。