今回はほぼ終わりになった交配と始まったばかりの摘果です。
以前にも書きましたが、交配は1か所を最低5回は順番に回って人工受粉作業をします。
晩生種はすでに「仕上げ」終わって、この日は中生種(なかて)の仕上げでした。
仕上げとは「これが最後」という意味です。
バラ科の果樹は、桜と同じように新芽からいくつも花芽があって、葉も同じ芽から生えてきます。
仕上げの時には、花芽は複数あっても花弁が散っているモノも多いので、花弁があって雄しべの先に赤みがあるモノだけが交配対象です。
だからかなり早く作業が進んでいきます。
さてこの日は、摘果(てっか)の作業です。
先日までは摘花で、花を摘む作業でした。この作業は同じ発音なので通称「花摘み」と呼びます。
摘果は結実した実の選抜作業で、通称「実選り(みすぐり)」。私の実家では「みぃすぐり」と発音します(方言なのかもしれません)。
すでに結実し始めた晩生種から作業するのかと思ったら、中生種から作業開始となりました。
経営者の兄に言わせると、晩生種は成長の速度が揃いすぎていて、今の時期の選抜は難しいそうです。
中生種の中でも成長が早い品種の方が、もう見極めがしやすいだろうという判断でした。
作業自体は簡単で、花芽や葉が1か所から固まって生えているので、その中で一番大きな果実を残して花芽を切り、葉は切らないだけのこと。
ところが目が慣れないと一番大きな実を見極められないンです。
1か所に花芽は6~10本くらいありますから、慣れないうちは、2~3つの果実を見比べて一番大きな実を残すのを3回くらい繰り返し、残った3つくらいからさらに一番大きな実を残します。
私は1時間半くらいこの作業をしましたが、慣れ始めた頃に作業時間終了でした。
さてこの日以降、暫くの間、私はお手伝いに呼ばれていません。
理由は摘果をするには、まだ果実が小さいので見極めが難しいこともあるし、今のシーズンは防除(農薬散布)の季節。
以前も書きましたが、まずは防除最優先の時期なので、お天道様と睨めっこです。
それと雑草生のことも書きましたが、温かくなれば雑草も伸びますので、SS(スピードスプレヤー、農薬散布機)と草刈り機(カートタイプ)が果樹園を縦横無尽に走り回ることになります。
この辺りの作業は兄と父が中心に行うので、私の出番なしです。
次回も楽しくお手伝いしたいです。
☆おまけ☆
これはらっきょうです。まだ育成中。
所々にポコポコした塊がありますが、たぶん土埋め里芋の掘り残しかと思います。
秋に収穫した里芋は、畑の端に穴を掘って冬の間保管します。
当地では当たり前の保管方法ですが、地域によっては雪中保管とかになるのかな?
らっきょうはあと3か月くらいで収穫して、らっきょう漬け(甘酢漬け)にします。
収穫がもう終わりに近づいたのらぼう菜。
花が咲いても、葉や茎があまり固くならないので収穫は大型連休くらいまでできる…と言われていましたが、近年は4月半ばくらいまでの収穫だそうです。
ピンぼけですが、絹さや。
たいてい白花や赤紫色の花です。
子どもの頃「赤いスイートピー」というタイトルの曲を聞くまで、スイートピーがマメ科の花とは思っていなかったし、赤色のマメ科の花を見たことないなぁ、と思っていました。
その後、赤花のスイートピーが開発、商品化されたそうで、曲のタイトルから花が開発された珍しい現象だと知りました。
でも私は華やかなスイートピーよりも、地味だけれど可憐な絹さやの花の方が好きなんです。
花壇のビオラも終盤に向かいつつあります。
いつも農家仲間の農園で、地掘り物(じぼりもの)の苗を購入しているそうです。
地掘り物はご当地の特産で、ポット苗ではなく、畑で畝立て栽培した苗を収穫して出荷する栽培方法です。
現代の流通方法ではポット苗の方が便利なので、次第に消えていく栽培技術の1つと言えます。