
晴れ、25度、91%
パリパリに焼かれたアヒルの皮を薄いクレープのような生地に、甘味噌、キュウリ、晒しネギを一緒にはさんで食べる北京ダックは中華料理でもご馳走、つまり家庭料理ではありません。お接待などで中華を食べる機会も多く、最近では、フカヒレのスープも生きたまま蒸し上げたエビももうたくさん、そんな私ですが、北京だけはまだまだ大好きです。
まだ、香港に来た初めの頃、パリパリの皮をテーブルに出された後のアヒルは厳かにトレーに乗って調理場に戻って行きます。アヒルの身は、誰が食べるのかしら?と思っていました。あるとき、お隣のテーブルで香港人が北京ダックを食べていました。彼らの皿には薄く切られたアヒルの皮にちゃんと身が付いています。皮を食べるのが正式なんて決まりはありません。以来、一緒にテーブルを囲む方に伺って、身の付いたアヒルの皮を出してもらいます。
香港人のスタッフたちとテーブルを囲んだ時のことです。さて、お開きという時に、お店の人が何やら大きな箱を2つ持ってきました。その晩は2羽北京ダックを頼んだのですが、皮と身を削ぎ取った後のアヒルのガラでした。香港では飲茶でおまんじゅうひとつ残っても、包んで持ち帰りできます。アヒルのガラの持ち帰りです。さて、ガラは当然いいだしが出るので、スープに使うと聞きました。ひとつもらって帰ったのですが、スープをとるとアヒルの臭いが家に充満します。しかも脂をとるのに一苦労。
先日のお店では、何やら主人に店の人が話しています。1,500円程かかるけどアヒルのガラを持って帰るか?と聞いているようです。お金をとられるのは初めてです。主人はお構いなく、頷いています。
ピカピカのアヒルをお見せしたかったのですが、持ち帰った北京ダックです。我が家の、外食はお客様との時が多いので、ブログのために写真なんて撮ることは出来ません。この日のアヒル、皮を削いでくれた人が下手だったのか、ご覧のように身がしっかりと付いています。これをペティナイフできれいに削ぎ取ると、鳥のもも肉、3枚程の身がとれました。アヒルの身は鳥にしてはやや赤みがかっています。パサパサではなくややねっとりした身です。
私のお昼に炒飯を作りました。 さっぱりと小ネギだけです。アヒルの味は、少しぼやけた味がします。そこで、メリハリを利かせるために、胡椒の代わりに、京都 原了郭の黒七味を使いました。
黒七味は、香り、辛みともにずば抜けています。汁物ならテーブルで一振りですが、炒めながらどっさり使います。寝ぼけた炒飯が一変においしくなるから不思議です。
炒飯がへたくそな私は、いつもおこげを作ります。ところが、この おこげがまた美味しいのです。炒飯を食べ終わるまで、中華鍋にそのままにしておくと、ペロッとはがれてくれます。身を外す時から私の手は脂だらけ、台所はアヒルの匂い。モモさん、朝寝も出来ず、ウロウロソワソワでした。モモさん、アヒルの身もお好きです。
北京ダックの正しい食べ方からは、ずっと離れていますが、私は身の付いた皮だけを食べます。薄餅、甘味噌もキュウリも晒しネギも要りません。身の付いた皮と赤ワインだけで満足です。
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