うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

一瞬の衝動を信じて・・・

2020年05月04日 | 真面目な日記

私は、愛がどんなもんかなんて、

語るほど言葉を知らないし

分かっちゃいない。

 

おはようございます。

連休一日目なのに、会社から連絡が来た。

また、トラックの荷台で子猫が産まれたそうで、

1匹だけ、昨日から車庫に残ってしまっているという内容だ。

親が迎えに来る気配がないと。

 

突然、身支度を始める私に、我が家の猫達は集まってきた。

あやの頭を撫ぜ、のん太の尻尾を手で滑らせ、

おたまに、「どうしよう?お前、大丈夫か?」と問いかけた。

寝ぼけたような、平和な顔のおたまだ。

実に平和な朝だ。

我が家は、やっと平和になった。

去年はよねが逝き、立て続けに子猫の保護をする中、

一番混乱していたのは、おたまだったろう。

私は、顔つきまで変わって行くおたまに気付きながらも、

放ったらかして、目の前の事を優先させた。

 

午前10時、

車庫へ行ってみれば、生後間もない子猫が新聞紙の上に置かれていた。

目も開いていない子猫だ。

すぐに保護をして哺乳をしなければ、命も危うい状態だろう。

とやかく考える暇などない。

それでも、私は手が出ない。

心に衝動が起こらない。

「いけ、私、いけってば」そう思っても、手が動かない。

小さな子猫に触れない。

私は、いったん子猫から離れて、家に帰った。

なぜか、のん太がやたら甘えて来る。

そこに割って入るように、おたまがすり寄ってきた。

「おたま、お前はどうだ?大丈夫か?」

当然だか、猫は何も教えてはくれない。

白いのを交互に撫ぜていたら、涙が出てきた。

そんな私を見上げる2匹の素っ頓狂な表情に、ハッとした。

 

午後12時過ぎ、

再び、会社の車庫へ行く。

「よし、生きてるな」

生存を確認して、私は携帯電話で電話を掛けた。

「はい、豊田市動物愛護センターです」

電話口の声は、男性職員だった。

私は、子猫の経緯を説明してから、言ってしまった。

「自分が保護をするべきです。まだ覚悟ができません。

出来ないくせに、お願いするつもりは無いんです。

でももう、分からなくなってしまって、すみません。

ただ可能性として、そちらでの保護をしていただくことは出来ますか?」

職員は、穏やかに丁寧に説明をしてくれた。

・まずは、もう少し母猫を待ってみましょう。

・自然淘汰という考え方も、否定するものではないと思います。

ただ、保護がきでなくても見過ごせないというお気持ちがあるなら、

どうぞ連れて来てください。

助けられるかは約束できませんが、こちらで育ててみます。

今はまず、そこから離れて、ひと気のない状態で母猫を待ってみましょう。

私は、それを聞いて、また一旦家へ帰った。

 

午後3時過ぎ、

職員の話を聞いて、続いていた動悸がすっかり収まっていた。

落ち着いた。

なぜか、凄く落ち着いたのだ。

腹が決まった。

「よし、ちっこいの来るかもしれんぞ」

誰に言うでもなく声を発し、

私はタオルと液体ミルクとスポイドを持って、

また、車庫へと出かけて行った。

「取り急ぎミルクを飲ませてやろう。」

しかし、子猫は居なくなっていた。

這って移動したかもしれないと、しばらく探したが、

どこにも姿は見えず、その代わりに成猫が距離を取って

こちらを伺っていた。

 

もう分からない。ここで終了だ。

子猫の行方は、まったく分からなくなった。

 

ここで、申し上げておきたい事があります。

野良猫の子猫を見つけた時、

可哀想だからといって、すぐに動物愛護センターへ

「保護してください」と安易には言わないでください。

きっと、どこのセンターも、ボランティア団体も、

常に保護した動物で精一杯の状態だと思います。

ただ相談をしてみる事で、様々なアドバイスが頂けると思います。

まずは、自分に何ができるかを模索してみてください。

 

こんな事を言っているが、

私にも分からなくなっている。

何を優先させるのか、そんなの分からないんだ。

今回、子猫は母猫が連れて行ったのかもしれない。

じゃあ、それを良かったと言えるのか?

我が家の平和が保てて、良かったのか?

私は保護して育てる事は出来たと思う。

家の構造上、それによって先住猫に精神的負担を掛ける。

それがネックで、保護しようと覚悟する時間が掛かってしまった。

そんな事で、命を何時間も見過ごした。

 

私は衝動を待っていた。

自分の中から突き上げてくる衝動を。

難しい事は抜きにして、

闇雲だろうが無責任だろうが知った事か。

そんな事はどうでもいい。

とにかく、命を助ける。

心全てを、一気に変えてしまう、そんな強い衝動を待っていた。

この衝動が起こらなければ、私は小さな命一つも拾えないんだ。

なんと、無力で弱い人間だろうか。

今回で分かった事は、それだけだ。

 

のん太達を育ててた時も、あった。

もういいじゃん?

この子達が死んだって、私のせいでもないじゃん?

眠れない休めないが10日続いた頃、そんな事を思った。

 

そしたら

のん太があくびするのを見て、

衝動が突き上げた。

 

眠気が吹っ飛んで、自分の細胞全てが活性したくらいの衝動だった。

「カワイイ!!」って、最強だね。

一瞬の衝動が、自分の全てを変える。

私は、それが愛なのではないかと、そう信じている。