◎2012年7月28日(土)
三段ノ滝駐車場(9:00)……三段ノ滝(9:20)……二子岩分岐(9:40)……碧岩分岐(10:35)……碧岩(10:55~11:15)……碧岩分岐(11:30)……大岩(11:55~12:10)……大岩分岐鞍部(12:20~12:30)……三段ノ滝下(13:35)……河原で昼食(13:40~14:15)……駐車場(14:25)
この炎天下続きに西上州の山歩きというのは酔狂というものだが、選択の余地がこれしかなかった。家庭事情で、土日はしばらく犬の世話をしないといけなくなった。散歩に連れ出す関係で、出だしはどうしても遅くなる。つまり、早朝や前夜に家を出るのは不可能で、遅い帰りもダメ。そこで、手軽に、涼しげな沢筋の歩きと滝見物をできるところはないかと、自宅から比較的に近い西上州の山を探したら、三段ノ滝というのが目についた。ここに行ってみようか。その先に、碧岩(ミドリ岩)というのもある。西上州は、秩父と同じくらいに暑いだろう。この時期、ハイカーが入る山域ではない。西上州はやはり秋から初冬だろうか。早速、ハイトス氏レポをあさったが、ここは群馬百名山にも入っていないためか、まだ行かれていないご様子。昭文社マップ片手に行ってみようか。昭文社マップでは、三段ノ滝から先は破線路になっていて、そのガイドには、バリエーションコースとして掲載されている。ちなみに、南牧村役場に電話を入れ、観光マップを取り寄せたが、この時点ではまだ届いていなかった。
(駐車場の標識)
(木橋が続く)
(滝の下の鉄ハシゴ)
(三段ノ滝)
駐車場には他に2台の車があった。地元と東京ナンバー。地元ナンバーは、この空き地に置いたといった感じで、ハイカーではないだろう。すでに暑い。かんかん照り。30℃になっている。今日は、何となく、地下足袋にした。深い意味はない。地下足袋が涼しげだったからだけのこと。以前、地下足袋で痛い思い(まさに、足指股の痛み)をしたが、バンドエイドを挟んだから、今日は大丈夫だろう。軽快な歩きを期待している。居合沢に沿って歩き出す。予期したように、沢を伝わって降りてくる風が心地よい。辺りは陽がささずに薄暗い。駐車場には、三段ノ滝まで「1,050m 30分」とあった。沢の音以外、何も聞こえない。木橋を何度か渡って、右岸、左岸へと移る。沢の中には苔むした石。傾斜は緩やか。汗もかかず、この風情はなかなかいい。鉄の階段を登り、間もなく三段ノ滝に到着。カメラマン氏が三脚を据えて滝を撮っていた。東京ナンバーはこの方だろう。この滝、落差50m。カメラマン氏とちょっと話をしたが、前にも訪れたことがあるようで、「逆光がいいんですよ」とおっしゃっていた。逆光になるのは正午頃だろうか。もうその頃はすごい暑さになっているだろう。滝を見て、先に進む。
(滝の上も、しぱらくは沢歩きが続く)
(二子岩分岐)
ここからは、滝の左岸斜面を登る。岩場があって、滑りやすいのか、ロープがしつらえてあった。滝の二段、一段に下る踏み跡がある。下りてもいいが、後の楽しみにしておこう。滝の上部に到着。滝の脇の道は傾斜も急になっていて、汗をかいた。風は、もう途切れ途切れになってしまった。快適な歩きも、やはり滝までか。上部に至っても、相変わらず沢歩きが続く。沢は分岐し、左は小滝になっている。そのまま本流を進むと、平らなところに出た。標識があり、左は「碧岩 大岩」、直進は「二子岩」となっていた。二子岩というのは知らないが、地形図の破線をそのまま沢沿いに行けば至るのだろうか。戻ってから、余裕があれば行ってみようか。
(ヤブっぽいが、道はしっかりとしている。ただ、急斜面だ)
(あれが碧岩だろう)
碧岩へのルートは、さっき、小滝になっていた沢の上流に沿って向かう。一旦、涸れ沢になったが、まだ水が出て来た。このまま沢伝いかなと思ったが、高巻いて、尾根に出るようになっている。この尾根への道、なかなか急で、時間もかかった。下り時に、よく、登ったものだと感心してしまった。風は完全になくなり、日陰ながらも、ものすごい発汗だ。すでに1リットルの水を費やし、塩飴を口に含んで歩いている。手拭いにも泥が付き、汗びたしで、もう使えない状態。こんな、人が歩かないようなところで熱中症になっていたのでは、たまったものではない。左手前方に碧岩らしき岩峰が見えた。炎天下の世界のようだ。あのピーク、登れんのかね?ようやく尾根に出た。大休止。
(碧岩分岐)
(中盤のお助けロープ)
(大岩が見えた)
程なく、碧岩分岐に到着。ここに至って、少々、後悔がはじまっていた。尾根に出るや、足の指股が痛くなりつつある。やはり、地下足袋も、上りはいいが、平地やら下りには不向き。この痛みと陽気では、三段ノ滝を見て、早々に引き上げるべきだったかな。ここまで来たら、仕方がない。碧岩に向かう。場合によっては、大岩はパスとしよう。分岐からは下り気味。早速、大岩。ここは巻く。次の痩せ岩も巻く。この先、巻きはない。少し行くと、右手に大岩が見えた。なんだ、あれが大岩か、だったら行けるなと、その時点での感想だ。岩場を登って、碧岩の取り付きに到着。上は見えないから、どの程度の岩山なのか見当がつかない。すぐ下にロープが垂れていた。最初から、直登コースで登ってしまったようだ。目の前に次のロープが垂れていた。ほぼ垂直といった感じ。どのロープを使えばいいか迷うところだが、1本ものを使い、2本ものは避けた。ネット記事で拝見する限り、皆さん、スマートに腕力も使わずに登っているが、自分の場合、なぜか、腕力を使ってのよじ登りになってしまった。ここを済ますと、さらに上にもロープがあったが、こちらは楽勝。
(碧岩山頂)
(山頂からの眺め。左下に熊倉の集落だろうか)
(あれは二子岩だな)
山頂は暑かった。狭い山頂だから、余計に暑苦しい。西から東にかけてきれいに開けていた。西上州特有の、奇妙な格好をした山や岩が続いている。個々の山の名前はさっぱり分からない。取りあえず、後で調べることにして、写真にグルリと収めた。間近に荒船山も見えているはずだが、これもまたよく分からん始末。晴れているわりにはガスが濃いのか、浅間山は見えない。熊倉の集落が見えている。この碧岩、下部の取り付きから50m程のものであったが、岩峰の上、下りが気になって、あまり落ち着けるところではない。
(大岩はさらに先だった)
(大岩山頂)
(あれが、さっき登った碧岩か…)
下って、大岩に向かう。分岐までの登りがきつく感じた。身体はもうベタベタ状態になっている。不快の固まり。あれだけ汗をかいて、まだ、垂れ流しが続いている。帽子の庇から汗が落ち、地図を濡らしてくれる。大岩の下部に着く。碧岩から眺めた大岩、そのまま楽勝気分モードが続いている。岩場をちょっと登ると、すぐにピークが見えた。なんだ、こんなものかと思いきや、ピークに立つと、それはただの小ピークでしかなく、本峰は、さらに上にあった。がっくりしながら、先ほどの碧岩を眺める。初めて碧岩の全容を見た。恐ろしくなった。さて、この大岩、お助けロープはなかった。四つん這いになって、危なっかしく登ったというよりもフリークライミングでよじ登った。見た目とは全然違っていた。楽勝ではなかった。下は切れていた。緊張しながら、何とか山頂に着いた。自分が登って来たところとは違ったところに赤テープがあった。どうも、よく分析もせずに、岩場を直登してしまった気配がある。
(大岩直下の岩場。左に巻きがあったのに気づかず、ずっと右寄りを直登してしまっていた)
大岩の高さは30mくらいだろうか。碧岩よりも標高差こそないが、危うい登りをした分、しんどかった。息をぜいぜいさせていたら、正午の時報が聞こえてきた。来た方向とは反対側に踏み跡が続いている。どこに行くのか、しばらく辿ってみると、下が見えないところに出た。そそくさと引き返す。昼食タイムではあるが、こんなところで食事をしていても落ち着かない。下る。下りは赤テープを辿る。ところが、途中で見落とし、岩場のトラバースになった。少し進んでみたが、命にかかわりそうな具合。何かの間違いじゃないかと、また山頂に戻り、冷静になってテープを追った。そこには、安全な道が続いていた。
(砥沢ルートもあるようだ)
碧岩、大岩ともに、登った満足感なるものがない。ヒヤヒヤものだった。こういう岩峰はゴメンだ。ネット記事で見る限り、皆さん、苦もなく歩かれているが、自分にはただの苦痛でしかなかった。落ち着いたところで帰途につく。ここでまた足の指股が痛くなる。少し休む。チャリンチャリンが聞こえた。オニイサンがやって来た。この時期の歩き、彼氏も物好きな部類だろう。話をすると、大岩先行とのこと。悲鳴が聞こえる前にとっとと下ることにしよう。聞こえてからでは遅い。モラルに反する。
(今や、痛みの下りルートになってしまった)
(三段ノ滝上部)
(二段目はウォータースライダーといった感じ)
ぼんやりと歩いていたら、途中、一か所ルートミス。大分先まで別尾根を下っていた。地形図を見ると、このままの下りでは、碧岩の岩壁下に着いてしまいそうだ。戻る。二子岩分岐に到着。この暑さと指股の痛みで、偵察に行く気にすらなれない。三段ノ滝の上部までは、気分的にえらく長かった。ここの上りはさくさくと快適に登ったはずなのに、下りはもううんざりだ。比較にはならないが、皇海山のモミジ尾根を思い出してしまった。せっかくだからと、滝の間近に行って見学。二段目はナメ状になっていて、ここを滑ったら気持ちがいいだろう。ハイトス氏とみー猫さんの世界かもね。
(しつこく。これがもしかして逆光滝だったりして。素人の手になると、こんなみすぼらしいものになっちまう)
(川遊び)
滝にはまたカメラマン氏がいた。逆光をまだ待っているのかなと思ったが、別口のカメラマン氏。滝を見ながら、昼食でもと思っていたが、これでは、お互い落ち着かないだろう。ちょっと下ったところで、河原に下り、ラーメンを作って遅い昼食とした。暑いし、バテたせいか食欲はない。無理に押し込んだような食事だった。カメラマン氏が帰って行った。足を引きずりながら下る。今度は、足底まで痛くなってきた。朝の風はもう完全に消えていた。駐車場の近くに到着。川で、子供たちがゴーグルをかけ、魚でもいるのか、ヤスで突いている。昔懐かしい光景。汗をだらだらと流しながら、見入ってしまった。駐車場に着くと、うら若きご婦人がぶらぶらしている。世間話をした。滝の先はヤブだったでしょうと言われたが、そういう所だったのだろうか。あの子供たちの保護者だったのか、「こう暑いと、川で泳ぎたくなるわね」と言いながら、浮き輪を持って、河原に下りて行った。ご本人が泳ぐのなら、「じゃ私も」と付いて行くのだが、そんな気配はなかった。
(駐車場。トイレだけが目立つ)
だれもいなくなった駐車場。待ってましたとばかりに、汗を拭い、全身の着替えをした。それでもすっきりせず、トイレの脇にある水道で、頭をジャブジャブと洗った。少しはすっきりした。しかし、こういう猛暑での歩きも考えものだねぇ。この異様な暑さ、いつまで続くのだろうか。
三段ノ滝駐車場(9:00)……三段ノ滝(9:20)……二子岩分岐(9:40)……碧岩分岐(10:35)……碧岩(10:55~11:15)……碧岩分岐(11:30)……大岩(11:55~12:10)……大岩分岐鞍部(12:20~12:30)……三段ノ滝下(13:35)……河原で昼食(13:40~14:15)……駐車場(14:25)
この炎天下続きに西上州の山歩きというのは酔狂というものだが、選択の余地がこれしかなかった。家庭事情で、土日はしばらく犬の世話をしないといけなくなった。散歩に連れ出す関係で、出だしはどうしても遅くなる。つまり、早朝や前夜に家を出るのは不可能で、遅い帰りもダメ。そこで、手軽に、涼しげな沢筋の歩きと滝見物をできるところはないかと、自宅から比較的に近い西上州の山を探したら、三段ノ滝というのが目についた。ここに行ってみようか。その先に、碧岩(ミドリ岩)というのもある。西上州は、秩父と同じくらいに暑いだろう。この時期、ハイカーが入る山域ではない。西上州はやはり秋から初冬だろうか。早速、ハイトス氏レポをあさったが、ここは群馬百名山にも入っていないためか、まだ行かれていないご様子。昭文社マップ片手に行ってみようか。昭文社マップでは、三段ノ滝から先は破線路になっていて、そのガイドには、バリエーションコースとして掲載されている。ちなみに、南牧村役場に電話を入れ、観光マップを取り寄せたが、この時点ではまだ届いていなかった。
(駐車場の標識)
(木橋が続く)
(滝の下の鉄ハシゴ)
(三段ノ滝)
駐車場には他に2台の車があった。地元と東京ナンバー。地元ナンバーは、この空き地に置いたといった感じで、ハイカーではないだろう。すでに暑い。かんかん照り。30℃になっている。今日は、何となく、地下足袋にした。深い意味はない。地下足袋が涼しげだったからだけのこと。以前、地下足袋で痛い思い(まさに、足指股の痛み)をしたが、バンドエイドを挟んだから、今日は大丈夫だろう。軽快な歩きを期待している。居合沢に沿って歩き出す。予期したように、沢を伝わって降りてくる風が心地よい。辺りは陽がささずに薄暗い。駐車場には、三段ノ滝まで「1,050m 30分」とあった。沢の音以外、何も聞こえない。木橋を何度か渡って、右岸、左岸へと移る。沢の中には苔むした石。傾斜は緩やか。汗もかかず、この風情はなかなかいい。鉄の階段を登り、間もなく三段ノ滝に到着。カメラマン氏が三脚を据えて滝を撮っていた。東京ナンバーはこの方だろう。この滝、落差50m。カメラマン氏とちょっと話をしたが、前にも訪れたことがあるようで、「逆光がいいんですよ」とおっしゃっていた。逆光になるのは正午頃だろうか。もうその頃はすごい暑さになっているだろう。滝を見て、先に進む。
(滝の上も、しぱらくは沢歩きが続く)
(二子岩分岐)
ここからは、滝の左岸斜面を登る。岩場があって、滑りやすいのか、ロープがしつらえてあった。滝の二段、一段に下る踏み跡がある。下りてもいいが、後の楽しみにしておこう。滝の上部に到着。滝の脇の道は傾斜も急になっていて、汗をかいた。風は、もう途切れ途切れになってしまった。快適な歩きも、やはり滝までか。上部に至っても、相変わらず沢歩きが続く。沢は分岐し、左は小滝になっている。そのまま本流を進むと、平らなところに出た。標識があり、左は「碧岩 大岩」、直進は「二子岩」となっていた。二子岩というのは知らないが、地形図の破線をそのまま沢沿いに行けば至るのだろうか。戻ってから、余裕があれば行ってみようか。
(ヤブっぽいが、道はしっかりとしている。ただ、急斜面だ)
(あれが碧岩だろう)
碧岩へのルートは、さっき、小滝になっていた沢の上流に沿って向かう。一旦、涸れ沢になったが、まだ水が出て来た。このまま沢伝いかなと思ったが、高巻いて、尾根に出るようになっている。この尾根への道、なかなか急で、時間もかかった。下り時に、よく、登ったものだと感心してしまった。風は完全になくなり、日陰ながらも、ものすごい発汗だ。すでに1リットルの水を費やし、塩飴を口に含んで歩いている。手拭いにも泥が付き、汗びたしで、もう使えない状態。こんな、人が歩かないようなところで熱中症になっていたのでは、たまったものではない。左手前方に碧岩らしき岩峰が見えた。炎天下の世界のようだ。あのピーク、登れんのかね?ようやく尾根に出た。大休止。
(碧岩分岐)
(中盤のお助けロープ)
(大岩が見えた)
程なく、碧岩分岐に到着。ここに至って、少々、後悔がはじまっていた。尾根に出るや、足の指股が痛くなりつつある。やはり、地下足袋も、上りはいいが、平地やら下りには不向き。この痛みと陽気では、三段ノ滝を見て、早々に引き上げるべきだったかな。ここまで来たら、仕方がない。碧岩に向かう。場合によっては、大岩はパスとしよう。分岐からは下り気味。早速、大岩。ここは巻く。次の痩せ岩も巻く。この先、巻きはない。少し行くと、右手に大岩が見えた。なんだ、あれが大岩か、だったら行けるなと、その時点での感想だ。岩場を登って、碧岩の取り付きに到着。上は見えないから、どの程度の岩山なのか見当がつかない。すぐ下にロープが垂れていた。最初から、直登コースで登ってしまったようだ。目の前に次のロープが垂れていた。ほぼ垂直といった感じ。どのロープを使えばいいか迷うところだが、1本ものを使い、2本ものは避けた。ネット記事で拝見する限り、皆さん、スマートに腕力も使わずに登っているが、自分の場合、なぜか、腕力を使ってのよじ登りになってしまった。ここを済ますと、さらに上にもロープがあったが、こちらは楽勝。
(碧岩山頂)
(山頂からの眺め。左下に熊倉の集落だろうか)
(あれは二子岩だな)
山頂は暑かった。狭い山頂だから、余計に暑苦しい。西から東にかけてきれいに開けていた。西上州特有の、奇妙な格好をした山や岩が続いている。個々の山の名前はさっぱり分からない。取りあえず、後で調べることにして、写真にグルリと収めた。間近に荒船山も見えているはずだが、これもまたよく分からん始末。晴れているわりにはガスが濃いのか、浅間山は見えない。熊倉の集落が見えている。この碧岩、下部の取り付きから50m程のものであったが、岩峰の上、下りが気になって、あまり落ち着けるところではない。
(大岩はさらに先だった)
(大岩山頂)
(あれが、さっき登った碧岩か…)
下って、大岩に向かう。分岐までの登りがきつく感じた。身体はもうベタベタ状態になっている。不快の固まり。あれだけ汗をかいて、まだ、垂れ流しが続いている。帽子の庇から汗が落ち、地図を濡らしてくれる。大岩の下部に着く。碧岩から眺めた大岩、そのまま楽勝気分モードが続いている。岩場をちょっと登ると、すぐにピークが見えた。なんだ、こんなものかと思いきや、ピークに立つと、それはただの小ピークでしかなく、本峰は、さらに上にあった。がっくりしながら、先ほどの碧岩を眺める。初めて碧岩の全容を見た。恐ろしくなった。さて、この大岩、お助けロープはなかった。四つん這いになって、危なっかしく登ったというよりもフリークライミングでよじ登った。見た目とは全然違っていた。楽勝ではなかった。下は切れていた。緊張しながら、何とか山頂に着いた。自分が登って来たところとは違ったところに赤テープがあった。どうも、よく分析もせずに、岩場を直登してしまった気配がある。
(大岩直下の岩場。左に巻きがあったのに気づかず、ずっと右寄りを直登してしまっていた)
大岩の高さは30mくらいだろうか。碧岩よりも標高差こそないが、危うい登りをした分、しんどかった。息をぜいぜいさせていたら、正午の時報が聞こえてきた。来た方向とは反対側に踏み跡が続いている。どこに行くのか、しばらく辿ってみると、下が見えないところに出た。そそくさと引き返す。昼食タイムではあるが、こんなところで食事をしていても落ち着かない。下る。下りは赤テープを辿る。ところが、途中で見落とし、岩場のトラバースになった。少し進んでみたが、命にかかわりそうな具合。何かの間違いじゃないかと、また山頂に戻り、冷静になってテープを追った。そこには、安全な道が続いていた。
(砥沢ルートもあるようだ)
碧岩、大岩ともに、登った満足感なるものがない。ヒヤヒヤものだった。こういう岩峰はゴメンだ。ネット記事で見る限り、皆さん、苦もなく歩かれているが、自分にはただの苦痛でしかなかった。落ち着いたところで帰途につく。ここでまた足の指股が痛くなる。少し休む。チャリンチャリンが聞こえた。オニイサンがやって来た。この時期の歩き、彼氏も物好きな部類だろう。話をすると、大岩先行とのこと。悲鳴が聞こえる前にとっとと下ることにしよう。聞こえてからでは遅い。モラルに反する。
(今や、痛みの下りルートになってしまった)
(三段ノ滝上部)
(二段目はウォータースライダーといった感じ)
ぼんやりと歩いていたら、途中、一か所ルートミス。大分先まで別尾根を下っていた。地形図を見ると、このままの下りでは、碧岩の岩壁下に着いてしまいそうだ。戻る。二子岩分岐に到着。この暑さと指股の痛みで、偵察に行く気にすらなれない。三段ノ滝の上部までは、気分的にえらく長かった。ここの上りはさくさくと快適に登ったはずなのに、下りはもううんざりだ。比較にはならないが、皇海山のモミジ尾根を思い出してしまった。せっかくだからと、滝の間近に行って見学。二段目はナメ状になっていて、ここを滑ったら気持ちがいいだろう。ハイトス氏とみー猫さんの世界かもね。
(しつこく。これがもしかして逆光滝だったりして。素人の手になると、こんなみすぼらしいものになっちまう)
(川遊び)
滝にはまたカメラマン氏がいた。逆光をまだ待っているのかなと思ったが、別口のカメラマン氏。滝を見ながら、昼食でもと思っていたが、これでは、お互い落ち着かないだろう。ちょっと下ったところで、河原に下り、ラーメンを作って遅い昼食とした。暑いし、バテたせいか食欲はない。無理に押し込んだような食事だった。カメラマン氏が帰って行った。足を引きずりながら下る。今度は、足底まで痛くなってきた。朝の風はもう完全に消えていた。駐車場の近くに到着。川で、子供たちがゴーグルをかけ、魚でもいるのか、ヤスで突いている。昔懐かしい光景。汗をだらだらと流しながら、見入ってしまった。駐車場に着くと、うら若きご婦人がぶらぶらしている。世間話をした。滝の先はヤブだったでしょうと言われたが、そういう所だったのだろうか。あの子供たちの保護者だったのか、「こう暑いと、川で泳ぎたくなるわね」と言いながら、浮き輪を持って、河原に下りて行った。ご本人が泳ぐのなら、「じゃ私も」と付いて行くのだが、そんな気配はなかった。
(駐車場。トイレだけが目立つ)
だれもいなくなった駐車場。待ってましたとばかりに、汗を拭い、全身の着替えをした。それでもすっきりせず、トイレの脇にある水道で、頭をジャブジャブと洗った。少しはすっきりした。しかし、こういう猛暑での歩きも考えものだねぇ。この異様な暑さ、いつまで続くのだろうか。
お疲れ様でした。冒頭の写真で、これは暑いと思いましたが、冷や汗やら滝やらで、一体どっちに落ち着くのかと結末を楽しませていただきました。快適な場所を求めて遠出いたしましたが、やはり暑かったです。それにしても、中盤のお助けロープって懸垂するためのものかとびっくりしましたです。次回はワンコと山登りなんて・・・期待したくなりました。
お助けロープは別に懸垂するためのものではないのですよ。あくまでも補助。私の場合、強引になっただけのことでして。
ワンコ登山はあり得ませんね。2匹ともに、暑い中、腹をひっくり返してウダウダしている始末です。以前、桐生の観音山に連れて行ったことがありますが、往時のはつらつさも消えています。
三段ノ滝までならともかく、その先をこの時期に歩くのは、変わり者、偏屈者と言ってもおかしくはありませんね。
この岩ですが、「みどり岩」と言います。2度、3度行くような岩峰ではないでしょう。いい経験をしたといった程度の認識でいます。
ななころびさんも、西上州の山については、十分に研究されてからいらしてください。さらに、旬の時期も間違えないように。
やっぱり西上州はどこも恐ろしげです。怖くて行けません。ですから、こう行った記事で写真などを眺めて、スゲ~なぁ、なんて感心しております。
所で、ご家庭の事情との事。仕方ないのでしょうが、早いとこ足尾などのシブシブ系に復帰して頂きたいものです。
足尾ネタはたそがれさんに頼りきっておりますので。
碧岩、大岩は我隊も何度か候補に考えたのですが、やはり相方にはちょと荷が勝ちすぎていると言うことでずっと保留のままですわ。
そうですか、たそがれさんは西上州を避けていたわけでは無かったのですねぇ。
自分の知る限り大岩を直登する事例は少ないのでたそがれさんならではです。
ま、唐沢尾根の大岩も直登された方ですからほどよい緊張感があって楽しめたのではないですか。
三段の滝は涼しげでよいですね。
どうも、西上州の山は不評のようですね。私自身も、積極的にはなれない山域で、こういった情況の時に目を向ける程度なのですよ。
足尾ですか。ぶなじろうさんにそういった目で見られていると責任を感じますよ。先日の3連休にちょっとばかり歩いたのですが、すぐに雨に遭い撤退の始末でした。仕方なく、足尾トンネルの脇から二子山を目指したら、今度は、雨で滑りまくりで、ここも撤退でした。まったく成果がなくてご迷惑をおかけいたします。
5年ばかり前のことですが、8月に国境平まで歩いた時は、その先には行けませんでした。あそこも暑いんですよね。ピークが過ぎるまで、今しばらくお待ちくださいな。
必ずや、参考にしていただける記事になるような歩きをいたしますので。
今回のコース、西上州の山に精通されているハイトス隊にはぜひお薦めいたします。谷あり、岩場ありのバリエーションなコースです。ハイトス隊なら、二子岩まで行けるのではないでしょうか。ただ、この時期は避けましょう。
ネットで調べると、この辺はアカヤシオがきれいなようですね。その時期がお薦めかと。
大岩の直登はたかが知れています。私は間違って登っただけのことでして、赤を素直に追えば、危機感を抱くことはありません。碧岩も、ロープが三段に垂れています。問題は二段目ですが、ロープが使わなくとも登れなくはないといった程度のものですよ。
ノラさんも、ことに北関東の山はくまなくお歩きのようですね。感心いたします。
碧岩の、あのお助けロープも、近年になってから設置されたようですね。その前までは、みなさん、フリーで登られたようで。
ロープがなければないで、危ういながらも、慎重に登れば無理なことはないでしょう。ただ、ロープがあるばかりに、気安く頼ってしまうものです。それではいかん!と言うのもおかしなものでしょう。私の場合、ロープがなかったら、下りはかなりやばかったでしょうね。
紅葉の時期も見応えありですか。つい、アカヤシオの岩峰とばかりに思っていましたが。確かに、ツツジがきれいなら、紅葉もきれいでしょうね。
ということで、ハイトスさんがコメントをご覧になっていましたら、紅葉の時期に行ってみてください。さぞ、きれいでしょう。碧岩、大岩もさることながら、三段ノ滝の景色もお忘れなく。ということで。