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チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

せんたく板

2014年05月11日 | 身の回りのもの

雨、24度、94%

 大きなせんたく板がどこの家にもあったのは昭和のいつごろまででしょうか。大きな金盥にせんたく板、無くてはならないコンビでした。洗濯機が生活に入って来たことは、掃除機以上に家仕事、主婦の仕事を楽にしてくれたと思います。今では洗濯は機械任せ、一度入れたら、あのピーピーという音が鳴るまで忘れていられます。私は洗濯は仕事のうちに入らないなあとすら思います。昭和50年代初めから始まった我が家ですが、当初から洗濯機は持っていました。2槽式の脱水と洗濯2槽タイプです。2槽式は途中脱水槽に入れ替えます。しかも、すすぎの前とすすぎの後の2回です。冬は寒い水に手をつけるのが億劫に思いましたが、あの脱水槽は水切れが素晴らしく良かったものです。

 私がせんたく板を買ったのは、息子が小学校に上がってからだと思います。昔の大きなものの4分の一ほど、横15センチ、縦が25センチぐらいだったでしょうか、ソックスを真っ白にしたい一心で買いました。さて、その小ぶりなせんたく板を香港の引っ越しの時の荷物に入れたかどうか、記憶にありません。木の色がだんだんと黒っぽくなって来たその様子だけは、覚えています。

 先日、日本に帰った折、ふらりと入ったお店の棚の下、隅っこに2つのサイズのせんたく板が並んでいました。大きい方は、以前使っていたのと同じサイズ、小さい方は横8センチ、縦が15センチほどです。あら、と手にとってみましたが、買うつもりもありません。ところが、翌日になってもそのせんたく板が気になります。気になり出したら、いつも胸の奥でピカンと電球が灯っています。面倒な性格です。もう一度そのお店まで。やっぱり買わないことにしてお店を出ました。でも、いよいよ香港に戻る日の昼間、そのお店に直行して、小ぶりなせんたく板をトランクに詰めて帰ってきました。

 湿度の高い香港です。カビを付けないように使うには工夫が必要です。大きめの丸い穴をどこか風通しのいいところに掛けましょう。

  もちろん、洗濯石けんは常備されています。中国製、「白兎」。手仕事をひとつ増やしてしまいました。それでも、やはり真っ白な洗濯物はどこまでも気持ちを清々しくしてくれます。


「塩おにぎり」の食べ比べ

2014年05月10日 | 日々のこと

曇、21度、99%

 ご飯をお塩だけで握った真っ白なおにぎりとしっかりと出した熱い緑茶があれば最高です。

 もしも日本で暮らしていたら、コンビニには滅多に足を踏み入れないかもしれません。香港にだって、セブンイレブンとサークルKはあります。ほとんど、オクトバスといわれる交通マネーカードのチャージのときしか行きませんが、日本のコンビニに比べたら何にもないわと思います。日本に帰れば、スーパーマーケットに行くのが楽しみですが、それと変わらないくらいコンビに行くのも楽しみです。買い物が目的ではなく、ただ見るだけ。主婦の目で見ますから、やっぱりスーパーの方がお安いわと値段の比較をします。お弁当のようなものにはあまり興味がないのですが、おにぎりやパンは、昼時の人が一番多い時には、どんなものが売れているのかじっと見ていることすらあります。

 コンビニの大手セブンイレブンと、ファミリーマート、ローソン、地域によってお店の雰囲気も店舗数も違います。一軒しかないような地域ならその店に行くしかないのでしょうが、この3つの店が固まってあるような場所ならば、コンビニのハシゴなんていうことも出来ます。それぞれに自社の開発商品も作られていたり、商品の配列も店舗のある場所場所で工夫されています。

 大好きな塩おにぎり、この3店舗で食べ比べてみました。緑茶は熱いものではいけませんので、お茶は買いません。持ち帰って、お茶を煎れて食べます。

 見出し写真は、セブンイレブンの「塩むすび」です。なんといってもお米とお塩で決まる単純な食べ物です。どこも、お米の産地やどこのお塩を使ったかが書かれています。セブンイレブンのこのおにぎり、フンワリ握るのがコンビニのおにぎりといわれるにしては、しっかりとかためのおにぎりです。塩加減、お米の甘さもいい具合です。

  こちらはファミリーマートの「塩おむすび」です。お米は魚沼産コシヒカリ、塩水でお米を炊くほかのコンビニと違って、これは炊き上げた後に塩をしているようです。このおむすび、ご飯が真っ白ではありません。食べると微かに脂質を感じます。この脂質、決して嫌な感じではありません。甘みが増すといった食感です。ただ、私には塩が少しきつく感じました。

  こちらはローソンの「塩にぎり」です。お米はコシヒカリ、お塩はにがり塩だそうです。このおにぎりもやや重めフンワリ握ってはいますが、中身がない分、ごはんが多いのかもしれません。お米の甘み、塩加減、一番すんなりとお腹に納まってくれました。

 食べ比べなどといっても、大手の企業の開発チームが試作に試作を繰り返して作っている商品ですから、どれをとっても美味しいはずです。それに、工場によって若干味も違うのではないでしょうか。今回は福岡のコンビニで買いました。これがもっと北の東北などだと塩加減も違うかもしれません。

 新潟のお米はおいしいのですが、これも地元のお米で作ればいいのになどと思います。

 お米とお塩、そしてお茶、日本人ならではのこだわりです。今気が付いたのですが、ファミリーマートだけが103円ですね。食べ比べなどといっても、総額303円なりでした。


「主夫」という言葉

2014年05月09日 | 日々のこと

晴れ、13度、97%   福岡

 昨日、主人のお使いで都市銀行に出かけました。ここ福岡では都市銀行は、市の中心部、人の多く集まる天神や博多駅の近くにしかありません。ちょっと大きなお金を入金するためです。出かける時に、少しモタモタしてしまい、3時の銀行の閉店時間、ぎりぎりに銀行に走り込みました。3時に銀行が閉まるなんて不便だなと、日本に帰る度に思います。

 持ち慣れない大きなお金を抱えています。カウンターの前に着いて、おねえさんの顔を見たときは、何やらホッとしました。入金票を書き、通帳とともにカウンターの向こうに渡します。やれやれと待ち合いの椅子に座ろうとした途端、名前が呼ばれます。通帳の名義は主人です。私が本人でないので、届け出の書類に記入してくださいということです。お金を引き出すのではありません。お金を入れるのにも、何やら面倒です。手渡された書類を手早く埋めて行きます。当然こういう書類は主人と私の関係やら、私についての申請書です。上から3項目め、職業の欄です。私は主婦、とその横に「主夫」という言葉が書かれています。

 「主夫」この言葉を知らないわけはありません。家庭全般の仕事を女性に代わってする男性、その家庭の収入を奥さんが担っている場合は、「専業主夫」という言葉もあります。知っている言葉とはいえ、とても違和感を覚えました。実際に「主夫」という方がいるわけです。

 男女平等が謳われている日本ですから、当然、「主夫」という仕事があっても不思議ではありません。私が小さい頃は看護をする方は、全て女性でした。つまり「看護婦」さん。それがこの20数年日本を離れている間に、帰国し病院を訪れると男性の看護婦さんいえ、看護士さんが増えてきました。公の仕事に関しても女性が主だった職種に男性の進出が目立ちます。それは裏返せば、同じように女性が様々な男性の職種と思われている分野への進出をしているからでしょうか。

 家のことを主にする職種は女性がするもの、「主婦」と思うのは時代遅れかもしれません。私の職業に関するイメージは、どうも固定しているようです。バスの運転手さんを思い浮かべれば、やはり男性です。エレベーターの案内役は、やはり、若いおねえさん、女性です。私のこの古い固定観念をそろそろ拭わなくてはならない時が来ているようです。

 そんなことを思いながらデパートの一階を通り抜けていると、夏物のストールの巻き方をデモンストレートしています。小さな台の上にいくつかのストールを並べ、ストールの巻き方を中年のおばさんたちに教えているのは、なんと若い男性でした。素通りした私は、今一度、自分の目を確かめるために振り返りました。間違いなく男性が首にストールを巻いていては解き、いろいろな巻き方を見せています。その前で、それを見ている数人のおばさんたち、何の違和感もないようです。

 私、やはり、ストールの巻き方は、若くて可愛いおねえさんに教えてもらいたいと思います。


萬行寺のとら とらのお墓

2014年05月08日 | 

曇、16度、87%  福岡

 春彼岸を過ぎた頃でした。4月に入っていたかもしれません。私のブログにひとつのコメントが入っていました。私の実家の菩提寺、福岡の萬行寺のお寺の身内の方からでした。

 昨年の10月、萬行寺の「とら」が亡くなったことを知らせてくださったのもこの方でした。お会いしたこともありませんが、その後も、私などが知らない「とら」の話を知らせてくださいました。このひと月、この「とら」のお墓のことを思っていました。「とら」が亡くなっても、父母の墓参りには行きます。門をくぐって裏の墓地に向かう時、いつも「とらちゃーん」と声を出して歩いた本堂の前は、伏し目がちに小走りで歩いていました。大きな「とら」がゆっくりと寝ていた辺、「とら」の姿が心に浮かびます。

 いつもは、お寺の門が閉まるぎりぎりに滑り込んでいた私ですが、昨日は朝一番、社務所の方も、お寺の墓番のおじさんも、「あれ、今日は早いねえ」と声をかけてくれます。父母の墓に行く前に、社務所のおじさんにとらのお墓の場所を教えてもらいました。本堂のすぐ前、植え込みの中にとらのお墓はありました。

 「とら」が亡くなると、お寺の方達でここに葬ったそうです。そして、「とら」といつも寄り添うように一緒にいたチビのお墓もすぐ横にありました。

 植え込みの中、失礼して入って、久しぶりに、「とらちゃん」と声を出しました。大きな大きな「とら」は最後に会った時には小さくなっていました。永年、体を煩っていました。会う度に体が小さくなりました。大きな猫でしたから、お腹の辺が落ち込んだ様は、いやが上にも目立ちます。お寺を後にするときはいつも、これが最後かもしれないと心に思います。最後に会ったのは、私の母の納骨の日でした。弱り切っていましたから、待合室に入れてもらって、その横には蚊取り線香が付いていました。もう頭もあげることが出来ない状態、哀れで触ってやることが出来ませんでした。

 墓石に手を置いたまま、私の心は、あの最後の日の蚊取り線香の煙を思い出していました。フワッと空気に消えて行くような煙です。沢山の人に好かれて大事にされた「とら」です。また、ここに来ると会えるね、とらちゃん。


進化するモバイルボーディングパス

2014年05月07日 | 日々のこと

晴れ、9度、94%  福岡

 ボーディングパス、飛行機に乗るための搭乗券をモバイルボーディングパスに切り替えたのは、この一年ほどのことです。モバイルのバーディングパスをまだ採用していない航空会社もあるということですが、香港拠点のキャセイ航空は、随分以前から導入しています。

 オンラインで飛行便を予約をすると、オンラインチケット、もしくは、Eティケットと呼ばれるものがメールで送られてきます。これをプリントアウトして、搭乗当日空港に持って行きチェックインして、横長の紙のボーディングパスをもらうのが今までの飛行機の乗り方でした。

 モバイルボーディングパスは、搭乗の3日ほど前にメールが送られてくるところから始まります。このメールは搭乗の確認と座席の指定をするチェックインがが目的ですが、座席の指定をした後に、ボーディングパスを発行することが出来ます。ひとつはプリントアウトする方法、もう一つが自分のスマホにボーディングパスを送ってもらう方法です。紙のボーディングパスもモバイルのものも、要はORコードが読めればいいわけです。

 飛行機に乗る日、荷物を基本的に預けない私は、並んでチェックインすることなく時間までに搭乗口に向かいます。搭乗口に向かうパスポートコントロールに入るためにも、このスマホのORコードをかざして入ります。スマホに入っているボーディングパスは見出し写真です。

 ところが、昨年の後半から、飛行機に乗る日の朝起きてスマホを開けると  こんな画面が出てきます。何時何分に飛行機が出発しますというお知らせです。これは、飛行機に乗るまで示されます。私の位置情報をスマホが捉えているので、目的地に着くとこの表示は消えています。

 昨日は11時20分発の飛行機、家を出て空港に向かうエアポートエクスプレスに乗ったのは、9時少しすぎでした。しばらくすると、航空会社からメッセージが入ってきました。 出発時間が30分遅れるというものです。以前なら、搭乗口前にいかなくては分からなかった情報です。このメッセージのおかげで、空港に着いてものんびりとすることが出来ました。

 空港に2時間前に行く必要もなくなりました。でも、このモバイルボーディングパスに対応できない空港もあります。羽田、成田はいいのですが、福岡空港では、搭乗口が開くのを待っていると、必ずアナウンスで私の名前が呼ばれます。なんだか恥ずかしいのですが、ORコードをパスポートコントロールの前に読み取る機械がないので、私が空港内にいるのかを航空会社が把握できないのです。福岡にも2月に一度は戻ります。その度に名前を呼ばれるので、最近は、チェックインをする方達と一緒に並んで、航空会社の方にモバイルボーディングパスを見せてから中に入ります。

 モバイルボーディングパスを使っている人はまだ少ないようですが、もっと一般的になると、飛行機に乗ることも楽になるでしょうね。かくいう私は、何かのときのためにプリントアウトしたEチケットを必ず携帯しています。


柏餅

2014年05月06日 | 日々のこと

曇、19度、84%

 日曜日、端午の節句の一日前です。柏餅を作ろうと、上新粉を探しますが見当たりません。まあ、お米の粉ですから、大根餅を作る為に買ってあった米粉を使うことにしました。この米粉、タイのショートグレインで出来ています。つまり日本米に似たお米です。

 熱湯でこねて、蒸かしはじめましたが、一向にいい香りが立ち上がりません。そのうえ20分経っても、30分経っても中に芯があります。きっと、お湯の分量がおかしかったのだと、もう一度。それでも、また同じように手の来る感触が、いつものモチッとしたものではありません。やはり粉に問題があるのかな?と思い、一旦中止。病院へのお見舞いなどの用事を済ませ、上新粉を買いに出かけました。

 2度も立て続けて失敗していますから、ちょっと時間を置いて、次の日、5日の朝から作りはじめました。昨日と同じ分量ですが、蒸かし初めから、あのいい蒸し菓子の匂いがしはじめます。やれやれ、今度はうまくいきそうです。蒸し器の蓋をとったら、ツヤツヤの餅が覗いています。布巾に包んで、ヨッチヨッチと力を入れて捏ねます。随分熱いのですが、この時の感触はなんともいえません。餅つきで間の手を入れるときのあの感触です。捏ねている間、横では柏の葉っぱを湯がきます。これまたいい香りです。

 近くに住むお若いご夫婦に男の子が出来たのは3月のはじめ、ちょうど息子夫婦と同じ年頃、昨日は、初節句です。 まだ暖かな、柏餅を届けました。

  子孫繁栄の象徴のような柏の葉っぱ、主人が3年前に200枚も買って来てくれたものです。富澤商店の乾燥したものですが、昨日、裏書きをぼんやり眺めていたら中国産でした。道理で大小まちまちのサイズが入っています。この葉っぱでご飯を包んで蒸したり、お魚を包んで蒸したり、まだ50枚ほど残っています。

 柏餅を持って、ウロウロしていると、もちろん、目ざとい方が、ご一緒にとついていらっしゃいます。もちろん、モモさんも男のですからね、お祝いですよ。

 今日はこの柏餅を持って飛行場に向かいます。甘いものが大好きな父母の墓前に供えます。


ドックフード

2014年05月05日 | 香港

曇、21度、96%

 ほんの2週間ほど前のことです。香港の新聞に香港で売られているドックフードの80%には発がん性物質が含まれていると書かれていました。同じく、テレビのニュースでも流れています。翌朝の散歩の時には、ゴミ置き場にたくさんのドックフードが捨てられていました。次の日の朝もまた、ドックフードが捨てられていました。きっと、この現象は我が家周りだけに限ったことではなかったのでしょう。その日の昼のニュースでは、ドックフード全部が悪いわけではなく、ドックフードは犬には一番バランスがよい食べ物だという、獣医さんの話がニュースで流れました。

 我が家で過ごした犬たちは、モモさんも含めてほとんどドックフードを与えませんでした。急な用事で出かける時などの為に買い置きはしてあります。 ロイアルカナンのパグ用に切り替えたのは、モモさんが8歳を過ぎてから。それまでは、ヒルズのものでした。基本的には夕飯時にささみとそのスープに、ほんの20粒ほどのドライフードをあげています。一日、モモさんが食べるドライフードはせいぜいその20粒。朝は小さなサツマイモ一本にリンゴ4分の一、そして私と一緒にパンを食べます。

 そんな食生活ですから、ドックフードが悪いとかいいとかいうことは私には分かりません。そのうえ、ここは香港です、このドックフードにいたっても世界中からやって来ます。アメリカ、イギリス、フランス、日本、韓国、タイ、中国。日本の郊外型のスーパーのペット用品売り場のドックフードの種類の多さにも驚きますが、香港ではまず、どこの国で作られたもの確かめる為に裏書きを読むのに一苦労です。ロイアルカナンのこのドライフードも日本語表示がありません。フランスからの輸入品です。別の店では日本語表示のものも売られていて、そこは、日本から輸入したといっていました。お値段はほとんど変わりません。

 あまりドックフードを与えない我が家ですが、確かに衛生的にも栄養バランスもドックフードはいいと思います。ただ、折角一緒に生活している仲間です、同じものを一緒に食べたいと思います。おやつも私と一緒、つまみ食いも私と一緒です。

 私が家を空ける時にはささみの用意をするのは大変なので、目先を替えて、ウェットな缶詰を買っておきます。見出し写真は初めて見つけたパグの写真の缶詰です。これは子犬用ですが、成犬用はコリーの写真だったので、こちらを買いました。いつもはささみですので、牛肉とラムのものです。缶詰をモモさんに用意してくれるのは主人かお手伝いさん。蓋を開ける時から、大喜びだそうです。

 このパグの写真の缶詰、家に帰って裏書きを見ると、なんとマルタで作られたものです。マルタ、あの地中海に浮かぶ小さな島国です。マルタに牛はいるのかな?マルタに羊はいるのかな?昨日は、ひっくり返ってそんなことを考えていました。そして、マルタといえば、私には中学の頃はやった「マルタ島の砂」ハーフアルバートの曲を思い出させます。それにしても、香港には世界中からものが集まってきます。


トッドオールダムというデザイナー

2014年05月04日 | 日々のこと

小雨、21度、98%

 アメリカのファッションデザイナーでトッドオールダムという人がいました。いました、と書きましたが亡くなったわけではありません。90年代の終わりごろ、随分と人気のあったデザイナーでした。どういう服を作っていたかというと普通の服ですが、どこか些細な部分でオールダムのものかなと思わせます。詳しいいきさつは知りませんが、そんなオールダムさん、急に洋服作りを辞めてしまいました。もう随分と前の話です。そんなことを雑誌の「装苑」で読んでがっかりしたことを覚えています。

 なんで、急にトッドオールダムのことを思い出したのか、昨日着ていたTシャツ、あまりに古いので、主人が捨てなさいといいます。 確かに、生地の白いところはどんなに漂白しても黒ずんで来ています。好きだから捨てれないのよ、と私。

 私が持っているTシャツで唯一胸にプリントが入ったものです。 普通Tシャツですら、裾上げをしてもらいます。ウェストに入れるよりオーバーできることが多いからです。このTシャツを買った頃はミニマムな服が流行っていたとはいえ、試着したとき、びっくりするほどぴったりしていました。袖口、襟の開き加減、私の好みのTシャツです。しかも、香港そんなに冬になっても寒くないので、一年中半袖のTシャツをセーターの下に着ています。永いこと着ています。

 オールダムのマークは、見出し写真のオレンジ色の王冠です。これはスウェットのパンツのちょうど真後ろ、腰よりちょっと低いところに付いています。これも、Tシャツと同時に買いましたからもうクタクタです。ちょうど、ジャストウェストのスカートやズボンが腰骨で履くようなスタイルになってきはじめたときのものです。

 私がオールダムのもので買ったのは、この2つだけです。靴もバックも、奇抜ではないけどオールダムらしいラインがありました。この服を買った頃は私はまだ40代。あれもこれも欲しいと欲のかたまり、今考えると恥ずかしい思いがします。ただ、オールダムのものを少しずつ欲しいなと思っている矢先のオーダムの引退でした。どこが好きって、うまく言えませんが、遊び心のようなものを感じます。

 雑誌の「装苑」には、自分の服がとても高い値段で売られていることに、疑問を抱いての引退と書かれてあったように記憶します。確かに、ジャケットなどもいいお値段でしたが、このTシャツですら、高いなと思ったものです。

 トッドオールダム、今ではインダストリアルデザイナー、プロダクトデザイナーとしてアメリカで活躍しているそうです。どんなものを今は作り出しているのか、興味があります。

 捨てなさいといわれはしましたが、Tシャツもスウェットもまだまだ私と一緒です。


サバ子 香港春の魚

2014年05月03日 | 香港

曇、23度、78%

 先日、FBで日本の友人が、新潟の穫れたてのアジをアップしていました。群馬に住む彼女一家はお子さんが小さい時にはそのアジを釣りに行ったのだそうです。そのアジを見た途端、しまった、今年はサバ子を買い忘れていると気付いた私です。翌朝は魚屋へ直行します。やっぱり少し育ちすぎていましたが、まだまだ美味しいそうなサバ子です。

 香港は沖縄より南、日本の魚屋さんに並ぶ魚とは魚の種類が違います。それでも回遊魚たちは、巡り巡ってこの辺りまで南下して来てくれます。イワシ、サンマは捕れません。アジは時折見かけますが、ゼイゴがあるからアジと思うものの、ちょっとお腹の部分が中年の方のように膨らんだ形をしています。サバだけは同じ形です。サバ、カツオは同じ形ながら、やや小ぶり、喜んで買ったはいいものの、なんとパサパサの身です。きっと暖かな水で脂っ気が抜けてしまったのではないでしょうか。

 タチウオ、イシモチ、キス、タイ、サワラなどは日本と同じです。香港周りは海ですので、当然漁業はあります。エビを捕る独特な形の網を付けた船、養殖の網を張っているところもあります。西貢というところからはイカ釣りや沖の一本釣りの船も出ています。クロダイなどが釣れるようです。息子が香港にいた頃はこのイカ釣りや香港島の南でキスなどを釣っていました。香港のフェリー乗り場の近くでは、時間を持て余したおじさんたちがよく釣り糸を垂らしていました。そういえば、最近はそういう姿も見かけません。小さな背びれが鋭い魚を釣ります。どうするのかと聞くと、おかゆに入れるのだそうです。

 香港では、大きくなったサバはパサパサでおいしくありません。普通サバの料理をするときは、ノルウェー産の冷凍物を使います。もう随分前のこと、このサバ子が魚屋に出ていました。サバ子はおそらく息子が初めて釣りをした時に捕った魚です。千葉県の布良、房総半島の外海に面した海で釣りました。そのサバ子を食べて以来、私はサバ子の美味しさを知っていますが、サバ子なんて魚屋には並びません。香港の魚屋で見つけたときは大喜び。今回のサバ子は12センチほど、10センチほどのサバ子は、頭ごと唐揚げにして南蛮漬けにします。臭みがなくて実に美味しいサバ子です。常時あるわけではありません。4月から5月にかけての短い間だけです。私はこのサバ子を食べると、香港、もうすぐ暑くなるなと思います。私にとってはサバ子は春告げ魚です。このサバ子を待って、もう何回目の春でしょうか。


やさしい洗い方

2014年05月02日 | 日々のこと

曇、22度、88%

 掃除、洗濯、台所の後片付けが好き、なんていうとまるで主婦の鏡のようです。でも、このどれひとつをとっても、頭など使わずに出来ます。大事なのは汚れを見つける目と、力強い手。そのうえ、すぐに結果が出るところがまた好きです。手を動かす先からきれいな鍋の表面が出て来たり、硬く絞った雑巾の拭う後から窓ガラス越しには明るい空が見えます。気持ちのよさは、心に満足感を与えてくれます。

 元来性格がせっかちな上に、仕事をしていたこともあり、掃除や洗濯、洗いものは力任せにゴシゴシ。それが一番速く汚れを落とす方法だと心得ていました。主婦をはじめて37年ほど、休むことなくセッセと掃除に洗濯、後片付けをします。旅行先で、掃除洗濯後片付けが出来ない時はそれこそ、虚しい気持ちにまでなってしまいます。ところが、ここ3、4年、特に何末年始の大忙しの時に限るのですが、右の親指の付け根と人差し指の指先が痛むことがありました。10本の指の中でも一番働き者のお二人です。そういう時は、左手に発破をかけて代用します。2、3日もすると痛みは納まります。

 昨年の年末、指の付け根が痛み出した時から考えはじめました。というのも、同年代の友人が、指関節症で手術をしたことを賀状で知らせてくれたからです。彼女は私以上に働き者、よく工夫された生活を送っていました。手術をするということはかなり重症だったに違いありません。私は自分の手を見ながら、どうにか負担を軽くする洗い方はないものかと考えます。ふとした時、何かで読んだことを思い出しました。力一杯にゴシゴシするのではなく、力を抜いてその代わり、何度も何度も同じ箇所をこするといいと書いてありました。確か、それを読んだときの私は内心、フンと思っていたに違いありません。随分以前に読んだ記事です。

 指の為を思って、そのやさしく何度も何度も同じ箇所を洗うことをはじめたのは4月の1日からです。台所のスポンジは毎月1日に新しい物に替えます。その新しいスポンジが月末には穴が空きます。それほど力強く洗っていたわけです。何度もゆるりと同じ場所を磨くのは、しゃっきりとしません。もどかしいのですが、あれ、鍋の焦げ付きも襟汚れも力任せのときと同じようにきれいに落ちてくれます。ゆっくりした動きの分、汚れの落ち方も目で追うことが出来ます。時計で計ったわけではありませんが、時間がかかるかと思えば、そんなに差はないようです。

 4月の30日、新しいスポンジを出してきました。でも、4月ひと月使ったスポンジには、穴が空きませんでした。「やさしい洗い方」このやさしいは、自分の指にやさしいという意味です。まだ、根っから性格で慌ただしく洗いものや掃除をすることがありますが、ゆっくりした動きは、負担をかけないことを知りました。力まずとも穏やかな気持ちで掃除や洗濯をする、窓も、鍋もシャツだって以前と同じようにきれいです。

 こういう小さいことからですが、私の性格の矯正にでもなればと思います。