まっかちゃんのブログ

シニアが社会を変えよう! 生涯学習、生涯現役、生涯元気
https://makkachan.saloon.jp/

大阪の知的風土-「懐徳堂」-

2012-05-11 00:53:13 | 文化・文学・アート
8日立命館大阪キャンパスで、立命館大阪プロムナードセミナー「哲学・思想の宇宙をめぐる-大阪・京都の系譜-」第1回「大阪の知的風土-懐徳堂-」を受講しました。講師は、大阪大学大学院文学研究科 教授の湯浅邦弘さんです。内容は以下の通りです。

1、懐徳堂(かいとくどう)の歴史
1)江戸時代の懐徳堂
 1724(享保9)大坂の有力町人「五同志」、懐徳堂を創立。初代学主に三宅石庵就任。町人と武士が一緒に学ぶ。
 1726(享保11)懐徳堂に官許の認可がおりる。半官半民。
 1788年(天明8)老中首座の松平定信が来坂、中井竹山(四代目学主)がその諮問に答える。
 1838(天保9)懐徳堂から300mほど離れた場所に、緒方洪庵が適塾を開学。
 1869(明治2)財政逼迫し、学舎を閉鎖。
2)再建された懐徳堂(重建懐徳堂)
 1910(明治43)懐徳堂記念会設立。
 1916(大正5)重建懐徳堂竣工。
 1926(大正15)懐徳堂創学二百年、重建懐徳堂十周年記念として、懐徳堂書庫ならびに研究室竣工。
 1945(昭和20)大阪大空襲により、書庫部分を除き重建懐徳堂焼失。
3)今に生きる懐徳堂
 1949(昭和24)懐徳堂記念会、懐徳堂蔵書を大阪大学に寄贈。「懐徳堂文庫」と命名。
 2001(平成13)大阪大学創立七十周年記念事業の一環として、マルチメディア技術による懐徳堂の顕彰が行われる。
 2004(平成16)懐徳堂研究の総合サイト「WEB懐徳堂 http://kaitokudo.jp 」公開。
 2010(平成22)懐徳堂記念会創立百周年。

2、懐徳堂記念会創立百周年記念映像「知徳の遺産、世紀を超えて」のDVDを映写。

3、懐徳堂の精神
 ①懐徳堂幅 初代学主三宅石庵の手になる書幅。論語の「君子懐徳(君子は徳を(おも)う」が有力。
 ②「論孟首章講義」初代学主三宅石庵の議事録。「仁義をする者は、利はせねども、自ら利がついてまはるなり」と説く。
 ③入徳門聯 中井竹山が記した竹製の(れん)。「力學以修己」「立言以治人」-學に(つと)めて以て己を修む。言を立てて以て人を治む。
 ④「宝暦八年定書」全三条 懐徳堂の書生間の交わりについて、貴賤貧富を問わず同輩であるとする。
 ⑤天図 中井履軒が作成した木製回転式の天体図。
 ⑥「越俎弄筆(えっそろうひつ)」中井履軒の人体解剖図説。前野良沢・杉田玄白らによる「解体新書」完成の前年に成書。  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする